鳥山明『COWA!』
「お~怖っ」(Ⓒガリガリガリクソン)って誰かが言ったら、「誰が”鳥山明先生の次回作にご期待下さい“じゃい」と返さなければいけない、という謎のルールが親しい友人との間にあって、これは勿論、鳥山明の『COWA!』という短編作品に起因しているわけなのですが、ずっと言い続けている内に、「もしかして鳥山明先生の最高傑作って『COWA!』なのでは」という想いに駆られてしまった。居ても立っていられなくなったのだけど、実家に取りに戻るのも面倒だったので、「えーいっ」と本屋に駆け込み、新刊で買い直すことに。何年か前に重版された時についた帯に
すべての作品の中でいちばん大スキなマンガであります
と鳥山明本人が記していて、読む前にもう答えは出ていたわけですが、間違いない、これが鳥山明の最高傑作だ!
- 作者: 鳥山明
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/05/01
- メディア: コミック
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- 作者: 鳥山明
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1995/06
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しかし、20年の時を経て読んでみると、どうでしょう。抜群に面白いではありませんか。絵本風のタッチに挑戦したという事で有名な今作ですが、絵本と言うよりも、どことなくアメリカンポップカルチャーの香りがするのが最高。抜群にキュートなタッチと類まれなるキャラクター&エピソードメイクで、物語の輪郭を積み重ね、最終的には横移動のロードムービーへ。そして、上昇と下降の”縦”の構図でクライマック、という完全無欠の短編に仕上がっております。鳥山明がずーっと描き続けている”異種間の交流”が、誰もが誰しも差別せず、阻害されない世界”ユートピア”として帰結するラストには思わずホロリ。無愛想でふとっちょ(元・最強力士)のマコリン、大好きだ。もうほんと全ページ、全コマが愛おしい。まさに今読み直してジャスト!な傑作であります。オススメ。
当時『COWA!』の連載開始を祝って、本屋さんのカウンターでイラストカードが無料で配られていて、クラスメイトの好きだった女の子が「これ、あんたの好きな漫画のやつでしょ?あげる」って言ってくれたんですよ。いや、当然持ってたんだけども、なんだか本当にうれしくて、中学入っても財布に入れていました、という余談が、本当は1番書きたかったことです。みっちゃん、元気かなー。