青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2020/03/21)

お昼に日暮里に集合し、友人らと谷根千散歩へ。『A子さんの恋人』の主要舞台であり、先週の『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも春日のトークで登場し、東京での思い出作りにひさしぶりに行ってみたくなったのだ。谷根千と言えば古本屋なのだけど、有名なフォトスポットである「夕やけだんだん」の近くにあった名店「古書 信翁天」が閉店していてショックだった。腹ぺこなのでとりあえずランチを食べようと、魚料理を提供してくれる「谷中冨じ家 料理屋」にてアジフライ定食を頂く。これがわたしの人生最高アジフライ。臭みがないのはもちろん、衣がサクサクなのに、身が驚くほどフワフワなのだ。備え付けのタルタルも美味。焼き魚、煮魚、刺身の定食もあり。根津のたい焼きが食べたいと足を運ぶも売り切れ、さらに「カヤバ珈琲」も改装中であった。根津神社を参拝し、亀や猫を眺めた。歩き疲れたので、「愛玉子」という池波正太郎こち亀両津勘吉が愛したという台湾スイーツ愛玉子専門店の老舗にて休憩。しかし、ここがなかなかに強烈だった。端的に言ってゴミ屋敷なのだ。ハエは飛んでるし、スプーンはベタベタだしで、衛生面が非常に心配。友人は不快感の意思表示として、ほとんど残していました。味は普通だが、弾力がいい感じでした。ちなみに愛玉子バーミャンでも食べられるので、綺麗好きの方はバーミャンへ。「SCAI THE BATHHOUSE」にほど近い「古書 木菟」という古本屋が実に素晴らしい品揃えで感激した。あんな古本屋を経営してみたい。疲れたら喫茶店で珈琲を飲み、谷中メンチにかじりつき、と谷根千を堪能した。谷中霊園にバカでかい墓石があり、「ドッジ弾平かよ」と思わず声がこぼれた。しかし、友人らは『ドッジ弾平』を読んだことがないらしいので、こしたてつひろ作品の素晴らしさを延々と説くこととなった。スイミングスクールのインストラクターである弾平の母ちゃんが性の目覚めだ、と豪語しているクラスメイトが中学にいた。『のび太の魔界大冒険』の美夜子さんが性の目覚めと言っている友人もいたし、わたしも性の目覚めを記憶しておくべきだったと後悔している。夕暮れの時の「夕やけだんだん」で撮った写真はさながら世界の終わりのようであった。巨大隕石が本当に落ちてきたとしても、われわれはこんな風にカメラを掲げているのだと思う。

上野まで歩き、仕事終わりの友人がさらに一人加わり、アメ横と上野公園を散策。コロナ騒動も何のその活気に満ちている。アメ横ってわたしがぼんやりとイメージしている大阪っぽい。「中田商店」を覗き、「みはし」であんみつをお土産に買った。公園の桜は七分咲きくらいだが、充分に綺麗で、人々の顔もどこかポワンとしていた。稲荷町駅に穂と近いインド料理屋「ハリマ・ケバブビリヤニ」にて食事。ビリヤニ、シーフードカレー、キーマカレー、チキンティッカどれも絶品の本格スパイス。腹ごなしに不忍池を散歩した。夜の不忍池の池はビルの明かりが水面に移り込み、とても美しい。かと思えば、下を向くとドブネズミが駆け回っているし、上野動物園から風に乗った獣の匂いが鼻孔を膨らませる。帰宅してiPhoneを見ると、この日は3万歩近いていて、たしかに足裏がジンジンとする。心地良い疲労に包まれて眠りに就いた。