神聖かまってちゃん in 『カミスン!』
SMAP中居正広が司会を務めるTBSの生放送歌番組『カミスン!』に神聖かまってちゃんが出演。さぞかし無茶苦茶な事をやってくれる事だろう、という世間の勝手な期待に見事に応えた神聖かまってちゃん。ナルトを口にくわえたまま登場してほとんど歌わない、という変化球なパフォーマンス。暴れなきゃファンに叩かれるし、暴れたらお茶の間から叩かれるし、なんだかんだで制作サイドも暴れてくれるのを期待しているし・・・という難しい局面をファニーにかわしてみせた。
また、の子に並んで見事だったのが中居正広だろう。「中居完全キレてたwww」「中居、怯えてたwww」というのが大方の見方のようだが、90年代のTVが生んだモンスターを舐めてはいけない。アイドルながら石橋貴明、松本人志、ナインティナインの盟友にまで上り詰めた男だ。確かにとんでもない形相で演奏を見つめてはいた。だが、あれは瞬時の計算で作られた顔であろう。中居正広があそこでの子のパフォーマンスをおもしろがってしまったら、どうだろうか。神聖かまってちゃんの異質さは薄れてしまうし、視聴者からのクレーム対象に自身も含まれてしまう。あそこで「おめぇらサイコーだよ」という本来のヤンキーあがりのアンちゃんの顔を封じて一歩引いた対応を取る事で、かまってちゃんを異形の者として引き立たせ、自信の保身も遂行する。中居正広恐るべし、である。考え過ぎ、と言うならば今年の『27時間テレビ』後のナインティナインのオールナイトニッポン回を聞いてみたらいい。テレビを知り尽くした男の緻密な計算、その内訳を少しだけ披露しているから。種類は違えど、共にメディアが生みだしたモンスター同士の対決は見事なプロレスでもって我々を楽しませてくれました。