最近のこと(2020/05/19)
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5月19日、ayU tokiO『遊撃手』がサブスク解禁ということで、アルバムからのリードナンバー「あさがお」のMVです。
高速道路の脇の道 陽が落ちていく
という冒頭のリリック。目を向けられることのなかった薄暗い日常に潜むシーンに光が当たっていて、これぞ詩の営みだなと感嘆してしまうのです。なんとこのMVの主演は小西桜子。この2年後に三池崇史『初恋』でカンヌの地を踏むシンデレガールだ。タイムレスというか、どの時代に属しているのかわからない儚さゆえの存在感がある。と言いつつも、わたしは『初恋』のポスターを観て、ずっと主演女優は前田敦子なんだと思い込んでいたのですけど。『遊撃手』は2018年のマイベストアルバムで、CD・レコード・カセットの3形態ですべて揃えるほどに愛してる作品です。このアルバムのDIYながらのリッチな質感にどれほど救われたことか。ドラムやシンセの響き、そして「頑固もの」「大ばか」といった楽曲の詩情。これを機にぜひともより広く聞かれて欲しいです。同じタイミングでサブスク解禁されたやなぎわまちこ『回転画』というオリエンタルニューウェーブな名盤もぜひ。
寝付きが悪いので朝が辛く、ボーッとする。覚醒のために、買ってあった山崎の「薄皮ピーナッツパン」(5個入り)を3個食べた。ポツポツと雨が降っていて、カーディガンが必要なくらい肌寒い。昼過ぎに依頼してあったTOTOのメンテナンスサービス代行会社が来た。業者に修理してもらっている間、小さな音で『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)を流して仕事した。21日で関西の緊急事態宣言が解除されるのはほぼ決定的なようなので、そろそろ荷造りを始めないといけない。4月の頭に2週間だけ大阪で過ごしたものの、またゼロからのスタートという感覚。生活も仕事も不安だ。風呂場にいる業者の人に呼ばれ、「とりあえずこれで様子を見てみましょう」ということで修理完了。憧れの銭湯生活も1日で終わりを迎えてしまった。
人の声が恋しいのかラジオ漬けの日々。最近はインターネットラジオであるGERA放送局の番組も愛聴している。『ラランドの声溜めラジオ』はすべて聞いてしまったので、ヤーレンズ『ラジオの虎』にも手を伸ばした。途切れることなくシームレスに数珠繋ぎされていく駄弁りは彼らの漫才そのもの。知識の蓄積からなる会話の横滑りがスリリングだ。東京のライブシーンではトップランカーだけども、これだけの才能がメディアの日の目を見ないまま終わっていくのはどう考えてもおかしい。見た目もスマートだし、なにかのきっかけで売れて欲しい。ライブシーンの雄と言えば、ジグザグジギー池田、ルシファー吉岡、ウエストランド井口の3人でスタートした『ゲラステーション』もおもしろいです。ジグザグジギーはわたしが1番お笑いライブに足繁く通っていた頃のアイドルだ。1回だけ出待ちもしたことある。しつこいまでの反復のグルーヴに魅了されていた。この他にも「出欠」「ロボット家政婦」「お会計」「ダイイニングメッセージ」など珠玉のコントがたくさんある。『キングオブコント』でデスダンスとまで呼ばれた静寂の大すべりの「なにこの握力」も、今としては味わい深い。最近の動向が掴めていなかったのでラジオはうれしい。#3で電話にて登場した宮澤さんもあいかわらず最高だった。
夕方、今にも雨が降りそうだったけども豆腐を切らしていたので、スーパーへの買い物がてら散歩。radikoでぺこぱ『こんなラジオも悪くないだろう』(TBSラジオ)を聞いた。日本放送、文化放送、TBSラジオと渡り歩いた3本のラジオ、すべてちょうどいい塩梅でずっと聞いていたくなる。『こんなラジオも悪くないだろう』ではチャットモンチーによるウルフルズ「かわいいひと」のカバーが流れたのだけど、まさにかわいい人たちのラジオだった。松井さんもシュウペイも本当にかわいらしい。松蔭時の自主制作CD『風』からタイトル曲が流れる頃に、雨が降り始め、わたしは濡れ鼠となった。
帰宅して夜ご飯の準備。豆腐ぶっかけ丼、玉葱のバターソテー、スーパーの惣菜パックの茸の子の土佐煮を食べる。葱を1本使い切るくらいに豆腐ぶっかけ丼を食べたので、そろそろ飽きてきた。テレビで『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)の1話の再放送を観る。おもしろい。とてもおもしろいのだけど、労働することの美徳みたいなものが色濃くて、元来の怠け者としては観ていて辛くなるところもある。うう、何日も泊まり込んでシステムの書き換えなんてしたくない。京大卒だと35歳であんな部屋に住んで家事代行を雇うことができるのか...とかも考えてしまう。放送から4年経ち、気がついたら平匡と同い年になっていた。
僕はみなさんのちゃんとしてない所が好きなんです
たとえ世界中から責められたとしても
僕は全力でみんなを甘やかしますから
であるからわたしはこんな台詞がポーンと飛び出す『カルテット』というドラマに救われてしまうのだ。ホッと息がつけるような気持ちになる。そんな書き手である坂元裕二の新作テレビドラマが今月末に観られてしまうという。生きる希望だ。放送日はもう大阪だろうか。瑛太とカエラも観たいし、満島姉弟も観たい。誰も言わないけど、有村藍里と有村架純だって観たいよ。
『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)のパンサー尾形ドッキリがとてもよかった。尾形さんの純粋さゆえに嘘が現実を超えていくという想定外の展開。今年に入ってから尾形さんの活躍は突出している。『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日)の予告が相変わらず好調。見たことないのだけど、ずっと楽しませてくれるドラマだ。視聴率もいいらしい。『テレビ千鳥』(テレビ朝日)、『住住』(日本テレビ)、『あちこちオードリー』(テレビ東京)と、眠りに就くのが億劫で、ひたすらにテレビを梯子してしまった。最近、眠る前はいらぬ考えに支配されていて、だいたいゾッとしているのでベッドに入るのが嫌になる。どうにかこの孤独を飼い慣らさないといけない。しかし、今日はどうしても眠れないので、すがるように祈りのような音楽を聞いた。