最近のこと(2020/06/14)
知らない天井だ、と始まるのはあまりに安易な引用だけども、ひさしぶりにそう思って目が覚めた。雨の予報だったけども、まだ晴れ間が覗いている。朝ごはんにカロリーメイト(メイプル味)を珈琲で流し込む。洗濯物を干すハンガーがないことに気づき、歩いて「京阪シティモール」へ。ベッドの横にiPhoneの充電器なんかを置くサイドテーブルなんかも欲しくて、ニトリや無印良品を歩き回った。手頃なものが見つかったので、両手に荷物を抱えながら一旦家に持ち帰って、お昼ご飯を食べに再び外に出る。昼時になり気温は30℃を超え、かなり蒸し暑い。こんな日はカレーだ。なんとか並ばずに入れた「ガネーシュm」というカレー屋でチキンと豆のカレーのあいがけを注文。トッピングにスパイスたまご。具材ごとの食感が楽しく、スパイスも爽快。とても美味しい。日曜日も営業しているのがうれしいので、毎週でも食べたいカレー屋さんだ。会計の際、鞄の中に財布が見つからず慌てていると、財布は反対の手に握り締めていた。「あ、手に持ってました」と言うと、店員さんが「眼鏡 眼鏡、状態やったんですね」と優しく微笑んでくれました。これが仕事以外での大阪でのはじめての地の通った会話。もちろん店員さんのこの気の利いた返しに対しては、「ヘッ、へへ」と気味の悪い微笑みしかできないわたしなのでした。「怒るで、しかし」とでも言えば、距離はグッと縮まったのでしょうか。このカレー屋の気のおけない常連客になりたいのだ、わたしは。
家に帰るもやることがないので、レコードプレイヤーとスピーカーをセッティングして、LPを聞いた。引越しが慌ただしくレコードを吟味している余裕がなかったので、目につくところにあった4枚だけを持ってきたのだけど、Frank Oceanと山下達郎は心の名盤だから良いとして、『E.T.』のサウンドトラックを流したい気分の時などそうそうないのでオブジェと化しそうである。Frank Oceanをゆっくりとした心持ちで聞いた。歌が孤独に染み渡る。iPhoneでGoogleマップを眺めていると、「FOLK old book store」が家からとてつもなく近いことに気づき、足を運んでみる。露草社のレモンケーキと珈琲を頂き、少しだけ本を読んだ。声を大にして伝えたいほどのことではないのだけど、わたしはレモンケーキがとても好き。とても美味しかったので、日曜日の読書はここで決まりかもしれない。おてふきのパッケージもキュートでイカしてますね。家の近くに本屋、古本屋、カレー屋がある。憎たらしいほどに環境がいい。しかし、いまさらこんな恵まれた環境に身を置いていていいのだろうか。このままでは立派なサブカルくそおじさんになってしまうのではないかと、心配なのです。
ネット環境が繋がっていないし、テレビのチャンネルもよくわからないし、仕事もする気になれず途方に暮れていると、iPadが勝手に『愛の不時着』の8話と9話をダウンロードしてくれていたことに気づく。大切にチビチヒ楽しもうと思うも、結局一気に観てしまう。また9話がとてつもなくいいとこで終わるのだ。続きが気になり過ぎる。テレビドラマのプリミティブな楽しみを改めて教えてくれる韓国ドラマ。『梨泰院クラス』にもはやく手を出したい。あんなにも時間を持て余していた自粛期間の在宅勤務時になぜ観なかったのか。いや、観れなかったのだ。すると、わたしは少しずつ回復してきているのかもしれない。
iPhoneのプランがYouTubeは見放題だったことに気づき、岡田恵和によるリモートドラマ『2020年、五月の恋』を観た。15分×4話分。坂元裕二がリモートドラマで披露した想像力の跳躍や鋭利さのようなものはないのだけども、その凡庸さが愛おしく、この時世にその愚直さが切実に響き、胸がいっぱいになった。そんな作品のトーンに、大泉洋という役者の"人(ニン)"がピタリとハマっている。どんな作品を観ても、あぁ大泉の洋ちゃんだな、と思ってしまうのだけど、それでも愛せずにはいられない役者なのが彼の凄いところだ。満たされた気持ちで眠りにつく。