青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2013-01-01から1年間の記事一覧

森崎東『喜劇 女は度胸』『女生きてます 盛り場渡り鳥』

渋谷オーディトリウムで開催されている特集『森崎東と10人の女たち』に駆け付けた。とりあえず3回券を2700円で購入。そのまま初監督作品『喜劇 女は度胸』と『女生きてます 盛り場渡り鳥』の2本を観賞。いやはや、面白過ぎてまいってしまった。映画の見方な…

黒沼英之『パラダイス/雪が降る』

パラダイス(初回限定盤)アーティスト: 黒沼英之出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2013/11/20メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る黒沼英之の1stシングル『パラダイス』がリリースされた。これは快心の一撃ではないだろうか。『…

高畑勲『ホーホケキョとなりの山田くん』

観直す度に評価が上がっていくこの作品。今回も思わず2回観た。ジブリ最大の作画枚数(『かぐや姫の物語』がこれをはるかに超えるとか)で描かれる、淡麗な水彩調のカラーと、抜けのある白いバック。芋虫、蝶、猪、鴬といった花札に関連した生物達が突如とし…

週末のこと

金曜日。映画を観ようと思っていたが、風邪をひいたので早々に帰宅。ご飯を食べながら、『アメトーーク』の「好感度低い芸人」を観る。久しぶりに面白い回だった。キングコング西野とピース綾部が並んでいる画は豪華だ。綾部がさりげなくアピールしていたけ…

ジグザグジギー『2012-2013 BEST〜新ネタもやります〜』&三四郎in『ゴッドタン』

新宿シアターモリエールでジグザグジギーのキングオブコント2013 ファイナリスト記念ライブ 『2012-2013 BEST〜新ネタもやります〜』を観てきた。至福。かっこいいOP映像からたっぷり1時間45分。知っているネタも知らないネタもどれも練られていて、とても面…

砂田麻美『夢と狂気の王国』

まずもって、スタジオジブリや宮崎駿のアトリエのあの有機的な空間の魅力を存分に撮っている。秀逸なのは画面には姿を映さないにも関わらず、他者の説話によって圧倒的な存在感を示す高畑勲だろう。ラスト、彼がついにカメラの前に姿を現し高畑、宮崎、鈴木…

フジロッ久(仮)『ニューユタカ』

東京を中心に活動するゴッタ煮パンクバンド、フジロッ久(仮)。2011年の1stアルバム『コワレル』リリース後の焼け野原に彼らが提示するのは「ニューユタカ(=新しい豊かさ)」だ。ニューユタカアーティスト: フジロッ久(仮)出版社/メーカー: SPACE SHOWER MU…

最近のこと

最近のこと。急に寒くなって体調を崩す。仕事場の人もみんな風邪をひいているような気がする。身体には気合を入れようと、ミスドでスヌーピーの顔を食べた。美味しくも不味くもないが、スヌーピーを食べたのだという確かな実感が僕に罪の意識を抱かせたので…

三四郎トークライブ『絶対頑張ります!(仮)』

三四郎のトークライブ『絶対頑張ります!(仮)』を原宿ヒミツキチオブスクラップで観てきた。1000円也。久しぶりに原宿を歩いたけども、結構風景が変わっていた。もうあの大きいGAPないんですね。さて、ライブですが前半1時間はニコ生で配信、後半1時間はラ…

是枝裕和『奇跡』

上り新幹線と下り新幹線が交わる瞬間に奇跡が起きる、というフォーマットは、過去と未来とが交わる映画の奇跡そのものじゃないか。航一の友人が憧れの先生(長澤まさみ)の自転車を眺めるシーンはどうしたってトリュフォーの『あこがれ』を想わせ、それでい…

Dorian『midori』

midoriアーティスト: Dorian出版社/メーカー: Felicity発売日: 2013/11/06メディア: CDこの商品を含むブログ (5件) を見るDorianの3rdアルバム『midori』はとてつもない傑作である。歴史的名盤と呼んでしまいたい。例えば、レイ・ハラカミや砂原良徳の特別な…

最近のこーと

なんだか急に寒くなって参りました。ので。ブログのデザインをシンプルなものにしました。本文が枠で括られていないと、画像の大きさとか文章の改行がパソコンによってバラバラなのが嫌だったのです。本当は色も白から黒かネイビーあたりに戻したかのですが…

長井秀和の学会漫談

あなたは長井秀和を覚えているだろうか?2000年代前半に「間違いないっ!」で一世を風靡したピン芸人である。いくつかのスキャンダルやら何やらで、テレビの一線からは姿を消してしまったが、まだまだ現役の漫談師。先日、彼が所属する爆笑問題率いるタイタ…

西村ツチカ『さよーならみなさん』

絵の素晴らしさを語る技法というか語彙というのを全く持ち合わせていないので、感性を刺激する絵に出会っても、ただ「いい」「素晴らしい」「巧い」「気持ちいい」などと連呼するしかない。それ故に西村ツチカの作品に対して饒舌に語る事ができず、躊躇して…

ギョーム・ブラック『女っ気なし/遭難者』

雄弁に捉えられる美しくも寂れた海辺の観光地の風景。ヴァカンスを楽しみにきた美しい母娘。そして、30代独身のハゲデブ主人公シルヴァン。部屋には『イージーライダー』、冷蔵庫にはムーミン、寝室には『サウスパーク』、夜中に1人任天堂Wiiに興じる見事な…

三連休のこっと

連休のこと。金曜日は本屋さんで買い物をしてから帰宅。西村ツチカ『さよーならみなさん』と荒川弘『銀の匙』の新刊とボラーニョの短編を買った。ツチカさんの新作、超面白いんだけども、こちらの思考が追いつかない豊かさがある。もっとじっくり味わってみ…

最近の色々!

三四郎の漫才とジャネル・モネイの動画をひたすらYouTubeで観ている。まどマギと三四郎とジャネル・モネイのおかげで息を吹き返しました。三四郎は11月にニコ生中継のトークライブがあるそうなので、早速予約した。彼らの漫才を観る事で生活していく上で溜ま…

新房昭之『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』

賛否両論あるようだけども、個人的には大傑作ではないかと思っている。劇団イヌカレーらによる空間設計や美術は、まるで宮沢賢治のスペイシーとLSDとNHK影絵劇『シルエット』が融合したかのよう。作画、構図、アクション、その全てがTVシリーズを更新してい…

『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』in空間リバティ

しもきた空間リバティで『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』を観てきた。最高でした。ほんとに。至福の空間。漫才ってなんて自由で豊かで美しいのだろうと思いましたね。夢のように楽しい。いや、まぁとにかく笑い転げたのだ。キングオブ…

週末のこと

週末のこと。金曜日。仕事を終えた後、台風が近づいているという事だが、渋谷へ向かいオーディトリウムでロバート・アルドリッチ『カリフォルニア・ドールズ』を観賞。 呆れるほどに面白いや。「負け犬勝ち上がり」以外の文脈でこの映画の素晴らしさを語れる…

最近のこと

『MASEKI GEININ COLLECTION 2013秋』を観に行ってきた。気分が沈んでわりと無気力な中でも、笑いだけは有効である。ほぼ全出演者おもしろかったが、3組抜けて面白かった。三四郎の漫才、マジカルラブリーのMCバトルコント、日本エレキテル連合のバイオレン…

『はれときどきぶた』 矢玉四郎という作家

『はれときどきぶた』という児童文学がある。ミリオンセラーを記録し、アニメ化(ワタナベシンイチによるアニメ版は原作とはほぼ別物だが、その異様なテンションはカルト的人気を誇っている)もされた作品なので、読んだ事のある人も多いのではないかと思う…

『笑っていいとも!』と日常性と天皇制について

『森田一義アワー 笑っていいとも!』通称「いいとも」が2014年の3月いっぱいで終了する、という報が日本中を駆け巡った。 今までに何度もそういう噂は出ていたし、それでも何事もなかったように続いていた「いいとも」がついに終わる。タモリ自身の口から終…

松本人志『R100』

松本人志がやりたいのは、反転と融和である。その対象は”SとM”であるし、”父と母”であろうし、”作り手と観客”であろうし、”現実と虚構”だ。「誰もやっていない事ではないと意味がない」という松本人志が抱える病的な脅迫観念が映画をひどく歪なものにして…

最近のこと

備忘録。先週の木曜日は新宿でマセキユース芸人の月例ライブ『ライジングオレンジ』を観る。そんなに面白くなかったというのが正直な所だ。しいて言えば良かったのは、浜口浜村、モグライダーの漫才か。すぐ近くのロフトではカクバリズムのイベントが行われ…

『安堂ロイド〜A.I. know LOVE?〜』と庵野秀明

脚本は西荻弓枝。今や『ケイゾク』や『SPEC』の作家という印象だが、個人的には1994年の山口智子を主演のお受験ドラマの傑作『スウィートホーム』が小泉今日子の主題歌と共に印象深い。まぁサスペンスからホームドラマと、とにかく器用なヒット作家だと思う…

坂元裕二『栞の恋』

2010年にフジテレビで放映された『世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・秋 〜人気作家競演編〜』内の1本に坂元裕二脚本作品があると聞いてDVDでレンタルし、観賞しました。世にも奇妙な物語20周年スペシャル・秋 ?人気作家競演編? [DVD]出版社/メーカー: ポ…

おおひなたごう『銀河宅配便マグロ』

おおひなたごう『銀河宅配便マグロ』の1〜3巻を大人買いして読破した。銀河宅配便マグロ 1巻 (ビームコミックス)作者: おおひなたごう出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 48回この商…

住所不定無職『GOLD FUTURE BASIC,』

これぞ、音楽の魔法。住所不定無色がとんでもない領域に突入しております。『JAKAJAAAAAN!!!!!』『トーキョー・ポップンポール・スタンダードNo.1フロム・トーキョー!!! 』という素晴らしい2枚のフルボリュームシングル(7曲入り)でもって、1stアルバム『ベ…

ジェームズ・マンゴールド『ウルヴァリン: SAMURAI』

まさか『X-メン』シリーズにこういった映画が現れるとは。侍、ヤクザ、忍者、お寺、神社、新幹線、パチンコ屋、ラブホテル、お箸、日本家屋、ローアングル、小津安二郎・・・歪められた日本文化が炸裂。なんせオープニングからウルヴァリン(不老不死)が第…