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青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

コッペパンの魔術的な魅力について

あらゆるパンの中でコッペパンが1番好きだと思う。コッペパンそのものの味を思い浮かべようとしてもどこかボンヤリしているのだけども、マーガリン、ピーナッツバター、ジャムを塗っただけでも抜群に美味いし、コロッケや焼きそばを挟んで総菜パンにしても最…

大橋裕之『ゾッキA』

1,404円と多少値は張るわけですが、大橋裕之の『ゾッキA』(5月中旬刊行予定の『ゾッキB』も!)は手にとるべき1冊だ。大橋裕之は漫画界のダニエル・ジョンストンである。その魂には狂気すれすれのピュアネスとポップネスが宿っている。どれほどのサイレント…

織田奈那(欅坂46)個人PV 松本壮史『コールミー』

欅坂46の織田奈那。彼女の愛称である”オダナナ”はあだ名ではなく、紛れもないフルネームである。オダナナ、オダナナ、オダナナ。思わず名前を3回唱えたくなるほどに素晴らしい響き、収まり。Enjoy Music Clubの誇る映像ファンタジスタ松本壮史は、彼女に宿る…

最近のこと(2017/04/08~)

数週分ほど「最近のこと」シリーズを書きそびれてしまった。プロ野球が開幕したもののヤクルトスワローズが弱かったり、大相撲の三月場所での稀勢の里優勝に興奮したり、銭湯サウナに傾倒してみたり、どついたるねんのメジャーデビューが決まったり、『ウデ…

倉本聰『やすらぎの郷』

『やすらぎの郷』がおもしろい。12時30分から放送の昼ドラである。テレビ朝日がシルバー向け昼帯ドラマ枠を新設し、その記念すべき一作目として、倉本聰(『北の国から』『前略おふくろ様』『ライスカレー』など)が脚本を手がけている。御年82歳の倉本聰が2…

湯浅政明『夜は短し歩けよ乙女』

『四畳半神話体系』における主人公は、自身のヒロインへの恋心になかなか気づかず、”もちぐま”という形で絶えず目の前にぶら下がっていた恋愛への好機になかなか手を伸ばさない。対して『夜は短し恋せよ乙女』の主人公は、明確にヒロインこと”黒髪の乙女”を…

湯浅政明『四畳半神話体系』

「あの時、あの選択をとっていれば・・・」という後悔を無数に抱いていくのが、すなわち青春という季節である。かくいう私も意を決して入部したサークルの、その枯れ果てた恋愛事情に失望し、部室の薄い壁から聞こえ漏れる隣のサークルの華やかな男女交際の…

木皿泉『パンセ』

のりぶぅ(のっち)が意味もなく言葉を3度繰り返し、どんちゃん(あ~ちゃん)に「なんで、3回言う」とツッコまれる。豪華絢爛ながら、300万円という破格の売値がつけられた洋館を前にして、どんちゃんが言う。 これ、3人で割ったら・・・割り切れるじゃん …

小淵沢「こぶダイニング」2017春

小淵沢に素晴らしい洋食屋さんがあって、ここ数年通い続けている。と言っても、東京から小淵沢というそれなりの距離があるからして、1年に1回行ければ、という感じなのだけども。そのお店は「こぶダイニング」という名前で、おそらく小淵沢の”こぶ”に由来す…

伊藤万理華(乃木坂46)個人PV 福島真希『伊藤まりかっと。』

髪を切るのは億劫だ。私の中で美容室もしくは床屋に行く、というのが”素敵な自分になること”とイコールで結びつかないからだろう。伸びすぎたから仕方なく切りに行く。それはもうほとんど排泄行為のようなものであって、お金を払ってかしこまってウンチをし…

最近のこと(2017/03/17~)

最近のことを書きます。先週の金曜日。この日も携帯なしの生活が続く。セブンイレブンがおにぎり100円均一セールをしていたので、いつもは買わないけども、お昼用におにぎりを買った。貧乏性なのでなるべく高いやつを、と普段160円くらいする鮭イクラのおに…

坂元裕二『カルテット』最終話

『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。坂元裕二の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『それでも、生きてゆく』(2011)、『最高の離婚』(2013)という燦然と輝くマスタ…

最近のこと(2017/03/11~)

2月末にハーゲンダッツの華もちの発売が再開したのだけども、ウカウカしていたら「きなこ黒蜜」は売り切れていて、店頭には「胡麻くるみ」しか並んでいない。悲しみに暮れていたら、アイスの匠が、もっと安上がりにハーゲンダッツなんて余裕に超えるもの食わ…

坂元裕二『カルテット』9話

家森:別府くん、この映画いつになったら面白くなるの? 真紀:宇宙・・・出てこないですね すずめ:幽霊はどこにいるんですか? 別府:だから そういうのを楽しむ映画なんです 『スターシップ 対 ゴースト』という、2話で登場した『人魚 対 半魚人』に劣ら…

玉田企画『少年期の脳みそ』

玉田企画の演劇は徹底的にアンチドラマである。この『少年期の脳みそ』のあらすじを述べるにしても、「高校卓球部の合宿の一夜」としか言いようがない。その合宿の一夜で繰り広げられる出来事の細部は、とても”あらすじ”に要約することはできない。要約され…

ロロ+EMC feat.いわきっ子 in『演劇人の文化祭LIVE』

パルテノン多摩で開催された『演劇人の文化祭LIVE』で披露されたロロ+EMC feat.いわきっ子のパフォーマンスにとにかくもうガツーンとやられてしまった。なんとかこの感動を書き残しておきたい。しかし、その感想をこのブログに公開したとしても、それは不特…

最近のこと(2017/03/03~)

豚の生姜焼きが好きだ。しょうが焼き定食、というのをメニューに見かけてしまうと6割方は頼んでしまう。サウナに併設されているレストランでのそれは8割にまで跳ね上がる。サウナの後に食べる生姜焼きが想像を絶する美味さであることは想像に難くないでしょ…

坂元裕二『カルテット』8話

またしても心震えるような傑作回である。8話に到達してもなお、坂元裕二のペンが絶好調だ。例えば、「お義母さん!(駆け寄って)野沢菜ふりかけ」というギャグのようなシークエンス1つとっても、真紀(松たか子)にハグを期待してかわされる鏡子(もたいま…

高橋敦史『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』

夏の暑さに耐えかねたのび太とドラえもんが、無限にかき氷を食べる為に、南太平洋に浮かぶ氷山に赴く。「大氷山の小さな家」(てんとう虫コミックス18巻)を導入にしているようだ。どこでもドアをくぐる前に、しっかりパーカーを羽織ってから氷山に向かうの…

ロロ『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』

われわれを分断するあらゆる差異。とりわけ学生時代においてそれは、暴力的なまでに、わたしたちを離れ離れにする。ロロ三浦直之が夢想してみせる学生生活では、そんなもの差異などあらかじめ存在しないかのような態度で、誰もが誰も無邪気に交じり合う。そ…

最近のこと(2017/02/25~)

エスパー魔美 1 (てんとう虫コミックス)作者: 藤子・F・不二雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/02/28メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を見る『エスパー魔美』のてんとう虫コミック全9巻が再版される。装丁も新調されている。私は『藤子・…

坂元裕二『カルテット』7話

素晴らしい!!6話ラストの怒涛の急展開をして、やはり『ファーゴ』なのか!?と盛り上がっているふりをしながらも、満島ひかりの「だいたい7話くらいで坂元さんは・・・ちょっとねぇ」という愚痴に共鳴している自分がいました。しかし、7話においても決して…

堀北真希の引退に寄せて~東京メトロ広告における堀北~

海鮮丼を食べようとしている彼女の写真に無性に惹かれてしまったのだ。シリーズで続いている東京メトロの広告である。これまで堀北真希という女優にさほど興味は抱いていなかったのだけど、今や彼女こそが芸能界における最後の聖域なのでは、と盛り上がって…

デミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』

映画館でスクリーンの前に立って客席を見渡すミア(エマ・ストーン)のモラル(ひいてはチャゼルの映画愛)を責めたてるのは簡単なわけだけども、それよりも映画の光を文字通り身体に浴びたミアが、上映が中断された『理由なき反抗』のシーンを引き継ぎ、天…

最近のこと(2017/02/17~)

森下くるみさんは知り合いですか? 携帯のアプリが尋ねてくる。いいえ、違います。まったく。森下くるみと知り合いの私というのは、どれほどのゾーンをまたいだ先の平行世界にいるのだろう。いいなぁ、森下くるみと豆乳鍋とかつつきたいな。そして「キング・…

坂元裕二『カルテット』6話

カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美(尾野真千子)の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉(風間俊介)の回想など、この手法は坂元裕二作品においてたまに…

池辺葵『雑草たちよ大志を抱け』

『繕い裁つ人』『プリンセスメゾン』の池辺葵が手掛ける最新作は青春群像劇である。主人公に選ばれているのは、クラス(=世界)の中心となってキラめくタイプではない。『雑草たちよ大志を抱け』というタイトルが示すように、誰にも気づかれることなく、無邪…

レイモンド・ブリッグズ『さむがりのサンタ』

寒い日があまりにも続くようならば、「クソっ!さむい さむい」てな具合に悪態をついてみるのもいい。そうでもしないと暖まらない、途方もない“寒さ”というのは確かに存在するのだから。イギリスの絵本作家/イラストレーターの巨匠レイモンド・ブリッグズの…

最近のこと(2017/02/11~)

少し早起きして、近所のミスタードーナッツでモーニングを楽む。原田治への追悼、というわけでもないのだけど。ホットコーヒーとハニ―ディップとシナモンオールドファッション。シナモンのドーナッツが好きだ。子どもの頃、日曜出勤の父を家族で駅まで見送る…

坂元裕二『カルテット』5話

30分の放送を経て、やっとのことタイトルバックが現れる。その直前に披露されるのはカルテットによる実に幸福な路上演奏だ。1話のオープニングを思い出したい。路上でチェロを独奏する世吹すずめ(満島ひかり)に足を止めるものはいなかった。誰からも耳を傾…

ティム・バートン『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

バートンお得意のゴシック調のおどろおどろしいOPから一転、”フロリダ”というクレジットとともに、太陽が燦々と照りつけるビーチが牧歌的に映し出されるのには思わず笑ってしまう。主人公ジェイクが働くドラッグストアでのクラスメイトとの一連のやりとりを…

最近のこと(2017/02/06~)

職場が変わって(引っ越した)、30分ほど早く起きるようになった。電車が空いてるかなと少し期待していたのだけど、むしろ混んでいて座れない。世の中の人は思っているよりも早起きだ。これまでは辺鄙なところに通っていたのだけども、新しい職場はわりと都…

坂元裕二『カルテット』4話

軽井沢の別荘にゴミが溜まっていく。なるほど、カルテットのメンバーは皆一様にして”捨てられない人”だ。たとえば、すずめ(満島ひかり)ならば同僚からの”出てけ”のメモを引き出しが一杯になるまで溜め続けていたし、巻(松たか子)は失踪した夫の靴下をそ…

モリナガ・ヨウ『築地市場 絵でみる魚市場の一日』

イラストルポというのが好きだ。圧倒的な密度の情報を記憶し、記録し、分類し、イラストという形で再構築する。それは何かがそこに確かに”在った”という事実に、ペンでもって挑むことだ。あぁ、かっこいい。憧れる。中でも1番のお気に入りはモリナガ・ヨウで…

かもめんたる『ノーアラームの眠り』

かもめんたるは凄いぞ。第18回単独公演『ノーアラームの眠り』もまた最高傑作を更新するかのような完成度。全てのコントが高水準であったけども、中でもとりわけ気にいったのは「山菜狩り」「相談」「フードファイター」の3本。「山菜狩り」はかもめんたる的…

最近のこと(2017/01/30~)

花粉症のはじまりを感じている今日この頃です。駅から職場に向かう途中で、小さな娘を肩にかついで通勤する超人スタイルの大柄なサラリーマンによく遭遇する。肩の上でいつもご機嫌の娘ちゃんがかわいくてすっかりその親子のファンなのだけども、初めて見か…

坂元裕二『カルテット』3話

親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のような…

坂元裕二『水本さん』

現在、TBSドラマ『カルテット』が絶賛放映中の脚本家、坂元裕二が2016年度より東京藝術大学大学院において映像研究科の映画専攻・脚本領域で教授として教鞭を振るっているのをご存じでしょうか。2005年に設置されて以来、北野武、黒沢清、筒井ともみなど錚々…

最近のこと(2017/01/23~)

youtu.be 三寒四温の意味を身体に教え込まれているような気候ですね。たまに夜が春の匂いでドキドキします。「春の夜の匂いだ」と我々に思わせるあの感じは何に起因するのだろう。こういう匂いが春の夜の匂い、とはどうにも定義しがたいあの感じ。 月曜日。…

NHK『ドキュメント72時間』〜宮崎 路上ピアノが奏でる音は〜

『ドキュメント72時間』の1/27放送回「宮崎 路上ピアノが奏でる音は」が実に素晴らしかった。この『ドキュメント72時間』という番組の魅力を端的に表現しており、早くも今年度ベストに推したい気持ちを押さえられません。ナレーションは昨年デビューながら既…

坂元裕二『カルテット』2話

言葉と気持ちは違うの! この家森諭高(高橋一生)の叫びがまさにこのドラマの見方を端的に示している。巻真紀(松たか子)が「わたし、弾けない」「無理です、わたし上手く弾けません」などと囁けば、次のカットでは必ずや活き活きとヴァイオリンを演奏する…

バカリズム×オークラ『住住』

バカリズムとオークラが脚本を手掛け、バカリズム、オードリー若林正恭、二階堂ふみの3人が本人役で出演。もしも、3人が同じマンションの同じ階に住んでいたら・・・を描くシチュエーションドラマだ。主題歌はなんと我らがEnjoy Music Club「そんな夜」だ。…

大童澄瞳『映像研には手を出すな』1巻

『映像研には手を出すな』は抜群に面白い漫画である。こちらがデビュー作という大童澄瞳はなんと若干23歳。まさに「新星、現る」である。 浅草みどりはアニメ制作がやりたいが、一人では心細くって一歩が踏み出せない。 そんな折、同級生のカリスマ読者モデ…

ナカゴー『ベネディクトたち』

超人ベネディクトとその周辺の人々との摩擦の話で60分。ちょっとどうかしているほどにおもしろい。物語の話法にしろ、ぶち込まれるギャグの発想・発話にしろ、他の何ものにも似ていない”笑い”がここにある。というよりも、あらゆる笑いの文法がパッチワーク…

最近のこと(2017/01/12~)

東京メトロの広告、1月は石原さとみがホームズ的な探偵の格好をしていて、大変良い。しかも、舞台は中野ブロードウェイ。小原愼司の『菫画報』的だ。1月ということで、部屋が寒い。暖房が苦手なのでコタツから出れません。なんでも今の時期が寒さの底である…

坂元裕二『カルテット』1話

坂元裕二が脚本を手掛ける新作ドラマ『カルテット』の放送が開始された。『問題のあるレストラン』(2015)にしても『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)にしても意欲作であり、充分に我々の琴線を揺さぶってきたわけであるから、こうい…

こだま『夫のちんぽが入らない』

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間を含めて二十年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。 なんという”いきなりさ”だろうか。どう転んだって面白そうな導入だ。”普通ではない”物語を覗けそう、と…

大島弓子『秋日子かく語りき』『ロングロングケーキ』

あなたは大島弓子を読んでいるだろうか。その眩いばかりの傑作群は、漫画作品のみならず現行のあらゆるジャンルのポップカルチャーに根強く影響を与え続けており、今なお必修のテキストなのである。*1いや、そういう言い方は違うかもしれない。大島作品を読…

ホセ・ルイス・ゲリン『ミューズ・アカデミー』

台詞の詳細を追いかけようとすると、一部のインテリ層を除けばすぐに置いていかれてしまうだろう。ベアトリ―チェ、エロイーズetc・・・記号的にしか見聞きしたことのない創造のミューズ達を巡る教授と学生の文学的対話、或いはジェンダー論、芸術論。その矢…

大久保「Spicy curry 魯珈」の極上ハイブリット

2年前の八角旋風、1年前のビリヤニとの衝撃的な出会い。スパイス革命により、私の味覚は地殻変動を起こしている。世界の中心は台湾とインドにあり。とりわけ台湾のソウルフードであり、日本人の味覚にも最も適した魯肉飯にはもうメロメロ。日本でも、台湾料…