青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2020/06/27)

昨夜の就寝が早かったので、いつもより少し早く目が覚める。北浜はビジネス街なので土日はとても静かで、営業しているお店もグッと減る。そんな中、土曜日もモーニング営業している「リヴォリ」という喫茶店へ。シナモントーストを齧り、ゆっくり珈琲を味わう。他のお客さんは昨夜オールナイトで頑張っていたらしいホストの先輩と後輩の2人組。お店の方針について熱く語り合っていた。モーニングメニューを食べ終えた彼らは、何を思ったのか追加でゆで卵を8個注文。店員さんに「食べるの?」と訝しがられいたけども、2人はすべてのゆで卵をペロリと平らげていた。今、ホストの間でゆで卵のブームが来ているのだろうか。2人の会話には興味を惹かれるものの、わたしは読書をしたい。イヤフォンで音楽を流し込み雑音を遮断し、本の世界へと没入する。読書をする際は言葉のない音楽、それにビートもないほうが好ましいので、環境音楽の名盤Hiroshi Yoshimura『Music for Nine Post Cardsを聞いた。

サラ・クロッサン『わたしの全てのわたしたち』という本がすごい。2015年にカーネギー賞を受賞したヤングアダルト小説。原作は英語の自由詩で書かれたもので、どう翻訳するかにたいへん難儀したようだが、金原瑞人が文章として翻訳したものを最果タヒ散文詩として書き直すという離れ業で出版に至ったとのこと。その結果、ほぼすべてのページで心が震えてしまうというとてつもない本が誕生した。喫茶店だというのにこれでもかと涙ぐんでしまい、何度も布巾で眼を拭った。半分くらいまで読んで、これ以上は咽び泣いてしまいそうだな、と家に持ち帰ることにした。

お昼に「サバ6製麺所」というお店で鯖醤油ラーメンを食べる。ラーメンと鯖寿司のセットなどがあっておもしろいお店。しょっぱいので次は卵かけご飯とのセットで食べてみたい。そのまま少し散歩をしてみる。ジュンク堂書店が会社からの帰り道にあるのだけど、紀伊国屋書店も徒歩10分以内の場所にあることに気づく。これは読書がはかどりそうだ。空気階段三四郎のラジオを聴きながら、これまた近所の「船場センタービル」の1階をズンズンと進んだ。外観の近未来感からは想像ができないほどに、施設中は昭和の香りが漂うショッピングビル。横に長い「中野ブロードウェイ」という感じだろうか。1階はほぼ布屋と婦人服屋。1軒だけ良い感じの古本屋があった。今度ゆっくり滞在して「船場センタービル」の全貌を把握したいと思う。

知り合いが誰もいない大阪での暮らしは孤独だ。部屋で植物でも育ててみようか、という気になる。気分が盛り上がってきて、ネットで見つけたこ洒落た園芸屋まで歩いて行ってみる。店員さんに色々話を聞いてから買いたいなと思うも、お客さんがひっきりなしに話し掛けるので隙がない。26万円もする立派な観葉植物について、どうせ買わないくせに(知らんけど)、質問をながかけ続ける客に、思わず舌打ちをしてしまいそうになったので、そそくさと店を後にした。Googleマップで検索してみると、「大阪総合園芸センター」が近くにあるというので足を運んでみる。名前からイメージしていた通りの施設。5階建ての建物にびっしりと膨大な在庫の中から気に入った植物を選び、レジに持っていって会計を済ませ、自分で袋に持って帰る。この気兼ねなさがいい。わりと立派なベンジャミンが1500円で売っていたので、それをレジに持っていくと「卸値での販売なので表示価格の半額になります」とのことで750円。植物の相場がまったくわかりませんが、とてもいい買い物をした気がするぞ、と満足感に包まれながら両腕に植物を抱えて家まで帰った。さっそく日の当たる窓際にベンジャミンを置いてみる。愛おしい。全然数奇じゃない!この子に似合う鉢と受け皿を買わねば、とネットショッピングに励む。ヤクルトスワローズ山田哲人が満塁ホームランを打ち快勝。打って欲しいところで打つ山田を観るのはとてもひさしぶりな気がする。

帰宅するとポストにメルカリで注文していた佐々木倫子の初期作品4冊が届いていたので早速本棚に並べてみる。『食卓の魔術師』『家族の肖像』『代名詞の迷宮』『林檎でダイエット』・・・タイトルだけでウットリしてしまう。『ペパミント・スパイ』全2巻も見つけることができたので、佐々木倫子花とゆめコミックスコンプリートである。佐々木倫子は『動物のお医者さん』以後は白泉社から小学館に活動の場を移してしまうのだけど、やっぱり「花とゆめ」が1番しっくりくるのです。

帰宅して昨夜が初回放送の『MIU404』(TBS)の録画を観る。決してつまらなくはないが、期待していたほどおもしろくもない。もちろんまだ初回なので、どう転がっていくかわかりませんが、主人公2人を好きになれなかった。あまり集中して観ていなかったせいかもしれないけども、話の流れがわかりづらい印象も受けた。また、老人と子役だけ異質というか、この世ならざる者といった質感の演出・演技をしていて、なにか重大な役割を課されているのかなと思いきや、主人公2人の人間性を担保するだけの存在で肩透かしをくらう。文句ばかりで恐縮だが、スタイリングも違和感。運転を主とする仕事の人間が着るには星野源の服はヒラヒラしすぎ。綾野剛の靴も・・・「足が速い」という前振りが執拗すぎる。あんなに降らなければ、車を降りてからの追走シーンにカタルシスがあったのでは。『あぶない刑事』をやりたいのはわかるのだけども。とは言え、野木亜希子×塚原あゆ子×新井順子という『アンナチュラル』組なわけだし、もう1回観直してみようと思います。さらに坂元裕二『スイッチ』の録画を観直して、ひさしぶりに本腰を入れてドラマレビューを書いてみることを決意。気になった台詞や演出をメモで拾う。こんなことをするのも、すごくひさしぶりだ。さて、マテリアルは用意できたけども、これをどうやって文章に組み立てるんだっけ?と不安になりながらも、力尽きて就寝。