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青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

湯浅政明『夜明け告げるルーのうた』

これは好きだ。ボーイミーツガール、そしてグッバイ。 ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり 誰もみな手をふってはしばし別れる 小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」 今作では何度も「じゃあ、またね」というお別れが描かれる。大きなお別れに備えるよ…

最近のこと(2017/05/12~)

youtu.be 先日公開されたcero「ロープウェー」のMVが素晴らしい。 Everything's Gone To The Foggy Outside やがて人生は次のコーナーに 監督は仲原達彦で、飴屋法水が出演している。『POPEYE』を立ち読みして知ったのだけど、飴屋法水とコラボレーションし…

松本壮史×三浦直之『デリバリーお姉さんNEO』3話

みなさま、TVKにて放送中の『デリバリーお姉さんNEO』の3話は御覧になられましたでしょうか。いやはや、素晴らしい。”プールサイドでの告白” というモチーフが、岩井俊二『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(1993)の記憶と重なり、そこから大根…

欅坂46『長沢くんと梨加 2人の休日』

凄いものを目撃してしまった。『欅って、書けない?』で放送された長沢菜々香と渡辺梨加のフューチャー回。この2人、欅坂46が誇る不思議系ポンコツアイドルなのです。普段のスタジオ収録ではほとんど喋ることもままならない。カメラを向けられると"亡霊"とま…

岡田恵和『ひよっこ』6週目「響け若人のうた」

みなさーん、『ひよっこ』は6週目も好調です、朝ドラって本当に素晴らしいものですね(←私の中の増田明美が文体を侵食している)。いや、本当に東京編に突入してからの充実度はどうかしています。おもしろくない日がないし、6人娘はずっとめんこい。赤いコー…

星野源さん、”人見知り”を斬る

人見知りだって言っちゃうことは、相手に僕人見知りなんで、なんか気を使って下さいって言ってるのと一緒だなって。それってすごい失礼だなと思って、失礼だし、何様なんだって思ったんです、自分が。だから、嫌われてもいいやって段々思えるようになってきて…

最近のこと(2017/04/28~)

youtu.be GW中にジョナサン・デミの訃報が。『レイチェルの結婚』の煌めきは永遠であるし、何と言ってもNEW ORDER「Perfect Kiss」である。好きなバンドのとびきりに大好きな曲。高校時代から「死にたい」が口癖の友人がいて、彼が「葬式ではこの曲をかけて…

岡田恵和『ひよっこ』5週目「乙女たち、ご安全に!」

みね子(有村架純)が故郷の奥茨城を出て、新たに東京での生活をスタートさせる。”いや~な奴”を登場させるにはまさにうってつけのタイミングであるのだけども、やはりこの『ひよっこ』はそうはならない。みね子が働くこととなる向島電機の人々は揃いも揃っ…

草加健康センターという名の楽園

東武伊勢崎線の草加駅から送迎バスで約5分。埼玉県の草加市、決してハイカラな土地ではないが、駅周辺には心地良い素朴さのようなものがあるし、ちょっとしたアクセスの困難さも旅情に華を添える。肝心の施設もまた、宴会騒ぎの大広間にゲームコーナー、カラ…

岡田恵和『ひよっこ』1〜4週目

岡田恵和の3度目の朝の連続テレビ小説ドラマ『ひよっこ』が本当に素晴らしい。涙腺を刺激され続ける毎日だ。これまでの岡田作品と同様、安っぽい悪人や嫌な奴は登場しない。イタズラに盛り上げるようなドラマメイクはない。真っ当な善人たちが懸命に正しい方…

廣木隆一×又吉直樹『火花』

この国のテレビドラマに“火花以降”という新たな基準が設けられた、と断言したい。廣木隆一(『ヴァイブレ―タ―』『やわらかい生活』)を総監督として、白石和彌(『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』)や沖田修一(『南国料理人』『横道世之介』)など映画界の気…

松本壮史×三浦直之『デリバリーお姉さんNEO』1話

TVK(テレビ神奈川)とGyaoにて放映が開始されたドラマ『デリバリーお姉さんNEO』は必見の作品である。なんたって制作陣が凄い。メインの監督がTHE DIRECTORS FARMの松本壮史(Enjoy Music Club)、脚本は三浦直之(ロロ)と大歳倫弘(ヨーロッパ企画)!!…

最近のこと(2017/04/19~)

またしても「最近のこと」を書きそびれてしまった。しかも、今月のブログ更新数は、開設以来最低である。それもこれもヤクルトスワローズが弱すぎるせいだ。負けるたびに精神に支障をきたし(プロ野球ファンなど辞めてしまえ)、何もやる気が起こらずにふて…

コッペパンの魔術的な魅力について

あらゆるパンの中でコッペパンが1番好きだと思う。コッペパンそのものの味を思い浮かべようとしてもどこかボンヤリしているのだけども、マーガリン、ピーナッツバター、ジャムを塗っただけでも抜群に美味いし、コロッケや焼きそばを挟んで総菜パンにしても最…

大橋裕之『ゾッキA』

1,404円と多少値は張るわけですが、大橋裕之の『ゾッキA』(5月中旬刊行予定の『ゾッキB』も!)は手にとるべき1冊だ。大橋裕之は漫画界のダニエル・ジョンストンである。その魂には狂気すれすれのピュアネスとポップネスが宿っている。どれほどのサイレント…

織田奈那(欅坂46)個人PV 松本壮史『コールミー』

欅坂46の織田奈那。彼女の愛称である”オダナナ”はあだ名ではなく、紛れもないフルネームである。オダナナ、オダナナ、オダナナ。思わず名前を3回唱えたくなるほどに素晴らしい響き、収まり。Enjoy Music Clubの誇る映像ファンタジスタ松本壮史は、彼女に宿る…

最近のこと(2017/04/08~)

数週分ほど「最近のこと」シリーズを書きそびれてしまった。プロ野球が開幕したもののヤクルトスワローズが弱かったり、大相撲の三月場所での稀勢の里優勝に興奮したり、銭湯サウナに傾倒してみたり、どついたるねんのメジャーデビューが決まったり、『ウデ…

倉本聰『やすらぎの郷』

『やすらぎの郷』がおもしろい。12時30分から放送の昼ドラである。テレビ朝日がシルバー向け昼帯ドラマ枠を新設し、その記念すべき一作目として、倉本聰(『北の国から』『前略おふくろ様』『ライスカレー』など)が脚本を手がけている。御年82歳の倉本聰が2…

湯浅政明『夜は短し歩けよ乙女』

『四畳半神話体系』における主人公は、自身のヒロインへの恋心になかなか気づかず、”もちぐま”という形で絶えず目の前にぶら下がっていた恋愛への好機になかなか手を伸ばさない。対して『夜は短し恋せよ乙女』の主人公は、明確にヒロインこと”黒髪の乙女”を…

湯浅政明『四畳半神話体系』

「あの時、あの選択をとっていれば・・・」という後悔を無数に抱いていくのが、すなわち青春という季節である。かくいう私も意を決して入部したサークルの、その枯れ果てた恋愛事情に失望し、部室の薄い壁から聞こえ漏れる隣のサークルの華やかな男女交際の…

木皿泉『パンセ』

のりぶぅ(のっち)が意味もなく言葉を3度繰り返し、どんちゃん(あ~ちゃん)に「なんで、3回言う」とツッコまれる。豪華絢爛ながら、300万円という破格の売値がつけられた洋館を前にして、どんちゃんが言う。 これ、3人で割ったら・・・割り切れるじゃん …

小淵沢「こぶダイニング」2017春

小淵沢に素晴らしい洋食屋さんがあって、ここ数年通い続けている。と言っても、東京から小淵沢というそれなりの距離があるからして、1年に1回行ければ、という感じなのだけども。そのお店は「こぶダイニング」という名前で、おそらく小淵沢の”こぶ”に由来す…

伊藤万理華(乃木坂46)個人PV 福島真希『伊藤まりかっと。』

髪を切るのは億劫だ。私の中で美容室もしくは床屋に行く、というのが”素敵な自分になること”とイコールで結びつかないからだろう。伸びすぎたから仕方なく切りに行く。それはもうほとんど排泄行為のようなものであって、お金を払ってかしこまってウンチをし…

最近のこと(2017/03/17~)

最近のことを書きます。先週の金曜日。この日も携帯なしの生活が続く。セブンイレブンがおにぎり100円均一セールをしていたので、いつもは買わないけども、お昼用におにぎりを買った。貧乏性なのでなるべく高いやつを、と普段160円くらいする鮭イクラのおに…

坂元裕二『カルテット』最終話

『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。坂元裕二の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『それでも、生きてゆく』(2011)、『最高の離婚』(2013)という燦然と輝くマスタ…

最近のこと(2017/03/11~)

2月末にハーゲンダッツの華もちの発売が再開したのだけども、ウカウカしていたら「きなこ黒蜜」は売り切れていて、店頭には「胡麻くるみ」しか並んでいない。悲しみに暮れていたら、アイスの匠が、もっと安上がりにハーゲンダッツなんて余裕に超えるもの食わ…

坂元裕二『カルテット』9話

家森:別府くん、この映画いつになったら面白くなるの? 真紀:宇宙・・・出てこないですね すずめ:幽霊はどこにいるんですか? 別府:だから そういうのを楽しむ映画なんです 『スターシップ 対 ゴースト』という、2話で登場した『人魚 対 半魚人』に劣ら…

玉田企画『少年期の脳みそ』

玉田企画の演劇は徹底的にアンチドラマである。この『少年期の脳みそ』のあらすじを述べるにしても、「高校卓球部の合宿の一夜」としか言いようがない。その合宿の一夜で繰り広げられる出来事の細部は、とても”あらすじ”に要約することはできない。要約され…

ロロ+EMC feat.いわきっ子 in『演劇人の文化祭LIVE』

パルテノン多摩で開催された『演劇人の文化祭LIVE』で披露されたロロ+EMC feat.いわきっ子のパフォーマンスにとにかくもうガツーンとやられてしまった。なんとかこの感動を書き残しておきたい。しかし、その感想をこのブログに公開したとしても、それは不特…

最近のこと(2017/03/03~)

豚の生姜焼きが好きだ。生姜焼き定食、というのをメニューに見かけてしまうと6割方は頼んでしまう。サウナに併設されているレストランでのそれは8割にまで跳ね上がる。サウナの後に食べる生姜焼きが想像を絶する美味さであることは想像に難くないでしょう。…

坂元裕二『カルテット』8話

またしても心震えるような傑作回である。8話に到達してもなお、坂元裕二のペンが絶好調だ。例えば、「お義母さん!(駆け寄って)野沢菜ふりかけ」というギャグのようなシークエンス1つとっても、真紀(松たか子)にハグを期待してかわされる鏡子(もたいま…

高橋敦史『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』

夏の暑さに耐えかねたのび太とドラえもんが、無限にかき氷を食べる為に、南太平洋に浮かぶ氷山に赴く。「大氷山の小さな家」(てんとう虫コミックス18巻)を導入にしているようだ。どこでもドアをくぐる前に、しっかりパーカーを羽織ってから氷山に向かうの…

ロロ『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』

われわれを分断するあらゆる差異。とりわけ学生時代においてそれは、暴力的なまでに、わたしたちを離れ離れにする。ロロ三浦直之が夢想してみせる学生生活では、そんなもの差異などあらかじめ存在しないかのような態度で、誰もが誰も無邪気に交じり合う。そ…

最近のこと(2017/02/25~)

エスパー魔美 1 (てんとう虫コミックス)作者: 藤子・F・不二雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/02/28メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を見る『エスパー魔美』のてんとう虫コミック全9巻が再版される。装丁も新調されている。私は『藤子・…

坂元裕二『カルテット』7話

素晴らしい!!6話ラストの怒涛の急展開をして、やはり『ファーゴ』なのか!?と盛り上がっているふりをしながらも、満島ひかりの「だいたい7話くらいで坂元さんは・・・ちょっとねぇ」という愚痴に共鳴している自分がいました。しかし、7話においても決して…

堀北真希の引退に寄せて~東京メトロ広告における堀北~

海鮮丼を食べようとしている彼女の写真に無性に惹かれてしまったのだ。シリーズで続いている東京メトロの広告である。これまで堀北真希という女優にさほど興味は抱いていなかったのだけど、今や彼女こそが芸能界における最後の聖域なのでは、と盛り上がって…

デミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』

映画館でスクリーンの前に立って客席を見渡すミア(エマ・ストーン)のモラル(ひいてはチャゼルの映画愛)を責めたてるのは簡単なわけだけども、それよりも映画の光を文字通り身体に浴びたミアが、上映が中断された『理由なき反抗』のシーンを引き継ぎ、天…

最近のこと(2017/02/17~)

森下くるみさんは知り合いですか? 携帯のアプリが尋ねてくる。いいえ、違います。まったく。森下くるみと知り合いの私というのは、どれほどのゾーンをまたいだ先の平行世界にいるのだろう。いいなぁ、森下くるみと豆乳鍋とかつつきたいな。そして「キング・…

坂元裕二『カルテット』6話

カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美(尾野真千子)の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉(風間俊介)の回想など、この手法は坂元裕二作品においてたまに…

池辺葵『雑草たちよ大志を抱け』

『繕い裁つ人』『プリンセスメゾン』の池辺葵が手掛ける最新作は青春群像劇である。主人公に選ばれているのは、クラス(=世界)の中心となってキラめくタイプではない。『雑草たちよ大志を抱け』というタイトルが示すように、誰にも気づかれることなく、無邪…

レイモンド・ブリッグズ『さむがりのサンタ』

寒い日があまりにも続くようならば、「クソっ!さむい さむい」てな具合に悪態をついてみるのもいい。そうでもしないと暖まらない、途方もない“寒さ”というのは確かに存在するのだから。イギリスの絵本作家/イラストレーターの巨匠レイモンド・ブリッグズの…

最近のこと(2017/02/11~)

少し早起きして、近所のミスタードーナッツでモーニングを楽む。原田治への追悼、というわけでもないのだけど。ホットコーヒーとハニ―ディップとシナモンオールドファッション。シナモンのドーナッツが好きだ。子どもの頃、日曜出勤の父を家族で駅まで見送る…

坂元裕二『カルテット』5話

30分の放送を経て、やっとのことタイトルバックが現れる。その直前に披露されるのはカルテットによる実に幸福な路上演奏だ。1話のオープニングを思い出したい。路上でチェロを独奏する世吹すずめ(満島ひかり)に足を止めるものはいなかった。誰からも耳を傾…

ティム・バートン『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

バートンお得意のゴシック調のおどろおどろしいOPから一転、”フロリダ”というクレジットとともに、太陽が燦々と照りつけるビーチが牧歌的に映し出されるのには思わず笑ってしまう。主人公ジェイクが働くドラッグストアでのクラスメイトとの一連のやりとりを…

最近のこと(2017/02/06~)

職場が変わって(引っ越した)、30分ほど早く起きるようになった。電車が空いてるかなと少し期待していたのだけど、むしろ混んでいて座れない。世の中の人は思っているよりも早起きだ。これまでは辺鄙なところに通っていたのだけども、新しい職場はわりと都…

坂元裕二『カルテット』4話

軽井沢の別荘にゴミが溜まっていく。なるほど、カルテットのメンバーは皆一様にして”捨てられない人”だ。たとえば、すずめ(満島ひかり)ならば同僚からの”出てけ”のメモを引き出しが一杯になるまで溜め続けていたし、巻(松たか子)は失踪した夫の靴下をそ…

モリナガ・ヨウ『築地市場 絵でみる魚市場の一日』

イラストルポというのが好きだ。圧倒的な密度の情報を記憶し、記録し、分類し、イラストという形で再構築する。それは何かがそこに確かに”在った”という事実に、ペンでもって挑むことだ。あぁ、かっこいい。憧れる。中でも1番のお気に入りはモリナガ・ヨウで…

かもめんたる『ノーアラームの眠り』

かもめんたるは凄いぞ。第18回単独公演『ノーアラームの眠り』もまた最高傑作を更新するかのような完成度。全てのコントが高水準であったけども、中でもとりわけ気にいったのは「山菜狩り」「相談」「フードファイター」の3本。「山菜狩り」はかもめんたる的…

最近のこと(2017/01/30~)

花粉症のはじまりを感じている今日この頃です。駅から職場に向かう途中で、小さな娘を肩にかついで通勤する超人スタイルの大柄なサラリーマンによく遭遇する。肩の上でいつもご機嫌の娘ちゃんがかわいくてすっかりその親子のファンなのだけども、初めて見か…

坂元裕二『カルテット』3話

親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のような…