青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

岡田恵和『ひよっこ』26週目「グッバイ、ナミダクン」

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グッバイ、ナミダクン、また逢う日まで。半年間の放送を終えて1週間ほど経ちますが、まんまと『ひよっこ』ロスに陥っている。日に日に、『ひよっこ』という作品が私の中で大きくなっていくのを感じる。ちょっと遅くなってしまったのだけど、こうしちゃおれん、と最終週に関するエントリーを書き殴りました。そちら、『文春オンライン』の「ひよっこフォーエバー」特集に掲載して頂いております。お時間ありましたら、ぜひお読み下さい。
bunshun.jp
ここに書き漏らしていることがまだまだたくさんある気がする。谷田部家が披露する「涙くんさよなら」の泣き笑い混じったような歌声(あの混じり方こそ、『ひよっこ』であり、人生だ)、実がすずふり亭に預けたお重の記憶を取り戻すという伏線回収のスマートさ、「幸せを諦めません」というヒデの結婚宣言、ヒデからのプロポーズを受けたみね子が返す「結婚しよ」(有村架純の声色と表情!!)、つぼ田つぼ助の2人に流れる愛しきBL感、澄子と豊子の同棲生活開始、回を重ねるごとに素晴らしい存在感を形成していった島崎遥香の由香、最後の最後で登場した津田寛治演じる高校の担任教師・・・とにかくもう、『ひよっこ』は全然"終わらない"のである。



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最近のこと(2017/09/27~)

youtu.be
SaToAの新曲「Light」のMVである。天才だ...メロディも歌唱もパーフェクトだけど、演奏の音色とフィーリングが最高×100。さて、10月になってしまった。ありきたりなことをペラペラと並び立てると、何をするにもちょうどいい素敵な季節が訪れた一方で、今年もあと3ヶ月だとかと焦ります。しかし、本当に時の流れが早い。『カルテット』観てたのなんて、ついこの間な気がするのだけど、あれは年初の出来事らしい。珍しくこの「最近のこと」を書き漏らさず、更新できそうである。月末・月初はブログ更新へのモチベーションが高い傾向にある気がする。



水曜日。帰りにスーパーでハムと卵を買って、丁寧にハムエッグを作ったら、丁寧な分しっかり美味しかった。思い切って卵を3個も使ってやった。「卵はコレステロールが多いので、1日1個まで」という古からの教えはもう定説ではないようだ。板東英二眞鍋かをりの人体実験のおかげである(彼らは1日10個くらいゆで卵を食べるらしい)。

藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない

藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない

めでたく発売となった藤岡拓太郎の漫画作品集『夏がとまらない』がどうにもこうにもおもしろい。何度も噴き出して笑った。好きなページに付箋をたくさん貼りました。この間、さっそく人に貸してみたのだけど、「付箋、何これ?」と聞かれて恥かしかったので、「いや、あの、出版元のナナロク社は斬新なデザインの出版物を出すことで有名なのだよ・・・川島小鳥の『明星』とかさ」とか適当なこと言ってごまかしていたら、「凄い!だってこれ、付箋貼るとか手作業でしょ!?凄いよ!」と素直に受け入れられてしまった上にナナロク社の株まで上昇したので、まだ嘘だと言えていない。それとも、向こうも騙された体を続けているのか。騙すか騙されるかの世の中、気が抜けない。
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ドラマの『わにとかげぎす』を最終回まで観続けることができた。終盤、散りばめられまくった”悪い予感”がサラっと表出することなく過ぎ去っていく感じが実に古谷実だった。主人公カップル2人が最後まで敬語を使い続けていたのが最高じゃないか。本田翼がとにかく良くて、全身全霊で好きでした。本田翼の「富岡さん」と呼ぶ響きが凄くいい。「じゃ、私が富岡さんを幸せにします!」と、ジェンダー観の逆転もサラっと描いてくれた。これはぜひとも『逃げ恥』『カルテット』の枠で放送して欲しいドラマだった。



木曜日。桂正和『I"s』実写化の報に胸が熱くなった。

I

I"s (15) (ジャンプ・コミックス)

瀬戸一貴役が岡山天音らしい。バッチリでは。ついでに、寺谷役を浅香航大にして、『ひよっこ』ファンに媚びて欲しい。『I"s』派か『いちご100%』派で、歳がバレますが、私はどっぷり『I"s』世代。桂正和だと、『電影少女』は通ってないけど、『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』に小学生時代、ものすごいドキドキしていた思い出がある。
D・N・A2 1 (ジャンプコミックス)

D・N・A2 1 (ジャンプコミックス)

『I"s』は修学旅行で伊織ちゃんと同じ布団に入るくだりが好き過ぎて、連載当時100回くらい読みました。Wikipediaを読んでいたら「雑誌掲載時は掲載誌が少年雑誌であるためにヒロインの乳首等は描かれなかったが、単行本では追加されている」という記述を読んで、すぐにでも本屋に行かねばらなるまい、と使命のようなものを感じた。するってぇと、『ドラゴンボール』のブルマの乳首とかも単行本時の加筆だったったのだろうか。連載掲載時の記憶があるという方、情報を求む。仕事後、東京国際フォーラム野性爆弾野性爆弾大博覧会 鬼歩歩(きぽぽ)ちゃん~やりたいネタの集い~』に駆け付けた。平日に1500席のホールがしっかり埋まっている。東京のどこにそんなたくさんの野性爆弾ファンがいたのだ。オープニングのベンジャミン・ボーナス楽団の大ホールでのパフォーマンス、痺れました。
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野生爆弾のコントは変な笑い方をしてしまうものばかりだ。どう笑っていいかのよくわからなくなってしまう。圧倒的な感性と器用さ、そして幅広いカルチャーからの引用で成り立っているのだけども、まったく洗練されていなくて、とても観づらい。しかし、そこがたまらなくかっこいいと思えてしまうからやっかいだ。妙な恍惚感に包まれながら、帰宅。けやき坂46の井口真緒が「長濱ねる兼任解除」について綴ったブログが感動的だった。成人した人間が書いたとは思えない拙い文章力なのだけど、確かなエモーションが宿っている。特に好きだったのは「尊敬と感動でねるちゃんは凄く偉大でした」という一節。言葉は本当はこういう使い方が正しいのでは、という気になる。



金曜日。予定がちょうど合ったので、竹馬の友3人で集まる。荻窪の「ツバキ亭」という洋食屋でハンバーグを食べた。ハンバーグもそれなりに美味しかったが、それよりも、シェア用に注文した”季節の一品料理”が絶品。とりわけ、ラム肉のしょうが焼きと白子のフリットが抜群に美味しかった。店内にエンドレスでオアシスのベスト盤が流れていて、ついつい気分が高揚していましますが、いいお店だと思います。食事後に「邪宗門」で珈琲を飲んでから、解散。「邪宗門」は店内も店主も抜群の雰囲気だし、珈琲も特別な味で美味しい。レジ前に『サザエさん』の茶の間のセル画が貼ってあるところに凄くグッと来てしまった。しかも家族が勢ぞろいして”ない”カットなのだ。『オードリーのオールナイトニッポン』を聞きながら帰っていたら、たまたまオードリー2人の母校の前を通りかかった。この場所にあの2人の軌跡が熱として残って・・・みたいなことは一切思いませんでした。なんせ日大二中の前は昔からよく通る道だったのだ。中村橋駅から荻窪駅までバスの通り道。中学の頃、荻窪までバスで向かって、友達とタウンセブン荻窪駅直結の古い商業施設)で待ち合わせて、モーニング娘。の生写真を買って、「ニューコミヤ」でソフトクリーム食べて解散する、というような死ぬほどつまらない土曜日の過ごし方をしていた。バスの中で、ゆずの『ゆずえん』をMDで聞いていたのを凄くよく覚えているし、「ニューコミヤ」のモカソフトはとても美味しかった気がする。BOSSの缶コーヒーを自販機で買ったら、”当たり”との表記が。BOSSタオルが当たっていた。サイトにアクセスしないで、その場で当たりがわかるのは嬉しい。この期間に何とかBOSSジャン当てて、この秋の主役を独り占めしたい。家に帰って、cellophane『Balloon Songs』を聞いた。元カーネーション棚谷さんプロデュース。とても好きな感じのサウンドで、なんで今まで聞いてこなかったのだろう・・・となっています



土曜日。どうにも風邪をひいてしまった気がする。季節の変わり目、とりわけ夏から秋に移行時はいつも誇り高く風邪をひく。神宮球場にスワローズ寺島の一軍初登板を観に行こうと思っていたのだけど、家で安静にしていることにした。寺島のピッチングはテレビで観た。5失点とホロ苦デビューとなってしまったが、ストレートの球質やマウンドでの佇まいに大器の片鱗は覗かせてくれた。来季が楽しみである。もう今日は一歩も出ないぞ、と決めてお昼も袋ラーメンで済ました。東洋水産の「マルちゃん正麺」の醤油味に、キャベツ炒めを添えて。「サッポロ一番」至上主義の気持ちもわからないでもないが、やはり進化の果ての「マルちゃん正麺」が1番旨い。これは未来の袋ラーメンだ。そして、ひたすらに『ドラクエV』に勤しむ。律儀にも「ゲームは土日しかやらない」というルールを自分に課している。幼い頃のように「ゲームは1日1時間まで」のような制限を設けたほうがゲームは俄然魅力を増しやしないか。1週間ブランクが空くので、冒険のモチベーションを保つのが大変だが、どうにかなりそうなほどドラクエは楽しいので、問題なし。
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とうとう前回のプレイでは果たせなかった主人公の結婚イベントもこなした。あそこでフローラを選ぶなんて鬼畜っぷりは発揮できないが、結婚前のビアンカ

これでフローラさんと結婚できるね・・・
ヒコ・・・・あのね
ううん、なんでもない

私は大丈夫
一人で生きていくのには慣れてるから・・・

みたいな(台詞はうろ覚え)ステレオタイプな”女”感にもウッとなってしまい、マリッジブルーになった。ピエール(スライムナイト)と結婚してぇよ。堀井雄二さん、もうちょい魅力的に女を書けないものか。『ひよっこ』の最終回、ボロボロ泣いてしまった。15分とは思えぬ濃密さ。最後の最後で、津田寛治が出てきたのが凄くよかった。谷田部家の歌う涙声の「涙くんさよなら」、最高だったな。浜口庫之助のコンピレーション盤欲しくなる。『ドキュメント72時間』の再放送で、有楽町駅にいる靴磨き屋さんの回を観た。靴に金をかけていることを鼻にかけた嫌な感じのやつばかり出てきたが(嫁に買ってもらった皮靴を持ってきた人とかは超よかった)、職人による靴の回復ぶりには目を見張るものがあった。ぜひ磨いてもらいたい!と思うも、職人の高圧的な接客の感じが「・・・絶対無理」と思った。風邪をひいている土曜日なので、ブログの筆致も毒強めでお送りしています。



日曜日。昨日よりはいくぶんかましだが、やはり少し風邪気味。スーパーで食材を買い込み、再び家に引き籠る。サウナに行きたいけど我慢である。この日は『キングオブコント2017』の放送日であった。今年のキングオブコントは雰囲気がよかった。相変わらず審査委員の後ろにはタレント崩れという感じの人達が並んでいたけども。あんなことしてまで客席を映す必要あるのだろうか。大会をまんまとさらっていった”にゃんこスター”にすっかりやられてしまった。
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しかし、賛否両論のようである。自分がつまらないと思ったものを誰かがおもしろいと褒めているのがどうしても気に食わない、という人がとても多い。他のジャンルでもあることだとは思うのだけど、この国のお笑いという文化には特に顕著だ。敷居が低いからだろうか。「シンプルに笑えるのが1番だろ」みたいな言葉で片付けられがちだが、お笑いも成熟した文化なのだ、ということは声を大にしておきたい。「あれがおもしろいとされるなんて気に食わない!」という気持ちはわからないでもないのだけど、歳を重ねてきて「そういう感情は不毛だな」と感じるようになった。にゃんこスターを”おもしろい”と感じる為のコードというのがあるし、逆もまた然り。にゃんこスターを”つまらない”と感じる為のコードをまだ身につけていなかっただけかもしれない。移ろいゆく自分の感性に絶対的な自信は持てない。しかし、今現在「おもしろい!」と感じた感情を記すのは楽しいし、それは誰にも阻害されたくないものです。『欅って、書けない?』で織田奈那が「みんな違ってみんないい」「私は今の自分が好き」と言っていて、ものすごく平凡な言葉なのにグッときてしまった。この日の『欅って、書けない?』は秀逸な回で、「小林化という罠」といったキラーワードが登場。尾関姉の育ちのいい感じと、妹への「私にとって1番かわいいアイドルだよ」という言葉に不覚にも涙ぐんだ。土生ちゃんのカースト融和(守屋、志田、渡邊、織田、斎藤の強烈な”一軍”感!!)の為のモッツァレラチーズゲームもよかった。そして、何より2017年に入って初めてなんじゃないかというくらい平手の表情が柔らかかった。髪を切ったことと、次のシングルのフィーリングが明るかったことが、彼女の精神をいい方向に導いたのでしょうか。




月曜日。風邪が長引き、絶不調。追い打ちをかけるように、乃木坂46から年内で伊藤万理華が卒業との報。あまりにも急で、ショックである。確かに卒業していてもやっていける人材だけども。個人PV「伊藤まりかっと。」が二次使用された「リクポでポ♪」のCMよかったもんな。
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妙に脇がかわいい。11月の東京ドーム公演、ダメ元で2日連続で申し込んだら両日当選してしまったので、見納めこようと思う。くるりの新曲「How Can I Do?」をiTunesで購入した。凄くリッチな音楽でとてもよかった。今の気分で聞きたいくるりの15曲を選出したプレイリストを作った。「ふたつの世界」「さよならリグレット」「京都の大学生」「ロックンロールハネムーン」「奇跡」「赤い電車」「リバー」「Birthday」「五月の海」「ハイウェイ」などが入っている。帰宅して、昨夜のにゃんこスターの「リズム縄跳び」を何回も観直してしまった。スーパー三助のピンネタとアンゴラ村長が元組んでいた暇アフタヌーンの漫才をYouTubeで観漁る。どれもおもしろかったが、とりわけ暇アフタヌーンの漫才のおもしろさ。ツッコミの人、むちゃくちゃセンスある。
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Aマッソと暇アフタヌーンがいたナベプロ、凄い。ゾフィーのコント、好きだったなぁ。あのネタが炎上しかけたいうのは絶望しかないエピソードだ。敷居が低い分、リテラシーも低すぎる。あと、にゃんこスターが入っていたライブ予定をほぼ全キャンセルした事を、なんか叩かれてるみたいなんですが、多分同調しているのはライブに行ったことない人達だと思う。賞レースで結果出した芸人がテレビなどの仕事で出演予定のライブキャンセルするというのは"あるある"だ。ライブのお客さんは「がんばれよー」という感じでポジティブに受け入れてる。そして、売れた後もたまに出てきたりすると「いいんですか!?」とありがたい気持ちになった。三四郎とかメイプル超合金とか。そもそも、行ったことない人が想像しているのの5倍くらいお笑いライブというのは開催されている。



火曜日。真中監督のラストゲームを観に行く予定だったが、体調が芳しくないので家で観た。ルーキとの契約がもつれ、最終戦なのに姿なし。そして、秋吉が山本に満塁ホームランをくらい大敗。いやーつらい。バレンティンも去年と違ってスワローズ愛を強調せずに帰った。バレンティンもルーキもサヨナラかな。セレモニーでの真中の涙にもらい泣き。あと、顔を真っ赤にしている西田がかわいかった。今年の最大の誤算と言える西田、西浦、谷内の3人がまた打てるようになってくれないと困る。廣岡と奥村のタイムリーは数少ない希望だった。そして、引退と退団の選手が発表された。中でも衝撃は今浪だろう。病気の為、今季限りで引退。大好きな選手だったので残念でならない。代打で登場した時のあの勝負強さ、忘れられない。どこでも守れるし、バンドも巧いし、本当に素晴らしいプレイヤーだった。ベテラン飯原も退団らしい。田中浩康と飯原がヤクルトスワローズからいなくなる日が来ようとは。原泉、中島、徳山あたりの戦力外通告はあまり納得がいかない。確かに褒められた成績ではないが、あそこをクビにして来シーズンのファームは回っていくのだろうか。いよいよ寒くなってきたので、おでんを鍋で暖めて食べたら、口を大火傷してしまった。何年か前に、かき揚げの熱さでできた口内の傷からウィルスが入って大熱を出したことがあるので用心したい。先週の『オードリーのオールナイトニッポン』が妙におもしろかったので、オードリーラジオの仲間のLINEに「いい回だったね」と送信した。最近やたらと『キン肉マン』の話題が出てくるので、中学時代の部活にジェロニモというあだ名の先輩がいたことを思い出した。



水曜日。ここ最近のマイカーネーションブームからの流れで、トッド・ラングレンをずっと聞いている。

ラントザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン

ラントザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン

ハロー・イッツ・ミー(サムシング/エニシング?)

ハロー・イッツ・ミー(サムシング/エニシング?)

ご多分に漏れず、愛聴しているのは『Runt. The Ballad of Todd Rundgren』『Something/Anything?』『魔法使いは真実のスター』の3枚だけなんだけども、この3枚だけで充分過ぎるほど、一生分愛せてしまう。『わろてんか』3話分まとめて観たけど、ちょっとノリきれない。しかし、高橋一生濱田岳が出てくるらしいので、何とか付いていきたいものです。『トットちゃん』はおもしろそうだけども、観るのが面倒くさいので手を出さないでおこう。前枠の『やすらぎの郷』はなんだかんだ最後まで観てしまった。ラストの妻を失ったことを再認識する石坂浩二の孤独にゾッとした。やすらぎの郷みたいな場所に入ることができない我々はどうすればいいのだ。帰宅して『おじゃMAP』観て感動した。SMAPが2人以上いると、グッと画がもつ。スカートのメジャーデビューアルバムからのリード曲「視界良好」、めちゃいい曲だ。
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にゃんこスター「リズム縄跳び」の衝撃

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かまいたちさらば青春の光の熱戦は実に見応えがあった。さらば青春の光の森田にはブルースがある。売れて欲しいけど、売れない悲哀がより彼らをおもしろくしていきそうで、複雑な心持ちだ。しかし、あれだけ売れっ子であるアンガールズがルーザーの視点を持ち続けているのにはグッときてしまうではないか。2本目の「こんな人間がいたことを誰かに知って欲しかったんだよぉ」という叫びの切実さは、忘れ難いものがある。ジャングルポケットは昨年よりグッと上質なコントを披露していたし、点数は伸びなかった組も軒並みおもしろかった。個人的にゾフィーとアキナのコントはとても好き。しかし、何はなくとも『キングオブコント2017』の印象は”にゃんこスター”という男女コンビであった。ラディカルでプリミティブで、それでいて抜群にポップな超新星。ずっとこんな新しい衝撃を待っていた、という気分です。コンビ名からルックスや衣装まで全部いい。私たちの”サブカル”という概念が具現化したようなアンゴラ村長のルックスにまずもってグッと来てしまう。おそらくカルチャーへの造詣が深い方なのだろうけども、そういった趣向をこれみよがしにネタに落とし込むわけでないのがいい。コントで使用する楽曲が戸川純などでなく、あくまで大塚愛の「さくらんぼ」というのが賢いし、開けている。あれでPerfume椎名林檎あたりの楽曲を使っていたら、どっちらけなのである。


スーパー三助もアンゴラ村長もどこかで見たことがある”誰かの偽者”のようなルックス*1なのだけども、コントそのものは唯一無二であるのがクールだ。お笑いを日常的に観ている人ほど、「キングオブコントの決勝であの定石外れのコントを披露する」という現象自体がたまらなくおもしろく感じてしまうだろう。しかし、そういった外枠の力だけに頼ったコントでは決してない。観れば観るほどに、よく練られた一品であるように思えた。
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スーパー三助演じる縄跳び大好き少年が「縄跳びって最高だよね」と大声で叫びながら登場し、リズム縄跳びの発表会の開催に対して、「ボクが観なきゃ誰が観るってんだい!」と、意気揚々と競技の行方に目をこらす。このコントの導入は、『キングオブコント』という大会と、その行方をテレビ越しに見守るお笑い好きの視聴者との関係性がそのままトレースされていやしないか。演目を披露するアンゴラ村長の登場とその華麗な縄跳びさばきに「かわいらしい子が出てきましたよ」「上手だねぇ」と感想を漏らすスーパー三助の存在は、我々視聴者そのものだ。楽曲がサビを迎えるやいなや縄跳びを使わず踊り出すというボケにも同じようにツッコみ、戸惑う。

飛ばなーーーい!
サビで縄跳び、飛ばないですかー!!
なんで飛ばないのよ
サビでそれやったらいいじゃない・・・

その後もスーパー三助は、「リズム縄跳び」というコントに対して私たちが抱く感想をそのまま大声で代弁してくれる。気が付けば、アンゴラ村長の変なダンスにすっかり魅せられてしまった私たちとスーパー三助が、完全に共鳴する瞬間が抜群に心地いい。

あれ!?この動き求めている俺がいる
この動きが頭から離れない
サビが来るっ!
まさか!!?
待ってましたぁ!!!

ここで、それまで”オイラ”や”ボク”といった一人称を使い、少年を演じていたスーパー三助が突如として、”俺”という人称でもって素に戻ったようなそぶりをとるのも見逃せない。あの瞬間のスーパー三助は、完全にコント内の役柄を捨て、”私たち(=視聴者)”と同化しているのだ。


にゃんこスターの「リズム縄跳び」というコントに激しく心動かされてしまうのは、スーパー三助を通して、「価値観の転覆」という革命を、私たちも同時に体験してしまうからに他なるまい。

僕の中のお笑いの方程式がグワーンって変えられましたね


バイきんぐ小峠

これはお笑い界変わる
ちょっと長目にお笑いブーム続いてましたけど
やつらがキングになったらちょっと次の局面に入る気がする


伊集院光

という前振りVTRのコメントにあるように、にゃんこスターのコントは革命である。革命だなんてロッキングオン社のような煽りはできれば使いたくないものだが、実際に革命なのだから仕方あるまい。2本目の「リズムフラフープ」では、神様すらにゃんこスターに翻るのだから。まぁ、確かに荒唐無稽。一部の視聴者からは「お遊戯会かよ」という批判が大量に発生しているようだ。しかし、意識の革命のようなものが、お遊戯会のようにシンプルに楽しく表現されてしまっている、それが何より凄い。「大声を上げているだけ」のような批判は頷けない。スーパー三助の声色やイントネーションの使い分けは、それだけで彼が技巧者であることが窺える。ダンス中のアンゴラ村長の表情なども「それしかない!」というような完璧なおもしろさだし、そもそも縄跳びとフラフープがむちゃくちゃ上手いのすらおもしろい。*2

あぁ!!伝説の縄跳びだっ!
選ばれるわけないよ
選ばれないと抜けないけど
選ばれるわけないっ!

という伝説の縄跳びを巡るくだりも、偶然なのかもしれないが『キングオブコント』というシステムと同調してしまっている。スッポリと抜ける伝説の縄跳び。にゃんこスターは”選ばれた”にも関わらず、それに執着しない。ファイナルラウンドでも1本目と同じネタを連続で演じるという愚行(いや、英断か)に出る。

こっちのほうがいいよね
こっちのほうがいいよ
伝説の縄跳びなんて捨てちゃえよ
こっちでいこう こっちで
最高だよこの動き

「いや、単に他にネタがなかっただけだろ!」というツッコミはさておき。「僕たちのコンビ名はにゃんこスターでしたー」というコントの締めにひどく感動してしまうのは常識の破壊という以外に何か要因がある気がするのだけども、言語化できていない。しばらくの間は頭の中はにゃんこスターでいっぱいになってしまいそうである。

*1:スーパー三助はサカナクション山口とナイツ土屋を足して割ったような、アンゴラ村長は地下アイドルの姫乃たま

*2:あの緊張の舞台で一度もミスらないのが凄いし、おもしろい。

藤岡拓太郎『夏がとまらない』

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この最高の1冊が完成するまでの経緯をまとめたメイキングブログの中で、出版元であるナナロク社の村井光男が藤岡拓太郎作品をこんな風に評している。

藤岡さんの作品は全般に、いわゆる「あるある」ではなく、
むしろ、そんなひとたちはいない「ないない」なのですが、
それを、「あるある」のように描いていることにも、
私は、面白いと思っているところです。

まさにズバリだ。そして、藤岡拓太郎の漫画にこういったおもしろさが含まれているからこそ、WEBで自由に読める*1作品を、こうして1冊の本にまとめる意義があったように思う。この『夏がとまらない』という本には、名も無き奇人変人たちが繰り広げる”ありえないような“シチュエーションが、当たり前のような顔をして、矢継ぎ早に繰り広げられていく。ほとんどの作品が1ページ2コマという短さでもって、収録数は約220本というボリューム。このスピード感と物量で”ありえないさ”を浴びていると、「ありえないなんてことは”ない”のではいか」という感覚に辿り着くのである。この世界はどんなことでも起こりえる。いや、起こっている。多分、私たちが”それ”を知らないだけなのだ。


藤岡拓太郎の描く漫画は、吉田戦車和田ラヂヲのような洗練されたナンセンスギャグの系譜にあるように感じるが、そこに泥臭い絵柄と関西の土地の匂いが混じることで、独特のブルージーさが生まれている。妙に切ないし、温かい。不条理な出来事を綴ったパワフルな笑いがメインだが、時々思い出したかのようにハートウォーミーな作品が編み込まれているのがいい。このランダムさは、なんというか世界の在り様そのもののように思える(製本の"天アンカット"というこだわりも、この感触とマッチしていやしないか)。代表作とも言っていい「とある蕎麦屋の夫婦」や「父と娘」の

あとあの・・・愛してるから

生まれてからずっとかわいいな

なんていうのは、やはり藤岡拓太郎の表現の根幹を支えるものだろう。作中に数多登場する変人たちの誰もが、圧倒的に世界とズレながらも、切実に誰かとコミュニケートしようとしている姿が好きだ。この底知れぬ魅力を持つ藤岡拓太郎の漫画作品を”愛”なんて言葉で括ってしまうのは凡庸でありきたりなのかもしれない。しかし、終盤にまとめられている、「みそか」「オレオレ電話」「あこがれの4DX」「しょくぱん」「ゆれる」「うれしみ」「きのう走ってるの見たよ」「ドーン」・・・といった比較的コマ数の多い作品たちを読んでいると、そこらに転がるありきたりな”愛”の描写にバチっと心掴まれていることに気づく。いや、むしろその”ありきたりさ”こそが愛おしい。この本の記念すべき1ページ目に収録されている作品が「パンを買いに行くだけなのに、そのことが急にうれしくなって走り出す人」なのが凄く好きだ。この素朴で何気ない1本から本が始まるというのが、『夏がとまらない』という作品を貫くポジティブなフィーリングを象徴しているように思う。


ときに、藤岡作品のタイトルはえらく長いものが多く、それ込みで作品として完成するスタイルである。例えば「水たまりにエサをやっているおっさんを見かけて、夜になってからそのことがだんだん面白くなってきた子供」だとか「“走る”という動きを、これまでの人生で見たことがなかった人」だとか。最近気づいたのだけど、これらのタイトルは先に読んでも、後で読んでもおもしろい。先に読めば、タイトルを”問い”として漫画パートを大喜利の極上の回答のようにして楽しめる。後に読めば、漫画パートを”ボケ”とする、「まさにそれ!」としか言いようのないキレのあるツッコミとしてタイトルを楽しめる。二度美味しいですね。まとまりに欠ける考察で申し訳ないのだけども、「アメリカドッグがタバコと同じぐらい嫌がられてる世界」とか「6時間に1回、10秒間だけ開く冷蔵庫を使っている家族」の小さなSF感も好き。いや、もうとにかく全部好き。最高に愛おしい1冊の誕生なのです。

藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない

藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない

*1:本が発売されたあとも削除されることなくWEB上で好きに読める、粋だ

最近のこと(2017/09/16~)

8月が曇天続きだったせいなのか、9月にしては雨が少なかった気がする。例年より残暑も厳しくなかったが、上着を着るのはまだちと早い。「これはもう完璧に秋が来たな」という日に、パーカーとかカーディガンを羽織って出掛ける時の、あの得も言われぬポワンとした気持ち。ceroが「ディアハンター」という曲で完璧に歌っていてくれて、嬉しくなったものです。季節の話で言えば、セブンイレブンの棚から素麺がなくなってしまって悲しい。秋に素麺を啜ったっていいではないか。茸とか紅葉おろしを添えて、秋素麺とか言って売り出せばいいのに。あと、季節関係ないですが、ツナマヨと大葉を添えた素麺が発売されたら、みんなが幸せになれる気がする。とは言え、置いてないものは仕方ないので、最近はもっぱら、ざる蕎麦なのである。セブンイレブンのざる蕎麦は年々進化していて、これが結構美味しいのだ。ある日、つい浮気心でファミリーマートでざる蕎麦を買ってみたら、あまりのレベルの違いに驚いてしまった。セブンイレブンはやはり絶対王者なり。



『オードリーのオールナイトニッポン』を、リアルタイムと並行して、ひたすら過去のアーカイブを聞き続けているので、私の中のオードリー史の時間軸が捻じれている。Netflixで復活する『あいのり』のMCがオードリーとベッキーであるというのは最高だと思う。全然観たくないけど、観てしまいそうだ。元祖のMCは久本雅美加藤晴彦だった。なんかすごく昔の出来事に感じる。最近のマイブームはもっぱらカーネーションなのです。

Suburban Baroque

Suburban Baroque

先日リリースされたニューアルバム『Suburban Baroque』があまりに心に染みる。ちょうど20年くらい前の3枚も今の気分にバチーンとはまるので、繰り返し聞いている。『GIRL FRIEND ARMY』(1996)、『booby』(1997)、『Parakeet & Ghost』(1998)あたり。とりわけ「ニュー・サイクリング・ブギ」「コズミック・シーのランチ・タイム」「ダイアモンド・ベイ」「月の足跡が枯れた麦に沈み」「グッバイ! 夕暮れバッティング・マシーン」あたりのメロウネスに完全にやられていて、何度も再生する9月です。ニューアルバムからリード曲を。
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ドラゴンクエストⅪ』がやりたすぎて、PS4の購入を悩みに悩んだ。しかし、それらの機種を買ったところで、ドラクエ以外に特にやりたいゲームが『人喰いの大鷲トリコ』と『グランド・セフト・オート』くらいしか思いつかない。そもそもゲームが苦手なので、買ってもすぐにやらなくなるリスクがある。そこでまず、『ドラゴンクエストⅤ』をプレイしてみて、全クリできたらPS4を買う、という試練を自分に課すことにした。

辛うじて動く年代物のPS2は起動音がポコポコと五月蠅い。何年か前に『ドラゴンクエストⅤ』に挑戦した時は主人公の結婚手前で、急にプレイを放棄してしまったので、今度こそ世界を救いたいと思います。『勇者ああああ』の山口クエストの「攻略サイトで調べてクリアするゲームはただの作業」という名言に倣って、一生懸命迷ったり悩んだりしながらプレイしている。今のところ、凄く楽しいです。偶然だが、『ドラゴンクエストⅤ』は今年でちょうど発売25周年であるらしい。山口クエストに影響されて『俺の屍を超えてゆけ』も300円くらいで買ったのだけど、まだプレイしていない。根が凝り性のオタク気質なので、RPGに手を出すと、とことんプレイして廃人になってしまいそうで怖い。



プロ野球ファンですらあまり興味がないだろうが、今季のヤクルトスワローズが凄いことになっている。後2敗すると、チーム創設以来のシーズン最多負け記録を更新するのである。その数、なんと95敗。シーズンが143試合なので、その7割近くを負けていることになる。「いや、3割も勝っているか?」というくらいに、あらゆる芸術的な負け方を披露してくれた今季のヤクルトスワローズ。2017年、忘れられない年になりそうです。真中監督が退任で、次の人事は小川SDが監督として再登板で決定のようだ。球団の泥をかぶり続けてくれる小川SDに感謝。そして、宮本慎也がヘッドコーチに就任との噂。現代っ子が多くなってきたスワローズに、宮本のPL学園仕込みのスパルタが通じるのか心配だが、あれくらい厳しい人に根底から叩き直される必要があるくらいに、チームは崩壊している。監督は、小川→高津→宮本というリレーになるのだろうか。



amazonプライムで配信されている吉本興業の番組コンテンツがどれもこれもおもしろい。『ドキュメンタル』はもちろん、『野性爆弾のザ・ワールド・チャネリング』『今田x東野カリギュラ』『トータルテンボス・千鳥・平成ノブシコブシの特攻フルスインガー』『千原◯ニアの◯◯-1GP』あたりにズッポリはまっている。『野性爆弾のザ・ワールド・チャネリング』の千鳥ゲスト回が好き過ぎてどうにかなりそう。上半期1番笑った気がする。『陸海空 地球征服するなんて』を録画しているので、時間帯がかぶっている『いろはに千鳥』を最近観られていない。「部族アース」以外はあんまりだし、『いろはに千鳥』に戻そうかなと思っていた矢先に、バイきんぐ西村瑞樹さんの「激安!いいね!アース」という最高の企画が始まってしまったので、釘付けだ。この2本柱でやっていって欲しい。西村瑞樹さんは赤子のようで、抜群におもしろい。しかし、『陸海空』は10月からプライムタイムに移動するらしいので、まだ『いろはに千鳥』が観れます。



先週は三連休があった。下北沢のスズナリでロロの本公演『BGM』を観劇しました。あまりに素晴らしかったので、仙台公演のチケットを購入してしまった。劇中の泡の助とBBQよろしく音楽を流しながらドライブがてら仙台に向かいたい。『BGM』に大きな影響を与えたであろう『愛のようだ』にも『BGM』にも、凄く印象的にハードオフが描写されている。江本祐介の作った劇中音楽はどれもナイスポップミュージックで、うっとり。役者としての江本祐介もやはり悪くないのだ。織田奈那の個人MV「コールミー」での江本さんの「いいじゃん」が本当に好き。ちなみに欅坂46にドはまりしているらしい冨樫義博先生も「コールミー」が好きらしい。
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観劇前に食べた「旧ヤム邸 シモキタ荘」の全部かけのカレー(お米はジャスミンライス)。最高に楽しいスパイス体験だった。ウットリするほど美味しかった。むちゃんこかわいい店員さんも働いていたので、何回だって訪ねたいという気持ちです。観劇後は「古本ほん吉」で山田太一の戯曲集の古い版のものを2冊購入。あと10年前の東京銭湯ガイドを買った。リニューアル前の「久松の湯」が載っている。私の好きな「アクアセゾン」「パブリバ八光」「光徳湯」「ときわ健康温泉」「大黒湯」といった板橋のマイナー銭湯がしっかり掲載されているのがうれしかった。『マスター・オブ・ゼロ』がエミー賞コメディ部門最優秀脚本賞を2年連続で受賞したのもうれしかった。
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受賞エピソードである「Thanksgiving」はヤングデフの歌うディアンジェロも最高です。『ミュージックステーション』の特番をガッツリ観て、敬老の日を潰してしまった。とりたておもしろかったわけでもないのに。首の手術を終えたYOSHIKIの顔がふっくらしていたのが1番印象的でした。音楽特番の度にSMAP・・・と思ってしまう。「新しい地図」に期待。いつか中居くんが木村くんを引き連れて合流することを無邪気に夢見ることにします。ジム・ジャームッシュの新作『パターソン』も観た。
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とてもいい映画だった。絵画のようなショットの連なりが極まっている。何か決定的な出来事が巻き起きてしまいそうな不穏な予感が常に画面上に満ちているのだけども、ちっとも大袈裟なことは起きないのがいい。アダム・ドライバーのバスの運転手役も凄く良かった。劇中の詩もよくて、主人公が影響を受けたというウィリアム・カーロス ウィリアムズの詩集を買ってしまう。バスの乗客の若者2人組がウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』主演の2人だった、という記事を読んで驚きました。黒沢清の『散歩する侵略者』も2回観た。『三度目の殺人』と『新感染』がまだ観られていないので、ソワソワしている。



まだかろうじで記憶のある先週の金曜日。仕事後に友人らと池袋の「中国茶館」で中華食べ放題を楽しむ。前回は入れなかったが、雨降りだったおかげでギリギリ入店できた。全部美味しかったけども、蒸し餃子とかニラ饅頭とか大根餅がとりわけ美味しかったです。話題は『A子さんの恋人』実写化妄想キャスティング、安室ちゃん引退、NEW(S)MAP、朝ドラ『ひよっこ』、最近の森田剛(V6)のかっこよさ・・・と完璧なるアラサー女子会の様相であった。

A子さんの恋人 4巻 (ハルタコミックス)

A子さんの恋人 4巻 (ハルタコミックス)

『A子さんの恋人』の4巻めちゃくちゃおもしろかった。大江健三郎の『空の怪物アグイー』は今後の展開を握る鍵になるのだろうか。実写化しておもしろくなる可能性は、色々な奇跡が重ならないと難しいだろうが、A太郎が坂口健太郎ならとりあえず何でもいい。仮に向井理あたりに白羽の矢が立つことがあれば死を選ぼうということで会の意見がまとまった。高橋一生でもきっと素敵なんだけど、イッセーさんは大人の色気が出過ぎている。安室奈美恵の引退は寂しい。世代的にどうしたってスーパースターなのだ。1998年の紅白歌合戦での復帰パフォーマンスを妹とテレビにかぶりつくように見つめていたら、母が「やっぱり安室ちゃんはこの子たちの世代にとって特別な存在なのねぇ」と何やらわかったようなことを口にしていたのが妙に記憶にこびりついていて、そのことが「安室ちゃんはスターである」という私の認識を高めている気がする。小室哲哉プロデュースの曲はだいたい好きだけど、特に「SWEET 19 BLUES」と「a walk in the park」の2曲は、うちら元アムラーソウルミュージックであった。
SWEET 19 BLUES

SWEET 19 BLUES

アルバム『SWEET 19 BLUES』に「a walk in the park」が収録されていたら完璧だった。ときに、ハマダ―とは何だったのかを総括する為に「浜田雅功になりたいボーイと小川菜摘(元オナッターズ)」という映画を誰か撮ってください。話が逸れました。安室奈美恵は2004年の「GIRL TALK」から「White Light」「CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK」「Baby Don't Cry」「FUNKY TOWN」「60s 70s 80s」までのシングル群が本当に神懸っていて、夢中だった。当時の『JAPAN』だったかで、「White Light」をレビュー欄ではなく小さな枠で凄く褒めている編集者がいて、それが宇野惟正さんだった(多分)。「White Light」は最高のクリスマスソングだ。
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土曜日。家事を済ませて、昼前に自転車に乗って笹塚へ向かう。涼しかったけども、自転車を漕ぐとTシャツ1枚で充分だった。3時間コースで「天空のアジト マルシンスパ」を楽しんだ。夏場は温度が上昇するマルシンの水風呂ですが、もう18℃まで下がっていた。充分ではないか。むしろいくらでも浸かっていられる最高の温度だ。水質も水量も文句なしで、とてつもない気持ちよさでした。セルフロウリュウで心地よい蒸気に包まれ、水風呂でクールダウン、身体を拭いて、高層のベランダで外気浴。身も心も完璧にととのった。夜ご飯に「カプリチョーザ」に行き、久しぶりにHITOSHI MATSUMOTOセットを楽しむ。松本人志がこよなく愛した「ミネストローネ→イカとツナのサラダ→トマトとニンニクのスパゲティ→カボチャのタルト」というメニューを網羅したコースのことである。マッチョになった今でも松本人志カプリチョーザに行くのだろうか。まだまだチキンライスでいいや、と思ってくれているのだろうか。板尾創路が監督した『火花』の主題歌が、菅田将暉と桐谷健太の歌う「浅草キッド」カバーらしい。凄いセンスだ。カプリチョーザを食べてから、シネコンで映画という最高の流れに乗った。乃木坂46が主演の『あさひなぐ』を観た。
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青春学園ものだし、予告を観る限り『ちはやふる』くらいはいいだろう予測していたが、過度な期待であった。

モーニング娘。in ピンチランナー [DVD]

モーニング娘。in ピンチランナー [DVD]

モー娘。走る! ピンチランナー』よりちょっと上という感じでした。王道のストーリー展開なのに、細部がことごとく良くない。観る者をバカにしたような劇伴もひどかった。しかし、それでも『モー娘。走る! ピンチランナー』よりちょっといいので、アイドル映画としては充分なのだろうか。けど、面をかぶると誰が誰だがさっぱりわからなくなるのは致命的だ。垂れに名前書いてあるんですけど、役名なんて覚えてないぞ。メンバーは好演していた。とりわけ伊藤万理華さんと生田絵梨花さんは魅力満点。演技していることを忘れさせる軽やかがあった。1番演技が上手いはずの桜井玲香さんの良さがまったく引き出されていなかったのは大変遺憾である。とにかくギャグシーンがうるさい。福田雄一のメソッドなのか。彼や英勉のユーモアセンスはどうしてもわかりあえない。オープニング、学校に向かう西野七瀬が家を出て、朝の爽やかな空気を吸い込む。カメラが坂道を捉えながら上昇していくのだけど、「ウッ」という音が入って、カメラが下がり、路上の生ごみの入ったゴミバケツが映し出される。映画開始数秒でこんなつまらないボケを入れてくる神経がどうしても理解できない。ましてや”坂道”を前にして。更に露出狂が朝から登場して、その陰部には何とモザイクが入っている画面を観て、完全に心が死んだ。往年の『M-1グランプリ』くらいボケの手数が多い。これが、いつかできるは今日できるよ、の精神なのか。乃木坂46は『初森ベマーズ』と言い、大事なところで・・・乃木坂46×『あさひなぐ』を矢口史靖監督で観たかった。来年の2月公開なので、気が早い話なのだが、元・乃木坂46深川麻衣初主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』には期待だ。監督が個人PVでも数々の傑作を献上している今泉力哉である。いい画しかない予告だ。
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日曜日。寝坊してしまい予定が狂う。小杉湯で江本祐介とSaToAのライブを観て、「インド富士子」でカレーを食べるはずが・・・仕方ないので、洗濯して、掃除して、ドラクエVやって、カーネーション聞いて、お昼に焼きそばを2種作って食べ比べしてみる。夕方過ぎに自転車で「貫井浴場」に行ってみた。サウナをつけると料金は960円と、銭湯にしてはなかなかの高額。しかし、なるほど、施設は充実している。木の香りが立ち込めるサウナはコンディションもよく素晴らしい。露天風呂スペースで外気浴可能な上に、サウナ利用者専用の休憩スペースが水風呂の隣に設置されている。6畳ほどで冷房とラジオが入っていて、椅子が4つ設置。これはありがたい。あしかし、水風呂は体感20℃ほどで温い。サウナの良さを思うとかなり残念だ。また、この時間帯だけかもしれないが、サウナ利用者の8割は汗を流さずそのままドボン。雑誌持ち込み、その他もろもろかなりマナーは悪い。『欅って、書けない?』は5枚目シングルの選抜発表だった。綺麗なフォーメーションだ。そして、長濱ねるさんが欅坂46専任に。まさかの6枚目で長濱ねるさんセンターあるのか。ひらがなメンバーが長濱ねるさんを「ながる」と呼ぶの好きだったし、専任はちょっと残念だ。「KEYA ROOM』とか観ていても、ねるさんがいるだけで場のトークがむちゃ跳ねる。

Bananaman Live “good Hi” [DVD]

Bananaman Live “good Hi” [DVD]

バナナマンの単独ライブDVD『good Hi』を久しぶりに観直して、そのおもしろさに感激してしまった。この時、設楽統が32歳。凄い・・・学生時代、「punks」が好き過ぎて、友達の家に何人かで泊まった時に、レンタルして流してみたのだけど、まったく笑いが起きなくて、辛かったのを思い出しました。