青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

『ラジオ岩井』in六本木新世界

ハイバイ岩井秀人がて3時間喋り倒すトークイベント『ラジオ岩井』に足を運んでみました。これが滅法面白かった。岩井さんの話術が抜群に高い。家に招かれて、話を聞いているような感覚が絶妙に心地よかったのです。ラフな感じなんだけども、念入りな準備が見え隠れするのも凄いよかったな。目玉の解説作品は事前の募集で要望が多かったという『霊感少女ヒドミ』。60分ほどの作品なのでスクリーンで作品の映像を見ながらの解説で、細かく脚本や演出の秘密を知ることができてよかった。


岩井秀人Michel GondryのPV作品に大きな影響を受けているそうな。

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『霊感少女ヒドミ』における引用はWhite Stripesの「Dead Leaves and the Dirty Ground」とLucas 「Lucas with the Lid Off」だ。凄まじい映像のマジックを魅せつけておいて、その種明かしまでを作品の中でしてしまうゴンドリ―がたまらなく好きだなのだそう。その影響は『霊感少女ヒドミ』にもモロに出ていて、というか、この『ラジオ岩井』というイベント自体がそれではないか。『霊感少女ヒドミ』には岩井さんの恋愛経験、恋愛観がかなり詰め込まれているそうで、なんかそういう所もミシェル・ゴンドリーっぽいではないか。中でも印象的だったのは、椎名純平の「未来」という曲の

星の数ほど 浮かぶ悲しみを 今夜全て集めて忘れてしまおう

というラインを失恋後に車で聞いていたら、号泣してしまい、既に違う男性と暮らしている元カノの家まで行き、「これをどうしても聞いて欲しい」と、助手席に乗せて爆音で聞かせたのだそうだ。そして、聞き終えた後、

俺、芸術の意味がわかったわ

と呟いたという岩井失恋エピソード。むちゃいい。岩井秀人作品に貫かれる

人に嫌われるのが怖い
でも、どうしたら嫌われないのかもわからないのに
あなたに好かれたいと思っています

という感覚がたまらなく好きだ。


ちなみに私はこのイベントの最後に開催されたクイズ大会で勝ち残り、岩井さん制作のよくわからないバッチをもらいました。イエーイ。5年後には「これ何だっけ?」となる事必至なくらい、よくわからないバッチなのだ。たいせつにしませう。