青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2020/03/08)

今日も天気が悪い。楽しみにしていた神宮球場でのオープン戦も中止のようだ。洗濯物が溜まっているので、洗濯機を回し、コインランドリーに放り込む。乾くまでの待ち時間に食事をしようと、近所のとんかつ屋に向かった。7年前にこの街に引っ越してきて、美味しいとんかつ屋があるから大丈夫だな、と思えたお店。店の手伝いをしている子どもたちがいつの間にか大きくなっていて驚いた。もしかしたらもう成人しているのかもしれない。そうか、7年というのはそれくらい年月だよな、としみじみしながらサクっとした食感の衣を噛みしめた。洗濯物をとりにもどる。あえてボロボロのコインランドリーを愛用している。電解水パワーとかマイナスイオン水とかを設備した明るくてピカピカのコインランドリーも多く見かけるが、薄暗い照明、過剰な注意書きの張り紙、灰皿代わりの缶コーヒー、本棚には『コボちゃん』『鎌倉物語』『黄昏流星群』というこのコインランドリーが落ち着く。時代から取り残されようとしているものへの偏愛、と言ってしまえばそれまでだが、そこにあるのはノスタルジーだけではなくわたしの政治的な意思も少なからず込められている。コインランドリーの乾燥機から取り出すタオルや洋服は本当にフワフワになる。自然光で時間をかけて乾燥させたほうが良質になるという方が道理として納得がいくのだけども、文明の力にはかなわないのだ。セントジェームスのウエッソンがひさしぶりに着たくなり、ボーダーと無地を1枚ずつ買い足した。サイズを1つ上げたものを、乾燥機にかけて少しずつ縮ませていくのが最近の楽しみ。絶望的に色めきたたない休日の過ごし方だ。

家に戻ってNetflixで嵐のドキュメンタリー『ARASHI's Diary -Voyage-』を4話まで観た。ワーカホリック松潤と、やる気ないように見せて陰で努力しているリーダー、食い合わせが悪そうだけど、グループとして20年うまくいっていたのはすごい。ご飯を食べる嵐がたくさん映っているのもこのドキュメンタリーの優れた点な気がする。店屋物をメニューから選ぶスーパースター嵐の画なんて、本当に素晴らしい。

15時に散歩がてら銭湯に出かけた。散歩をしながらLou Ragland & GREAT LAKES ORCHESTRAのアルバム、彼がプロデュースしたLOVE APPLEという女性3人組グループのリハーサル音源を聞いた。LOVE APPLEはLou Raglandにハマっていた頃に噂は耳にしていて、ずっと音源を聞いてみたいなと思っていたらSpotifyに入っていた。ぶっ壊れたようにモタついた演奏のグルーヴと甘いメロディのソングライティングが好みにドンズバでした。銭湯に辿り着く頃には雨がまたチラつきはじめていた。この銭湯は、わたしがはじめてサウナと水風呂をセットで体験した原点である。テレビも音楽もない110℃近い高温セッティングのサウナとフレッシュな水風呂は、それぞれがコンパクトながらそれなりのレベルで、今でも愛用している。ここにもしばらく来ることはないだろうから、じっくりと味わった。こんな風に小さいお別れを何回も繰り替えて3月は終わっていくのだろう。

丈直しの洋服を受け取り、そのままスーパーで夕食の買い物。適当に炒めて、19時から『R-1グランプリ』を観ながら食べた。トップバッターの女性芸人が、女優のモノマネしながらSNSいじりをしてルッキズムを撒き散らすという時代錯誤なネタをしていて呆れてしまった。「誰も傷つけない笑い」みたいなものを称賛したいわけではまったくないのだけど、あの時代感覚のなさを決勝に通過させてしまうことに首を傾げてしまう。それ以外は全組おもしろかった。みんな大好きマヂカルラブリー野田クリスタル、おめでとうございます。笑い転げました。ワタリ119ヒューマン中村、ななまがり森下のコントが特に好き。5年連続5回目の決勝進出であるルシファー吉岡とおいでやす小田の負けっぷりももちろん最高でした。

22時からYouTubeaikoの配信『「Love Like Rock vol.9」~別枠ちゃん~無観客ライブ』を観た。めちゃくちゃエネルギーをもらってしまった。「メロンソーダ」「オレンジな満月」「カブトムシ」「青空」の流れ、最高。サブスクが解禁されてからはほぼ毎日aikoを聞いている。iTunesにもほぼ全カタログ入っているのだけど、サブスクで聞くと時代の音を聞いているような気持ちになるから不思議だ。SpotifyにてTstomcさんが作成した「Rare Groove/Light Mellow aiko」という佐野康夫のドラムプレイを堪能できるプレイリストに大変お世話になっている。Tstomcさんの作った「Chill Tetsuya Komuro小室哲哉)」「Rare Groove Tunnels(とんねるず)」といったプレイリストもナイスでした。カバー写真のチョイスも嫉妬するほどにセンスが良いのだ。「Rare Groove/Light Mellow 槇原敬之」もぜひ作成して頂きたい。

週で1番楽しみにしているテレビ番組『日向坂で会いましょう』を観てから眠ろうと夜更かしをしてしまった。番組の公式略称を「ひなあい」にするか「ひなましょう」にするかで二大派閥が激突するという実にどうでもいいバカバカしさがたいへん心地よい。アイドル番組で何度目にしたかわからないプロレスマイクパフォーマンスもいちいち達者で感心してしまった。キャプテン佐々木久美は本当に最高だと思う。なかなか寝付けなかったので、富山の古本屋で購入した吉田健一『私の食物誌』、菅原克己の詩集『夏の話』をパラパラとめくって寝落ちした。