青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

オノマトペ大臣&ナオヒロック『HOMEWORK EP』


オノマトペ大臣とナオヒロック&スズキスムースのナオヒロックのコラボレーションが超絶いい感じ。オノマトペ大臣の日常のスケッチ力は相変わらず冴え渡っているし、ナオヒはあえて”今”っぽいソーシャルメディアなワードを散りばめることで、それに対抗している。1曲目「City and Stars」からバッチリのファンキーメロウなキラーチューンっぷり。

パルコのパーゲン終わっちゃうよ
でもいいじゃん、パルコ一緒に行こう

P'で急ごう

タイアップソングでもないのに連呼される「パルコ」というキーワードが何を意味するのかは、ちょっと若い子にはわからないかもしれないのだけど、パルコと言えば代々木公園へと続く「渋谷公園前通り」だとか、P'PARCOのオープン前日(1994年!)の小沢健二スチャダラパーによるシークレットライブだとか、とにかくあの『LIFE』やLittle Bird Nation(スチャダラパーTOKYO NO.1 SOUL SETかせきさいだぁ、ナオヒロック&スズキスムース、キミドリとか、更にはキリンジホフディランなんかも集結したラップクルーなのだ)の喧騒を象徴するワードであったのだ。つまり、この曲は「今夜はブギーバッグ」へと続く道を蘇らせようとしていと言える。そして、この曲でのナオヒロックの「無理して会った週末」というリリックは、もちろんオノマトペ大臣の大名曲「CITY SONG」の

週末の夜に無理して会った

からの引用でありまして、今を若者として生きる我々にとっての「僕らのアルバム!」と叫びだしたくなるオノマトペ大臣の『街の踊り』を、あの90年代の狂騒に接続させている。まさに時空を超えるEP。そう言われてみれば、繰り返される

Go clap your hands Go clap your hands
Everybody clap your hands

は、LBの「Little Bird Strut」(スチャダラパーの『WILD FANCY ALLIANCE』に収録)

LB In the House Everybody clap your hands

だ。更に「White Weekend」では小鳥の鳴き声と共に始まり

チュンチュンチュン 小鳥さえずったら ぼやけた世界が広がって

電線に止まった小鳥たちが 旅に出る準備は始めてた

なんてラインを大臣が放つ。小鳥が再びさえずった。Little Bird !あの過ぎ去ったいつかの喧騒が、時空を超えて、再び始まる予感なのだ。

4秒後の世界に期待しな
まだ窓の外では 若者が恋している