青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2020/04/08)

有給休暇を申請していたので、9時過ぎまでグッズリと眠った。在宅勤務なのに有給休暇を取るのも変な感覚だ。『アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ)での酒井ちゃんの昆布締め話を聞きながら身支度を済ませ、なるべく優雅な手裁きでもってマスクの表面にAesopのイストロスをふりかけ、街へと繰り出した。大阪での住まい探しの旅である。

緊急事態宣言からの初日だったので、人は少なく、閉まっているお店が多い。どう考えても、街の雰囲気を感じるには適していないのだけども、大阪に留まっていられる時間も残り少ないので仕方ない。しかし、天気は快晴。街の印象なんてものは天気ひとつで簡単に変わってしまうもので、どの街も素敵に映る。Shohei Takagi Parallela Botanica の1st Album 『Triptych』を聞きながら歩いた。その音色は、大阪という見知らぬ街での暮らし、言うなれば並行世界に足を踏み入れるような感覚をわたしに抱かせた。

最初に訪れたのは玉造〜森ノ宮エリア。商店街がしっかり機能していて、個人店が活発に営業している。かと思えば、チェーン店も一通り揃っているので1人暮らしにはありがたいことだろう。リニューアル工事が完了したばかりの駅の綺麗さも好印象だった。大阪の土着的な雰囲気もかなり強いが、大阪城から寺、神社、石碑が多く点在していて歩いていて飽きることがなさそう。普段は行列のできる人気店だという「極楽うどん TKU」でぶっかけうどん(鶏天)を食べた。五反田の名店「おにやんま」を彷彿とさせる。満たされたお腹で、大阪城を散策。桜が見事に咲き誇っている。花見は禁止されていないようで、1組だけレジャーシートを広げて食事をしていた。城内を抜け、桜舞い散る川沿いをひたすらに進んでいく。葉桜になりかけとは言え、とても美しかった。日差しはコートを着ていると汗ばむほどだったが、川から吹く風は冷たく心地いい。そして、イヤフォから流れるAndy Shauf『The Party』(心の名盤)のウォーミーな音色の幸福感。

The Party

The Party

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大阪での生活のはじまりを予感させるこの日のこの感覚を、わたしはずっと忘れないんじゃないかと思う。

今日だけでいったい何本の橋を渡っただろうか。大阪には”橋”がとにかく多く、地名にも数多の「〜橋」がある。それも天満橋、天神橋など似た名前が多いのだ。そして困惑してしまうのは野田、福島、玉造など今日巡ったエリアにしても、全国に同じ地名のスポットが多いので、検索するには“大阪”と足さないと情報が得られない。

そんなことを考えながら、梅田を横目に福島〜野田エリアへとたどり着く。さすがに足がくだびれたので、喫茶店で珈琲を1杯。街に人が少ないので、先客は1人もいなかった。アイス珈琲は有無を言わさず甘味入りだったが、甘さが疲労感にちょうどいい。福島〜野田の鷺洲と呼ばれるエリアは、東京の京王線井の頭線あたりの雰囲気に似ていて、ここであればスッと街に馴染んでいけそうに思えた。大阪グルメを牽引する存在として、名店が多くひしめき、梅田も徒歩圏内ということで人気のエリアのようだ。そういったグルメスポットは酒を飲まないし、大阪に知り合いがいないので、あまり活用することはなさそうだけども。JR新福島駅がいくら探しても見当たらないな、と思っていたら地下鉄だった。JRと聞くとどうしても地上駅を思い浮かべてしまう。

新福島駅から大阪天満宮駅へと移動して、南森町エリアへ。車通りの多い道路が気になるが、少し路地に入ると落ち着いた雰囲気。桜の連なるリバーサイドが近いところも好ましい。そして、日本一の長さと謳われる天神橋筋商店街の充実。喫茶店や古本屋も多く、実にわたし好みだ。最近は「Toronto RECORDS」という素敵なレコード屋もオープンしたよう。天満宮や寄席場もあり、「ここで暮らしたら・・・」と夢が広がる。生活を夢想しながら、天満天神繁昌亭の横でたこ焼きを頬張った。

北浜エリアまで移動して、噂に名高い「FOLK old book store」へ。CDから雑貨まで、好きなものしか置いていない本屋だった。この場所を中心に大阪で様々なカルチャーコミュニティが形成されているのだろうな。高野文子『「私」のバラけ方』と橋本亮二『うもれる日々』の2冊を購入した。1階の「谷口カレー」も気になったが、胃袋にたこ焼きが残っていたので珈琲を1杯だけ頂く。近所だったので、「まん福ベーカリー」に連日の駆け込み。カレーパンとメロンパンを買ってホテルに戻った。「まん福ベーカリー」は袋がとてもかわいい。

仮にも緊急事態宣言発令中であったので、密を避けようと極力電車には乗らないようにして、歩き続け、距離にして22キロで3万歩。先日購入したばかりのイギリス軍ダッドシューズのクッション機能に助けれた。散策中はUber Eatsの自転車を何台も見かけた。稼ぎ時と言えば、稼ぎ時なのだろう。福島あたりを歩いていると、九州営業所の同期から電話がかかってきた。現状の生活を報告をし合った。やっぱりみんな不安なのだ。

ホテルに戻って、少しだけ仕事をした。仕事が終わるとタイミングよく『有吉の壁』(日本テレビ)のレギュラー記念スペシャルの放送が開始。数多の芸人が出演するこの番組において、シソンヌとチョコレートプラネットの同期組、いわゆるチョコンヌは頭ひとつ抜けている。どのネタも発想とクオリティにうならされてしまいます。あと、この番組のおかげでジャングルポケットとパンサーが好きになった人はとても多いと思うな。ジャンポケのTHE ALFEE、素晴らしかった。トム・ブラウンの女装シリーズも狂おしいほど好き。かが屋Creepy Nutsも傑作でした。続けて『水曜日のダウンタウン』(TBS)を視聴。最近のパンサー尾形への追い風が凄い。今回のドッキリで見せた男気にも感心してしまった。

明日は在宅勤務。と言っても、ホテルので滞在となる。朝早く起きる必要もないので、遅くまで本でも読もうと思う。ここ数日は月がとても大きくて、綺麗です。