『LOOPY!鹿皮』雪おばけにまつわる物語
雪おばけは冒険に出たいと思っていました。だけども、外は陽射しがとても強かった。それはもう、雪おばけの全てが溶けてしまいそうなほどに。あまりの暑さに一度はお家に逃げ帰ってきた雪おばけ。それでも諦めきれない彼は、自らの身体にサンスクリーンを塗りたぐり、眩しい方角へと再び冒険に繰り出すのでした・・・
そんな物語がこの"snow strange"には込められているのだそうだ。それを聞いた私は、何やら奇妙なまでに感動してしまった。日焼け止めを塗って、南へと歩み出す雪おばけ。憂鬱なブルーにふりかけるひとさじのユーモア、跳ね返るポジティブなフィーリング。ポップカルチャーはこうでなくちゃ!と思ったのだ。そして、「もっと世界を面白がらなくては」という気持ちがムクムクと蘇ってきた。疲弊しているのは、もうおしまい。"雪おばけ"をポケットに忍ばせて、私もアドヴェンチャーへと繰り出したいと思います。
そんな風にして、私にエネルギーを沸き起こした"雪おばけ"を生み出したのは林嘎嘎と陳幸運という2人のデザイナー。台北の中山エリア*1で『LOPPY!鹿革』という雑貨ショップを営んでいる。この"雪おばけ"のみならず、お店に置かれたすべてのアイテムに物語が宿っているのだそうだ。
中でもお気に入りは、「歩く時はしっかりと前を見つめよう、後ろはコウモリ夫人が守ってくれるよ」という物語が添えられた丸型バックだ。私が「スキル併せ持つかわいこちゃん©プチャヘンザ!」であったらな、これを背負っていそいそと街へ繰り出していたことでしょう。あと、気になっているのはこの「満腹クマさん」だ。
一体、彼にはどんなストーリーが用意されているのだろう。
ちなみに『LOPPY!鹿革』の入口ではイカした構図のビートルズのポスターと野球をする猫が出迎えてくれる。
さらに、店内には手塚治虫、藤子・F・不二雄、さくらももこといった作家のアイテムが各所に潜んでいる。3年前に訪れた時も書いているが、異国の地に兄弟を見つけたような気分になってしまうのである。そういえば、お店を代表する人気アイテムであるキョンシーも一種の"ゾンビ"である。
青春ゾンビ、腐乱しながらもまだまだ這いつくばっていきたい所存でございます。まずは、月3本くらいのペースで更新を目指して頑張ります。