青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

新房昭之『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』

賛否両論あるようだけども、個人的には大傑作ではないかと思っている。劇団イヌカレーらによる空間設計や美術は、まるで宮沢賢治のスペイシーとLSDとNHK影絵劇『シルエット』が融合したかのよう。作画、構図、アクション、その全てがTVシリーズを更新してい…

『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』in空間リバティ

しもきた空間リバティで『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』を観てきた。最高でした。ほんとに。至福の空間。漫才ってなんて自由で豊かで美しいのだろうと思いましたね。夢のように楽しい。いや、まぁとにかく笑い転げたのだ。キングオブ…

週末のこと

週末のこと。金曜日。仕事を終えた後、台風が近づいているという事だが、渋谷へ向かいオーディトリウムでロバート・アルドリッチ『カリフォルニア・ドールズ』を観賞。 呆れるほどに面白いや。「負け犬勝ち上がり」以外の文脈でこの映画の素晴らしさを語れる…

最近のこと

『MASEKI GEININ COLLECTION 2013秋』を観に行ってきた。気分が沈んでわりと無気力な中でも、笑いだけは有効である。ほぼ全出演者おもしろかったが、3組抜けて面白かった。三四郎の漫才、マジカルラブリーのMCバトルコント、日本エレキテル連合のバイオレン…

『はれときどきぶた』 矢玉四郎という作家

『はれときどきぶた』という児童文学がある。ミリオンセラーを記録し、アニメ化(ワタナベシンイチによるアニメ版は原作とはほぼ別物だが、その異様なテンションはカルト的人気を誇っている)もされた作品なので、読んだ事のある人も多いのではないかと思う…

『笑っていいとも!』と日常性と天皇制について

『森田一義アワー 笑っていいとも!』通称「いいとも」が2014年の3月いっぱいで終了する、という報が日本中を駆け巡った。 今までに何度もそういう噂は出ていたし、それでも何事もなかったように続いていた「いいとも」がついに終わる。タモリ自身の口から終…

松本人志『R100』

松本人志がやりたいのは、反転と融和である。その対象は”SとM”であるし、”父と母”であろうし、”作り手と観客”であろうし、”現実と虚構”だ。「誰もやっていない事ではないと意味がない」という松本人志が抱える病的な脅迫観念が映画をひどく歪なものにして…

最近のこと

備忘録。先週の木曜日は新宿でマセキユース芸人の月例ライブ『ライジングオレンジ』を観る。そんなに面白くなかったというのが正直な所だ。しいて言えば良かったのは、浜口浜村、モグライダーの漫才か。すぐ近くのロフトではカクバリズムのイベントが行われ…

『安堂ロイド〜A.I. know LOVE?〜』と庵野秀明

脚本は西荻弓枝。今や『ケイゾク』や『SPEC』の作家という印象だが、個人的には1994年の山口智子を主演のお受験ドラマの傑作『スウィートホーム』が小泉今日子の主題歌と共に印象深い。まぁサスペンスからホームドラマと、とにかく器用なヒット作家だと思う…

坂元裕二『栞の恋』

2010年にフジテレビで放映された『世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・秋 〜人気作家競演編〜』内の1本に坂元裕二脚本作品があると聞いてDVDでレンタルし、観賞しました。世にも奇妙な物語20周年スペシャル・秋 ?人気作家競演編? [DVD]出版社/メーカー: ポ…

おおひなたごう『銀河宅配便マグロ』

おおひなたごう『銀河宅配便マグロ』の1〜3巻を大人買いして読破した。銀河宅配便マグロ 1巻 (ビームコミックス)作者: おおひなたごう出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 48回この商…

住所不定無職『GOLD FUTURE BASIC,』

これぞ、音楽の魔法。住所不定無色がとんでもない領域に突入しております。『JAKAJAAAAAN!!!!!』『トーキョー・ポップンポール・スタンダードNo.1フロム・トーキョー!!! 』という素晴らしい2枚のフルボリュームシングル(7曲入り)でもって、1stアルバム『ベ…

ジェームズ・マンゴールド『ウルヴァリン: SAMURAI』

まさか『X-メン』シリーズにこういった映画が現れるとは。侍、ヤクザ、忍者、お寺、神社、新幹線、パチンコ屋、ラブホテル、お箸、日本家屋、ローアングル、小津安二郎・・・歪められた日本文化が炸裂。なんせオープニングからウルヴァリン(不老不死)が第…

週末のこと

週末のこと。金曜日は仕事帰りに話題のジョジュ・トランク『クロニクル』を観る。 ショットがダサくて世間の絶賛の波程には乗れなかったのだけども、面白かった。ジョジュ・トランクでハリウッド版『ドラゴンボール』を撮り直して欲しい。90分に満たない上に…

是枝裕和『そして父になる』

「子どもの取り違え事件」という、おもしろいと言ったら語弊のある、強過ぎる題材に、映画が物語に喰われてしまうのではないか、という不安はあった。しかし、見事な演出力でもって堂々と物語に立ち向かっている。手触りとして、想起したのはエドワード・ヤ…

浜口浜村『浜口浜村の悠々自適 多方面漫才ライブ編』

ジグザグジギーにはまって以来、マセキ芸能社の若手芸人にすっかりお熱なのだ。特に三四郎、浜口浜村の2組の漫才の荒削りながらも枠に捉われないその自由さ、にも関わらずそれを成立させてしまうセンスにすっかりまいっている。エル・カブキやモグライダーの…

宮藤官九郎 『あまちゃん』(NHK連続テレビ小説)

ふんだんに散りばめられた小ネタの面白さ、キュートネスを炸裂させた役者陣の素晴らしさは勿論なのだけども、例えば”潜る”とか”磨く”とか“歌う”といった運動に多義的な意味をもたらし、物語を持続させていく宮藤官九郎の技術、そして大長編を紡ぎ切った体力…