青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2022/11/05~11/07)

有給休暇を取得しての3連休を使って、東京旅行へ。昨年末に東武練馬のマンションを引き払い、住民票も大阪に移した。わたしにとって東京はもう旅先になってしまった。飛行機を使ったので成田空港着。何年かぶりにスカイライナーに乗った。成田空港の野暮ったいイメージはまだ拭えなくて、羽田空港のほうが好き。飛行機の中で、蓮實重彦『監督小津安二郎』をパラパラと読み直す。

ドラマについてのエントリーをひさしぶりに書こうと着手してみたのだけども、どうにも調子が上がらない。「画面を見て、意味や運動を繋げて書く」というのがどういうことであるのかを古典から学び直したい。今年は4回しかブログを更新しておらず、見る力・書く力ともに弱っているのを痛感した。


年末年始に帰省しないので東京の実家に顔を出した。還暦を過ぎた両親と30を超えた中年の子ども達だけの集まりというのはしんどいものがあるのだけども、今回の帰省から妻もいるし*1、妹にはいつの間にやら甥っ子(1号と2号)が誕生していたので、賑やかさが間を埋めてくれるようになった。かく言うわたしも、甥っ子と積極的にコミュニケーションをとっていきたいタイプのおじさんなのだけども、彼らの熱い支持を得ているのは「じいじ(すわなち、わたしの父)」だ。すぐに怒鳴るので子ども(すわなちわたし)からはあまり懐かれなかったあの父が、孫からかくも愛される好々爺になるとは。時の流れなのか、はたまた「なんでこんなにかわいいのかよ」(©大泉逸郎)の“孫”の力か。特に1号のじいじへの愛は強く、じいじが2号をかわいがると如実に拗ねるので、2号は1号がどこかに行っている隙を目ざとく見つけて、じいじにすり寄っていく。実にいじらしい。父に懐いているところを除けば甥っ子1号はわたしの幼い頃の生き写しのようで、見た目もさることながら人見知りなところまでそっくり。恥ずかしくて挨拶ができない。母(すわなちわたしの妹)に、「ほら、“こんにちは”って言いな」と促されても、母に顔を埋めてこっちを見ることもできない。妹夫婦は挨拶をしないことを許さない教育方針なのか、そのまま別部屋に連れていかれ数分の後に戻ってきて、やっとのこと「ゴンチャア」というような破裂音を披露してくれた。もちろん目は背けながら。わたしも幼い頃、親戚の集まりで挨拶するのがともて苦手だった。帰り際にマイク・セイラー『ぼちぼちいこか』(今江祥智訳)という絵本をプレゼントした。

そこでもなかなか「ありがとう」が言えずに、またしても別部屋での特訓を受け、「アジガドッツ」と破裂音をくれました。会うといつも絵本をくれるおじさん(ブックおじさんと呼ばれたい)というポジションを獲得していくつもりだったのだけども、こんなことではトラウマを植え付けることになりそうだ。ちなみに、ばぁあ(すわなち、わたしの母)は相変わらずSnow Manに夢中で、めめ(目黒連)推しに擬態したなべしょ(渡辺翔太)ファンでした。


実家を後にして、有楽町線に乗って豊洲へ。「アーバンドックららぽーと豊洲」を覗いた。昔よくここで映画を観たり、買い物をしたりしていたのでとても懐かしい。このららぽーとが舞台である『東のエデン』(2009)もここで観たはず。内容はまったく覚えていないけど、「ノブレス・オブリージュ」というフランス語が出てきたというのだけは記憶に色濃い。ビルケンシュトックのボストンをはじめて買ったのはここだった気がする。この日の宿泊先は「ラビスタ東京ベイ」、豊洲市場近くに今年の7月オープンしたばかりのドーミーインの豪華版だ。ドーミーイン愛好家としては泊まっていきたい施設だった。どう考えても客数と施設の広さがマッチしておらず、フロントもお風呂もレストランも行列が発生しており、改善の余地しかないなという感じではあるのだけど、設備とロケーションは抜群。部屋も広くて綺麗。館内はどこもいい香りに包まれており、まるで池袋の「タイムズスパレスタ」に来たような感覚。特筆すべきはやはり大浴場で、レインボーブリッジや東京タワーの夜景が望める。サウナは良い香りと程よい蒸気に包まれ、アンビエントミュージックが流れている。窓からは美しい夜景とビルやクレーン重機の航空障害灯の明滅。日々のストレスがすべて毛穴から流れ落ちていくような恍惚感だ。結局のところ東京の田舎出身のわたしは、東京で最もテンションの上がる風景というと豊洲~お台場あたりのゆりかもめ線周辺の海と夜景になる。学生の頃に当てもなくドライブをすれば、たいていこのあたりにたどり着いたものだ。小沢健二をもはや信仰というレベルで敬愛していたので、「いちょう並木のセレナーデ」に出てくる晴海ふ頭にもよく出かけた。晴海ふ頭には本当に何もないのだけど。しかし、もうお台場には観覧車も大江戸温泉物語もないなんて、にわかに信じがたい!どちらにもたいして思い出はないけれども、なくしてはいけないものであるような気がする。


翌日は早起きして朝風呂に入り(朝のサウナは長めに1回だけ入るのが良い)、朝食バイキングへ。会場は大混雑でしたが、豊洲市場付近ということもあり、海鮮が充実。イクラ山盛りの海鮮丼を楽しんだ。豊洲から新木場、そして舞浜と移動して、ディズニーランドへ。大阪にいるとめったに来れるものでもないので2日間かけてディズニーランド&ディズニーシーを遊び尽くすつもりだ。新木場駅有楽町線の改札あたりにある立ち食い蕎麦屋ドトールを見ると、「これからディズニーランドに行くぞ」というあの空気感を思い出す。ちなみにわたしがディズニーランドで1番好きな空間は、「パン・ギャラティック・ピザ・ポート」だ。

ピザと宇宙人という組み合わせが発する強烈な興奮と憧れがあの場所には今もなお色濃く焼き付いている。この日は大好きな「カリブの海賊」と「スペース・マウンテン」がメンテナンス中で残念。2020年にオープンした「美女と野獣“魔法のものがたり”」はルミエールによる「ひとりぼっちの晩餐会」のシーンが出色。「Beauty and Beast」が流れるあの素晴らしきダンスシーンは、アトラクションではなぜか人間に戻った後の王子で描かれていて、少し不満でした。この日に向けてディズニー&ピクサー映画を色々観直してみたのだけども、フェイバリットは『ダンボ』(1941)と『モンスターズ・インク』(2001)であることが決定したので(理由はとてもかわいいから!)、その2作のアトラクションを乗ってフィナーレとした。閉館時間までフルで楽しんでみたところ、ここ数年で1番というくらいに身体が悲鳴を上げた。宿泊先は少しだけ奮発して、「ヒルトン東京ベイ」を選んだ。わたしは幼い頃から、高嶋政伸の「姉さん、事件です」でお馴染みのドラマ『HOTEL』の舞台となったこのホテルに宿泊することを切望していたのだ。古いながらも格式があり、「ホテルに泊まっている」という満足感を覚えた。ディズニーランドでレストランを予約するなんていう高等テクニックを持ち合わせていないので、夜ご飯はホテルに併設のコンビニで適当に済まそうと考えていたのだけど、そういった考えの人が大半のようでコンビニはレジに行くまでに20分待ちの行列。ディズニーランドとしては少ない待ち時間ですが、もう少しで足を休ませることができるぞ、というところでこれは大きなダメージとなりました。


最終日は「東京ディズニーシー」へ。新しいアトラクションである「ソアリン」がとてもよかった。富士急ハイランドに「富士飛行社」という似たようなアトラクション(BGMは久石譲が担当)があって、それにもひどく感動したけど、そのアップグレード版の飛行感で、これはまさに「夢みたいだ」と思った。ジブリパークも似たようなアトラクションを即刻に作るべきだ。ディズニーシーのランドとは異なって、風景の世界観がある程度統一されているところが、大人になってくると心地よい。なんて素敵な場所なんでしょう、と素直に思えた。「ニモ&フレンズ・シーライダー」もはじめて乗ったのだけど、これも夢みたいに楽しかった。次の日から仕事なので、はやめに退園して東京駅へ。東京駅では時間に余裕があったので、猿田彦の珈琲を立ち飲みして、駅弁として新幹線の誕生とともに発売されたという「チキン弁当」を買った。

パッケージがレトロでかわいい。調子に乗って、「メルヘン」のサンドイッチも買ってしまったのだけど、「チキン弁当」が想像以上のボリューム感で食べられず。新幹線を降りると、疲労感がさらに増しており、ドラッグストアで高めのユンケルと休足シートを買った。ディズニーランドの足の疲弊を思うに、ミッキーやドナルドの靴を模した包み込むタイプの休足シートを園内で発売すれば、1000円以上出してもみんな買うと思う。家に着いて、すぐ寝ればよかったのだけど、なぜか『CDTV ライブ! ライブ!』の録画を観てしまった。この番組はフルサイズで曲を聞かせてくれるが最高。あの番組の江藤アナはなんでいつも変なジーンズを履かされているのだろう。なにわ男子の「ハッピーサプライズ」、良い。みっちーのパフォーマンスがキムタク感みたいなものを体現しようとしているのを感じて、グッときた。Travis JapanKing & Princeも良かったので、キンプリなぜ…という悲しさが。高橋海人を囲むパフォーマンス中に永瀬廉くんが平野くんに微笑みかけている時の表情がなんともいえない良さだった。平野くんの表情が見えないというカメラワークがまた妄想を掻き立てますよね。

*1:Twitterにしか書いていませんでしたが、今年結婚しました