青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

台北で出会った素敵SHOP「Loopy 鹿皮」

台北の中山駅エリアに居を構える「Loopy 鹿皮」というお店を紹介したい。お店の入口にはキュートなTHE BEATLESのポスター。店内に所狭しと並べられた服や雑貨の間に、藤子・F・不二雄先生や初期アニメ版の『ちびまる子ちゃん』のフィギュアが紛れ込んでいる。レジには手塚治虫全集の『鉄腕アトム』とフィギュアがまるで"神様"のように鎮座。更には店内に流れている音楽の複雑なコード進行とスムースなメロディに耳をすませてみれば、それはLampの『ゆめ』ではありませんか。「うり物ではありません」と書かれたCDラックにはくるり空気公団なども発見できた。まったくもう、遠い異国で兄弟を見つけたような気分だ。
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台湾の旅行ガイドブックに載っていたこのお店のオバケのポシェットがあまりにクールで

やぁ、最高にクールな鞄だね
知ってるかい?ジャパニーズオバケには足がない

こう伝えようと、お店のドアを開いたのですが、大学で学んだはずの中国語も結果としてニイハオ、シェイシェイで留まり、英語も苦手である。いや、そもそも日本人ともそんな気軽に喋った事がないじゃないか。と言う事で、とりあえず店内を隈なく観て回る事に。ありました!オバケのポシェット。確かに足で歩いている。かわいい!脅かしてやろう、という心意気が見て取れるのがかわいいではありませんか。こちらのオバケのフェルトバッチが売っていたので購入。ポシェットはオバケの他に飛竜バージョンもあって、そちらは底を押すとピューと音が鳴ります。超かわいい!リュックやズックもあって、こちらにはザリガニや恐竜が居座っている。中でもグッときたのは、コウモリのリュックで、なんでも「歩く時は後ろが見えないので、このコウモリが見守ってくれるよ」というコンセプトらしい。泣かせる!置いてある洋服も全部かわいいです。宇宙服のワンピースと海老フライのカットソーがとてもクールでした。宇宙服は中国の天に昇った女性の神話をシニカルに解釈、海老フライは日本で食べた海老フライが美味しかったから、という理由で作ったのだそうです。最高だ。イラストシールが安価で大量に売られていたので、お店のアイコン的存在らしいキョンシーとカンフーアヒルを購入。
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図らずとも大陸的なチョイスになりました。イラストは佐藤雅彦さくらももこうすた京介などの感性に通ずるものがあって。とにかく全部欲しいくらいかわいかった。中には「ロックは永遠に不滅」という日本語シールもあって、その不意打ちに胸が熱くなってしまった。


CDも販売されていて、ジャケットが良い感じのEPを手に取ると、その音源をかけてくれました。イメージ通りなインディーギターポップだったので購入。
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Four Pensという男女混成のスリーピースバンドらしく、今回購入したEPの他にもう1枚EPをリリースしており、その2枚をコンパイルしたアルバムが日本でもリリースされている。京都のWallflowersとも対バンしているようです。店員さんが奥からCDを取り出してきて並べたので、「これも聞いてみてよー」という事だろうと解釈し、こちらも迷わず購入。なんせLampがかかっている店内である。信頼しかないのです。
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帰国して聞いてみると、これがとてもよかった。SillySymphonyというアーティスト名を頼りにFACEBOOKをチェックしてみたら、メンバー名に林嘎嘎と陳幸運とあって、なんともはやLoopyのオーナーの2人でした。ツボを心得たコード進行と音色ヨシノモモコを彷彿とさせるレイトアノラックなギターポップ。リコーダーや木琴など加わったトイポップの趣もあり。日本だとフルーツアンドベジーズに似たものを感じます。更に台湾語の響きの面白さがポップネスと女の子の無敵感を増幅させていて、愛好家にはたまらない1枚でしょう。こちらも日本で買えるようになるといいのですが。とにもかくにも『Loopy 鹿皮』というお店、このブログを読んでいる方なら9割方、胸ときめく事必至なお店ですので、台北にお立ちよりの際はマストではないでしょうか。



※帰国してからネットで調べてみたら、オバケのポシェットに「Snow Strange」という表記があったので、もしかしたら雪男とか雪だるまとかそういった類のものなのかもしれません。あぶねー!調子に乗って「ジャパニーズオバケには足がない」って伝えないでよかった。だって、そもそもオバケのQ太郎ちゃんには足あるしね。