青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2025-01-01から1年間の記事一覧

水曜日のダウンタウン「名探偵津田第4話 〜電気じかけの罠と100年の祈り〜」

「名探偵津田」のおもしろさは、フィクションによる自我の境界の揺らぎだ。そのおもしろさが加速した第3話においてダイアン津田より提唱された“1の世界”と“2の世界”という概念。“1の世界”とは津田が探偵として存在する虚構の世界で、”2の世界“は、津田がお…

カナメストーンが重ねていく"青春"のページ

過去最高レベルと名高い『M-1グランプリ2025』、カナメストーンが敗者復活戦で21組の中から勝ち上がった瞬間、わたしは涙を流しながら、雄たけびを上げていた。カナメストーンに対する、この強い思い入れは何なのだろう。ファンの熱量は異様に高く、芸人から…

ふじきみつ彦『ばけばけ』-「カイダン、ネガイマス。」に宿る官能-

最近の『ばけばけ』が凄いとこになっている。怪談を軸としながらも、超一級のラブストーリーが、繊細に繰り広げられている。トキとヘブンそれぞれの気持ちは、決して本人の口からは語られていない。しかし、画面の中には確かに“想い”が立ち上がっており、そ…

Netflix『ラヴ上等』-なぜ、水はやべぇのか-

Netflixの新しい恋愛リアリティショーである『ラヴ上等』がおもしろい。抜群におもしろい。ヤクザや暴走族といった出自、もしくは家庭環境などに壮絶なバッグボーンを背負った元ヤンキーたちが、山奥の学校“羅武上等学園”で14日間の共同生活を送る。序盤から…

NHK夜ドラマ『ひらやすみ』最終話

ドラマが終わってしまった。もうあの“なつみ”に会えないなんて。森七菜が演じるなつみ画面にが出てくるだけで、そのフニャフニャとして身体性に反して、一挙手一投足を見逃してはなるまいといった緊張感が生まれ、ピリっとドラマを牽引していった。それくら…

最近のこと(2025/11/25~12/3)

11月25日火曜日 朝から大雨。この日は自動車免許の更新のために、有給休暇を取っていて、午前中は暇だったのでイオンモールに出掛けることにした。平日なので空いているイオンモール。イオンの本屋さんである「未来屋書店」で、東洋水産の“マルちゃん焼そば”…

藤井健太郎『芸人キャノンボール2025』

芸人キャノンボールが9年ぶりにU-NEXTで復活。地上波から配信に舞台を移したからと言って、内容が大きく過激になったわけではない。カンパニー松尾の『テレクラ・キャノンボール』をベースにした基本ルールは変わらず。メンバーは多少変更になっているが、有…

最近のこと(2025/11/15~11/24)

「最近のこと」が全然更新できない。実のところ、ドラマや映画の感想エントリーを書くよりも、日記を書くほうがずっと労力がかかる。書いていて、「こんなん誰が読むねん」となって筆がのらないので。また、何を書くか以上に、何を書かないのかも重要で、そ…

土井裕泰『平場の月』

地味な映画だ。なんたって舞台は朝霞台である。朝霞台というのはあと数駅で東京という埼玉のベッドタウンで、暮らすためだけの街。その他にも聞こえてくる地名は、池袋に練馬に新座などであって、これは池袋駅を起点とした東武東上線と西武池袋線の映画なの…

NHK夜ドラマ『ひらやすみ』

NHKの夜ドラマ『ひらやすみ』が毎日の清涼剤である。真造圭伍による原作漫画が大傑作なのはもちろんとして、その空気感を立体的に浮かび上がらせる完璧な実写化だ。キャスティングがあまりに素晴らしくて、漫画から飛び出してきたような吉村界人のヒデキなん…

安藤奎『じゃあ、あんたが作ってみろよ』5-6話 -なぜ、とり天は空を飛ぶのか-

竹内涼真、完璧っ。人間の情けなさ、かわいさを余すことなく表出している。作った出汁を容器に入れて、ちゃんとラベル貼っているところとかもかわいい。アイビースタイルで清潔感があるのに、なんかダサい私服も愛おしい。大きくて真っ黒な虚無の目をした夏…

安藤奎『じゃあ、あんたが作ってみろよ』4話 -真理の中にすでに輝雄はいないのか?-

田舎から上京したばかりの青年が都会で恋に落ち、東京の荒波にもまれながらも婚約に向けて奮闘するラブストーリー。恋に仕事に“真っ直ぐバカ”な熱き青年・榊原俊平、通称“しゅんぴ”と、天真爛漫で可憐なヒロイン・長坂真理の物語となる。 これは勝男(竹内涼…

安藤奎『じゃあ、あんたが作ってみろよ』-街の中で溶け合っていくということ-

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は2025年秋の地上波ドラマの最大の話題作と言っていいだろう。谷口菜津子の原作漫画の良さはもちろんなのだけども、テレビドラマとしての完成度が頭一抜けている。さすがはドラマのTBS、さらには名門の火曜ドラマ枠*1という…

鍋倉夫『路傍のフジイ』が描く-出会った人みんながトモダチになる夢-

『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載中の『路傍のフジイ』がおもしろい。おもしろい、というか沁みまくる。X(旧Twitter)のTLに出てきた"試し読み広告"にまんまと釣られた第1話に心撃たれてしまい、慌てて全巻を揃え、ページをめくるたびに胸を震わせて…

ふじきみつ彦『ばけばけ』 怪談が繋ぐ"わたしたち"

父上はね・・・立ち尽くしちょるの 時代が変わって、明治の世になって戸惑って それからずっと立ち尽くしちょるの このドラマには、この世の中から疎外される小さく弱き者たちへの眼差しがある。社会から、「怠け者」と罵られている司之介(岡部たかし)を、…

最近のこと(2025/9/5~9/15)

今回の「最近のこと」は10日分まとめてみたら、1万字を超えてしまった。長いし、特に何が書いてあるというわけではないので、本当に暇な時に読んでください。 9月5日金曜日 台風が来るという話だったけども、大阪は雨さえほとんど降らなかった。藤井風のアル…

最近のこと(2025年6-8月)

2025年の夏のことをまとめて書き残しておきたいなと思う。悩まされていた腰痛は、夏になりだいぶ改善されてきてなにより。娘は夏で2歳になり、かわいい盛り。ある事象に出会った時に、「これ、〇〇みたいだね」とか「これは△△の時にもあったね」と、別の事象…

倉本聰『北の国から』(1981)

そのときぼくはどういうわけか! 煙草の灰のことを思いだしてたわけで しかし人間には冬眠は許されず。 こんど生まれてくるときは、熊かシマリスがよいと思われ 『北の国から』という作品のトーンを形づくっているのが、「拝啓、恵子ちゃん」から始まる手紙…

山下敦弘『リンダ リンダ リンダ』

『リンダ リンダ リンダ』(2005)が公開20周年を記念して4Kになってリバイバル上映!ぺ・ドゥナ、香椎由宇、前田亜季*1、関根史織・・・唱えているだけでいい気分になれる永遠の名作だ。『どんてん生活』『バカのハコ船』『リアリズムの宿』といった“童貞感…

『マユリカのうなげろりん!!』の”成長しない”って約束じゃん

ラジオ関西制作のPodcast『マユリカのうなげろりん!!』は聞かれておりますでしょうか。2021年の放送開始から5年前を数え、放送回数は200回を突破、各種サブスクリプションではPodcast視聴ランキングの上位に連ね、初期に発売した水着写真集『Perfect!!』は…

『有吉クイズ』”有吉と行くメモドライブ”

テレビ朝日のバラエティ番組『有吉クイズ』において5月終盤の第1弾から、はやくも第2弾が放送中の新企画「有吉と行くメモドライブ」、これはギャラクシー賞ものの大ヒットではないだろう。ヒコロヒーの言葉を借りるのであれば、“発明的な企画”というやつだ。…

ダウ90000第七回演劇公演『ロマンス』

ダウ90000(以下ダウ)というユニットの魅力を一言で表すならば、“会話のおもしろさ”だろう。人と人との言葉と感情のやりとり、その密度の濃さ。もしくは、リアリティのある男女の会話の機微。まずもって、あの演劇らしからぬ、どちらかと言うとボソボソした…

望月智充『海がきこえる』

大きな事件は起きないのだけども、その一方で実に複雑な心の機微を掘り下げている。心の葛藤をありのままに描いており、ヒロインである武藤里伽子のことを観客に好きになってもらおうなんて媚びがまったくない。 杜崎くんお金貸してくれない? あたし生理の…

『鈴木もぐらの雀荘放浪記』

『鈴木もぐらの雀荘放浪記』(BS-TBS)の放送が開始された。初回を観ただけですが、これはもう最高ではないでしょうか。とりあえず全4回とのことですが、これは定期的に放送を続けて、全国の雀荘を巡り巡って欲しい。タイトルロゴもいいし、OPは思い出野郎A…

小山内美江子『3年B組金八先生』第3シリーズ

<『3年B組金八先生』第3シリーズの素晴らしさについて> 1988年に放送されていた『3年B組金八先生』第3シリーズは、数あるシリーズの中でも群を抜いて影の薄い、不遇の作品である。浅野忠信、萩原聖人、森且行(元SMAP)*1、長野博(元V6)、菊池健一郎、金…

最近のこと(2025/5/25~5/30)

5月24日土曜日 雨降りの1日で、ほとんど部屋の中で過ごす。娘と一緒に絵本をたくさん読んだ。最近の娘のお気に入りは、エリック・カール『はらぺこあおむし』とせなけいこ『おばけのてんぷら』のロングベストセラー2冊。『はらぺこあおむし』は蝶になるのが…

川島明『アメノヒ』

藤井隆プロデュースによる麒麟・川島明『アメノヒ』はポッミュージックファンとして見逃せないアルバムになっている。大江千里、堂島孝平、神田沙也加、中崎英也、 She Her Her Hers、Le Makeupという世代をまたいだポップマエストロが提供した良質なポップ…

最近のこと(2025/5/19~23)

2025年はすでに20本もブログのエントリーを更新できていている!2023年は6本、2024年は0本だったことを考えますと、これは驚異的な伸び率であります。新年度の担当変更による引き継ぎ処理も終わったので、これまでよりは仕事に余裕がありそう。ブランクが長…

星野源『Gen』-無意味、幸せ、そして、妖怪について-

星野源のニューアルバム『Gen』が素晴らしい。断トツの最高傑作。研ぎ澄まされたその音像について適切に言語化できる能力を持ち合わせていないのがもどかしいのだが、これまでのアルバムから数段に進化を遂げている歌詞とフロウがデリバリーする『Gen』とい…

最近のこと(2025/5/10〜5/16)

5月10日土曜日 南森町の床屋で散髪。髪を切った後、天満まで歩き、「モーデン」という喫茶店でナポリタンを食べた。創業70年を超える老舗。ここの鉄板で出てくる豪快なボリュームと味付けのナポリタン、無性に食べたくなることがある。半年に1回くらいのペー…