青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ナカゴー特別劇場『紙風船文様』


岸田國士戯曲賞というのがあるように、演劇界においての権威である(文学界で言えば、芥川龍之介岸田國士の古典『紙風船』(1926)をナカゴー鎌田順也がスクラップアンドビルド。結婚2年目に突入し、やや倦怠期を迎えつつある夫婦の物語だ。とある日曜日、便器(洋式)に落とした指輪を拾おうとして腕が抜けなくなってしまった妻。このままではトイレに閉じ込められてしまうので、「一緒に引き抜いて欲しい」と夫に懇願する。しかし、夫はその願いに取り合わない。それは妻の企んだ”遊び”であり”演技”であり、つまるところ“メタファー”なのだ、と。確かにそれは、家庭に縛り付けられる女のメタファーだろう。黒沢清の『トウキョウソナタ』(2008)

において、専業主婦を演じる小泉今日子がリビングのソファーでうたた寝した後に呟いた

誰か私を引っ張って

あの静かな戦慄の瞬間を想い出す。事実、妻の腕は実際のところ便器にははまっておらず、”引き抜く”という作業を夫と成し遂げることで、この夫婦生活の倦怠を打破しようというもくろみがある。前述のように、そのもくろみは夫に筒抜けでありあるわけだけども、妻は「本当だ、本当に抜けないんだ」の一点張りで、夫もまた折れることなく「嘘だ、芝居だ」とかたくなに一蹴する。この絶望的なまでの”夫婦”の分かり合えなさ”は、ナカゴーお得意ののたうちまわる阿吽絶叫の殴り合いに展開し、肉体によって可視化されていく。「嘘のディテールを塗り重ねるな」「座して死を待つわけにはいかない」といったフレーズは、繰り返しに耐えるおかしさがある。鎌田特有の”しつこさ”の演出の中で、夫婦は最後の最後まですれ違い続けるのだけども、その軋轢を支えているのは、やはり夫婦の愛なのだ、と観る者に感じさせる説得力がこの芝居にはあった。夫婦の愛、いや、言い換えればそれは人間が持つ滑稽でみにくいが故の”愛おしさ”のようなものかもしれない。


原作の『紙風船』においても白眉である“デートごっこ”は健在。やはりすれ違いのもとに繰り広げられるのだけども、少しホロリとさせられてしまう。それまで顔を歪め続けていた川上友里が、夫に写真を撮られる際に、ハッとするような”かわいさ”を実際に表情で見せてくれる。岸田國士版は鎌倉旅行なわけだが、鎌田順也は浅草から三ノ輪まで歩き、ちんちん電車(都電荒川線)に乗り込み、荒川遊園地へのデート。道行く途中で、東京の下町に多く店舗を構えるドラッグストア「ぱぱす」を数えていく、なんてセンスもたまらなく好きだ。小道具は壁と便器のみというミニマムな2人芝居を50分たっぷりと堪能させてくれた 川上友里(はえぎわ、ほりぶん)と古関昇悟に感激である。余談なのですが、古関昇悟がシティボーイズきたろうの息子であることを初めて知る。まったくイメージは結びつかなかったが、血統も折り紙つきの素晴らしい役者だ。ナカゴー『紙風船文様』お薦めです、と書こうと思ったが、28日が最終日であった。残念。



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最近のこと(2017/05/19~)

甘栗はむいちゃわないでいいので、「納豆かき混ぜときました」という商品が欲しい。もちろん、納豆という食べ物がかき回すという所作にこそ醍醐味があるのは承知だが、どうしても億劫な時がある。慌ただしい朝だとか他の具材を調理中の時だとか。そもそも、あの発生する”糸引き”への正しい対処法も身につけていない。納豆はかき混ぜればかき混ぜるほど、アミノ酸などの旨味成分が増えるらしい。何とか巧いことあらかじめ400回くらいかき混ぜておいたものをパック化できないものか。既にあったりするのだろうか。臭わ納豆だとかタレを固形化だとかは以前見かけたのだが、そういうことではないのだよな。



最近のこと。先週の金曜日、早稲田大学で開催されている「テレビの見る夢ー大テレビドラマ博覧会」の関連イベントの1つ「野木亜紀子×磯山晶トークショー木更津キャッツアイ』から『逃げ恥』まで」に参加してきた。仕事後に駆け付けたのだけど、会場である小野記念講堂がどこにあるのかわからず、キャンパス中を彷徨う。致命的に地図が読めないのだ。いっそのこと道行く人に尋ねたかったのだけども、あまりにたくさんの学生がいて、この中から誰に聞くかを”選ぶ”という行為それ自体が恥ずかしく断念。こんな私を星野源は嘲笑うだろうか。結局、小野記念講堂はキャンパスからやや外れた場所にあった。いや、そもそもどれがキャンパスなのかもよくわかっていないのだけども。早稲田周辺を初めてじっくり歩いたのだけども、食べ物屋も多く、活気があって素敵だ。トークショーはおもしろかった。司会を務める岡室美奈子さん(早稲田大学教授)は、素晴らしいドラマ評論をたくさん献上されていて、とても尊敬している方なのです。また、宮藤官九郎のTBS作品をプロデュースしてきた磯山晶はもうレジェンドそのものですので、感激ひとしおである。トークは『空飛ぶ広報室』『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』『親ゆび姫』『池袋ウエストゲートパーク』『マンハッタンラブストーリー』など多岐に渡ったが、中でもやっぱり『木更津キャッツアイ』のエピソードに興奮。全10回でなく9回なのは、野球の1試合9回というのを想定していたのでなく、第1話の当初の放送予定日が日テレの金曜ロードショーの『風の谷のナウシカ』と被っていたので、1話分潰してズラしたからなのだそうだ。調べてみると、その日放送のナウシカの視聴率は19.8%だったようなので、英断と言えるだろう。更に、表・裏というあの斬新な構成の発案者が演出の金子文紀(『逃げ恥』のメイン演出家でもある)だったそうな。有能だなぁ。最終話の病院シーンをスクリーンで久しぶりに観て、その完璧さに改めて震えた。岡田准一の美しさは青春のそれと同義だ。
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オールタイムベストである。ちなみに私は卒業レポートを「『木更津キャッツアイ』と観光」という、とってつけたようなテーマで執筆し、堂々たる”C”という成績を頂戴しました。卒論ではなく卒業レポート(分量が卒論より少なくていい)なのは、怠惰な学生であったからに他なりません。あぁ、学生生活をやり直したい。タイムマシンがあれば・・・本能寺の変を見にいきたい!



土曜日。起きてすぐさま洗濯機を回す。パッケージがかわいかったから!と、私の頭の中に住むOLが買った「Kitson」の柔軟剤がいい香りだった。海外セレブ御用達ということで、アリアナ・グランデという響きが妙に好きな私にぴったりではないか。調べてみるとこの柔軟剤、国内ではマギーさんやGENKINGさんが愛用しているそうで、すっごくうれしいです。GENKINGと言えば、台湾旅行中の母から、「空港にあんたの好きな乃木坂の子らがいたよ!」と、空港で現地のファンに囲まれているGENKINGの写真がLINEで送られてきたことがあった。ルール無用の難解なボケで対処に困ったので無視しました。洗濯機の活躍中に、録画してあった『ひよっこ』と『リバース』を観た。『ひよっこ』の7週目「椰子の実たちの夢」はとりたてて書きたいことが見当たらなかったのだけども、相変わらず好き。6人娘が好き過ぎるあまり、向島電機編がこのままずっと終わらなければいいのにと思う。『ひよっこ』にサンプルの松井周と奥田洋平が出演しているのは熱い。乙女寮の料理人和夫さん、始めの3日間くらい渡辺いっけいだと思っていました。『リバース』の戸田恵梨香は、少し崩れた感じがとてもエロいと思う。あと、小池徹平のカレーの頬張り方がバーモントのCMのようで、すごくいい。お昼は近所のお好み焼き食べ放題のお店に行った。これは大変幸福なことだ。お腹いっぱいで帰宅して、Huluで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観ようとするも、リニューアルによる改変なのか何なのかログインできなくなってしまった。何やら資本が日テレ系列か何かに変わったらしく、色々改修に手間取っているらしい。『ゲーム・オブ・スローンズ』さえNetflixに移してくれれば、喜んで退会するのだけども。Huluは基本的に全てがダサい。でも、『有吉の壁』と『KEYAROOM』の完全版が観られるのがね、捨てがたいですね。
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夕方からシネコンで楽しみにしていた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』を観た。大興奮だ。私はヨンドゥの矢の攻撃、むちゃくちゃ好き。口笛で操作するのが何たってクールだ。そして、グルート・・・かわいいよぉ。ダンシングフラワーのグルート版とか売り出されてないのかしらと思ったら、余裕であった。
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思っていたより、欲しくないぞ。スーパーで刺身とKIRIN「零ICHI」を買って帰り、プロ野球中継を観ながら楽しんだ。小川、ナイスピッチング!私はアルコールが飲めないのだけども、憧れは強く抱いていて、ノンアルコールビールはたいてい試している。この「零ICHI」はとにかく気に入ってしまって、ケース買いしたい気分だ。「零ICHI」以降に、「オールフリー」だの「ドライZERO」だのを飲んでも、薄くて物足りなさを覚えます。基本的に缶もグラスも冷凍庫で冷やして飲みます。



日曜日。朝からクシャミが止まらない。花粉なのか風邪なのか。『ゴッドタン』のハライチ回を観てから(オチの溜口さん最高)、鶯谷へ出かける。駅を出た大通りに何台もの神輿が通る(神輿の単位が”台”で正しいのかは知らない)。気候も相まって、俺はもう完全に夏だった。お祭り騒ぎを横目に「サウナセンター大泉」にチェックイン。ドープな雰囲気は相変わらずだが、サウナ(セルフロウリュウができる)も水風呂もナイスなセッティングで大満足。ここの水風呂は冷たいのだけども、何故か長く浸かっていられるので、キンキンに冷える。3セットこなして、館内着に着替えて、休憩処でうたた寝。窓の外からは「ワッショイ、ワッショイ」と神輿担ぎの掛け声。昼寝に飽きると、備え付けの棚からあだち充のボクシング漫画『KATSU!』を抜き取り、読み漁った。

KATSU! (1) (少年サンデーコミックス)

KATSU! (1) (少年サンデーコミックス)

スポーツが変わろうが、本当に全部同じ顔で、同じ話なのに、なんでこんなにおもしろいのだろう。そろそろ、また『みゆき』みたいなの書いて欲しい。再びサウナに入り、テレビで大相撲を楽しんだ。センターを出て、鶯谷駅前の人気店「ラーメン長山」で鶏とんこつラーメンを食べた。サウナ後のラーメン、震えるほど美味い。電車を乗り継ぎ高円寺に移動して、坐・高円寺2でPOISON GIRL BANDの『60分漫才』を観た。60分があっという間で楽しかったなー。ヤクルトが5連勝を賭けた試合で、悔しすぎる逆転負け。決勝点が敬遠暴投とはあまりに情けない。一気に具合が悪くなってしまい早めに寝る。



ときにサウナと言えば、入店して履物を靴箱にしまい、その鍵を店員に預けると、代わりにロッカーの鍵を渡される、というスタイルのお店が多い。2種の鍵を受け渡しするのですね。ある日、ものすごく空いているお店に行った時のこと、使用されているロッカーは2つくらいしかないのに、「44」というなんだか縁起の悪い番号のロッカーキーを渡されて、少しムッとした。私も古いタイプの人間なのだ。*1「こういう気配りができないから空いてんだよ」と心の中で悪態をつくも、実際のところはそんなに気にするタイプではないので、すぐに忘れて普通にサウナを楽しんでいたのだけども、帰り際に靴箱の鍵を返却されて驚いてしまった。入店して私が選んでいた靴箱Noは「49」だったのです!世が世なら、諺になるというか、前半能で後半浄瑠璃なエピソードだなと思ったのですが、状況説明が難しく、伝わっているか心配です。「そら、44番渡されるわ」と一瞬納得したんですけど、いや、やっぱり渡さなくないですか!?でも、本当に1番嫌なのは、むちゃくちゃ空いているのに下段のロッカーキーを渡してきたりする気のきかない店員です。



月曜日。朝起きたら、体調が悪化していて仕事を休むことに決めた。もちろん本当に身体はダルいのだけども、高熱が出ているわけではないので、ちょっとズル休みした気分になってしまう。根っこには真面目な勤労日本人。結局、熱も出てきて日中寝込んでいた。テレビも本も怠いので、ラジオをずっと流しておくことに。主に「爆笑問題カーボーイ」を聞いていた。「CD田中」の殿堂入りを聞き漁り、病床にて笑う。ウエストランド井口の「ツッコミ祭り」も腹が捩れた。全然眠れないではないか。そして、昨年放送の太田さんが亡き母の思い出を語るオープニングトークを聞き直して、身体が弱っているからか、より深い感銘を受けた。本当に美しい語り口だ。夜中、さすがにお腹が空いたので、冷や麦を茹で、氷水で締めて食べる。素麺と冷や麦って何が違うのだろう、という凡庸な問いが沸き上がってきたので、重い腰を挙げて、ネットで調べてみたら、昔は製法や形状に違いがあったようだが、現在は同一。JSAの定めた定義によると、「機械製麺の場合、長径1.3ミリメートル未満が『そうめん』、1.3ミリメートル以上1.7ミリメートル未満が『冷や麦』」ということらしい。しかし、手延べ製法の場合は、1.7ミリメートル未満なら「そうめん」「冷や麦」のどちらの名前を使ってもよいとのこと。たかが0.4ミリの差異だが、そうめんのシェアは冷や麦の5倍近いとのこと。



火曜日。本調子ではないものの、気合いを入れて職場へ。早めに帰宅して、精をつけようとレバニラを食べた。『ひよっこ』の影響である。溜まっていた録画を消化。『欅って、書けない?』の澤部バースデイ企画、よかった。斎藤京子さん、ほんと好き。『キングちゃん』の”冷やし漫才王”に感動。麒麟の冷やし漫才、すげぇ。相田さんの蛇もよかった。『デリバリーお姉さんNEO』の3話を再び観返す。
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この3話、好き過ぎるあまり5~6回は観てしまっている。監督はどうやって岩井堂聖子のあの素晴らしい表情の数々をディレクションしたのか。岩井堂さん、私より年上というのにグッときている。4話は”幽霊”というモチーフを使ったわりにどうにもパッせず。3話は学生時代に好きだった人のことを五感の全てで覚えている男、4話は学生時代にデートした相手の何もかもを忘れてしまう男、と対になっていたのは興味深かった。私は全部覚えていたい派だ。この日、放送の5話の23分ワンカット長回しは意欲作ではあるとは思うものの、どうにも脚本とアイデアが弱い。23分ワンカット長回しなんていうのは観ている者に、そうとは気づかせないくらいの充実した会話やアクションがなければ成立しないと思う。役者は一緒でも、脚本と演出が変わるだけで、全然違うドラマのようになという、おもしろいサンプルだと思う。次週は篠崎”ハンサム”大吾が出るぞい。



水曜日。お昼にセブンイレブンの「粗おろしで食べる冷やしぶっかけ蕎麦」を食べるのがお気に入りだったのだけども、店頭から消えてしまった。このメニューだけ、蕎麦の形状が他のメニューと異なり、きしめんみたいなんだよな。しかし、麺類の話の多いブログだ。すっかり体調も戻り、仕事後に湯浅政明のオリジナル長編映画夜明け告げるルーのうた』を観て帰る。
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すっごくよかったですね。『夜は短し歩けよ乙女』より断然好き。吉田玲子の脚本は信頼できるものです。ブランコのシーン、泣く。以前、『コッペパンの魔術的な魅力』というエントリーを書いたのだけども、「魔女のコッペパン」というお店が埼玉県の浦和にあるらしいではありませんか。HPをチェックしてみると、どのメニューも美味しそう。コッペパン専門店って行ってみたいなとは思うんですけども、遠征したところで、頑張っても2~3個とかしか食べられないのが歯がゆくないですか。持ち帰っても翌朝食べるのもありなのだろうけども、やっぱり味は落ちてしまうし。やはり近所のパン屋を開拓していくしかないのか。Abema TVでライブが流れていたのをチラっと観て以来、ミスチルをむちゃ聞いている。私の中では『IT'S A WONDERFUL WORLD』『Q』『深海』の3枚に尽きるのだけども、「雨のち晴れ」「また会えるかな」「デルモ」あたりの時期のカップリング曲も大好きです。

It’s a wonderful world

It’s a wonderful world

Q

Q

『IT'S A WONDERFUL WORLD』と『Q』の完全再現ライブをやってくれるなら、3万出すっす。「UFO」「渇いたKiss」「いつでも微笑みを」「口笛」「友とコーヒーと嘘と胃袋」「NOT FOUND」「つよがり」「ロードムービー」「Everything is made from a dream」聞けたら、死ぬ。



木曜日。完全ダイエット食として、皆様も愛食されていることと思われますサラダチキンなのですが、私はどうしてもセブンイレブンのサラダチキンが苦手であまり触手が伸びていなかった。そこでこんな記事を読んだ。
www.hotpepper.jp
17年前からサラダチキンを製造している元祖と言って企業「アマタケ」のサラダチキンが美味いという噂。東武ストア系列のスーパーで取り扱っているというので、店頭を見てみると、確かに大陳列されていた。「国産鶏肉のアマタケ サラダチキン」と「南部どりのサラダチキン」の2種のチキンが、豊富なバリエーションの味で展開されている。値段は275円と、約200円のコンビニサラダチキンと比べるとかなり高い。しかしですね、これは本当に美味しいです。タンドリーチキンとたまり醤油を食べたんですけども、思わず「うめぇ」と声が洩れましたね。身は柔らかく、淡泊なのにジュ―シーさもあり。味付けによっては糖質の数値は上がりますが、ここまで美味しくなるなら、許せる範囲でしょう。まじでオススメです。伊藤悠シュトヘル』をついに10巻まで読み終える。

シュトヘル 10 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘル 10 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

感動でどうにかなりそうだ!!!!なんでこんな漫画をこれまで読んでこなかったのだろう。画が凄いのは言うまでもないのだけども、ストーリーがもう。文字を書きたい欲が高まりまくって、高まり過ぎて、涙出てきますよ、これは。必読や。

*1:プロ野球の背番号も44や49は大概気にしない助っ人外国人がつける

ジェームズ・ガン『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』

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もう本当に大好き!! 前作は人が死にまくるわりに、やたらとウエットなのがやや気になるところでしたが、このvol.2に関してはもはやそこがいいというか、素直に泣かされてしまった。映画(に限らず漫画やアニメも)のヒーロー/ヒロインで両親が健在なケースというのは非常に稀で、ヒーローたちはすべからく”孤児”だ。仮に健在であるならば、倒す宿命にある。今作のヴィランは、クイルの実の父であるエゴであり、シリーズを通してのラスボスと思われるサノスはガモーラとネビュラの(義理の)父。スペースオペラ親子喧嘩である。その元祖と言えば『スター・ウォーズ』シリーズなわけで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』も当然その流れを汲んでいるわけですが、このままシリーズがずっと続いていったら、20年後の子どもたちにとっては、その地位が逆転している可能性すらあるのではないだろうか。まさに親殺し!と、怒られそうなことを書いてしまうくらいに、ジャームズ・ガンはガーディアンズの面々にあまりに瑞々しい命を吹き込んでおり、ミラノ号のコクピットの賑やかさは眩しく、とりわけクリス・プラット演じるピーター・クィルの”良さ”はハリソン・フォードハン・ソロ級なのです。


さて、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と言えば音楽でして、気になるのは選曲なのですが、vol.1に負けず劣らず最高。まさかのGeorge Harrison使いとEDのCheap Trickに泣く。70年代のヒットソング縛りでジャンルは幅広くクロスオーバーしているのですが、不思議とトーンが統一されていて、スムースに響く。オープニングのタイトルクレジット時におけるガーディアンズと宇宙怪獣との戦いにおいて、まず目を引くのはその長回しのカメラワークと放っておかれる痛快なアクションなのだが、真に注目すべきは、まさにその音楽だ。クイルご自慢の”Awesome MIX”カセットテープが、ヘッドフォンではくスピーカーによって、つまり閉じた状態から大きく広く鳴らされている点にある。クイルの使い古したヘッドフォンは中盤でエゴによって破壊されてしまい、後にイヤフォンが代用される。右耳と左耳の二股に分かれたそれは、クイルとベビー・グルートの耳に同時に音楽を流し込む。音楽と同様に、クイルの孤独は、ガーディアンズの間で分かち合われる。同じ孤独を纏った面々は、血の繋がりを超えた新しい家族の在り方を提示していく。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という作品が強烈に我々の心を捉えるのは、例えば『ワンピース』のような血の滾る少年ジャンプ的冒険忌憚でありながらも、この時代を的確に捉えたヒューマンドラマでもあるからだろう。その筆致は坂元裕二是枝裕和といった作家の血と家族を巡るコミュニティを描いた作品群とさえ共鳴している(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は宇宙版『カルテット』である、という暴論を吐いてしまってもいい)。


冒頭のアクションシーンに話を戻すと、死闘を繰り広げるガーディアンズを差し置き、カメラはベビー・グルートのダンス(Electric Light OrchestraMr. Blue Sky」での!)を捉え続ける。家族における”子ども”としてメンバーの庇護を受け、何からも阻害されずにステップを刻むその姿は、キュートを通りこして感動的ですらある。少し抜けたところのあるドラッグスが、誘拐犯であり育ての親であるヨンドゥを、クイルの実の父親だと勘違いしていた挿話も素晴らしい。

(クイルは肌色だけども)
ヨンドゥは肌が青いじゃないか!!

というツッコミにも釈然としない表情を浮かべるドラッグスの態度にこそ、これからの時代を生き抜くヒントが忍ばせてあるように思う。


最後に、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はギャグがストーリーの邪魔をしている、という批評を読んだのだけど、果たしてそうだろうか。ウィットに富んだ切り返しを乱発する『アベンジャーズ』シリーズにはそういった感触を確かに抱いたのだが、この『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』におけるギャグの”照れ”というのは、作品全体を貫くフィーリングであるように思う。照れ”は、クイルとロケットを最高のバディとして演出し、ネビュラを神出鬼没のジョーカーとさせ、クイルとガモーラのあらかじめ決められたロマンスを延長させる。ロケットにソヴリン人のバッテリーを盗ませ、事態を最悪に深刻化にさせたのもやはり”照れ”であるし、それは何やら次作にまで続く因縁になるようだ。つまり、”照れ”からくる”素直になれなさ”こそが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の物語を転がし、キャラクターを輝かせるのであーる。



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湯浅政明『夜明け告げるルーのうた』

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ボーイミーツガール、そしてグッバイ。

ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる


小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」

今作では何度も「じゃあ、またね」というお別れが描かれる。大きなお別れに備えるように。その別れ際、ルーや犬魚がいつも手をふって見送ってくれるのがいい。心を解放させるような歓びは、積み重なった哀しみの中からしか生まれない。『夜明け告げるルーのうた』は実に真っ当なジュブナイル映画だ。


高低差と傾斜に溢れた港町という舞台設計がまずもって素晴らしく、”湯浅政明”印と言っていいであろう柔らかく揺らいだ線が、空間の狭間でポップに弾ける。そして、気持ちいいほどにセルアウトしている。どちらかと言えば観客を選ぶタイプの作家であった湯浅政明の、キャリア初のファミリー向け映画ということで、物語展開もキャラクターデザインも既視感バリバリながら、安心して観ていられる。キャラクターが多すぎて、世間で言われているほどに明快な脚本でもないような気もするし、”音楽”をテーマにしておきながら、斉藤和義歌うたいのバラッド」やYUI「fight」を挿入曲として使用するというのには、さすがに「新海誠かよ・・・」と顔をしかめそうにもなるのだけども、そこはグッとこらえよう(なんたっていい曲だし、下田翔太の歌声は泣ける)。


心を閉ざした孤独な少年の拠り所がネット上にアップするMPCで作成したトラック、という実に現代的な導入にも驚かされたし、海に落としたスマートフォン(防水)を人魚が拾って届けてくれる、という童話めいたボーイミーツガールもバッチリ現代版にアップデートされている。ラブレターとしてのミックステープ(RCサクセションの「スローバラード」!)、廃墟と化した遊園地、コンビニのフライドチキン、焼き魚への箸さばき、短パンのウエストの紐、じいさんの傘作り、そして、然るべきタイミングで通過する列車。細部の充実は文句なしの豊さだ。プロット自体は散々指摘されているだろうけども『崖の上のポニョ』と酷似している。

崖の上のポニョ』において、「人間ではないポニョを愛せるか?」という問いが物語に決着をつけていたように、この『夜明け告げるルーのうた』でもまた「素直に”好き”と声に出して言えるか?」というのが全編を通してテーマになっている。人魚、音楽、地元、漁業etc・・・何かに抑圧されて、素直に”好き”と言えない対象が今作には散りばめられているが、ルーの真っ直ぐな「好きー!」によって、それらのしがらみが溶解していく。それがやがて生死の境界すらも溶かしていく、という展開も『崖の上のポニョ』なのだけども、人魚に噛まれると人魚になってしまうという”吸血鬼”的設定がオリジナルで、とっくに失われてしまったと思われていた”好き”が海の底で生き続けていたという筆致が感動的だ。


眩しいとわかっていても惹かれずにはいられない光、というのがあって、ルーの生き方はまさにそれを体現している。陽の光が苦手な人魚たちだが、それでも人間の世界に干渉しようとする。人間にとって畏怖の対象であり、神のような存在でありながらも、ルーはおろかルーのパパでさえも「愚かな人間どもめ」というようなセオリー通りの態度を見せない。むしろ、人間の世界に対して、憧憬の眼差しを向けている。人間の真似をするかのように、スーツを身に纏い、商工会議所で働くパパの姿を最高にキュートだ。見つめる視点を変えた時に浮かび上がる世界の美しさ。ここには、「この世界というのは憧れられるに耐え得るものなのだ」と説くような志が感じられる。それはやはり『崖の上のポニョ』での宮崎駿によく似ている。今作のプロットが『崖の上のポニョ』に似てしまったのは偶然なのかもしれないが(湯浅の構想としてはポニョの前からあったなんて話も聞く)、”ジブリ的なもの”への明確なリスペクトは確かに存在する。ルーのパパがニカっという口角を上げて笑う姿に、『パンダコパンダ』や『となりのトトロ』の面影が重なる。今年度は米林宏昌がこれまで教わってきた”ジブリ的なもの”を総動員したかのような『メアリと魔女の花』もあるわけで、「俺たちが頑張らないと、あの人が安心して帰れないんだ!」みたいなものを感じる。
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そんな中、当の宮崎駿は何度目かの引退撤回でもって、新作制作を発表というのが最高に面白い。



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最近のこと(2017/05/12~)

youtu.be
先日公開されたcero「ロープウェー」のMVが素晴らしい。

Everything's Gone To The Foggy Outside
やがて人生は次のコーナーに

監督は仲原達彦で、飴屋法水が出演している。『POPEYE』を立ち読みして知ったのだけど、飴屋法水とコラボレーションしたマームとジプシーの公演『マームと誰かさん』(2012)で使用されていたフィッシュマンズ佐藤伸治の車を今、仲原さんが受け継いで使っているらしい。さて「最近のこと」ですが、また何日か抜け落ちてしまっている。とりあえず、先週の金曜日から!予定もないので、家でのんびりナイターでも観ようかなと思ったら、スワローズの試合のない日だった。しかたないので、思いつきで駅前の1000円カットのお店に入り、前髪を切ってもらうことに。店は大変混雑している。小学生低学年くらいの男の子が「もう自分で勝手に切っちゃダメだよ!」と店員にひどく怒られていて、かわいかった。その気持ちはわかりやしないが、彼にも色々思うところがあって、バスルームで髪切って大暴れでもしたのでしょう。ときに、”思いつき”という単語が浮かぶと、反射的に「思いつき!思いつき!!」なに?「キャトル・ミューティれるの。」となってしまうほどに七尾旅人の1stアルバムが脳内に染み付いている。

雨に撃たえば...!disc 2

雨に撃たえば...!disc 2

ヤング七尾旅人、天才だよな、発明だよな。独特の言語センスってこれくらいやれてから言って欲しい(ぼうよみ)。しかし、改めてタイトルを眺めてみると、初期の七尾旅人穂村弘と強く共鳴しているのだな。七尾旅人穂村弘の対談、実現して欲しい。話は変わって、星野源がまたしても”人見知り”についてモゴモゴ言っていたので、少しカッとなってしまった。星野源ファンのみなさん、すいませんでした。「結局、人が好きなんですよね」みたいな発言をイジらないなど、あれでも自分なりにグッと悪意を抑えたつもりなのです。でも、誤解しないで頂きたいのは私は星野源のファンということです。忘年会とかカラオケで「恋」、歌いたいです。日村さんのバースデイソングも、『おげんさんといっしょ』も、観ているDVDを一時停止してまで、リアルタイムでチェックしましたよ。細野晴臣と演奏した「絹街道」かっこよかったなぁ。星野源とHNKと言えば、SAKE ROCKがにゃんちゅうと一緒に演奏した「せつないのうた」は本当に良いものだと思った。



土曜日。何の予定もなかったのだけども、外は雨降り。遊んでくれる人もいないし、家に引きこもることにした。インドア派のようでいて、実は家でジッとしているのはあまり好きではない。どうも気分が滅入ってしまうのだ。結局、人が好きなんですよね。せめてもの抵抗として、宅配ピザを注文してやった。雨の日のピザ屋はとても混む。昔、バイトしていたのでバイト諸兄には申し訳ない気持ちにはなるのだけども、店長は雨が降るとホクホク顔だった。高校のクラスメイトがピザ屋でバイトしていた時、大雨の日におぎやはぎの矢作の家にピザを届けたことがあると自慢していた。矢作は支払を済ませると、実に爽やかに「雨の中、ご苦労様ね」と声をかけてくれたという。ダウンタウンDXに投稿する気にもならないくらいイメージ通りな社交性だ。奥の部屋からは大人数の賑やかな声が聞こえ漏れてきたらしく、もしかたら小林賢太郎がマジックでも披露していたのかもしれない(当時、矢作が「賢太郎、マジックみせてよ」と電話すると、自転車で家まで駆け付けてくれたらしい)。私のピザ屋の思い出と言えば、明らかに堅気じゃなさそうなおじさんから「おぅ、ご苦労だったな。これでジュースでも飲め」と100円玉を1つもらったくらいのものです。100円玉で買える温もり。ときに、ピザは美味いですよね!でも、Mサイズのピザを1人で食べると、男性でも1日中お腹いっぱいになってしまう。世の中の宅配ピザを食べたい女性の為に、Sサイズを導入して欲しい(導入しているところもあるだろうけど)。サイズは小さいのだけど、チーズ増量もしくは高級チーズ使用などで、少し割高にすれば、配達コストとのバランスも問題なしだ。あと、かねてからデリバリーのお好み焼きがあればいいのにと思っている。Twitterでつぶやいてみたところ、「ピザポケット」という企業が既に実施していると教えてもらった。まさかのピザとお好み焼きの両刀使いだ。聞いたこともない会社だったが、九州・西日本ではわりとメジャーで、東京にも江戸川区を中心に数店舗展開されているらしい。あと、デリバリーお好み焼きは広島県では当たり前のようにあるサービスだそうだ。もう少しで、このアイデアで『マネーの虎』に出場するところだったので、助かりました。虎たちに恫喝されてしまうところでした。届いたピザを食べながらヤクルトvs中日のデーゲームを観戦。今年は開幕からずっといいライアン小川が8回までこれぞエースというピッチングを見せていて、それはもうウキウキだったのだけども、9回に守護神・秋吉がビシエドに逆転3ランHRを浴びて敗北。これはショックが大きくて、忘れられない試合になりそうだ。妙に記憶力がいい私はすべての日々の思い出をその日観たプロ野球の試合と結びつけて覚えているのです。鬱屈とした気分の中、パソコンで昔のドラマを観散らかす。『お見合い結婚』は最高。ユースケ・サンタマリアの有能さにハッとさせられた。彼や大泉洋のような3枚目俳優が2~30代の役者で出てきて欲しいものだ。暇なのでまたしてもTwitterでそうつぶやいてみたところ「星野源じゃないですか?」という反応があって、「うわ、そうだわ」となりました。私が望むものの先にはいつだって星野源。多分、Sサイズのピザも星野源なら展開しているに違いない。今度、注文してみよう。



日曜日。雨が上がったので、洗濯機を回し、干す。録画してあった『ゴッドタン』の「コンビ愛確かめ選手権」を観て、ロバートの友情にグッときてしまう。収録前に3人で豚骨ラーメン食べるなんて本当に素敵だ。天気もよくなってきたので、自転車で出かける。大泉学園までサイクリングして、そこから西武池袋線に乗り所沢駅へ。本日は”母の日”という事で、電車の中でカーネーション直枝政広のソロアルバム『HOPKINS CREEK』を聞いて楽しむ。

HOPKINS CREEK 10th Anniversary Deluxe Edition

HOPKINS CREEK 10th Anniversary Deluxe Edition

脂ののった500gから始めよう。所沢駅から徒歩30秒という立地の「所沢BED&SPA」に赴きました。日曜日だが午前中はお客がまばらでむちゃくちゃ快適です。サウナはケロサウナ。絶え間なく自動ロウリュウしていて非情に高湿、簡単に汗が出てくる。しかし、温度は80℃と低温で少し物足りない。なんせここは水風呂が12.8℃とキンッキンに冷えているのだ。せっかくなら身体を熱々にしてから、飛び込みたい。やや宝の持ち腐れである。しかし、施設はいい。地獄サウナというイカれた名前のスチームサウナもあるし、無温バイプラ風呂もいいし、外気浴スペースにはデッキチェアもあるし、アメニティはスカルプシャンプーにPOLA。食堂でノンアルコールビール飲みながら、備え付けの漫画(『げんしけん』1巻にしました)を読んだりして、むちゃリラックスした時間を過ごせました。スワローズが敗戦ムード漂う中、9回に荒木のサヨナラ満塁ホームランが飛び出す。すっかりウキウキ気分に。光が丘公園周りを気持ちよくサイクリングして、高島平の「らいらい軒」で中華丼を食べ、イオンシネマM・ナイト・シャマラン『スプリット』を観て帰宅。
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ジェームズ・マカボイ、最高だ!そして、オープニングショットからして良すぎる。わけがわからぬままにずっとおもしろい。久しぶりにスクリーンで映画を観たような気がして、映画でしか語りえないことってあるな、と震えた。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』と『マンチェスター・バイ・ザ・シー』も早く観たい。休日の仕上げとして、ハーゲンダッツのショコラミントを頂く。チョコミントって昔は迫害されていたイメージだけども、ここ10年で一大勢力に成長した気がする。チョコミン党の総意として、ベストチョコミントアイスは、サーティワンのチョコミントということでよろしいですよね?



月曜日。ブルーマンデー。なんだかネオアコが聞きたい気分で、プリファブ・スプラウトの2ndアルバムを聞いた。

Steve Mcqueen

Steve Mcqueen

このアルバム、同い歳なんだよな。帰宅途中にセブンイレブンでパックのおでんを買い、冷やしのままで食べた。おでんという食べものは温かろうが、冷えていようが、美味さにそう差異はないのだということに今さらながら気づかされる。これで夏でもおでんが食べられます。食事をしながら、録画してあった『乃木坂工事中』と『欅って、書けない?』を消化。最近の『乃木坂工事中』から白石さん、なーちゃん、まりっか、キャップあたりの気配が感じられなくて寂しい。たまにいるけど、ほとんどいないようなもので、まるで違うグループのようだ。『欅って、書けない?』はなんてことない企画なのだけども、やっぱりおもしろいんだよな。見事ベースをゲットした長濱ねると、授業の為に途中退出したオダナナだけで飯が食える。これは単なるグループへの思い入れによるものなのだろうか。公平な判断ができない。『ドキュメント72時間』の再放送枠が大好きな「京都・鴨川デルタ、青春の日々」であったので観直す。やっぱりこれは素晴らしい。年間トップ3入りはあると思っていたが、結果が6位だったようだ。あと個人的には「北アルプス 天空のテント村」も好きだったのだけど、トップ10入りさえしていない。1位の「長崎 お盆はド派手に花火屋で」であるのは納得だが、2017年の1位が「都会の小さいお葬式」だったら萎えるな。あれは一線を踏み越えてしまっていると思う。次の週の「金剛山 ライブカメラの山頂で」なんかは実に激渋だったけども、その何気なさに「これですよ、これ」という気持ちになった。Kinki Kidsのデビュー20周年記念の一環で、ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』の続編が今夏に放映されるという。ちょうど昨日、1話を観直していたところだったので、鼻水が出てしまった。放送当時、母親が小原裕貴ヲタだったもので、家でずっと録画したビデオが流れていたものだ。小原くん、演技むちゃんこ下手なんだよな。貴族探偵も出ている。ときに30歳前後の人にとって、堂本剛という人の存在ってむちゃくちゃ大きくて、ドラマの役どころなりバラエティなり、あの堂本剛的な振る舞い(昼行燈的な)が”かっこよさ”だ、みたいに刷り込まれたところありませんか?ないか。



火曜日。柴田聡子のニューアルバム『愛の休日』を買う。

愛の休日

愛の休日

これはすっごいアルバムだと思います。店頭に並んでいた藤原さくらのアルバムも良さそうだった。彼女のフェイバリットがPaul McCartneyの『RAM』なのだと聞いて、かなり気になっている。この日はどうにもモヤっとして、ヤクルトもジャイアンツ菅野に手も足も出ず、更にズーンと沈んだ。こんな時の為に実家から回収してきた心を安らかに保つ為の漫画『あたしンち』を部屋で読み吹けるのです。
あたしンち 1

あたしンち 1

10巻くらいまではもう抜群におもしろいと思う。画も簡素なのだけどセンス抜群。この作品でしか掬い取れてない生活の”何気なさ”がいっぱいある。東日本大震災以降の後期『あたしンち』は作者の思想をキャラクターが喋らされたりしていて、本当に驚いてしまった。小田扉と違って、思想自体は理解できるものなのでまだいいのですけど。あしかし、あれが読売新聞に掲載されていたのは凄い。けらえいこは自身の結婚生活を綴った「セキララシリーズ」なども大好きで、もっともっと評価されていい作家だと思っている。
セキララ結婚生活

セキララ結婚生活

サザエさん』『ちびまる子ちゃん』『あたしンち』が三大家族漫画であるから、「長谷川町子さくらももこけらえいこ」くらいの扱いでいい。『NEO決戦バラエティ キングちゃん』は復活してからもずっとおもしろい。ノブの「あの頃のToshl」が想像以上に似ていてクソ笑った。都丸紗也華ちゃんがレギュラーアシスタントになりますように。  



水曜日。仕事終わりにココナッツディスク池袋店でcero『街の報せ』の12インチアナログを購入。友人と合流して、「木々屋」で飲む。池袋の大人気の焼きとん屋で何店舗もあるのに、どこも大混雑している。とにかく、レバーが美味い。ハムカツもお気に入りだったのだけど、メニューから消えていて残念だ。モツ刺しも美味かった。プロ野球の中継を見ながら、由規の快投と雄平と大松の勝負強さを同じくヤクルトファンである友人と称え合った。肩の怪我から復帰した由規が目一杯腕を振って150キロ台の直球をバンバン投げ込んでいる姿には思わず涙腺が緩んでしまったな。由則という選手を知らぬという方はぜひこれを観てくれぃ。
youtu.be
仙台育英高校。甲子園のスターであり、ドラフトで東京の球団に指名されて、「家族と離れることになるんだな」と会見中に号泣した、ナイスガイなのだ。そして、161キロという、大谷に塗り替えられるまで日本人最速記録の持ち主であった。昨年、肩の手術から1771日ぶりに一軍登板。そして、この日ついに最高のピッチングを披露してくれたのです。本当にがんばったなー。あと、この日時点の雄平の打率が331だったということを記録しておきたい。何年後かにこれを読み返す私、信じられないだろう。焼とん屋を出て、喫茶店で珈琲飲んでダベって、2時間カラオケして解散。友人はコーネリアスばっかり歌っていた。
youtu.be
確かにこの新曲はポップミュージックのネクストレベル。友人は他にもどついたるねん「わたるちゃん2」、cero「街の報せ」、スカート「静かな夜がいい」などをそれはもうスムースに歌っていた。対する私は浜田省吾ミスチルを歌った。センスの違いってやつを見せつけてやったね。この日遊んだのは、前回の「最近のこと」に登場した練馬の濡れネズミこと” Ob -La-Di, Ob-La-Daが世界で1番好きな男”だったんですけど、なにやらあのブログを読んだらしく、「mixi日記じゃねぇんだぞ!」と怒っていました。久しぶりにカラ館行ったら、店員さんがガンダム地球連合軍みたいな制服で(前からでしたっけ?)、「ガンダムみたいだったなぁ」としみじみ言い合った。



木曜日。ドムドムバーガーという単語をよく目にする日だった。スイートポテトパイがとにかく美味しかったという思いでがあるのですけど、本当に美味しかったっけ。店舗もほぼないし、スイートポテトパイはメニューにないらしい。最期に復活させてから、散って欲しい。疲れが溜まってきたので、サウナに行くつもりが、野球中継から目が離せなくて断念。ヒリヒリした試合展開で何とかジャイアンツに1対0で勝利。昨年オリックスからトレードで加入した近藤投手が本当に素晴らしい。ストレートとスライダーのキレ。マウンドで踊るようなピッチングフォームも素敵だ。ヤクルトが東京ドームで勝ち越せるなんて奇跡みたいなもの。すっかりご機嫌になってしまった。適当にご飯をすませて、日課である『ひよっこ』と『やすらぎの郷』を観て、 お風呂入って、本読んで、漫画読んだ。


田中宗一郎さんのこのつぶやきを読むまで、『皇国の守護者』の伊藤悠の『シュトヘル』の存在すら知らなかったので、慌てて読み出している。痺れるほどおもしろいなぁ。いつも6時半に起きているんですけど、12時前に眠るより、1時過ぎに寝た方が眠くないことに最近気づいてきた。