青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

『SMAP×SMAP』最終回スペシャルによせて

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SMAP×SMAP』最終回ですが賛否両論、いや、何やら批判のが大きいようです。確かにその結末はとてつもない”不条理劇”、やるせなさと悔しさと哀しさで頭がおかしくなりそうでした。ラストパフォーマンスの「世界に一つだけの花」も舞台演出など含めて、私たちが観たいスーパーヒーローSMAPではなかった。直前に『SMAPノンストップLIVE!!! SUPER MEMORIAL ADRENALIN PARTY』の圧巻のパフォーマンスを観させられているだけに。しかし、言葉を発せないのならば、と中居君が最後にダンスでメッセージ(5人の絆と”バイバイ”を)を私達に送ってくれたのが、どこかSMAPらしい終わり方だったように思う。あの深く、長いお辞儀は謝罪ではなく感謝だと信じたい。


「お葬式みたい」「歯医者のBGMか」と非難の嵐であった、オルゴールアレンジの「Triangle」をバックにしたSMAP28年の軌跡のスライドショーは、個人的には結構グッときてしまったのでした。あの時に流れた映像のチョイスをよーく思い返して欲しい。偉大なる国民的スターとしてのSMAPというよりも、「仲良し6人組の男の子の青春」を体現した素材ばかりではなかったでしょうか。これはこの日の『SMAP×SMAP』で流れた秘蔵映像全体に言えることだ。多くの海外スターや大物政治家、芸能人を番組ゲストに招いた実績、もしくは計算マコちゃん、ペットのPちゃん、古畑拓三郎、ゴロクミといった革新的コントキャラクターを生み出した功績などに時間を割かず、森クン脱退やその18年越しの手紙、メンバーの不祥事における際の結束の様子、もしくは若きSMAPの豊潤なエピソードが詰まった「スマスマ裁判」(2003)といった、どこにでも転がっていそうなヤンチャな男の子達の友情と熱狂の日々にフューチャーしている。そこに映るSMAPは、社会とかシステムといったしがらみから解放された、誰にも阻害されることのない”青春の瞬き”そのものである。前人未到の偉業を達成した国民的アイドルである5人を、とても身近な存在として感じさせてくれる。そんな素晴らしい編集と演出だったと思うのです。


極めつけは、たっぷり尺を割いて流してくれた『SMAP×SMAP はじめての5人旅』(2013)である。コンビニでお茶を買うSMAP、場末のお好み焼屋で乾杯するSMAP、高速道路のETCに苦戦するSMAP、5人でプリクラを撮るSMAP、みんなで温泉に入るSMAP、カラオケや卓球を楽しむSMAP etc・・・国民的スーパースターとなり彼らから失われた時間、もしくは誰にも知られる事なく流れていた親密な時間、それらが画面の前に立ち上がってくる様は、まるで世界の秘密に触れたような感触だ。個人的には好きな所は、「豚の生姜焼き食わない?」と中居クンに提案する慎吾ちゃんと、運転する素振りを一切見せず、助手席も絶対に譲らない木村クンと、それを当たり前のように受け入れている4人。もう最高。その普遍性、その何でもなさに、私達の青春とSMAPの青春が混ざり合っていく。


SMAPの過去のライブレポートをまとめている『ANGEL REPORT』という個人サイトがありまして、最後にその中から私の1番好きなMCレポートを抜粋させて頂きたい(表記等を少し変更しています)。『ス』ライブ in 横浜スタジア(時は1997年ということで、慎吾ちゃんは若干20歳、中居・木村のツートップもまだ25歳である)からのMC。

稲垣「昨日、ライブ終わった後、シャワールームあるじゃない?あそこってみんなでさあ、混浴じゃないですか」
中居「混浴って!?」
木村「混浴って言わない!!」
稲垣「合同風呂場ってかんじで。このくらいの大きさの浴槽があって、そこで慎吾君がチャポチャポやってて」
中居「(慎吾に)君さあ、こんな浅いところで泳いでたでしょ。お尻浮いてたの知ってる?」
香取「ていうか、俺に尻を洗わせるな!」
稲垣「君達さあ、なんでお尻洗いあってんの?」
香取「中居クンが『おい、慎吾、洗えェ!!』って言ったの」
中居「俺が背中洗えって言ったら、慎吾がケツの下に手ぇ入れたの」
香取「中居クンに洗わせられたんです!あれ風呂場でわかんなかったと思うけど、その時、俺、涙だったさ」
稲垣「嫌だったんだ・・・(呆れ気味)」
香取「そうだよ!」
<中略>
香取「でも昨日、中居クンが俺に『リンス貸して』って言ったじゃん。リンスを渡そうと床をサ―っと滑らしたとき、俺の青春ってこれなんだなぁと思ったね。泣きそうだよ」


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欅坂46『初ワンマンライブin有明コロシアム』


欅坂46の初の単独ライブの2日目を有明コロシアムにて目撃!これがもう”夢”のような楽しさで、ステージが終幕に従うに連れ、その”夢”から現実に引き戻される寂しさには思わず落涙を禁じえないほどでした。素晴らしい芸術というのは、そういった”寂しさ”を必ずや付随している。アイドルのライブの感想に際して、いささか大袈裟であろうか。しかし、あの有明コロシアムにおける強烈なパッションの発露と瑞々しい身体、そして表情の躍動、その強烈さは”夢”としか表現しえない。おまけに「サイレントマジョリティー」「二人セゾン」・・・2016年の最良と呼ぶことに何ら躊躇を覚えぬ突出したいくつかのポップミュージックがその夢には流れているのである。



「大人は信じてくれない」「語るなら未来を・・・」というダーティなプロダクションと美術・照明の元にアグレッシブで逸脱したダンスを繰り広げる冒頭の2曲。ここでもう欅坂46独自のカラーのようなものを完全に魅せつけられた想いである。タイトル引用元であるフランソワ・トリュフォー大人は判ってくれない』のアントワーヌ・ドワネルの孤独と反抗、そして疾走。つまりは「僕は息を切らして走るけど、さぁ、君はどうする?」という問いかけの眼差し。欅坂46のダンスは、観る者にアクションを誘発させる。


自戒と自虐を込めて書くが、こういった大袈裟なサブカル的な感性でもって寄せるグループへの期待は、いずれ彼女達にとって大きな足枷になるだろう。既に『ロッキングオン』や『クイックジャパン』といった媒体がすり寄り、”革命”、”反抗”、”天才”といった劇薬のような単語でグループを煽っている。勿論、それは運営側の戦略・思惑とも一致しているし、平手友梨奈という才能を前にして、そういった言葉をペンから放たずにはいられない欲求もおおいに理解できる。「大人達に支配されるな」というメッセージを、完全にプロデュースされたアイドルが歌う矛盾を成立させてしまうのは、大人の想像、企みというのをいともに簡単に超えてくる平手友梨奈の表現力に他ならない。しかし、

不安と孤独を主旋律にしながらオーディエンスと濃く純度の高いコミュニケーションを紡ぐ初のアイドルだということが、今日の初ワンマンを観てよくわかった。

というような書き方どうだろう。その点においては、欅坂46だけが特別なわけではない。アイドルは当然として、10代の少年少女を題材した芸術作品は、どれもが等しく不安や孤独を基本コードとしながら、それを見つめる者と強い交感を果たしてきた。文学、映画、演劇、アニメーション、ポップミュージックといった表現が紡いできた連綿と続く文脈を、その最先端で引き継ぎ、最も美しい出力でそれを放っているのが、2016年の欅坂46というアイドルグループなのだ。


また「大人や社会への少女達のレジスタンス」というレジュメは大いに魅力的ではあるが、そのようにまとめてしまうことで零れ落ちてしまう欅坂46の魅力はあまりに多い。例えば、長濱ねるの存在はどうだ。名前から顔の形から体型まで、全てにおいて美しい丸みを帯びた彼女が発する古き良き往年のアイドル像が呼び起こす歌謡性。「乗り遅れたバス」「また会ってください」という名曲を君は聞いたか。

「青空が違う」で一斉に揃った志田愛佳菅井友香守屋茜渡辺梨加渡邉理佐の5人の瞳を潰さんばかりの絶対的美貌。そして、あの幸福感に満ちたサンタクロースコスチュームを纏ったメンバー総出のラインダンスはどうだ!?それらには、反抗や革命といった文脈は何ら意味をなさない。グループアイドルの魅力というのは、簡単にレジュメできない多様性にこそ支えられているはず。


さて、ここからは雑感。今回のライブに加えて、twitterにもブログにも書いてなかった欅坂への想いを、いい機会なのでバーっと書き散らしたい。もう我ながら、ほんと五月蠅いし、長いので畳もう。

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最近のこと(2016/12/15~)

youtu.be
最近1番好きなクリスマスソングは断トツでこれ。もうすっかり年末気分で浮足立ち気味です。1年で1番いいもんな、年末は。ここのところ、妙に暖かくてちょっと不満です。どうせなら、年末は厚手のコートで木枯らしに吹かれたい。マフラーを君と同じに巻いてみたい(最近読み直したmixi時代の地獄のサブカルノリ)。



木曜日。足の指が腫れて、靴を履くと痛くて歩けなかったので病院に行ってきた。職場近くの皮膚科だったので、夕方の往診時間開始に駆けこんだのだけど、すでして混んでいた。皮膚科って音としてはブラマヨ吉田が喋っている印象が強くて、つい発する時も関西弁のイントネーションになってしまうよな。そんなことないかな。混んでいるからか、適当な診察だった。「うーん、どうしようかな。まぁお風呂はやめて、シャワーで済ましてくれる?一応ね。」とか言うんだけども、そこの判断はちゃんと根拠示してから下してくれと思う。湯船に浸かれるとそうとないでは日々の疲れの取れ方が全然違うのだから。生活者なめんな。むかつくので、バリバリ風呂入ってやったのだけど、薬飲んでたら、すぐ治りました。歩けるって素晴らしい。さて、突然ですが、職場のお昼にセブンイレブンのカップ味噌汁を愛飲している。新作の「揚げ茄子」の味噌汁もお気にいりです。その日の気分で「7種の野菜」「海苔」「長ねぎ」など買い分けているのですが、味によって味噌の小袋の形状や開け方の指示が異なる。「長ねぎ」用の味噌は斜め開けなんだよなぁ。どんなこだわりがあるのでしょう。ちなみにセブンイレブンの、と言っても永谷園との共同開発だそうです。後、セブンイレブンでお昼に買っちゃうのは「味付き半熟ゆでたまご」ですね。あれは最高、発明。



金曜日。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の公開日ですが、会社の忘年会でした。去年も『フォースの覚醒』の公開日だったような。これは陰謀だ。3時間超えのロングコースの忘年会でしたが、意外と快適に過ごせてしまった。まずい、これまで「会社の忘年会辛い!」キャラでやってきたのに。30を超えて、精神が丸くなってきたのだろうか。星野源とも精神的な和解を果たしてしまったし、最近ではかつて仮想敵と忌み嫌っていたShiggy Jr.のアルバムだってご機嫌に聞いているのである。

ALL ABOUT POP(通常盤)

ALL ABOUT POP(通常盤)

「ホットチリソース」がお気に入りです。初期ジュディマリのようなアンサンブル。イケモコさんの私立文系女子大生という概念そのもののようなルックスはいつ見てもヤキモキするものです。Ceroの「街の報せ」のMV、良い。
youtu.be
ハーゲンダッツスペシャリテシリーズの新作「ピスタチオベリー」食べたんですが、あれ美味すぎ。449円という価格帯も納得の一品。そうそう手は出ませんが。ピスタチオのお菓子って大好きなんだなぁ。話変わるんですが、復刊ドットコムより来年1月発売高野文子が監修・解説を手掛ける千明初美作品集がとても楽しみだ。
千明初美(ちぎらはつみ)作品集『ちひろのお城』

千明初美(ちぎらはつみ)作品集『ちひろのお城』



土曜日。栃木の鬼怒川温泉へ1泊2日で旅行に出掛けた。池袋発の特急スペーシアに揺られながら食べる「津多屋」のり二段幕の内弁当の美味いこと。
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ルックは地味ですが、全てのおかずがしみじみ美味い。スペーシアの隣の席にピカチュウに似ている赤ちゃんがいて、視線を奪われっぱなしでありました。隣の席の内訳は、女性4人組で内2人が子連れで、なんだか『ハッピーアワー』の続編を観ているような気分だったな。ポレポレ中野で開催されている濱口竜介特集上映、観たい。特に『親密さ』が観たい。そんなこんなで、あっという間に鬼怒川温泉駅に到着。東京よりは少し寒い。やることもないので、とりあえず懐かしの『東武ワールドスクエア』へ。土曜日の昼下がりでも閑散としていて、侘しい感じがいい。とは言え、3,000円近い入園料はどう考えても高いが、展示の芸は細かく、それなりに楽しいのだ。アメリカゾーンのBGMとして流れているビックバンドの演奏などには思わず身体が動き出してしまうほどでしたね。そして、今はなきワールドトレードセンター。
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園内には「ここは華麗な玉手箱」でお馴染のテーマソングも流れていて、ノスタルジーの化け物でございます。園内入口に設置されているレストラン(入園しないでも入れる)で販売しているドーナッツを持ち帰りで注文するお客さんがたくさんいて、もしかして密かな名物なのだろうか。食べておけばよかったな。『東武ワールドスクエア』を後にし、すぐさまホテルへチェックイン。暖房の温かさに、ウトウトしていたら、気が付いたら食事の時間になっていた。疲れていたのだろうか。食事を済ませて、いざ大浴場へ。このホテルには温泉とサウナがあるのです。サウナは90℃オーバーかつ湿度少なめの硬派なタイプ。長居していると、少し息苦しくなる。水風呂は20℃くらいなのだけど、水の質がよく、柔らかくて気持ちがいい。意外!地方のサウナに行くと、こういう楽しさがある。露天の温泉もよかった。当然、休憩スペースなどはないので、風呂の縁などを使って、なんとかととのえた。ちなみに、スーパー銭湯好きあるあるかと思うのですが、アメニティがPOLAのシャンプー、リンス、ボディソープの3点セットだったりすると、もうととのいますよね。風呂を出て、自販機でチョコミントのアイスを買って食べる。気が付いたら眠っていた。



日曜日。起床して、すぐさま朝サウナ。時間がなかったので1セットだけ楽しむ。朝日を浴びながらの外気浴は格別だ。そして、朝食ビュッフェへ。ホテルの朝食はいつだって最高。その場で調理してくれるパンケーキと目玉焼きが美味しかった。ご当地名物らしい二ラをたっぷり入れて楽しむ蕎麦もナイス。お腹がどこまでも満たされ、チェックアウトの時間まで、部屋でvideotapemusicや王舟の音楽などを聞いて楽しんだ。この二組の音楽はどこか旅行っぽい。ホテルから駅への送迎バスで、星野源の「恋」が流れていた。これがヒット曲ってやつか、と少し感動してしまった。レモン牛乳などを飲みながら少し散歩して、鬼怒川温泉駅から宇都宮へ移動。当然お昼に餃子を食べたかったのだけども、ビュッフェ効果でお腹いっぱいなので、断念、残念。しかし、最大の目的は駅から10分ほどの場所にある「グランドスパ南大門」なのです。
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いくらなんでも常連客のお喋りと子ども達の騒ぎ声がうるさく(温水プールが併設されているので仕方ないのだが)、とても落ち着けたものではないが、サウナは本格派。北関東最大と謳われているグランドサウナは、広大かつ複層的な構造で、場所によって温度の変化を楽しめるという珍しいタイプ。広いのに温度、湿度、衛生の管理もバッチリ。ロウリュウは6人ほどのおじい、おばあ達が一斉に大きな内輪で扇いでくれます。しかも1回につき12扇ぎを2セット(この日は何かの特典日だったらしく4セット!)。これもまた一興。水風呂が15℃と22℃の2タイプ揃っているのもうれしい。問題は水風呂に汗を流して入る人が皆無であることだろう。正直な所、水風呂に汗を流さず入る奴は何やらしてもダメだと思う。想像力の欠如、としか言いようがない。サウナのテレビでは緒方恵美がナレ―タ―を務める『逃げ恥』ダイジェストが流れていて、一糸纏わぬオジサン達と一緒になって、平匡とみくりの不器用なキスを見つめた。こんな体験はそうそうできまい。うらやましいだろう。電車ギリギリまでサウナを楽しみ帰路へ。『THE MANZAI』は予約し忘れてしまい、ナイツと博多華丸・大吉くらいしか観られなかった。千鳥の漫才が大変面白かったらしいので、残念だ。溜まっていた録画を消化。『ホリケンふれあい旅 にんげんっていいな』の弘中アナがかわいすぎて声を上げた。なんて表情豊かなのだ。そして、変な服着てて、二の腕かわいい。今、1番好きな女子アナです。欅坂46『二人セゾン』のPVを少しづつ観ているのだけど、平手ちゃんがおでこをあげると、ほんと弘中アナに似ている。個人PVは今のところ、べりかが1番いい。あの子は番組では一言も喋れないのに、映像の中ではいつも完璧だ。



月曜日。旅行中も気がかりであった職場の案件が片付いてスッキリ。気がかかりと言えば、職場の同僚の肝っ玉母ちゃんが『ハリ―・ポッター』に出てくるルーナに似ているのだけど、伝わるかわからないし、伝わったところで何だ、という話で何年も胸の内に秘めたままである。あと、上司の喋り方が『水曜どうでしょう』好き過ぎて、完全に藤村P調(つまり大泉さん調でもある)なのも気になる。これは指摘されたら死ぬほど恥ずかしいだろうから、絶対に秘めたままにしておこう。本屋で本秀康レコスケくん』の20周年アニバーサリー版を購入。

レコスケくん、大好きなのだ。でも追加されていた10年代のレコスケくん、タッチが変わってしまって残念。太い線で黒目が大きいほうが好きだった。手書きの台詞もずいぶんラフだけど、どういう意図があるのだろう。丁寧に書くの面倒くさいだけなのか。帰宅して、『SMAP×SMAP』の(実質)最終回を観た。若き日の秘蔵映像がうれしいが、この青春の輝きがなにがどうしてこうなった、という哀しみでズーン。タモリさんの裁量に涙。メンバーに”五角形”の”スター”をプレゼントするなんて!ときに、「タモさん、走れるんですね」というイジリに乗っかっていたけども、何年か前にランニングしている所をフライデーされてたので、本当はバリバリのランナーなのでは。椎名林檎とのコラボ。うーん。歌詞とか泣ける感じっだったんたけども、正直その歌声はユニゾンにおいてあまりに混ざらず。申し訳ないけど、5人でのパフォーマンスが観たいなーと感じてしまった。いや、SMAPの曲を歌い踊るSMAP最後に見せておくれ。来週の『SMAP×SMAP』で「世界に一つだけの花」のパフォーマンスが流れるそうだけども、ダンスナンバーも観たい。紅白にサプライズ出場の噂、すがりつきます。



火曜日。『逃げる恥だが役に立つ』の最終回だから急いで家に帰らなくては、という気持ちになった。21時から『わたしに運命の恋なんてありえないと思ってた』を観ていたのだけど、途中で挫折。多部ちゃんってもしかしてあんまり良くないのかな、と思ってしまった。高橋一生は少し観ただけでもかっこよかったです。『逃げる恥だが役に立つ』の最終回はそれはもう素晴らしくて、続けて2回観てしまいました。
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大島弓子先生と穂村弘は『逃げ恥』を観ただろうか。レビューに書きそびれたんですが、両親とかユリちゃんに対して、最後まで”嘘”をつき続けたのもすっごいよかったです。これも星野源っぽい世界観。しかし、石田ゆり子は最高ですね。その魅力を再確認された皆様におきましては、『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』の視聴をオススメ致します。

ストロベリー・オンザ・ショートケーキ 1 [DVD]

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こちらのゆり子さんは、生徒である窪塚洋介との恋に翻弄される高校教師ですよ。あと、『もののけ姫』での勇敢な石田もぜひ。『カルテット』の予告にもブチ上がった。1つだけ心配なのは『逃げ恥』20%の後に一桁台の視聴率を叩き出しようものなら、という感じでしょうか。あんまり比べないであげて欲しいですね。しかし、1月からのドラマは期待作が多すぎる。フジの月9もつまらなそうだけども、演出は並木道子だ。ニュースを鵜呑みにするなら、竹野内豊瑛太が月9のオファーを蹴ったらしいのだけども、実現していればTBSで坂元×満島、フジで並木×瑛太という夢のようなクールが完成していたわけです。しかも、木村くんと草なぎくんのドラマもあるし。SMAPのベスト盤に涙。



水曜日。2016年BEST MUSICの記事公開しました!
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ナンバーワンはayU tokiOでした。今年のベストライブも原宿アストロホールのayU tokiOであったと言っても過言ではないです。やんややんや。ときに「おっととっと夏だぜ」ってあれは何をそんなに慌てているんでしょうね。ここのところ立て続けにローカーのウエハ―スをもらう機会があって、改めて、むちゃ美味いと感動している。
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珈琲に1番合う食べ物なのでは。2位がカレー。ローカーのウエハ―スはレモンかバニラが1番好きです。サイトを観てみたら、ココナッツとかフォンデンテとか知らないフレーバーがいっぱいあってテンション上がりました。近所のシネコンで『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』観ました。
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前半の退屈さを吹き飛ばす、後半の出来栄えに興奮。序盤は脚本もダメだけども(ソウ・ゲレラいらねー)、画面も暗くて観づらい。ベイダ―とターキン総督、もしくは、ジェダイならざるもののチアルートとベイズがかっこよすぎたな。帰宅して『水曜日のダウンタウン』観てから寝た。



木曜日。シネマヴェーラ渋谷で開催されている山田宏一セレクションの「ハワード・ホークス特集」行きたい。
www.cinemavera.com
1月までやっているそうなので3本くらいは観たい。スクリューボールコメディか西部劇かハードボイルドか、今はどれの気分なのだろう。という風に「3本観なくては」と意気込むとだいたい1本も観れないので、どれか1本だけ観よう、と軽い心構えで臨みたいですね。ハンフリー・ボガートが観たいので、『脱出』か『三つ数えろ』かな。この日はクリスマスも目前というのに春の嵐のような気候。風も匂いも完全に春で、ウキウキしてしまう。暖かいし、風が強いし、これは外気浴がいいぞ、と仕事後に池袋の「タイムズスパ レスタ」へ。ちょうどヒーリングロウリュウ”アーネトン”の開催に立ち会えた。うす暗い明かりに調節し、ピアノのBGMの中のみでロウリュウを楽しむという、ウェルビ―の森のサウナやからふろといった流れに倣うかのような、感覚研ぎ澄まし系ロウリュウ。扇ぐスタッフも無言。これが実によかった。レスタはアロマの香りもいいんですよねぇ。この日のスパイシーに甘い香りは何のアロマだったのだろう(アーネトン時のスタッフは無言だから説明なし)。水風呂の17℃もありがたい。15℃だと長く入っていられないし、20℃だとぬるい。個人的には17℃ってベストだ。アーネトン後の水風呂で心臓バクバクになりながら、強風吹き抜ける屋外でデッキチェアーに目をつぶって寝そべると、これはもう飛行である。宮崎駿の世界です。ちょっと気持ち良すぎて、これ以上はまずい、と慌てて目を開きました。連れてかれてしまう、と思った。今までで1番気持ちいいサウナ体験だったかもしれない。風の強い日のレスタ、これ覚えておいて下さい。ご飯食べる気なかったのですけど、ととのい過ぎたので、レストランで生姜焼き膳なんか頼んじゃったりして、これがまた死ぬほど美味くて、もう昇天ものです。テレビでぐるナイがずっと流れていたのだけど、結局誰がゴチをクビになったのかを見届けられなかったのが悔やまれます。二階堂ふみかわいいな、ちくしょう。Chance the Rapper and JeremihのクリスマスMIX TAPE最高。
soundcloud.com




さて、これが年内最後の「最近のこと」になるのか、それともまだもう1個くらいはいけるのか。一応中締め。去年よりたくさん更新できたし、去年より楽しく書けた。30歳を超えても書くのか書けるのか、と悩んだ時期もあったのだけど、書き続けておいてよかったです。去年の『青春ゾンビ』のが面白かった、と自分で思うようになったら辞めますが、少なくとも2016年の『青春ゾンビ』はこれまでで1番いいテキストが揃っている、と自画自賛できます。この記事がよかった、みたいのがあったらこっそり教えてくださいね。これからも続けられるといいなー。

野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話

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みくりさんは自分の事を”普通じゃない”と言うが
今更です とっくに知ってました たいしたことじゃありません
僕達は最初から普通じゃなかった

という平匡(星野源)の台詞にもあるが、このドラマの登場人物はみな一様に、世間一般で言うところの”普通”に該当しない。故に「普通ならばこうあるべき」というレッテル貼りに苦しみ、傷つけれてきた。男らしくあるべき、いい歳なんだから結婚しなさい、女は子どもを産まなくてはならない、女は若いほうが優れている、愛の対象は異性に向けられるのが普通etc・・・こういった数々のレッテルをユリちゃん(石田ゆり子)は”呪い”と名付け、

そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい

と、テレビの前の視聴者に向けて語りかける。このドラマにおける最も感動的なシーンの1つだろう。しかし、”呪縛”という言葉がある通り、逃げても逃げても、へばり付いて離れない呪いというのは往々にしてある。『白雪姫』や『眠れる森の美女』といったおとぎ話をヒントにするのであれば、呪いを解くにはときに”他者”の存在というのが必要なのかもしれない。みくり(新垣結衣)の自尊感情の低さからくる「私は小賢しくて誰からも嫌われる」という強力な呪いを、その小賢しさの裏に潜む優しさや気配りを拾い上げてやることで、平匡が解き放つ。レッテル貼りに敏感な今作のことであるから、当然のように”他者”というのは”王子様”に限定されることなく、性差や身分など関係なく、誰もが誰かの呪いを解き放っていく。平匡がやった呪いの解き方は、みくりが平匡にしたやり方の反復である事も劇中で示される。「みくりちゃんに会わせて!」と予定を立てると必ず子どもが熱を出してしまう、という日野(藤井隆)の実に小さな(とは言えドラマを転がし続けた)呪いさえも、最後に回収してみせる筆致が最高にチャーミングではないか。藤井隆の実嫁である乙葉が登場というサプライズも心憎い。



「呪いを解き放つ」という運動が、”ハグ”や”ドアをノックする”、もしくは風見(大谷亮平)によるユリちゃんのおでこへの”キス”といったアクションによって、しっかり可視化されているのも映像作品としての今作の優れた点だろう。ちなみに余談だが、ドアをノックして、ダッフルコート*1まで着る平匡に、小沢健二のイメージが重ねられているのは明白。

ONE LITTLE KISS
言葉にすれば分からないことでも
ONE LITTLE KISS
あっというま僕らをつなげる sweet sweet thing


僕はずっとずっと1人で生きるのかと思ってたよ
爆発する 僕のアムール
君の心の扉を叩くのは僕さって考えてる


小沢健二「ドアをノックするのは誰だ?」

これはもうそのまま平匡とみくりのラブソングではないか!!



また、”物語”もしくは”平匡とみくり”のメタファーとしてベランダに存在し続けた十姉妹にも注目したい。あの十姉妹が鳥籠の中で飼われ出した途端に、平匡とみくりのムズキュン生活はもろくも崩れ去り、身につまされるようなリアルなすれ違いが展開されていった。鳥は鳥籠に囲う、これも一種のレッテル貼りであるからだろうか。ここで、みくりの企画した地域振興マーケットの名が”青空市”であったことに我点がいく。「鳥籠→青空」という解放の運動が、さりげなく作劇に忍びこんでいるのである。とびきりにキャッチーなみくりの妄想パロディに目がいきがちだが、全11話の中において、こういった脚本の妙がいくつも点在している。

私たちを縛るすべてのものから
目に見えない小さな痛みから
いつの日か解き放たれて
ときに泣いても笑っていけますように

みくりの祈りが通じたかのような、大団円の最終話。世界の常識から外れた者達が、傷つきながらも、逸脱したままに、等しく報われていく。あまりに感動的!この変化球でありながらも、圧倒的なハッピーエンドの感覚は、まぎれもなく大島弓子作品におけるそれと言えるだろう。原作者である海野つなみが少女漫画出身の作家である事からも、そこに何の違和感もあるまい。

だれか もつれた糸をヒュッと引き
奇妙でかみあわない人物たちをすべらかで自然な位置にたたせてはくれぬものだろうか

という『バナナブレッドのプディング』における有名なフレーズをなぞるかのように、気持ちのよい抜けるよう冬空の下に開催される青空市に集った人々が、スルスルと自身を縛りつけていた呪いを脱ぎ、自然な位置に辿り着く。みくりをいびった感じの悪い「せんべい屋」の主人ですら!しかも、彼の作った”特大海苔せんべい”は、沼田(古田新太)と梅原(成田凌)という傷ついた2人のLGBTを出会わせる契機となる。『関口宏東京フレンドパーク』のビックチャレンジのコーナーを模して、ありえた(る)かもしれないあらゆる未来を否定しないという妄想のやり口は、これまでみくりが行ってきた数多の妄想の中で最も美しいものと言えよう。



そんな圧倒的なハッピーエンドの中で、契約結婚という普通とは少し違う形をとった平匡とみくりは、「1つの家で2人でいる」という道を選んだ(これは「永遠にすれ違うことを覚悟しながらも、同じ乗り物に乗って同じ方向を目指していく」という夫婦のあり方を示した、坂元裕二の傑作『最高の離婚』の境地と、そう距離はないと言えるだろう)。

生きて行くのは面倒くさいもんなんだと思います
それは1人でも2人でも
どっちにしても面倒くさいなら、2人で一緒に過ごすのもいいんじゃないでしょうか

「1つの家で2人でいる」を実践する為に、平匡とみくりは引っ越しを試みる。1LDKから2LDKへ。夫婦はそれぞれの部屋を持ち、寝床もちろん別々。朝、目が覚めたなら、それぞれの部屋の”ドアをノック”して、ハグをするだろう、キスをするだろう。「火曜日=ハグの日」というのは、それぞれの正しさの元に独立し、固有である事を祝福された2人が、ときにピタっと寄り添う瞬間なのである。驚いてしまうのは、主演である”時代と寝た男”こと星野源は、そのソロキャリアスタート時にして、すでに本作と同じテーマを奏でているという事実だ。

世界は ひとつじゃない
ああ そのまま ばらばらのまま
世界は ひとつになれない
そのまま どこかにいこう


あの世界とこの世界
重なりあったところに
たったひとつのものが
あるんだ


星野源「ばらばら」


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*1:どうせならガッキーに赤いダッフルコート着て、風切って走って欲しかったですよね

2016 BEST MUSIC 30 

年間ベストの季節ですね。年々モチベーションは下がってきているのですが、そもそもブログを始めたのはこういうことがしたかったからのはず、という原点回帰で楽しんでいきたいですね。ブクロ最高!はて、ときに何故これまでかたくなに1位からドーンと表示していたのだろうか。そこには何かしらの意思や美学があったような気がしないでもないが、すっかり忘れてしまったので、今年からもったいぶる形での表示に変えてみました(もったいぶるのが恥ずかしかったのかも)。読む人の気持ちを考えれば、徐々にスクロールして順位が上がっていくが方が断然読み甲斐があるってものですよね。普通に選ぶとありきたりなラインナップになってしまいそうな所を、なんとか個人の色みたいなものを出そうと苦心しているのがバレバレなやらしいランキングになっておりますが、こういうのってそういうものだろ!と啖呵を切って発表します。ご覧あれ。

 

30.Cass Mccombs『Mangy Love』

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29.Onett『大人になれば』

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28.ゲントウキ『誕生日』

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27.スピッツ『醒めない』

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26.Yumbo『鬼火』

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25.Jamila Woods『HEAVEN』

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24.岡村靖幸『幸福』

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23.Anderson .Pakk『Malibu』

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22.宇多田ヒカル『Fantôme』

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21.cero『街の報せ』

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20.Homecomings『SALE OF BROKEN DREAMS』

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19.Joey Dosic『Game Winner』

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18.Camilla Meza『Traces』

 

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17.欅坂46『二人セゾン』

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16.Bon Iver『22』

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15.Magic,Drums&Love『Love De Lux』

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14.星野源『恋』

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13.Marker Starling『Rosy Maze』

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12.Whitney『Light Upon the Lake』

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11.フジロッ久(仮)『超ライブ』

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10.Kaytranada『99.9%』

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9.Enjoy Music Club feat.三浦直之(ロロ)『100%未来』

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8.Noname『Telefone』

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7.蓮沼執太『メロディーズ』

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6.どついたるねん『緊張の糸/本気で好きな人』

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5.ザ・なつやすみバンド『PHANTASIA』

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4.Chance The Rapper『Coloring Book』

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3.サニーデイ・サービス『Dance To You』

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2.Frank Ocean『Blonde』

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1.ayU tokiO『新たなる解』

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1位は文句なしにayU tokiOの傑作ファーストアルバムが輝きました!メロディーやリズムは勿論、リリックや録音までも含めて、2016年の叡智がここにある、と思えます。そして、"青春ゾンビ"なんていう言葉をブログ名に冠す人間にとって、”ノスタルジー”に取り憑かれながらも、真っすぐと”未来”を志向したayU tokiOの音楽は、ポップミュージックの理想形なのだ。このランキングに補足するならば、小沢健二が『魔法的』で披露した新曲群だろうか。音源としては1回も再生されていないけども、2016年ずっと身体に残っている感じがありました。稀に見る豊作の年でありまして、本来確実にラインナップされるであろうアルバムが30枚から色々と漏れているわけですが、どうしても乃木坂46欅坂46にドップリな年であったという事を記録しておきたくて、無理矢理ねじ込みました。いや、欅坂46の『サイレントマジョリティー』『世界には愛しかない』『二人セゾン』という3枚のシングルはそういった感傷抜きにしてもランクインするに値する強度の音楽だ。何が抜け落ちたか、あれもこれもと書き記したいのですが、それはグッと我慢しよう。旧譜ではThe ZombiesのコンプリートBOXとMichael Jackson『Off The Wall』のスペシャルエディションをよく聞きました。  そして、あぁSMAP。こんな形でランクインさせなくてはいけないなんて。私のポップカルチャーに関する全ては貴方達から始まったのだ。その素晴らしき大衆音楽に、溢れんばかりの愛と感謝を込めて。

 

<永遠のBEST>
SMAP『25 YEARS』

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