青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

失敗しない生き方『遊星都市』


Twitterを中心におおいに盛り上がっていた1枚ですね。やっとココナッツディスク吉祥寺店まで赴きゲットする事ができました。遅ればせながら、これは素晴らしい!これぞコンテンポラリーなチャンキーミュージック。「センチメンタル通り」経由「遊星都市」行きの「泰安洋行」もしくは「カントリーウェスタロードムービー」だ。移動が、旅が、その決意が香る音楽。盤中最大のヒットナンバーであるソウルチューン「月と南極」の素晴らしいラインを引用しよう。

音楽を止めて顔を上げ それでも
水浸しの本を積み上げたら すぐ
シグナルの点滅の急かされ 踊る 行くあてもなまま
暴動のサインに怯え 探照灯上に掲げ


「月と南極」

小沢健二のヤングソウルに再会するような本当に美しいナンバーだ。我々は「自転車泥棒」してでも旅に出ようではないか。ポップでラディカルでクレバーでシニカル。この音源のフリーキーなホーンアレンジを聞けば、失敗なんて恐れてないのは明白だ。やりたいようにやる。鳴らしたい音を鳴らす。野心的な音楽だ。冒頭を飾る「クックブック」の野蛮さはさながら『アナーキストクックブック』のような革命のナンバーではないか。

街を行くパレエド 薄汚い音楽
横倒しの車が 朱色に輝く
そうら ミジンコのようだ 血潮が巡る!


「クックブック」

しかし、音はシュガーのまぶされたシティポップような軽さを纏っている。若者の音楽はこうでなくては。