青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2025/5/10〜5/16)

5月10日土曜日

南森町の床屋で散髪。髪を切った後、天満まで歩き、「モーデン」という喫茶店ナポリタンを食べた。創業70年を超える老舗。ここの鉄板で出てくる豪快なボリュームと味付けのナポリタン、無性に食べたくなることがある。半年に1回くらいのペースだけど。鉄板のナポリタンと言えば、地元である練馬の駅前ビルに入っていた喫茶店アンデス」が思い出される。わたしのナポリタンへの偏愛はあそこで培われた。味はもちろんなのだけど、「アンデス」には人が時を費やしてきた“場”としてのオーラがあって、とても満たされた気持ちになった。あだち充がネーム作りの場として活用しており、『タッチ』に登場するナポリタンのモデルとも言われている。コロナの影響で2020年に閉店してしまい、もう二度と食べることはできない。

お腹いっぱいで、堺筋本町まで移動。道すがらスチャダラパーを聞いた。名盤『5th WHEEL 2 the COACH』がリリースから30年のアニバーサリーらしい。

このアルバムのビートは自分にとってのヒップホップの原点という感じなので、今聞いても好き。終盤の「ULTIMATE BREAKFAST&BEATS」が最高だ、といつも思っていましたが、あれって「ドゥビドゥWhat?」のカップリング扱いだったのか。堺筋本町船場センタービルなどを有するビジネス街。以前、住んでいた北浜からも近く、よく散歩していたエリアで、ビンテージなビルの中に感度の高い店が密集している。この日の目的はOSKビルで、まずは2階にある「toi books」へ。古いビルの中にある5坪ほどの小さなお店だ。店主にも、訪れるお客様にも、本に対する熱を感じる。しかし、その熱量に暑苦しさはなく、とても静やか。古本コーナーに置かれた短い言葉のキーワード(「時は流れて」とか「読んだら最後」とか「気になるちがい」とか)が秀逸で、じっくりと棚にある本を眺めたくなってしまう。本を探す楽しさに溢れた名店である。最果タヒと及川賢治(100%ORANGE)による絵本『ここは』と高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』を古本で購入した。さらに「toi books」と同じ階にあるユーロ古着屋「LEYLINE CLOTHING」に足を踏み入れてみる。Instagramで気になっていたお店なのだけど、オーナーさんはセレクトショップのEDFICE出身で、服への知識と愛情が写真や文章からもビンビンに伝わってきて、少し緊張していたのでが、とても気さくな接客でした。なにより置いてある洋服が全部いい。EDFICE出身だけあってフランスものに強く、買い付けはパリ中心とのこと。状態のいい珍しいパラブーツがたくさん置いてあった。ブラウンチェックのスタンドカラーのチロリアンシャツを購入。「toi books」と「LEYLINE CLOTHING」にいっぺんに通えてしまうOSKビル、これからホットスポットとして愛用していきたい。他にもビルの1階にはチャイ専門店、隣のビルにはうどんの名店「Udon Kyutaro」もあります。電車で江坂に移動して、自転車でやってきた妻と娘と合流。

子ども向けの本やおもちゃが充実している「クレヨンハウス」で、妻が友人の出産祝いを購入。店内で試乗させてもらった三輪車に、娘が完全に魅了されていて、今年の誕生日プレゼント候補に急浮上である。妻は生地屋に寄りたいとのことなので、帰りはわたしが娘と自転車で帰った。今にも雨が降りそうだったが、湿った空気を風切って走るのが気持ちいい。娘は自転車に乗りながら、ずっと何かを歌ったり、喋ったりしていた。夜ご飯は春巻き。娘の好物であるので、食べながら何度も「サイコー!ハッピー!」と指を掲げていた。海老と大葉の春巻きが食感と香りが楽しく、絶品でした。娘が寝た後、沖田修一モヒカン故郷に帰る』(2016)を観る。公開当時、クドカン映画というか量産型平成邦画みたいなルックと設定にガッカリしたという記憶があるのだけど、観直してみると、そこまで悪い映画ではなかった。安宅紀史の美術が至高。安宅紀史が美術を担当していれば、とりあえずいい映画になる。松田龍平が細くて、目鼻立ちもクッキリしている。これが若さか。とは言え、今の曖昧な顔の龍平のほうが好きですが。あと、吹奏楽部の部長が富田望生だった。

5月11日日曜日

ベランダ園芸に凝っている妻のリクエストで宝塚市にある園芸店「あいあいパーク」へ。イチジクの苗気を土などと一緒に購入。スーパーなどに出回っているイチジクは完熟前のものなので、自宅栽培で完全に熟した状態のイチジクを食べると、その甘さ旨味に驚き果てるらしい、と熱弁しウットリする妻。上手く収穫できますように。「あいあいパーク」に併設されたパン屋でランチを食べ、帰宅。なぜかひどく疲れていたので、娘と一緒に昼寝。起きてから、娘と公園でシャボン玉を吹く。かなり上手に吹けるのだけど、めちゃくちゃ「フーフー」と声に出しているのがかわいい。

『金魚番長のデメキング』の最新回が凄かった。体調不良ということで仕事を1週間休んでいた古市だが、本当のところは音信不通になっていたそうで、なんでも同棲している彼女に浮気がバレ、別れ話の果てに精神が崩壊し、芸人を引退するところまで話が進んでいたらしい。まったくワクワクさせてくれるぜ。いつスキャンダルで芸人生命が吹き飛ぶかわからないスリリングさ。人間としての臭みが、金魚番長のなによりの魅力だ。

眠る前に、是枝裕和がiPhone16proで撮影したという『ラストシーン』を観たが、さして心動かされず。なんだか言葉にされすぎているように感じたのは、iPhoneで撮影しているせいで、画の力に自信がなかったのでは、と思ってしまう。案件でもないのに、「ばらの花」をいまさら使用するなんてことあるのか。仲野大賀の衣装がクリーンでした。わたしの中で、福地桃子と伊東葵がごっちゃになっている。黒田大輔が出演していた。彼のInstagramはひたすらに餡子を炊いて、その時々の仕上がりや味わいが感想が記されているのだけど、それがとてもいい。あずき色一色で、全然映えてないとことか。

5月12日月曜日

会議続きの一日。スクワットや腰ひねり運動を日課にしてはいるものの、腰の痛みは回復せず。気分も落ち込む。5月病ということにしておこう。通勤時間にKali Uchisのニューアルバムを聴いた。リリースペースが早い。ナイスムードの音楽。HALCALI「おつかれSUMMER」が海外で大ヒットしているらしい。HALCALIの『ハルカリベーコン』と『音樂ノススメ』という最初の2枚のアルバムは当時夢中になって聞いた。「おつかれSUMMER」はFPMだが、やはり初期のHALCALIと言えばO.T.F(RIP SLYMERYO-ZとDJ FUMIYAによるユニット)で、1stシングル「タンデム」にも吹っ飛ばされし、やはり「ストロベリーチップス」は至高のクリスマスソングで、「わたしの好きな音楽はこういう音だ!」と興奮したものです。くるり岸田繫が「好きです」とラジオで流していて、たいへんうれしかったという思い出があるのだけど、あれって実在する記憶なのだろうか。1stアルバムなら「続・真夜中のグランド」も好き。

Aesopのハンドソープみたいな匂いと評判の「精油の香り ハンドソープ ひのき&ラベンダー」を買って帰る。たしかにいい匂いだが、Aesopに比べれば安いだけで、1000円近いのでなかなかのお値段。後輩が大分旅行での別府地獄めぐりでのお土産として、娘にかわいい青鬼の靴下をくれた。娘はたいそう気に入り、寝る時も履きたいと主張していました。夜、寝る前にジャルジャルYouTubeチャンネルの「思春期すぎてイチゴ狩りでイチゴ一個しか食わん奴」と「客と普通に言い合いになる花屋の奴」と「男子大学生と思ったら48歳主婦だった奴」を観た。河合優実、すごいぜ。あと、秋広&大江(ジャイアンツ)とリチャード(ソフトバンク)のトレードの野球ニュースに驚く。ロマンのあるトレードだ。

5月13日火曜日

やっぱり腰が痛くて憂鬱。移動中はスピッツ『CYCLE HIT 2006-2017』を聞いた。名曲「ヘビーメロウ」を何回か繰り返し聞く。


「春の歌」「初恋クレイジー」「魔女旅に出る」などが収録された『新しい季節に聞きたいスピッツ』という配信限定のコンピレーションがリリースされていた。「ロビンソン」はじまりというのは決まっていて、アンケートで選ばれた14曲プラスしたものらしい。最初のベストアルバム『RECYCLE』を出す時にあんなに揉めていたのが嘘のようだ。「君が思い出になる前に」から「楓」までのシングルが収録されている『RECYCLE』って超名盤なんだよなぁ。わたしは中学2年生の時に、誕生日プレゼントに親に買ってもらって、ずっと大切に聞いていました。2曲目の「空も飛べるはず」から「青い車」→「スパイダー」→「ロビンソン」の流れ、永遠のピークタイム。

この日は直帰とした。自宅でのんびりしていたら、お土産をくれた後輩から電話がかかってきたので、テレビ電話に切り替えて、娘と話してもらう。一度会ったことがあるからか、娘も物怖じせずに話していた。「見て、見てー」と家の中にあるものを紹介している。もらった鬼の靴下も履いてみせて、「ありがとっ」とお礼を伝えていた。すでにわたし以上の社交性がある。

夜に映画『カラオケ行こ!』をNetflixで流してみたものの、気分じゃなかったので、読書に切り替える。『オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション』を読み終え、『味の台湾』を1章分読んだ。『マルコポロリ』のバッティリズ・エバース・エルフの回をTVerで観る。世間がバッティリズの寺家をおもしろがるのが早すぎるという風潮があるが、M-1で若林さんが言及したことももちろんだが、やはり“ジケ”という名前の響きがおもしろすぎるからというのが8割だと思う。エバース佐々木が夢に出てきて、とても仲良く喋ることができたので、わたしの中で好感度が上がっている。エルフはるに9年ぶりの彼氏ができたらしい。

日付が変わるタイミングで星野源のニューアルバムがリリース、配信開始であったので、0時まで起きていた。ここから聞いたら眠るのが1時を過ぎるな、と思い再生せずに寝る。なんの意味があるのか、とも思うが、6年ぶりにアルバムをリリースする星野源へのわたしなりの敬意みたいなものです。

5月14日水曜日

自宅から直行なのでいつもよりのんびり。朝ごはんは、白米にかつお節と納豆をかけたもの。『マツコ&有吉 かりそめ天国』の2時間スペシャルでU字工事が食べていた土鍋で炊いたご飯に削りたてのかつお節ご飯をかけた“おかかご飯”がとにかく美味しそうで、意識にこびりついている。たしか、伊勢だったので、東京からよりは行きやすい。営業車を停めていたパーキングが現金のみ、さらに使用できるお札は千円のみ。しかし、お財布に一万円札しかない。妻と子もでかけてしまったので、しかたないのでちょっと遠いのだけどコンビニまで歩き、オロナミンCロイヤルポリスを買い、お札を崩してからパーキング精算する羽目になった。別に急いでなかったので、感情も大きく動いた出来事でもないので、日記(これは日記なのか?)に書く必要があるのかとも思うが、オロナミンCロイヤルポリスが好きなので出来事として残しておきたかった。それに、実際のところ日々の事件というはこれくらいのものだ。

星野源のニューアルバム『Gen』を聞きながら、運転。山のほうを走る。天気も良く、風も涼しげ、星野源の良質な音楽も相まって、じわじわと精神が回復していくのを感じる。兵庫エリアを移動し、須磨を通過して新長田へ。木村紺による漫画『神戸在住』の舞台である。「今頃、辰木桂はどんな風に暮らしているだろうか」と登場人物のその後に想いを馳せることが少なからずある作品で、つまりは傑作ということ。何回も読み直しているが、とにかくゆっくりと時間をかけて読み進めるのがオススメ。新長田駅前の若松公園には、大きな鉄人28号のモニュメントが設置されている。原作者の横山光輝が神戸出身ということで、震災復興を記念したものらしい。15メートルを超える鉄人は迫力満点、ポージングもかっこいいので、一見の価値ありです。

坂元裕二さん、ようこそ!CWF放送部へ~」という新海誠坂元裕二の対談のアーカイブを聞く。聞き終わるのが惜しいと思うほど楽しかった。坂元裕二熱が高まり、坂元裕二脚本の『トップキャスター』(2006)を2話分観た。天海祐希矢田亜希子のW主演。画面と役者のテンション・・・どれも平凡で、当時の有象無象のテレビドラマとの差異を見出すのはかなり難しい。坂元裕二マニアであれば、“階段からの突き落とし”や“映画館デートに遅れてくること”に関する会話などに、この先の作品の種を見出してニヤリすることはできるかもしれない。『アキナのアキナいチャンネル』のスマイルと三田の古着屋で買い物する動画を観た。アキナもスマイルも東京にいる時はちょっと苦手だったのだけど、今はすっかり好き。スマイルは瀬戸がストールをつけなくなって本当によかった。『あちこちオードリー』の星野源出演回も興味深く観た。あの二人が何をどう語るかで、ある種の言論界隈のトレンドも決定づけられるのだ。

5月15日木曜日

腰の痛みがかなり和らぎ、ここ数週間で最も体調がよく、精神の憂鬱さからも脱却。この日は仕事で京都方面へ。河原町周辺を練り歩いたのだけど、観光客の浮かれたオーラに感染し、こちらの気持ちも少し上がった。すっかり身近な存在になってしまった京都だが、やはりその街並みは今なお気分を高めてくれる。中学の時の修学旅行が京都だったのだけど、フラっと入ったラーメン屋のラーメンがめちゃくちゃドロドロ濃厚だった。当時そんなものを食べたことがなかったので、ひどく衝撃を受けたのだけど、今思えば、あれは「天下一品」のそれだったように思う。しあし、どう考えても個人経営っぽい小さなラーメン屋だった。昔の店舗はそんな感じだったのだろうか。それとも「天下一品」の亜種だったのか。ときに東京の「天下一品」の店舗がたくさん閉店してしまうらしい。みんな、関西においでよ。わたしのオススメは東大阪にある長田店です。

INAの新刊『20光年』を読み直して、その素晴らしさにあらためて打ちのめされる。この作品についてなにか書きたいと挑戦しているのだけど、公開するレベルのものにならず、いつも没にしている。あとは、ひたすら星野源のアルバムを聞いている1日だった。

ここ最近、娘が本棚の隅を指さして、「オバケがいるよー」と怯えている。そこに置いてあるおもちゃがとれないくらいに怖がっているので、本当にいるのかもしれないなと思っている。あと、寝室のクローゼットの扉が開いていると、「閉めてー、オバケよー」と言う。『モンスターズ・インク』だ、少し感動する。自分が小さい時、寝室のクローゼットって怖かったかどうか、覚えていないな。

5月16日金曜日

会社の先輩が「見せたいものがある」というので、なにかと思ったら、『水曜日のダウンタウン』の”みんなの説”キーホルダーだった。こないだの回で採用されたらしい。まじで凄すぎ。しかも、おもしろかった説だった。出先での移動中は『奇奇怪怪』の髙比良くるまゲスト回を聞いた。あと、『空気階段の踊り場』を聞いていたら、水川かたまりがスピッツの「正夢」をかけていたのが、なんだかよかった。いいよな、「正夢」は。

やっと週末。帰り道、妻と娘が途中まで迎えに来てくれていた。あと、夜ご飯がハンバーグでうれししかった。『マツコ&有吉 かりそめ天国』と『ミュージックステーション』を観る。かりそめ天国をリアルタイムで観るのは喜び。先週のスペシャルで番組のファンであるという和菓子屋の店員さんがこの番組を的確に批評していた。

テレビ番組の中で1番好きなんですよ
<中略>
毎回ストレッチしながら、2人の何の人生にも役立たない会話を笑いながら聞いてるんですよ

意味の無さとユーモア。だからこそ尊い。本当にそう。大事な時間ですよね。『ミュージックステーション』はXGの新曲のリリックが和訳されていて、その良さを知ることができて、有意義でした。あと、STUTSが楽しそうだった。STUTSと蛙亭の中野くんはなんか顔が似ている気がする。確かめるために、大好きな『THE F1RST TAKE』の映像をひさしぶりに観ました。


これ、何回観ても笑っちゃうんだよな。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の最新話を観た。「加瀬亮河合優実が着るサカイ」の良さにふっとばされる。マーガレットハウエルは中島歩と福地桃子の組み合わせだった。いくつかの本を読み漁り、メモをとって寝た。