青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

森本将平というイラストレーター


吉祥寺の「にじ画廊」に何気なく入ってみたら、2階で『本屋の二人』が展開されていた。印象的なポスターに誘われたのだ。『本屋の二人』というのは

サニーボーイブックスと古書リーディングッドの古本ユニット。2つの古本屋の選書の違いや個性を反映させながら、出没する場所にちなんだテーマで期間限定書店を企画しています。

との事で、移動式のセレクト古本屋さんのような感じなのでしょうか。今回は「風」をテーマに選書された本が並んでいたわけなのですが、更に1冊ごとにイラストが添えられていた。

これは堀辰雄の「洪水」という作品からインスパイアされたイラスト。「読書」という行為によって、その本の世界が現実にじんわりと浸食していくその境目を見事に掬いとられている。展示されている作品はどれも、夏の風と水と光、そしてイマジネイティブな青がとても美しくて、素直に「好きだな」と思った。森本将平という1986年生まれのクリエイターらしい。すぐにネットで調べて彼のタンブラーをグイグイと見入る。

すごく音楽の匂いがする作家さんだな、と思った。タンブラーには好きな作品がたくさんあった。パッと見の印象は平面的というか、のっぺりとしているのだけど、所作とか風景の1番濃密な所がギュッと固めれているような所が凄くいい。ずっと保存してやる、というような気概というか気迫のようなものが感じられるのだ。今後も要注目のアーティストとして、森本将平という名前が私の中に刻まれました。