カクバリズム&LIQUIDROOM presents cero×スチャダラパー
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cero×スチャダラパーのツーマンライブを恵比寿リキッドルームで目撃。BTBのメロウかつアッパーな(山下達郎の「Dancer」が!)なDJ SETの後に「翼をください」を奏でながらスチャダラパーが登場する。kasifのギターと鍵盤を主軸においた、メロウファンクなパフォーマンスでした。「アーバン文法」とか「GET UP DANCE」といたセットリストがうれしい。秋もいよいよ本番って時に「サマージャム’95」をラストに披露。やたらと「ceroのお客さんは〜」というMCをしていたけど、ceroのファンはだいたいスチャダラパーの事も好きだと思う。
そして、cero。ちょっと圧倒的だった。cero世代もcero以降も、たくさん生まれたように思いますが、やっぱりトップランカーは伊達じゃない。元々ズバ抜けていたセンスに加えて、必要なものを次々に獲得している。目に見える進化ってこんなに興奮するのだな。出音が圧倒的にいい。PAの得能直也とリキッドの相性なのか何なのか。光永渉の超絶的なドラムプレイを中心にリズムと管楽器が複雑に絡み合っていく。そんなバンドアンサンブルの迫力がくっきりと響いていて、終始鳥肌が止まりませんでした。あれ、もしかたら今まで観てきたceroのライブの中で今日が1番かっこよくないか?と自問自答してニヤニヤしてしまった。うれしかったのが、高城さんの声だ。ここ1年くらいでしょうか、喉を悪くしてしまったようで、声から潤いが無くなっていたように思います。気持ちよく歌えていない感じが聞いていて、とてももどかしかったのだけど、この日のライブでのボーカルは最近聞いた中では1番”歌”だった。新しい歌い方を会得したのでしょうか。リバーブとかエフェクトを多用して、声を楽器のように使うシーンも印象的。しかも、ソウルマナーのようなものも体現していて、表現者としてのステージが更に1つ進んだような感動を覚えました。そして、新曲群の充実。この日は「21世紀の日照りの街に雨が降る」「cloud nine」「マウンテン・マウンテン」「大停電の夜に」という以前のライブでの鉄板4曲が披露されていない。それでいてこの満足感。頼もしい。「elephant ghost」「Summer Soul」「orphans」といった新曲群がみるみる研ぎ澄まされ、メロディーやリズムの輪郭が輝き出している。「orphans」には泣かされてしまった。橋本さんのceroへの初卸し曲というトピックも、ソウルと小沢健二の折衷点のようなスウィートさも、高城さんのリリックも、その全てが特別だ。特にリリックは「別の世界では 2人姉妹だったのかも」とバイクで海を目指す高校生の男女の青春劇。しかも、そのタイトルが”orphans(孤児)”だというのだから泣けて仕方ない。高城さんの安達哲イズムよ。
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