山田尚子『映画けいおん!』

カメラワークや光の感度の素晴らしさ。そして、台詞ではなく画で演出を積み重ねていく、映画的な志の高さ。たとえば、飛行機の座席の肘かけを上げる唯、それを無言で下す梓。真夜中に1人起きて携帯を眺める律。言葉を添えれば、何かしらドラマを無数に発生させられそうな状況を平然と、画のみで放っておいてしまえる演出。…