最近のこと(2013/03/13~)
花粉症に殺された。今週は本当に辛かった。風邪と合併症をおこしてしまったのか咳と頭痛が止まらなく軽い地獄。小田扉の『団地ともお』をひたすら読み返して、心を落ち着けている。弱っている時には『団地ともお』をオススメします。改めて小田扉はエピソードトークと実験性の名手だ。
- 作者: 小田扉
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/03/30
- メディア: コミック
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とりあえず週の前半のこと。3月11日の月曜日は渋谷WWW へcero×田我流のチャリーティライブを観に行った。田我流はとにかく華がある。冒頭で、「こういう異種格闘技のライブだと、普段ヒップホップを聞かないお客さんが硬い」と言ってのけるも、続けて「でもそれでいいです、俺は感じてるぜ!」と包みこむ。攻撃的なようでいてとても優しいから好きだ。往年のビートたけしのようではないか。非常にポリティカルなMCをする。言っている事に100%同意というわけではないのだけど、何だか説得力がある。とにかく真面目だな、と思う。どこか斜に構えるのがクールという風潮が蔓延する中、真面目がかっこいい、という価値観の復権を田我流は担っております。その一方で「ラーメン」「墓場のDigger」「やべ〜勢いですげー盛り上がる 」などのstillichimiyaの面々を交えてのパフォーマンスは最高にバカらしくて楽しい。”3.11”をポジティブなものに変えたい、という田我流の意気込み、ビンビンに感じた。とにかく笑えれば。
続いてceroの演奏。美しい瞬間がいくつもあった。黙祷から始まった「大停電の夜に」、一層の激しさを見せた「My Lost City」に挿入されたECDの「言う事聞くよな奴らじゃないぞ」のフレーズ、「不謹慎かもしれないけど」と前置きをして、「3.11直後の暗い渋谷の街にポジティブなものを感じた。ここから何かいい事が始まるんじゃないかって。」と話したMCなど。アンコールでの田我流を迎えた「ゆれる」のカバーもよかった。
あの楽曲の鍵盤フレーズをMC.sirafuがスティールパンで奏でる。しかし、調子の悪そうだった高城さんの喉が心配だ。
火曜日。20時までやっているクリーニング屋に駆け付けようとしたら1分差で間に合わず悔しかった。星野源が本で好物と書いていたので亀田製菓の「ソフトサラダ」を食べてみたのだけど、私は三幸製菓の「雪の宿」のが好きかもしれない。実は今までの人生、お煎餅というものは天乃屋の「歌舞伎揚げ」くらいしか食べる機会がなく、この歳になって新鮮な出会いを重ねております。結局、天乃屋の「歌舞伎揚げ」が1番美味いと思うのですが、あれって関西方面ではほとんど販売してないらしい。しかし、関西にはぼんち株式会社の「ぼんち揚げ」なるものが同系統商品としてあるそうだ。
水曜日は寺本幸代『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』を観て、個人的には憤りを隠せぬほど落胆したのですが、何やら評判はよいらしく、ドラ映画新記録の40奥円突破も見えているそうです。子どもたちが面白いならそれでいいとは思うのですが。作画とか演技は全く気にならない、というかいい前作に比べると格段にいいと思うのですが、脚本のスケールが・・・『大晦日だよドラえもん』とかでやって欲しいレベル。家で『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ』の2巻を観た。
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週末、日本橋の天麩羅屋「てん茂」に行ってきた。
所謂、天丼を出さない、揚げている厨房をカウンターで囲むタイプの老舗高級店だ。1回の食事に1万円。CDが1枚2000円くらいと考えると「5枚かぁ」と躊躇してしまうわけですが、1枚1万円のTシャツやらポロシャツなんてものが平気で横行しているファッションの世界の事を想うと、なんでもっと早くこういう店に行かなかったのだろうと勇気づけられます。少し歳を重ねたおかげで、あんな布切れにお金を落とすくらいなら、美味しい天麩羅だ、と迷わず思える脳味噌に変化致しました。てん茂はまず店の佇まいが素晴らしい。店内も時の重みを含んだ、カジュアルなのだけど、厳かな、空気が漂っている。目の前で食材が揚げられていく様を観ながら食べるというのは、なんだか気持ちのいいものなのでしょう。胡麻油の風呂というのがあれば浸かってみたいもの。次々と出てくる野菜と魚介類の滋味と甘味を堪能した。パセリという変わり種も意外な美味さ。目当てだった春の根菜の天麩羅も、独特のえぐみが堪らなかった。天つゆはほとんど使わず、粉状に擂られた塩でほとんど頂く。〆はかき揚げとご飯に味噌汁。最高であうr。とは言えマクドナルドのフライドポテトも心から美味しいと思える人間なので、天麩羅の深く細かい味の機微を理解できているはずもなく、ただひたすら何となく気持ちよくなり店を後にしたのでした。
今週はもう1店素敵なお店に足を運びました。
吉祥寺ダルジャンはスバゲッティもデザートも最高に良い。とくにコーヒー。ここのコーヒーが一番好き。ここで好きなだけ飲み食いしてみてーなー
去年、ceroのフロントマン高城晶平さんがTwitterで賞賛を送っていた吉祥寺のダルシャンというお店。そのつぶやきがずっと心に残っていたので、万を持してドアを開いた。こちら端的に言って、名店だ。ちょっとモアっと淀んでいる感じはあるのですが、吉祥寺とは思えぬ落ち着いた空気を纏っております。まず、サイドメニューが500円という低価格で充実しているのがうれしい。ポテトサラダに、グラタンに、ローストビーフまであります。スパゲッティも気取っておらず安心する美味しさ。とりあえずぺぺロンチーノが美味しければ、そのパスタ屋は信頼に値するという教えが私の中にあるのですが、そこも軽々クリア。名物はカルボナーラだそうなので次はチャンレンジしたい。そして、この店の何よりの素晴らしさはスイーツと珈琲だ。ケーキやプリンは全て手作りで甘さ控えめで優しいお味。ケースに張り付いてウンウンと悩んでいたら、注文したもの以外もお試しで少量付けてくれた。人気ナンバーワンはプリン、ファンが多いのはチョコレートケーキだそう。私はチョコレートタルトの大ファンになりました。そして、珈琲が旨い。お店の方も「うちのはちょっと他とは違うから、最初は何にも入れずに飲んでみてよ」と言うほどに、なんだか不思議な味のする魅惑の珈琲なのだ。これは本当にちょっと特別だ。このお店が素晴らしいのは、アホみたいに飲み食いしても会計たったの1人2000円で済んでしまうところにもある。コストパフォーマンス高過ぎ。店のおばちゃんが食べている所を通り過ぎる際に「どう?美味しい」と聞いてくるので、「ハイ!美味しいです」と勢いよく答えてみたら、「あら、いいわねぇ。幸せで」と。グッときた。幸せは食にあり!