青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2020/05/29)

三浦透子のミニアルバムがリリースされた。澤部渡が提供した「波がたった」はスカート節が炸裂。曽我部恵一が書いた「ブルーハワイ」という日記のような宛先のない手紙のような儚い楽曲を乗りこなす才能に痺れてしまう。これは女優の余技などではない。2017年にリリースされた『かくしてわたしは、透明からはじめることにした』というカバーアルバムも素晴らしいのだ。特にglobe「Precious Memories」のカバーが本家を超えて好きなので、ぜひ聞いてみて欲しい。都会生活者が奥底に抱える哀しみを、三浦透子がクールに歌い上げている。

北浜の家への引越しは6月の半ばなので、まだまだホテル暮らしが続くことになる。金曜の夜に東京に戻り、日曜の夜に大阪入りするという不毛な移動があと2週間続く。荷物をまとめてホテルをチェックアウトし、大袈裟なスーツケースを転がして出社。来週から一気に取引先との商談が始まるので、大量の資料作りに追われる。これまでの上司と違って放任主義なので、かなり戸惑っている。お昼はシラスご飯のお弁当を買って食べる。机で1人で食べる。最近、施川ユウキの『鬱ごはん』(秋田書店)が無性に読んでみたいと思っている。なんだか勇気をもらえそうな気がしている。『バーナード嬢曰く。』(メディアワークス)も気になりつつも読めていないので、『がんばれ酢めし疑獄』(秋田書店)以来の施川ユウキとなります。

仕事を終え、東京に戻るために新大阪駅へ。4月に比べるとかなり賑わいを取り戻している。しかし、駅弁屋はあいかわらずほとんど完売していて、チキン南蛮かからあげ弁当の2択だった。名古屋を通過したあたりでチョイスしたからあげ弁当の蓋を開けてみると、からあげがドーンと6個入っていて、おかずは他に紅生姜しかなかった。関西ラジオの今週の推薦曲がWANDS「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」で、何回も聞かされた。いつの間にやらWANDSは3代目のボーカルを抜擢して、第5期として活動を再開していたらしい。「もっと強く君を抱きしめたなら」「愛を語るより口づけをかわそう」といったWANDS文法に擬えたタイトルと言い、新ボーカルの歌唱といい、しっかりと”あの頃“のWANDSサウンドで感心してしまった。小学3年生のときにアニメ『SLAM DUNK』(テレビ朝日)のエンディングテーマであった「世界が終わるまでは...」をはじめて聞いた時、体中に電流が走ったのを今でも覚えている。「大都会に 僕はもう一人で 投げ捨てられた 空き缶のようだ」といった歌詞の世界観、ボーカルの歌唱、泣きのギター、ドラムの鳴り・・・今聞いても小学生男子の好物だけで構成されたような見事な楽曲です。中学3年生の頃のクラスメイトの石原くんが、「おれは結構音楽詳しいよ。WANDSとか聞くし」と女の子にメールしていたが、今でも忘れられない。ちゃんと注意してあげればよかった。

新幹線の中で、欅坂46の2017年のライブ『欅共和国』のYouTube配信を観た。画面には長濱ねるがいて、「また会ってください」と歌っていた。平手友梨奈と長濱ねるの、いるだけでエモーショナルを掻き乱す稀有な才能に改めて触れ、その不在を悲しむ。けやき坂46のパフォーマンスの多幸感。「僕たちは付き合っている」は名曲だ。

1週間働いた後の2時間30分の新幹線移動は身体に堪える。東京の家に帰宅してすぐさまお風呂を溜めて入り、泥のように眠った。もっと余裕のある生活をして、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』をのんびり観て過ごしたい。