青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

山田尚子『聲の形』

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モチーフとして頻出する”波紋”を想わせる震動を魅せる音響設計、豊かな色彩感覚に支えられた美術背景、障害やイジメなどが描かれるややどんよりとしたストーリーを和らげるかのように散りばめられる山田印の”かわいい”の欠片、人物の何気ない仕草ひとつひとつにエモーションが宿す瑞々しく的確な演出。全てのはドラマは”橋の上”で巻き起こる、という疑いようのない映画的感性も文句なしだろう。”落下”(度胸試し、ジェットコースター、花火、投身自殺etc・・・)というこれまた実に映画的な運動で、「より正しい人間でありたい」ともがく若者のドラマを推進させていく、まぎれもないアニメーション青春活劇である。ノートを拾う為に橋の上から飛び降りる西宮硝子の、その一片の躊躇も感じさせない投身に涙しよう。



しかし、『映画けいおん!』『たまこラブストーリー』という傑作を残した山田尚子の最新作として、「最高!!」とは言い切れないものがあって歯がゆいところ。夢中で物語の展開を追ってしまった事は否定しないのだけども、どうしても好みではない。障害者との接し方といったものを書きたいのではなく、「どうしようもない人と人とのわかりあえなさ」という普遍的なテーマを内包しているのだ、というのは理解できる。言葉にできない想いを、手や脚の仕草で演出してきた山田尚子が、手話が最大のキ―となる本作の指揮を任されたのも適任としか言いようがないのだけども、やっぱりしっくりこない。
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こちらの記事でまとめさせて頂いた『たまこまーけっと』放映時のインタビューにおける

みんな絶対に孤独な時間があって、孤独な思いをしてて。もうどうしようもないぐらいの時もあると思うんですけどね。それを見せたがる主人公であってほしくなくて。作品としてネガティブな部分がないと成立しないというわけでじゃないと思うし、それがあっての幸せを見せていきたいと思うんです。

人のつらい部分とか悲しい場面ってわざわざ見せなくてもいいんじゃないかっていう思いがどうしてもあって。悲しい思いや嫌なことは誰にでもあると思いますけど、わざわざそこに同調していくよりも、それを超えられる手段のほうが作品を作っていく上で大事なのではと。

といった言葉を残し、「世界を肯定したいんです」と言い切っていた山田尚子像を勝手に追い求めてしまっているのかもしれない。勿論、本作が世界を否定しているとは言わないし、むしろ甘すぎるほどに全てのキャラクターが罪を許されている。川井みき、みたいな胸くそ悪いキャラクターを山田作品で観たくないんじゃ!という単なるわがままです。



しかし、誤解しないで頂きたいのは『聲の形』が批判されるべき作劇に陥っているとは一切思ってないです。日本テレの24時間テレビとかもそうですけど、感動ポルノだなんだとギャーギャーわめき散らす人は、何かしらの負荷をかけられた状況でなければ、他人の痛みを想像することも、「負けないで、もう少し」といったようなありきたりのメッセージさえも理解できない、と思われてしまっている我々を恥じるのが先だろう、と思います。



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ザ・ダファー・ブラザーズ『ストレンジャー・シングス』シーズン1

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Netflix*1オリジナル作品であるテレビドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス』を貴方はもう観たか。こんなにも物語に胸を震わせたのはいつ以来だろう。全8話を観終えた時は大声で叫び出したい気持ちを抑えられない程だった。なんたって、スティーブン・スピルバーグの輝かしいフィルモグラフィー藤子・F・不二雄芝山努が残したドラえもん映画の傑作『のび太魔界大冒険』『のび太と鉄人兵団』『のび太のパラレル西遊記』、小沢健二が2016年に披露したあの鮮烈な新曲群、もしくはceroが3枚のアルバムで示したイマジナティブな世界観、そういった私の心のベストテンに居座り続けていくであろうポップカルチャーのきらめきが1本の太い線として繋がるような体験だったのだから。

たくましい想像力によって平行世界の君は勇敢な魔法使いかもしれない。でも、それは当然、邪悪な怪物を生み出すという事でもあるんだ。僕らが大人になる為に必要な責任というのは、やっかいな事に想像力にまで及ぶ。でも君達がこの冒険で見せた知恵と勇気は多くの子ども達に受け継がれていく。それはもう絶対に。

胸の震えを簡単にレジュメしてしまえば、こんな感じだろうか。とにかく、モチーフからフィーリングまで全てがパーフェクト。今期No.1ムービー!と何の衒いもなく断言してしまいたい。この作品を鑑賞しておきながら、「テレビドラマだから」という理由でこの作品を“2016 BEST MOVIE”に選出しない批評家などがいるものなら、まったくその勇気には感服してしまうだろうな。少年がカメラを掲げ、暗闇の寄る辺なさの中で光や音*2の交感が描かれる(魔法的!!)今作が、映画でないならば、何が映画というのか。
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E.T.』『未知との遭遇』『STAR WARS』」『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』『ポルターガイスト』『キャリー』『AKIRA』 もしくは80年代を彩ったジョン・ヒューズの青春映画etc・・・数々のマスターピースへのオマージュが捧げられている。とりわけスピルバーグへのそれは強烈で、宅配ピザを食べながらゲームに興じる少年達が家を飛び出しBMXで住宅街を疾走、その様をクレーンで上昇したカメラがなめらかに捉える、といったような無邪気なまでのオマージュには一瞬怯んでしまうほどだ。若き登場人物達は当然のように父親の愛情を欠き、大人達はみな混乱している。彼らのまるで孤児(orphans)であるかのような埋めがたい孤独、その映し鏡のような暗闇に”怪物”は潜む。ときに暗闇から強烈な光を放つ、その誘惑に抗えるわけもなく、冒険は始まっていく。まっことに正統なスピルバーグの後継者である。今作のとりわけ深いスピルバーグへのリスペクトは、例えばジョイスとエルを、ホッパー警部とエルもしくはウィルを、あたかも本当の親子であるかのように映すシークエンスに見てとれるだろう。すなわち他者を強引なまでに結びつけてしまう所作だ。校内ヒエラルキーにおいて、別の階層に属するナンシーとジョナサンはどうだったか。道端で出会っただけのマイクとエルの2人は、わずか数日の刹那的な冒険の間に、友だちのように、兄妹のように、そして恋人のように、と移り変わる。ほんの一瞬の交感が彼らを深く結びつけ、そして離れていく。”孤独な私”から”孤独な私達”へ、このささやかな跳躍こそ、スピルバーグが80年代に『E.T.』や『未知との遭遇』といったフィルムで示した希望であり、『ストレンジャー・シングス』が受け継いだ魂だ。



しかし、本作を単なるノスタルジーとして消費するのは大間違い。サンプリングが単なるギミックに陥らず、新たな物語の血肉として見事に機能させる。音楽の世界では70年代にヒップホップという形でとうに到達していたその手法を、未だにビックバジェットのリメイクやリブートを繰り返して延命し続ける映画界がついにものにした、そんな暴言を吐いてしまいたい。制作のメインを任されたザ・ダファー・ブラザーズは1984年生まれの双子の兄弟、若干32歳である。(個人的にも同世代なのだが)過去の膨大で偉大なる遺産の前にただただ茫然と立ち尽くすばかりだった世代と言っていいだろう。しかし、やはり音楽は偉大で、2013年にDAFT PUNKがリリースしたアルバムの”Random Access Memories”という言葉は我々に大きな勇気を与えた。もっと身近な所で言えば、東京を中心に活動するバンドcero

夜盗のようにぼくらは遊ぶ


cero「あののか」

と歌い、道を開いた。墓を暴き、死体を繋ぎ合わせよう。そう、フランケンシュタイン博士のように。そして、バックトゥザフューチャー。未来はいつだって輝かしい過去の中にあるのだから。



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*1:今作を視聴する為だけに1ヵ月の無料トライアルを消費するのは決して悪くない選択だ

*2:The Clash!!

最近のこと(2016/09/05~)

最近のこと。雨が多くてうんざりしてしまう。秋晴れをもっと楽しみたいな。月曜日。いよいよNetflixに加入。ついでに「Amazon Fire TV」を購入して、テレビに接続して大画面(と言う程のテレビではありませんが)で作品を楽しめる環境を整えた。さぁ、『ストレンジャー・シングス』を一気見だ!と意気込むも、週のはじめでヘトヘトだったので、まずはサウナに出掛けた。風呂の種類も豊富で清潔なので、とても気にいっている近所の銭湯へ。サウナのテレビではメイプル超合金の安藤なつが断食修行をしていた。普段、決まった番組を観る以外でテレビをつけないので、いまいち実感できていなかったのだけども、サウナに入ると、メイプル超合金の勢いを肌で感じられる。なんせ全裸だし。クイズしたり、買い物したり、大忙しなんだな。カズレーザーとオードリー若林の顔は似ているな、と思った。しばらくすると、サウナに60代くらいの3人組が入ってきて、とにかくはしゃいでいた。「これは疲れとれるねぇ」「綺麗なお風呂だねぇ」「俺はねぇ、5分!それで限界」だとかやたらと話かけてくるし、最初は「うるさいなー」と煙たがっていたのだけど、プール(が何故かこの銭湯にはある)で、3人で水をかけあってじゃれている姿を眺めていたら、すっかり和んでしまった。「兄貴はさ、クロールが得意だな。○○さんは平泳ぎでさ」と舎弟は繰り返しブツブツとつぶやいていた。「兄貴ぃ、この夏は忙しくなるぜぇ、花火だろ?プールにも行かなくちゃ」と9月も半ばにさしかかろうというのに、夏の計画を立てていた。一生青春かよ。北野映画なら十中八九この後死ぬ。ちなみに3人とも歯がなくて、滑舌がえぐかったです。
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家に帰って『ストレンジャー・シングス』1話を観たら、主人公の1人が歯の成長が遅い滑舌の悪い男の子で、この奇妙な出来事の繫がりについて、しばし考え込んでしまった。



火曜日。早めに帰れたので、数駅ほど歩いて帰る。気温はだいぶ下がったが、湿度が高いので、まだ汗はかいてしまう。サウナに入るようになって汗をかきやすくなったような気がする。ウォーキングBGMは台風クラブのCD『ずる休み』だ。
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Theピーズのいい曲レベルの楽曲が3曲詰まっている。中でも「まつりのあと」という曲がとりわけ好き。中盤に現れる唐突な達郎さんの「クリスマスイブ」オマージュに腰を抜かしてしまう。高校生くらいの頃のタワレコ新宿店にTheピーズの活動開始を嘆願する寄せ書きノートみたいのが置いてあった事を思い出した。松屋で「鶏のバター醤油炒め定食」を食べる。正確にはにんにくバター醤油炒めで、松屋お馴染のスタミナの味。すなわち米泥棒である。モリモリと食べた。帰宅直前に駅周辺でカメックスの出現情報があり、思わずダッシュで現地へ。脇腹を痛めた甲斐あり、何とか出現はしたものの、死闘の末に逃げられる。カメックスを捕まえ損ねるのはこれで2回目だ。小学生の頃はリザ―ドン派だったが、大人になってカメックスの格好よさがわかってきた。トレーナー魂に火がついてしまったので、家に帰ってから自転車に乗り換え、「赤塚公園」でジョギングランナーの邪魔にならないようにワンリキ―を乱獲する。巣にいるポケモンは個対値が低い、という説は本当な気がする。10キロ卵から個体値が凡庸なミニリュウが生まれて何とも言えない気持ちに。帰宅して『ストレンジャー・シングス』2話を観る。いや、これ最高のやつじゃないですか。昨夜の『KEYABINGO』を観ていたら、米谷奈々未さんが、キモかわいくて推せた。米さんの、幸せな結婚しそうな女友達感好き。



水曜日。この日はまたしてもサウナへ。家から1番近い最安値の銭湯へ。狭いけども、貸し切りのサウナ室は100℃越え。水風呂は循環していないし温いのだけども、誰にも邪魔されない空間がここにはあるので、どうにもととのう。湯上りの心地よさを自転車で楽しみ、気づいたら俺はもうすっかり秋だった。

Rosy Maze + I'm Willing

Rosy Maze + I'm Willing

今年、カバーアルバムとコンパイルされた日本盤がリリースされたMarker Starlingのアルバムをやっと購入したので、ずっと聞いている。ソフトロックとソウルがいい塩梅に混ざりあったベッドルームポップ。ウ―リッツアーとリズムボックスにスウィートな歌声。これはもう当然のように大好きですね(ルックスも最高)。
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『ストレンジャー・シングス』を4話まで観る。もう半分終わってしまった。ウィノナ・ライダーがしっかり母親役なの、時の流れ感じますねぇ。
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Netflixで『フラーハウス』と『フルハウス』の1話をそれぞれ観て、なつかしさとときめきに感涙した。ジェシーおいたんが美魔女過ぎて凄い。ハリソン・フォードハン・ソロ以上に仕上げてきている。最初いまいち懐かしさを感じないなーと思ったら字幕だったからで、吹替に変更した途端に「うぉー」となりました。



木曜日。残業でヘトヘトになったので「キッチンABC」でなつかしのオリエンタルライスを食べた。疲れたらニンニクという短絡さ。ココナッツディスク池袋店でサニーデイ・サービスの『Dance To You』のアナログ盤を購入。この夏のことはこれを聞けば思い出せるはずだ。
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来ると噂の台風は逸れたようだ。帰宅して『ストレンジャー・シングス』6話まで鑑賞。うう、おもしろい。もっと早くNetflixに加入しておくべきでした。ジョナサンと行動し始めてからのナンシーは最高。バットを振り回したり、拳銃放ったり。衣装も良い。



金曜日。Mステのくるりに間に合うように帰宅。すぐさま鉄道の話を振ってタモリさんに欲しがり顔をした岸田かわいい。しかし、「タモリさん、ジャズのほうは~?」としらじらしく欲しがった星野源を私は許しまん。くるりのこの日の演目はドラムにオリジナルメンバーもっくんを据えての「東京」でした。
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いいMVだ。またこういう若いバンドが出てきて欲しい。髭を蓄えたスカート澤部渡、もっくん、スワローズ畠山はほぼ同じルックスでした。この日はKinki Kidsも出演していて、くるりの佐藤社長とキンキの堂本光一は同じジャンルの顔だ、とかねてより主張していた私としては、念願の共演であった。HKT48の新曲は「ヘビーローテーションみたいな曲下さい」とコンペをかけたようなメロディーで、かつヲタ芸を盛り込むという内への閉じ方で、なかなか酷い出来栄えでした。ノラ・ジョーンズはいつだって最高。Mステのスペシャルに宇多田ヒカルが出演との情報に小躍り。お風呂に入ってから『ストレンジャー・シングス』をラストまで完走した。うおーー最高だ!!と叫ばすにはいられない。来年シーズン2を放送するらしいけども、不安になってしまうくらいだ。



土曜日。洗濯機を回して、朝ご飯を買いに行くついでに朝の空気の中をサイクリング。外で珈琲とパンを齧って、帰宅しようとすると鍵がない。どこかに落としてしまったようだ。お金を出す時にポケットから落とす、というのが鍵紛失のセオリーであるから、何故か3軒も回ってしまったコンビニを1軒ずつ巡礼。結果、何も買わなかったコンビニでどういうわけか落としていたらしく、店員さんが回収していてくれました。思いがけず時間をロスしてしまったので、急いで洗濯物を干して、電車で下北沢へ。440でお昼からスタートのLomboyとSaToAのツーマンライブを観た。Lomboy はLampのレーベルから10月にリリースするベルギー在住の女性シンガーで、この日のバックバンドにはLampの染谷さんと永井さんの姿も。Lampと一緒に作ったという曲と最後に演奏した小曲がとても好きだった。アルバムリリース前に日本でライブをしたい、という本人の希望で実現したイベントという事でしたが、40分に満たないステージでアンコールもなし。全然やる気なさそうだったし、何だかなぁ、という感じ。一方、SaToAはもう最高。染谷さんもベタ褒めしていました。「lonely place」のバージョン違いである新曲「青草のにおい」のMVはもうご覧になりましたでしょうか。
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ギター&ボーカルの方のタイムレスな佇まい、すっごいです。ルックスも音楽も良質な90年代を想い出しつつも、絶対これは最新系の音楽なのだと思わせてくれる才能があるので、絶対チェックしておくべきバンドですよ。終演後、東北沢にビリヤニを食べに行こうと思うも、ランチ営業が終わっているようなので、引き返して「茄子おやじ」を食べた。久しぶりに食べたら、なんか物足りない。こんな味だったっけな。ビリヤニのスパイスに味覚を変えられてしまったのかもしれない。「茄子おやじ」にはエンケンさんのポスターが貼ってあるがかかっているのを聞いた事がない。だいたい曽我部さん。この日に至ってはクリープハイプなどが流れていたので、やっぱり変わってしまったのはお店なのかもしれない。


帰宅して、テレビでカープVSジャイアンツの試合を観た。鈴木誠也の2打席連続ホームランに腰を抜かす。山田哲人もウカウカしていられないな、と思ったら、神宮球場では山田が3ホーマー。すげぇ。試合はそのまま広島が逆転勝利で優勝。おめでとうございます!今年のカープはほんと強かった。カープ戦はいつ観に行っても負けた。でもやっぱ緒方監督はバカっぽいなーと思ってしまうのは、CS進出決定時に報道陣に「どこ目指してやってると思ってるんだ!」と一喝したりしてしまうところで。ソフトバンクみたいな常勝チームが言うならまだしも、昨年CS逃した監督が言うことか。後、菊地の併殺崩しの殺人スライディングも嫌い。でも、黒田と新井の号泣抱擁にはさすがにプロ野球ファンとして、涙腺が緩んだし(栗原もいて欲しかった)、本当にいいチームでうらやましい限りです。少しウトウトしてから、夜中に高島平方面へポケモンを探しに出掛ける。川沿いに物流センターや工場が密接していて、全てのスケールが大きく、人通りはまったくない。そのロケーションは完全に異世界のようでテンションが上がりまくった。特にめぼしいものは捕まえられなかった。空気に若干の冷たさを感じ出しているので、新作に備えてBon Iverのアルバムを聴き返している。彼とKanye Westが参加したFrancis and the Lightsの新曲も衝撃だった。むちゃくちゃいい。
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日曜日。お昼にマックで月見バーガーを食べた。春のてり玉、秋の月見、冬のグラコロ、そしてたまに登場するチキンタツタの年4回は欠かさない。慣習みたいなものだから。相変わらずハンバーガ―の季節には敏感でいたいのだ。ランチを終え、電車を乗り継いでお台場へ。ダイバーシティではアイドルがライブをしていたけども、イーブイのがかわいかった。お台場はルアーにレアポケモンがどんどん現れるので、楽しくて仕方ない。親子連れも多く、実にピースフルな空間だった。小さい女の子がジュゴンに対して「大切に育てるから!」と祈りながらボール投げてて、ときめいた。男の子は出現したプテラに間に合わない、とべそをかいていた。この日はめぼしい所だとカメックスフシギバナ、ギャロップ、キュウコンパルシェンニドキングギャラドスを進化させる事ができた。疲れてちょっと座ったら、隣にラッキー(激レア)が現れた時はアドレナリンが出まくりました。CPが90くらいだったのに、HPが170を超えていて、”はかいこうせん”まで覚えているにくいやつです。そろそろ帰ろうかな、という頃合いに人が雪崩のように1箇所を目指し始めたので、わけもわからずとりあえず流れに乗っかり走り出す。この日1番の人数の移動だったので、もしやと調べてみるとラプラス!!!1km先に8分以内に駆けつければ間に合うとの事で。大人も子供も、おねーさんも誰もが走っていた。普段運動をしない人間に1000mを全力は難しく「私は置いて、貴方だけでも行って」といった光景も周りではチラホラ。道も定かではないので、ちょっと迷ってしまい、もうダメかというその時、ついにラプラスが現れる。まさにお台場の公園の端っこ。海から上ってくるイメージなのだろうか。ここで取り逃がしたらあまりに哀しすぎる、というプレッシャーで手が震える。二度失投してしまい、「ヤバい…」と焦るも、三投目で無事ゲット。よりとりどりの嬉悲交交に包まれた公園。これはフィニッシュにふさわしい祭りであった。帰り道、小学生くらいの男の子が「ラプラス捕まえたんだよ!」と自慢しに来てくれた。かわいい。くったくたになって、倒れるように就寝。

最近のこと(2016/08/29~)

夏休み気分がどうにも抜けず、またしても何週分か書きそびれてしまった。この「最近のこと」は、人に読まれるという事も念頭に置いていますが、本分は備忘録として自分で読み返す為に書いていて、なんたって記して保存しておかないと本当に忘れていってしまうから。みんなブログ書いたほうがいいですよ、まじで。レビューやら批評みたいなものはさておき、まずは日々の記録として。読み返してみると、5年前の自分の稚拙さに呆れたりしながらも、たま~にハッとさせられたり、グサリと刺されたりする。それは凄く楽しいことです。日記でもいいのだろうけども、僕は欲張りなので、顔も知らない貴方の毎日も知りたいと思っているので、ぜひブログを書いて、そして読ませて。



最近聞いているのは、もっぱらFrank Ocean『Blonde』ですね。どういうアルバムなのかまだよくわかってないんですけど美しくてずっと聞いている。疲れると、断然ポップな『Channel Orange』を聞いてしまう。宇多田ヒカルも大好き、チャンネルオレンジ。宇多田ヒカルのアルバムも今月リリースかと思うと、楽しみ過ぎてどうにかなってしまいそうだな。後はyojikとwandatoだ。フリーダウンロードのナツ三部作必聴ですよ!
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他にはブラジル音楽とSMAP乃木坂46と蓮沼執太とLampGOING UNDER GROUNDなどをよく聞いた気がする。Mikikiに掲載されていたGOING UNDER GROUND松本素生シャムキャッツ、HOMECOMINGSとの対談記事読まれましたでしょうか。面白かったですよね!福富くんのゴーイング愛、最高だ。いやはや、すっかり思い出してしまった。私もまた、GOING UNDER GROUNDが大好きだったのだ!!少し遡って、私の音楽遍歴を語らせて頂きますと、中学3年生の時にBON JOVIにはまって以降、HR/HMの沼にどっぷりはまってしまうのですが、ある日ふと突然に「もうこんな五月蠅い音楽聞きたくない!」と全てのCDを売り払う奇行に走ります。Cheap TrickやEnuff Z'nuff(懐かしい!!)を経由してTHE BEATLESに回帰。その後、OASISRadioheadなどの海外のロックミュージックに趣向が変化していきます。そんな中、唯一変わらずに聞き続けていたのがスピッツ。ある日、彼らが主催するライブイベント『ロックロックこんにちは!!』を収録したビデオテープを友人から借りる事となる。忘れもしない2001年である。GO!GO!7188SPARKS GO GOGRAPEVINE奥田民生などと並んで出演していたのが、メジャーデビューを果たしたばかりのGOING UNDER GROUNDでした。たしか1曲目だったと思うのだけど、「グラフティ―」がもう本当に衝撃だったんだな。
youtu.be
これこそが僕の聞きたかった音楽だ、と心から思った。そこから一気に日本語のロックミュージックに傾倒していきます。ゴーイングは夏目くんと同じく『かよわきエナジー』と『ホーム』がとにかく好きで、「トワイライト」のシングルくらいまではずっと聞いていたな。

かよわきエナジー

かよわきエナジー

ホーム

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トワイライト

トワイライト

MDに録って友だちに貸して回ったものの、唯一の反応が「あの香港とかロンドンの歌いいね」くらいのもので。この良さわっかんねーかなぁ、と「アロー」を聞いて涙していたものです。
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「僕の住むこの街は夕暮れでできているよ」と本気で信じさせてくれるメロディと声がゴーイングにはあったのだ。



映画をあまり観れていない。『君の名は。』を観たくらいだ。
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大ヒットながら、うるさ方の間では、細部の粗さ等で賛否両論のようだ。辻褄みたいなものを考えながら映画を観られる人が多いのだな、と驚く。あの突然「いるのか?」とか言って、計画を全てを投げ出して自転車で山の頂上に辿り着けてしまう荒唐無稽さ、結構好きなんだけども。凡人がすっごい頑張って作っている感じが好感もてる。勿論、宮崎駿のような各分野への卓越した造詣を持ち合わせた人間が荒唐無稽に作り出してしまうようなものが1番なのだけども、そんな才能は他にいないのだから仕方ない。『君の名は。』は充分過ぎるくらいに素晴らしい。この脚本で舞台化して欲しくて、きっとすっごく演劇として映える。その際は絶対にロロの三浦直之に手掛けて欲しい。映画を観ていて何度「うぉぉ、三浦直之!!」と思ったことか。『あなたがいなかった頃の物語と、いなくなってからの物語』の変奏のようじゃないか。三浦君の方が文学的だし、新海さんはエンタメ。合わさったら凄くいい塩梅のヒット作が生まれそうだ。『ゴーストバスターズ』のリブート版がまだ観られていない。近所のシネコンが何故か吹替のみの上映で困っているのです。先日訪れたアウトレットで『ゴーストバスターズ』「who you gonna call”誰を呼ぶ”?」のTシャツが売っていて、着ないけど買ってしまった。
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↑な感じに古着ならなおいいのだけども、今は高く値付けされてそうだしね。『ファインディング・ドリー』と『ペット』も観たいのだけども、早い時間のみの上映で観る機会を損失しそうです。



プロ野球、というかヤクルトの話。果てのない投手陣の崩壊、更には怪我による主力野手陣(山田、川端、畠山、雄平)の離脱で、「今季はもう終戦」という所まで気持ちがいっていたので、9月になってもCS枠の争いに参加できているのがうれしい。何と言っても小川、石川、山中という投手の柱が復調した事が大きいだろう。特に小川に関しては8月に入っての4勝(3完投)という成績。もうストレートのキレが全然違うんだもの!エースのご帰還だ。8月は東京ドームで開催されたスワローズVSジャイアンツのファームの試合も観戦した。ジャイアンツともなると2軍の試合でも人があんなに埋まるものか、と驚かされた。断トツ1位のジャイアンツと断トツ最下位のスワローズですが、何故かこの日は快勝。成瀬が好投していた。そして、若手野手陣の躍動。廣岡、奥村、渡邊、山崎の未来が本当に楽しみだ。



さて、先週の事を覚えている内に振り返ろう。月曜日。前日が灼熱炎天下での野外ライブでヘトヘトになる事を懸念して、有給休暇をとっていた。実際は、台風接近で肌寒さすら覚えるほどだったのだけども。せっかくなので平日にしかできない事をしよう、と意気込むも選択肢はビリヤニ、サウナ、ポケモンくらいのものである。とりあえず池袋の「タイムズスパ レスタ」へ赴く。ここはもう超ととのいます!入館すると、漂うアロマの香り。広くて清潔で、早くもリラックスしてしまうではないですか。サウナは高湿で汗たっぷりのナイスな仕様。定期的にスタッフが石ストーブにアロマ水をかけにくるので、常にロウリュウ状態。1日1~3回のアウフグースもあり。水風呂もシャキッと17℃で最高に心地いい温度。しかも深い。そして、なんといっても素晴らしいのは露天風呂&外気浴スペースだ。都会の狭い空からのソヨソヨとした風に癒されてしまいます。寝そべって休憩できる場所があるかどうかでサウナの評価は大きく左右されるってなもんだ。リクライニングシートが設置されている仮眠スペースも音響よし、照明よしで文句なし。通えるものなら毎日でも通いたいリラックス空間です。ときに、サウナの基本として、「サウナ→水風呂→休憩」という1セットがあるのですが、最近は「サウナ→水風呂→休憩→入浴→水風呂→サウナ」という流れもありだな、と感じています。特に低温の水風呂で冷え切った後に入るお風呂がもう極上に気持ちいい。やさしさに包まれる、ってこういう事だろうと思うほどです。ぜひお試しあれ。サウナ帰りにビリヤニでも食べようと意気込んでいたのだけども、台風による大雨が降ってきて移動もままならず、駅前にあった「せい家」に入店してしまった(生涯2回目)。汗をたくさんかいたので、無意識に塩分を欲していたのかもしれない。全然美味いと思えないけども、またいつか来てしまいそうな気がする。「それがつまるところせい家なのさ」なんて先生なら言うだろうな。



火曜日。台風が直撃するというのでいつもより早く起きて会社へ向かう。憧れのリスクマネジメントってやつだ。心配していた交通機関への遅れは発生せず、スムースに出社できた。内勤なので、外がどうなっていたかよくわからないのだけど、結局都内には台風は来なかったのかしら。休み明けなので少し残業してから退社。帰りに「富士そば」で冷やしきつね蕎麦を食べる。録画してあった『KEYABINGO』と『有田ジェネレーション』(小峠さんのケツ叩きで腹筋崩壊)と『キングちゃん』を観る。『キングちゃん』はアシスタントが主張のない子に変わってから観やすくなった。ロバートと千鳥は同期らしい。ロバートは気が付いたら結構ベテランなのだなぁ。いつまでも”新しい波”という印象が抜けない。私はダウンタウンに間に合ってなかったので、おぎやはぎとロバートに対して「これぞ俺達の新しい笑いだ!」と強く憧れたものだ。

はねるのトびら Vol.1&2 DVD-BOX

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高校時代、お笑いについて熱く語り合っていたダウンタウン信者の友人はおぎやはぎは一緒になって夢中になってくれたけども、ロバートに関してはどうしてもわかりあえなかった。仕方ないので母親に見せてみたら、何故かいたく気にいってくれた。10代前半の頃って、もう誰でもいいから分かち合いたくてしょうがなかったな。SNSとかなかったからな。



水曜日。台風一過で素晴らしい気候。これはもう歩いて帰ろう、である。なんせポケモンの卵を孵化させねばならないしね。気が付いたら10キロ卵をゲットしていてウキウキなのです。カビゴンラプラスが欲しいです、神さま!帰宅してスワローズの勝利を見届けてから、近所のシネコンで『後妻業の女』を観た。
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予告編からしていかにもおもしろそうな感じでしたが、本当におもしろかったです。画面の光陰の加減が絶妙だな、と思ったらカメラが柳島克巳だった。序盤の船が橋の下を通るシーンなどが良すぎた。大竹しのぶは当然素晴らしい。誰もが言うだろうけども、ゴーゴーダンスとキャッツファイト(VS尾野真千子!!)が最高。風間俊介がチンピラ役で出ていたのもよかった。坂元作品に出演していた俳優が別作品で共演していると、ついニヤニヤしてしまう。



木曜日。仕事後、沿線沿いにある巨大商店街に佇むサウナセンターに入店してみる。むちゃくちゃドープな雰囲気。それでいて設備は全てがいまいち。100℃越えでやったら熱いわりに汗の出が悪いサウナは、マットからはすえた匂いが。水風呂は22℃くらいか。テレビでは日本代表がしょうもない試合をしているし、すっかり意気消沈。そのかわりに2時間半で1000円と安いんですけどもね。これからサウナデビューを考えている皆様が、しょっぱなこういう店を選んでしまったら、と思うとおそろしい。こういった通っぽいサウナセンターよりも、まずはサウナと水風呂完備の銭湯に行こう。これが1番リーズナブル。そこでサウナの魅力に目覚めたら、少し奮発して、広くて綺麗なスーパー銭湯施設へ行ってみよう。「ラクーア」とか「庭の湯」とか「タイムズスパ レスタ」とか。その後、サウナーの間で著名な施設を巡ってみる。これでもドはまりします。昨夜から楽しみにしていたポケモンの卵がいっせいに孵化。2~5キロ卵からコラッタとパラス、10キロ卵からはカイロスが生まれました。これまでの私はもう死んだと思ってください。神殺しの鬼となる。



金曜日。仕事後、ウォーキングして帰宅。『水曜日のダウンタウン』の松野明美と『アメトーーク』のナダルを続けて観てしまい、疲れた。最近のテレビは出川、狩野じゃ飽き足らず、本当にヤバ目の人にフューチャーし出している。夜中に友人に車で拾ってもらい、お台場へ赴きポケモンを乱獲した。噂には聞いていたけども、海浜公園あたりは3時を過ぎても人で溢れている。みなラプラス待ちらしく、海辺にじっと座っている。音楽をかけたり、酒盛りしていたり、異様にハッピーなフィーリングに満ちていました。結局この日はラプラスは現れなかったようだ。しかし、ビリリダマ、コイル、シェルダ―が進化できるレベルに入れ喰い。更にピカチュウ、ガ―ディ、ミニリュウなどのレアポケモンにもたびたび会える夢空間でした。2時頃に10キロ卵からカビゴンが生まれる。思わず「おぉ!」と大きな声が出てしまい、「なんだ、レアポケモンか」と人が集まってきてしまった。卵から生まれたカビゴンは強くて、かわいくてたまりません。突然人生が輝き出しました。神さまありがとう。結局朝方までドライブしてしまい、コメダ珈琲のモーニングを食べて8時頃に解散。家帰って寝ようかと思ったけどもハイになっていて、シャワー浴びてから洗濯やらお風呂やら部屋の掃除を始めてしまう。11時過ぎにさすがに眠くなり、ベットに横たわるも、近所にガーディの気配があったので、飛び出て捕まえに行ってしまい、そのまま自転車で残りかすかな夏の気配を楽しんでしまった。お昼にすっかり常連の練馬「ケララバワン」でビリヤニを食べて、そのまま自転車で吉祥寺へ。下井草でニドクイン善福寺公園でエレブ―をゲット。ココナッツディスク吉祥寺で3776ちよのちゃんのソロ音源の12インチを購入。井の頭公園でコイキングを乱獲して、帰宅。30過ぎてはじめて、一睡もせずに40時間以上活動した気がする。晩御飯の冷しゃぶを食べながら眠らんいきおいでございました。カビゴンはおじさんの生活サイクルも狂わすのだ。



日曜日。10時頃に目を覚ますも、まだ寝たりない。予報を覆して晴れ模様だったので、洗濯。お昼を食べた後、優雅にコリン・ブランストーンの『一年間』を聞いた。

一年間(紙ジャケット仕様)

一年間(紙ジャケット仕様)

「世界で1番好きなレコードだ」と思う事が最も多いアルバムかもしれない。夕方から神宮球場で対広島戦を1300円の見切れ席で鑑賞。3対4で敗北。スコア以上に戦力差を感じる試合。坂口だけはいつも最高だ。今季の新井さんの神がかった勝負強さは寿命を燃やしているのでは、と思うレベルだ。広島ファンが一塁側の内野席まで埋めていたのは不愉快だった。神宮球場回りにはヒトケガが多い。帰宅して、『乃木坂工事中』を観てから眠りました。

乃木坂46『4th YEAR BIRTHDAY LIVE』in神宮球場

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乃木坂46『4th YEAR BIRTHDAY LIVE』3days in神宮球場の初日に参加してきました。あいくにの天候でしたが、それさえも美しいと思えるような、実に幸福な時間でありました。バースデイライブといえばお楽しみは全楽曲披露であります。昨年は7時間公演という常軌を逸したライブを開催していましたが、今年は3日間に分けての公演。初日はデビューシングル『ぐるぐるカーテン』から5枚目『君の名は希望』まで!グループの最も楽曲が充実していた時期と考えておりまして、迷う事なくこの日のチケットを選びました。乃木坂の表題曲が良い、というのは音楽好きの皆さまも何となく認識頂いているようですが、カップリングやアンダー楽曲も良いのですよ!と訴えたい次第です。なので、突然ですが、超適当に選んだ「乃木坂46カップリング楽曲BEST10」を公開いたします。

1.「生まれたままで」(8thシングル『気づいたら片想い』収録)
2.「13日の金曜日」(5thシングル『君の名は希望』収録)
3.「涙がまだ悲しみだった頃」(3rdシングル『走れ!Bicycle』収録)
4.「白い雲にのって」(1stシングル『ぐるぐるカーテン』収録)
5.「せっかちなカタツムリ」(3rdシングル『走れ!Bicycle』収録)
6.「吐息のメソッド」(8thシングル『気づいたら片想い』収録)
7.「扇風機」(6thシングル『ガールズルール』収録)
8.「偶然を言い訳にして」(2ndシングル『おいでシャンプー』収録)
9.「春のメロディー」(4thシングル『制服のマネキン』収録)
10.「他の星から」(6thシングル『ガールズルール』収録)

勿論あれもこれも入ってませんよ。「でこぴん」とか「ロマンティックいか焼き」とか「あらかじめ語れるロマンス」とか「立ち直り中」とか「釣り堀」とか。ライブを観たならば「ハウス!」とか「ロマンスのスタート」とか「シャキイズム」とか「そんなバカな・・・」とかを選びたいし。でも、もうこれで決まり。そこはかとなく私の伊藤万理華推しが漏れていますね。しかし、彼女は乃木坂楽曲のミューズである。とりわけ1位に選ばせて頂いた彼女がセンターに立つ「生まれたままに」は必聴ですよ。命焦がれるようなポップチューン。「夕焼けに染まった/コンビナート地帯は/燃え尽きた何かが/空に立ち上る」という立ち上がりのリリカルさも素晴らしいが、秋元康の筆致のやばさは「連なった飲み屋のその一角に帰ろう/母親の化粧は涙の跡を隠してる」のライン。水商売の片親という設定の振り切れ方!10楽曲分くらいのアイデアが詰まったMVも素晴らしいので絶対チェックしてくれよな!
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さて、話をライブに戻そう。もう本当にずっと観ていたいくらい素敵だったな。なんたって私は初期の楽曲の振付がたまらなく好きなのである。主に振付を手掛けていたのは南流石。代表作に挙げたいのはPUFFYの初期楽曲の振付。あの脱力気味で誰でもできそうな、しかしそれでいてとてつもなくキャッチーな振りを制作するお方。手癖が強く、ほぼ上半身重視の全く黒くないダンスは、乃木坂46の初期のイメージに見事にマッチしている。それでいて、どこか社会から逸脱したようなアナーキーさを感じる所がたまらない。南流石JAGATARAのコーラス&ダンサーであった事はご存じだろうか。

やっぱ 自分の踊り方で踊ればいいんだよ

という江戸アケミの名言を無理矢理、乃木坂46と結びつけるという、いかにもサブカル的な論調をお許し頂きたい。



クライマックスでは花火が打ち上がった。ステージ上で輝く彼女達の光が空に舞い上がり、満員の観客に平等に降り注ぐその光景の何と美しいことだろう。つまるところ共同体なんだな、って思ったのだ。



体調不良で夏の全国ツアーを休演していた我らがキャプテン桜井玲香さんが本公演をもって復帰!しかし、表情もフィジカルもどうしたって調子が悪そうでとても心配だ。残りの2日間はどうだったんだろう。早くあの重力を感じさせない全開の笑顔と声を取り戻して欲しい。最近ことに可愛くなり過ぎ!と思うのは松村沙友里さんと井上小百合さんと鈴木綾音さんです。いや、元々かわいい人達ですけど、進化が凄くないですか。完全に推せる。6月に卒業された深川麻衣さんのパートを誰が引継ぐのかもこのライブの注目だったのですが、人気曲「でこぴん」でまいまい衣装を纏った秋元真夏さんが登場したのにはぶち上がりました。適材過ぎる!この日は『透明な無色』の楽曲を聞く事ができたのがうれしい誤算だ。「革命の馬」は最高だ。欅坂46にカバーして頂きたい楽曲暫定1位です。西野七瀬さんの「ひとりよがり」に涙。なんであの人の声はあんなに切ないのだ。斎藤(飛)・星野・堀による「なぞの落書き」はクラシック級の良さがある。
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斉藤飛鳥さんの声はかくも素晴らしいのにシングルでは活きてなかったなーとは想いつつ、アンコールで雨が降りしきる中で聞いた「裸足でSummer」はこの夏のアンセムでございます。おわり。