青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2012-01-01から1年間の記事一覧

森は生きている『FOAM OF THE DAZE』

一部の地域で今、最も注目が集まっているバンドと言っていい”森は生きている”の3曲入り音源『FOAM OF THE DAZE』を聞きました。凄いバンド名だ。『森は生きている』って、ロシア文学のほうなんて読んだ事なくて、僕にとってはのび太の学校の裏山の絆を描いた…

ジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス『ルビー・スパークス』

高い評価を得た『リトル・ミス・サンシャイン』以来6年ぶりの監督作という事で話題の今作。うーん困ってしまう。正直映像表現としてこの作品を観た時に、高い評価を与える事に躊躇してしまう自分もいる。印象的なショットを挙げろ、と言われても1つも答えら…

『SLOWMOTION』in渋谷WWW

渋谷WWWにて金曜日の夜からオールナイトで開催された『SLOWMOTION』というイベントに行ってきました。私はクラブ遊びには縁のない人間なのですが、片想いというバンドが、この場所に導いてくれました、ありがとうございます。この日の片想いは久しぶりにパー…

『ラジオ岩井』in六本木新世界

ハイバイ岩井秀人がて3時間喋り倒すトークイベント『ラジオ岩井』に足を運んでみました。これが滅法面白かった。岩井さんの話術が抜群に高い。家に招かれて、話を聞いているような感覚が絶妙に心地よかったのです。ラフな感じなんだけども、念入りな準備が見…

2012 BEST 演劇作品20

1.ロロ『LOVE02』] 2.ロロ『父母姉僕弟君』 3.青年団『東京ノート』 4.ハイバイ『ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン』 5.五反田団といわきからきた高校生『チャンポルギーニとハワイ旅行』 6.快快『りんご』 7.ハイバイ『霊感少女ヒド…

2012 BEST ALBUMS 30

1.うつくしきひかり『うつくしきひかり』 私たちの生活に針を落としたらどんな音が鳴るのだろう。鳥や虫の鳴き声、風に光に、それに暗闇、後、もちろん人、という事はその記憶や感情も、とにかく生活を彩る全てのものを吸い込んで音にしたのがこのアルバム。…

ロロ『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』

ロロ『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』の再々演を新宿眼科画廊にて観賞。『LOVE02』『父母姉僕弟君』といったロロが本年発表した傑作群のマテリアルと呼んでいい作品だろう。60分という短い作品ながら、ロロのテクニックやエモー…

2012 BEST MOVIES 25

1.瀬田なつき『5 Windows』 2.北野武『アウトレイジ ビヨンド』 3.モンテ・ヘルマン『果てなき路』 4.筒井武文『孤独な惑星』 5.フランシス・フォード・コッポラ『テトロ』 6.西谷弘『任侠ヘルパー』 7.吉田大八『桐嶋、部活やめるってよ』 8.ホン・サンス『…

『THE MANZAI 2012』感想

とにかく涙腺緩みっぱなし。ハマカーン、磁石、アルコ&ピースの3組がキャリア屈指の漫才をあの決勝の舞台で披露してくれた喜び、それに尽きる。東京のお笑いライブシーンにFKD48(吹きだまり48)なんてユニットがある。アルコ&ピース、オジンオズボーン、…

私立恵比寿中学『エビ中の絶盤ベスト 〜おわらない青春〜』

エビ中の絶盤ベスト~おわらない青春~アーティスト: 私立恵比寿中学出版社/メーカー: DefSTAR RECORDS発売日: 2012/11/21メディア: CD購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (15件) を見る2010年から2012年にかけての2年という時の流れがギューっと濃…

最近のこと(2012/12/10~)

sufjan stevensのクリスマスアルバムの素晴らしさに酔いしれている。編み物スフィアンかわいい。次の来日公演があったら絶対に行きたい。もろにインディーミュージシャンという感じですが、前作とかビルボードで7位。ライブのチケットも手に入りにくいらしい…

大ナカゴー『評価』

座・高円寺2で大ナカゴーの『評価』を観た。チラシやパンフレットのイラストが大橋裕之!さて、会場も大きくなったし、出演者数も増えた(16人!)わけだけど、わざわざナカゴーと別名義にする必要があるのか。しかし、そのハッタリ感というか、無意味性がい…

岩淵弘樹『サンタクロースをつかまえて』

岩淵監督というと私の中ではライブハウスでよく見かけるバンドを撮影しているお兄さん、もしくは中野の路上でウンコをしちゃう人、なわけなのだけど、うっかり感動してしまった。仙台の冬の風物詩と言われている「光のページェント」の点灯でこの映画は始ま…

星野源×槇原敬之 in 『RADIPEDIA』

星野源がJ-WAVEで毎月曜日24時より放送しているラジオ『RADIPEDIA』の2012/12/10放送分を聞いた。ゲストは槇原敬之。意外な組み合わせのようだが、星野源が作るラブソングにはそこはかとなく、マッキ―の影を感じていて、例えば「くだらないの中に」における …

ピーナッツ ハンガーフォード社製DOLLの巻

これ、ただの犬ではなく、スヌーピーなのです。ハンガーフォードという会社が1950年代に制作したプラスチックビニール人形で、「ファースト・スヌーピー」なんて呼ばれている。みんな大好き『ピーナッツ』のスヌーピーやチャーリー・ブラウンらの玩具という…

Sufjan Stevens『Silver & Gold Songs For Christmas, Vol. 6-10』

Sufjan Stevens(スフィアン・スティーヴンス)の5枚組BOXセットのクリスマスアルバム『Silver & Gold』が素晴らしい。誰もが知っているクリスマスナンバーからオリジナルのクリスマスソングまで全58曲2時間47分。シールやポスターや分厚い歌詞カード、コー…

大橋裕之『シティライツ』3巻

中野タコシェで開催された大橋裕之先生のサイン会に参加して参りました。希望したイラストを描いてくれるという事で、最終話「光」の主人公が描いている漫画「てもちぶさ太君」の主人公にしてもらいました。「腹王(ふっきんぐ)」と「岡田君」とで迷いまし…

ロバート・ローレンツ『人生の特等席』

『グラン・トリノ』をもってして役者引退宣言をしていたクリント・イーストウッドがまさの主演。脇を固めるのはエイミー・アダムスとジャスティン・ティンバーレイク、監督のロバート・ローレンツはイーストウッドの弟子。観る前にすでに良さそうなのですが…

ザ・なつやすみバンド『めくらまし!』

「めくらまし!」と「デートソング」の2曲入りで500円。タワーレコード渋谷店のリューアル記念シングルという事で、とりあえず渋谷店限定発売だそうなのですが、一刻も早く全国発展して欲しい名シングルの誕生だ。表題曲「めくらまし!」にバンドの確かなネ…

ayU tokiO『New Teleportation』

特にお気に入りは「MY ROOM」「超時空転移装置」の2曲だ。ドキドキするほどにポップ。やや時代遅れの感もある、MTRによるローファイな多重録音作品にこんなにもときめいている事に驚いてしまう。何といっても曲がいいのだ。ayU tokiOは音楽前夜社が誇るミラ…

最近のこと(2012/11/15~)

最近の事。住まい探しが忙しい。源泉徴収だの住民税だの実印だの認印だの、今までかなり無頓着であったので、区役所に何回も足を運ぶはめになっております。エヴァQ、公開初日に観てきたわけですが、汗びっしょりかいてしまった。映画が始まる前にあんなにド…

「だるま屋餅菓子店」のエンターテイナーについて

埼京線十条駅の商店街にあるだるま屋餅菓子店の有名なかき氷を食べた。かき氷の概念を覆す一品である。このヴィジュアルからして、硬くてシャリシャリしたものを想像するわけですが、フンワリと口の中で溶ける。それはもう羽根のように柔らかい。この氷を削…

西谷弘『任侠ヘルパー』

2009年に放映していたフジテレビのドラマ版『任侠ヘルパー』はチェックが漏れていたのだが、この劇場版には度肝を抜かされてしまった。三池崇史『悪の教典』においては伊藤英明が闇雲に何発も銃を撃ち放とうと画面が躍動してこなかったわけだけども、このヤ…

樋口真嗣×庵野秀明『巨神兵東京に現る』

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』との同時上映であった今作。元々は今年、東京現代美術館で開催されていた「館長 庵野秀明 特撮博物館 -ミニチュアで見る昭和平成の技-」において公開されていた作品だ。噂には聞いていたものの、どんな作品なのかも一切の前…

ホン・サンス『ハハハ』

青がとても魅力的な映画。そして、やはりこれも反復と差異の映画だ。タイトルの「ハハハ」というのは韓国語の「ハ(=夏)」の連韻と笑い声のダブルミーニングだと思われる。2人の男が酒を交わしながら、夏のバカンスについての記憶を1エピソードごと交互に…

ホン・サンス『教授とわたし、そして映画』

映っているのは他愛ない恋愛における何ページかの会話だ。つい「他愛ない」と書いてしまうのだけど、三角関係であったり、不倫であったり、一夜限りの恋であったり、一般的に言えばかなり刺激的な恋愛話ではあると思うのだけど、記憶喪失だの難病だの復讐だ…

黒沼英之ワンマンライブin渋谷WWW

時の流れが愛おしくなるようなじんわりとしたいいライブだった。渋谷WWWの音響のよさにも改めて興奮した。そして、黒沼英之の歌の上手さ、切実さというのを改めて、実感できた。音源以上の抜けのよさに驚いたお客さんも多かったのではないでしょうか。演奏も…

最近のこと(2012/11/05~)

ceroの2ndアルバムを飽きることなく、ずっと聞いている。でも、久しぶりに高円寺、円盤に赴いて購入した音源にもときめいております。紙コップスなる頭に紙コップをのせた3人組のCD-R『紙コップス』(500円)が良かった。円盤の2011年年間チャート2位だそう…

ハイバイ『霊感少女ヒドミ』

映画、演劇などで多用されているモチーフに”ゾンビ”や”幽霊”というのがある。それには多くのメタファーが託されていると思うのだけど、その中でもとりわけ「消化できない想い(=未練)」、「接続不能の悲哀」というのに強く心惹かれてしまう。そんな私にうっ…

テニスコーツとほうほう堂『TERATOTERA祭り』

広場に置かれた巨大な建物の残骸。何でも今年7月に閉店された「いせや公園店」の残骸らしい。今にも崩れそうなそれらの解体作業が始まると、その周りをテニスコーツの2人が慈しむように円を描きながらギターとピアニカで演奏を始める。ほうほう堂の2人は、そ…