青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2014-01-01から1年間の記事一覧

ナカゴー『ベネディクトたち』

ナカゴー特別劇場vol.13は『ベネディクトたち/ミッドナイト25時』の2本立て。『ベネディクトたち』は60分という尺の短い作品ながら再演を重ねるナカゴーの名刺変わりのような作品。これがものすっごく面白かった。前にも書いた気がするけども、ナカゴーのそ…

ロンリー『ファーストオブ終わり』

岡山のバンド"ロンリー"が2013年にリリースした自主制作ファーストアルバム。未完成なものを愛してしまうのは私の”癖”のようなものだが、いやいや、これはどうしたって美しいだろう。1曲目はマッシュ星川(from駅前旅館)によるアカペララップ。ファーストア…

ナカゴー『ミッドナイト25時』

60分という短めの尺の作品だが破壊力は抜群でした。「ハンバーガー屋を営む姉妹の家に突然、何かに追われる女が逃げ込んできた・・・」という導入からサスペンスの予感がプンプンと漂っているのだけれど、その後、物語は洗脳、殴り合い、猟奇殺人、人肉バー…

平賀さち枝とホームカミングス『白い光の朝に』

白い光の朝にアーティスト: 平賀さち枝とホームカミングス,平賀さち枝,Homecomings出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC発売日: 2014/09/10メディア: CDこの商品を含むブログ (3件) を見る平賀さち枝とホームカミングス名義の「白い光の朝に」に加えて、Home…

最近のこと

月曜日。9月のはじまり。相変わらず涼しい。去年のこの時期は36℃とか記録していた気がする。まだクールビズ期間だけども、寒いくらいだったのでカーディガンを着た。通勤時間はLampの『ゆめ』をずっと聞いている。関連盤として購入したToninho Hortaの2ndも…

山田太一『おやじの背中-よろしくな。息子-』

山田太一の独特の台詞廻しは現代の物語にまだまだ有効である。そして、東出昌大。彼の(おそらく下手なのだけど思うのだけど)よくわからない間と発話が、山田太一の台詞廻しと合わさって、何やら”天使”的なものを演出している。「いい人やり過ぎた」という…

ロンリー『楽しいVoid』

ロンリーという岡山の4人組バンドがリリースした7インチ『楽しいVoid』がとてもいい。まだライブを観た事がないので、ロンリーの奏でる音楽がパンクなのかハードコアなのかスカムなのか把握しかねるのですが、この7インチから感じ取れるのは、彼らが最高のポ…

最近のこと

水曜日。夏休み明けの出社。涼しい日でした。さすがに仕事が溜まっていて、残業。いよいよ『THE MANZAI2014』の予選も進んでいて、ドキドキしています。三四郎、浜口浜村、ドリーマーズ、モグライダー、エル・カブキに認定漫才師の座をどうかもぎとって欲し…

立川志の輔『独演会』in 練馬文化センター

新作落語から「みどりの窓口」、古典から「新熊五郎出世」を聞けた。「みどりの窓口」の風刺のようでいて、説教臭い所がなく、むしろ愚かさを肯定するような眼差しが心地いい。キャラクターの演じ分けもお見事。「新熊五郎出世」は古典に志の輔師匠が新解釈…

最近のこと

TBSで放送していた『6人の村人!全員集合』がとても面白くていい気持ちになった。演出は藤井健太郎(『クイズ☆タレント名鑑』)だ。肩凝りがひど過ぎて自律神経がやられそうになった時に『ブラマヨとゆかいな仲間たちアツアツっ! 』をDVDで観て気持ちを保った…

Hi,how are you?『さまぁ〜ぎふと』&原田晃行インタビュー

京都が誇るヤングポップデュオHi,how are you?の2ndアルバム『さまぁ〜ぎふと』がリリースされた。前作『?LDK』からわずか半年という短いスパンでのリリースに、「1枚目の出涸らしなのでは?」などと思うなかれ、1stアルバム以上の傑作に仕上がっております…

最近のこと

お盆期間で東京から人がどんどん少なくなってワクワクする。オフィスにも出勤者が減り、かかってくる電話も減る。早めに退社して意味もなく、数駅歩いて帰った。途中TSUTAYAできゃりーぱみゅぱみゅ『ピカピカふぁんたじん』とSEKAI NO OWARI『ENTERTAINMENT…

シソンヌ『deux』

圧倒的だ。コントの土台である脚本と演技力は言わずもがな、プロジェクションを多用した美術、照明、音楽はたまたチラシデザインまで。細部の細部までぬかりがない。衣装のスーツのパンツの丈の長さにすら神経が行き届いているのではないかと推測される。 昨…

最近のこと

火曜日。仕事後、近所のシネコンで大友啓史『るろうに剣心 京都大火編』を観る。ちょっと期待し過ぎた感はある。アメコミ映画のよう。スケール感は上がったのだけども、1作目にあった魅力を取りこぼしているような気がする。アクションは目を見張った。佐藤…

山崎貴/八木竜一『STAND BY ME ドラえもん』

「ドラ泣き」という深夜のテンションで思いついたとかし思えない醜悪なキャッチコピーからも容易に察しはつくわけですが、かなりきつい。山崎貴がドラえもんを3D化する理由を述べているインタビューを読んだ。「より現実に近い形でドラえもんを表現する事で…

昆虫キッズ活動終了発表に寄せて

うーん、寂しい。正直に告白すれば、最近は熱心にライブに通う事もしていなかったし、『BLUE GHOST』も自分の中では特別なアルバムではない。けど、やっぱり寂しいですよ。これまでの人生で1番夢中になったバンドは?と聞かれたら迷わず昆虫キッズと答えるだ…

最近のこと

Twitterで流れてきた曲が素晴らしくてまいった。Tobias Jesso Jr.の「True love」である。下手したら藤井フミヤのあれよりいい。ダニエル・ジョンストンの美しさを濃縮したみたいだ。音源はまだリリースしてないようです。今週のこと。火曜日。頭痛が続く。…

ザ・なつやすみバンド『S.S.W(スーパーサマーウィークエンダー)』

ザ・なつやすみバンドが『サマーゾンビー』から1年の時を経て、夏の新曲をドロップ。なんと期間限定フリーダウンロード配信です。この夏のアンセムであり、バンド最大の異色作ではないだろうか。バンドのディスコグラフィーを参照にするならば、VIDEOTAPEMUS…

山田稔明ワンマンライブ『夜の科学 vol.45〜wish upon a star ポチに願いを』

鍵番を中心にフルート、クラリネット、ペダルスティールを加えた8人編成でのライブ。チェンパーポップと呼んでいい、角のないまろやかな音色が心地よかった。練りに練られたバンドアンサンブルというのではないのだけども、メンバーのプレイ1つ1つに、楽曲…

座二郎『RAPID COMMUTER UNDERGROUND』

サラリーマンである作者の座二郎が、その通勤時間を使って完成させた”地下鉄”の漫画である。はっ、まさか「座二郎」ってペンネームは「地下鉄の座席に"座"って漫画を書く男」みたいなイメージに加えて、『地下鉄のザジ』のもじりなのか!?という気づき。地…

山下達郎『Maniac Tour 〜PERFORMANCE 2014〜』inパルテノン多摩

結論から言えば、生涯ベスト級の感動を覚えた最高のロックンロールショー。逆光に照らされて登場した山下達郎のシルエットは神様みたいだったし、演奏を始めた彼は本当に音楽の神様だった。とまぁ、大袈裟に書き散らしてしまいたい欲望を抑えきれない。うさ…

最近のこと

腑抜けた一週間でした。水曜日、仕事後にカレーを食べてから『思い出のマーニー』を観る。想像していたよりずっとよかった。高野文子とか保坂和志とか柴崎友香といった作家が描く、時間とか記憶とか空間に関する考察が好きな人にはビビっとくるものが少なか…

トーベ・ヤンソン『ムーミンパパの思い出』

新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)作者: トーベ・ヤンソン,小野寺百合子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見るある日、風邪をひいて弱ってしまったムーミンパパは言う…

米林宏昌『思い出のマーニー』

この世には目に見えない魔法の輪がある 輪には内側と外側があって、私は外側の人間 という台詞が冒頭に配置されており、米林宏昌の「宮崎駿が描かないものに焦点を当てるのだ」という意気込みが窺える。なるほど、杏奈という今作の主人公は無表情で不機嫌。…

最近のこと

。金曜日。電車に乗っていると目的地一駅前で突然、ただならぬ腹痛と吐き気に襲われ、毛穴という毛穴から冷や汗をかく。慌てて、トイレに駆け込むも吐き気は収まらず。何かの食べ物に当たったのかもしれない。顔を歪めながら仕事をこなしている内に治ってし…

森本将平というイラストレーター

吉祥寺の「にじ画廊」に何気なく入ってみたら、2階で『本屋の二人』が展開されていた。印象的なポスターに誘われたのだ。『本屋の二人』というのは サニーボーイブックスと古書リーディングッドの古本ユニット。2つの古本屋の選書の違いや個性を反映させなが…

ayU tokiO『恋する団地』

ayU tokiOとは何者なのか、という所からはじめよう。音楽前夜社の誇ったマジカルポップユニットMAHOΩでメインソングライターとギター(結成初期にはドラム)を務め、昨年3rdアルバム『回転体』を献上したthe chef cooks meにも一時期所属。柴田聡子の『海へ…

最近のこと

金曜日。退社後、ディスクユニオンでディグに興じていたら、遠方に赴いている竹馬の友が東京に来ているというので、遊ぶ事にした。レンタカーで家の前に現れたので、音楽を聞きながら適当に走って最終的に海を見て、ファミレスでダべって帰りました。青春の…

stillichimiya『死んだらどうなる』

stillichimiyaは冒頭の「うぇるかむ」で陽気に楽しく、我々を彼らの地元・山梨に迎えていれてくれる。と思いきや、突如、挿入される事故現場のようなクラッシュ音と故人・丹波哲郎の講演のサンプリング。 生きとし生けるものの中でいずれ死ぬんだという事を…

ハイバイ『おとこたち』

岩井秀人、ネクストステージへ。この力作に応える役者陣の演技も一様に素晴らしかった。『ヒッキーシリーズ』『投げられやすい石』『て』に肩を並べること間違いなしの、ハイバイの新たな代表作の誕生に立ち会えた喜びでいっぱいだ。 4人の男性の24歳から82…