青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2016-01-01から1年間の記事一覧

近藤聡乃『ニューヨークで考え中』1巻

近藤聡乃という作家は、もうとにもかくにも画が巧過ぎて、どんな内容であろうとも、観る価値あり!と断言できてしまう。コートを脱ぐだとか、靴を磨く姿勢だとか、腕まくりした服の皺だとか、電子辞書を打つだとか、パンケーキにシロップを垂らすだとか、そ…

最近のこと(2016/10/26~)

今年も残り2ヶ月です。『ポケモンGO』がハロウィン祭りというので、少し飽きて疎遠になっていたアプリを開いてみた。ゲンガ―が当たり前のようにいたるところにいる。これはうれしい。ゲンガ―のデザインはとてもクールであると思うのだ。ハロウィンなのでポ…

藤子・F・不二雄『モジャ公』

『モジャ公』は本当に面白い。ファンの間では「藤子・F・不二雄の最高傑作」と謳われることも少なくない作品だ。勿論、偉大なる作家の最高傑作論争に決着というものはなく、『エスパー魔美』だ、『T・Pぼん』だ、いや反則技で『SF短編集』だ、といった異論は…

小森羊仔『木陰くんは魔女。』

「お姫様は王子様と結ばれました、めでたしめでたし」といったようなハッピーエンドで締められるのが、子ども時代から慣れ親しんだ”おとぎ話”の定石。しかし、成長して少しでも知恵をつけ出そうものなら、「でも2人の恋は醒めてしまうかもしれないでしょ?」…

最近のこと(2016/10/18~)

気温がグングン下降中です。秋刀魚くいてー。秋刀魚ってスーパーだと1匹100円くらいなのに、定食屋で食べると900円くらいするんだよな。唐揚げ定食より高いの納得いかない。ときに、明石家さんまと秋刀魚ってもはやしっかり分離した存在で、秋刀魚を食べて、…

Enjoy Music Club『100%未来 feat.三浦直之(ロロ)』

うおーん。私は猛烈に感動している。Enjoy Music Clubが突如ドロップした「100%未来 feat.三浦直之(ロロ)」を聞いたのです。Enjoy Music Clubと三浦直之(ロロ)という稀代のポップカルチャー愛好家同士の夢のコラボレート!これまでも、ロロ『朝日を抱きし…

本秀康『ワイルドマウンテン』

先日まで『ワイルドマウンテン』全巻がアプリで無料で読める、ということで盛り上がっていたので、時流に乗って久しぶりに読み返して、笑って笑って咽び泣き。もう本当に好きで、むちゃくちゃ影響を受けまくっていることを再認識しました。「また明日も見れ…

最近のこと(2016/10/13~)

季節の変わり目に必ず風邪をひく。1週間以上体調が悪くて無気力に襲われてしまった。治りそうにないので、会社も1日休んだ。会社を休んで、ベッドでボーっとしているとあっという間に時間が過ぎてしまう事に驚く。エッセンシャルスーパーカップを食べながら…

大根仁『SCOOP!』

福山雅治が粗野で下品な中年パパラッチを演じる。スクープ写真が題材という事は、“盗み見る”という映画的運動が静かに持続していくようなサスペンス(もしくはエロス)を期待してしまうわけだが、今作におけるシャッターを押す瞬間にはそのような寡黙さの欠…

小原慎司『菫画報』

『菫画報』は本当に素晴らしい。石黒正数が『それでも町は廻っている』を執筆する前に、「俺の『菫画報』を描かせてくれ!」と小田慎司本人に直接伝えた、というエピソードはとても有名だが、『それ町』は勿論、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『氷菓』といった作品…

廣木隆一『火花』

文句なしに2016年のベストに数えるべき作品だろう。この国のテレビドラマに“火花以降”という新たな基準が設けられた、と断言したい。廣木隆一(『ヴァイブレ―タ―』『やわらかい生活』)を総監督として、白石和彌(『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』)や沖田修…

クリント・イーストウッド『ハドソン川の奇跡』

上空850メートルで鳥の群れとの衝突という不慮の事故により、エンジンが停止してしまったUSエアウェイズ 1549便。積み重ねた経験に裏打ちされた類まれなる判断力と機体操縦力で、1人の死亡者も出さずに機体をハドソン川に不時着させてみせた機長は一躍、時の…

最近のこと(2016/10/01~)

10月に突入。夏は完全に終わったが、上着とネクタイを着用して通勤するにはまだ暑い。でも、クールビズはきっかりと9月で終了。ネクタイピンが見つからなくて困っている。いや、本当はあんなものなくても困らないのだけども、でもやっぱり一度ネクタイピンの…

キングオブコント2016

『キングオブコント2016』観ました。決勝進出10組を決定するまでの審査と、決勝の舞台となるスタジオ審査(と客席)の間にあまりに大きな捻じれが発生していて、昨年同様どうにもモヤモヤしてしまったのが正直なところ。そこに隔たりのなかった2014年までの…

三浦直之『光の光の光の愛の光の』

2016年、新海誠による純愛ラブストーリー映画『君の名は。』が大ヒット!その一方で、批評家には「童貞の見た夢だ」なんて揶揄されております。ならば、こっちは本当の童貞*1だ!という事で、ロロ三浦直之の愛が愛を叫ぶ代表作『LOVE』がこの度、キティエン…

西野七瀬『風を着替えて』

乃木坂46の西野七瀬は素晴らしい。奇跡的なパーツのバランスで成り立ったお顔や均整のとれたプロポーションももちろん素敵なのだが、何より声がいい。言葉数は少なく、声はとても小さいのだけども、なんとも切ない響きをしている。あの声には、ノイジ―な日々…

スティーブン・スピルバーグ『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』

ダファー兄弟(『ストレンジャー・シングス』)やジョン・ワッツ(『COP CAR コップ・カー』)といった新鋭らから熱いオマージュ&リスペクトを注がれているアンブリン・エンターテイメントのスピルバーグが、その矢印を一身に引き受けるかのようなウォーミ…

最近のこと(2016/09/20~)

最近のこと。最高気温22℃くらいの肌寒い日があって、もうカーディガンやらパーカーやらを纏った。でもまた暑くなるらしい。体調崩しちゃうぜ。火曜日。連休明けだが、2日働いたら、また休み(秋分の日)である。飛石連休は生活のリズムをつかみ損ねる。ちな…

李相日『怒り』

この作品が「相手を信じることの困難さ」というのを描きたい、というのは痛いほど伝わってきて、その強烈な”すれ違い”、そして展開される重厚なテーマの数々(沖縄の米軍基地問題、セクシャルマイノリティetc・・・)は、それこそ坂元裕二がペンをとるにふさ…

衿沢世衣子『うちのクラスの女子がヤバイ』2巻

今しかない無用力をもう少しアピールしようかと思った コントロールも習得もできないし ある日 突然消えちゃうってのも悪くないかもね 私たちの無用力 あぁ、なんて完璧な”思春期”のメタファーか。思春期特有の身も心も収まりが悪いゴワゴワとした異物感、そ…

ロン・ハワード『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK-The Touring Years』

ここ数年『ラッシュ/プライドと友情』(2013)、『白鯨との闘い』(2015)とハイペースで良作を献上しているロン・ハワードがビートルズのドキュメンタリー映画を監督。この報に胸躍らぬ者がいようか、というような膨れ上がったポップカルチャーラヴァーの期…

最近のこと(2016/09/12~)

最近のこと。9月はなんかもうずっと雨が降っている。台風なんてのは「来ないかなぁ」とぼんやり思うくらいの頻度でちょうどいいのだ。今度のが16号なので、例年に比べると少ない方なのだけど、シーズン終盤に帳尻合わせに発生しまくっている。何回も書いてま…

バズ・ラーマン『ゲットダウン』

ヒップホップが誕生した1970年代のサウスブロンクスで繰り広げられた青春と、その革命を描いたNetflixオリジナル作品。テレビドラマと侮るなかれ、監督は『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャッツビ―』のバズ・ラーマン。であるから…

山田尚子『聲の形』

モチーフとして頻出する”波紋”を想わせる震動を魅せる音響設計、豊かな色彩感覚に支えられた美術背景、障害やイジメなどが描かれるややどんよりとしたストーリーを和らげるかのように散りばめられる山田印の”かわいい”の欠片、人物の何気ない仕草ひとつひと…

ザ・ダファー・ブラザーズ『ストレンジャー・シングス』シーズン1

Netflix*1オリジナル作品であるテレビドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス』を貴方はもう観たか。こんなにも物語に胸を震わせたのはいつ以来だろう。全8話を観終えた時は大声で叫び出したい気持ちを抑えられない程だった。なんたって、スティーブン・…

最近のこと(2016/09/05~)

最近のこと。雨が多くてうんざりしてしまう。秋晴れをもっと楽しみたいな。月曜日。いよいよNetflixに加入。ついでに「Amazon Fire TV」を購入して、テレビに接続して大画面(と言う程のテレビではありませんが)で作品を楽しめる環境を整えた。さぁ、『スト…

最近のこと(2016/08/29~)

夏休み気分がどうにも抜けず、またしても何週分か書きそびれてしまった。この「最近のこと」は、人に読まれるという事も念頭に置いていますが、本分は備忘録として自分で読み返す為に書いていて、なんたって記して保存しておかないと本当に忘れていってしま…

乃木坂46『4th YEAR BIRTHDAY LIVE』in神宮球場

乃木坂46『4th YEAR BIRTHDAY LIVE』3days in神宮球場の初日に参加してきました。あいくにの天候でしたが、それさえも美しいと思えるような、実に幸福な時間でありました。バースデイライブといえばお楽しみは全楽曲披露であります。昨年は7時間公演という常…

新海誠『君の名は。』

エンドクレジットでスクリーンの幕が閉じ、照明が灯ると、満員の館内が異様な熱気に包まれているのを感じた。そうです、異例の大ヒットを飛ばしているという新海誠の最新作『君の名は。』を観てきたのだ。いやはや驚いた。むっちゃくちゃ面白いではないか。…

新海誠『星を追う子ども』

全てのアニメーター、いや鑑賞者を含めアニメに少しでも関わった全ての人間はジブリコンプレックスなのではないだろうか。そのコンプレックスの集大成がこの作品だ。宮崎駿の各作品からイメージをほぼそのままトレースしたもので敷き詰めるという、よく言え…