青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

小渕沢「こぶダイニング」2016春

毎週楽しみにしていた月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』が最終回を迎えてしまった。ラスト20分くらいかけて、主人公の2人がファミレスで2種類のソースのハンバーグを注文して分けあって食べる姿を撮り続けるという展開にグッときてしまう。まずい、ハンバーグが食べたくてたまらなくなってしまったではないか。家から数分の所に「ガスト」があり、ドラマをなぞらえるのであればファミレスという選択が正しいのでしょうが、私の中でハンバーグと言えば、やはりそれは「こぶダイニング」のシンプルハンバーグとイコールで結ばれているわけで。あぁ、食べたい。あの爽やかな肉汁溢れるシンプルハンバーグが食べたい。いてもたってもいられなくなり、新宿と小渕沢間を休日に一往復だけするという臨時快速列車「ホリデー快速ビューやまなし」に乗り込み、行って参りました山梨へ。


「こぶダイニング」には車で行くのがベストかと思いますが、小渕沢駅から歩いていく事も可能です。約20分ほどでしょうか。いささか距離はありますが、青空にそびえる山々を眺めながら、済んだ空気を味わい散歩をするのもオススメ。腹ごなしにもちょうどいいでしょう。看板が見える頃には腹ペコです。
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この日も大繁盛しておりました。小さなお店なので4組も入れば満員ですので、休日は待ち時間覚悟で向かわれるのが良いでしょう。さて、本日の注文はここの所の定番となっている”シンプルハンバーグステーキ”のBセット(高原野菜サラダ、オニオングラタンスープ、ドリンク)に春限定メニューの”チキンソテーふきみそクリームソース”を単品追、更に食後に”ホットクレープのオレンジ包み”という塩梅でございます。
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美味しい。何度食べても美味しい。素朴かつ繊細。いや、美味しさを表現する語彙力が明らかに足りないので、無理をする事なく、シンプルに「抜群に美味い!」で済ましたい。世界で1番美味しいハンバーグ、というキャッチーなコピーでずっとこの「こぶダイニング」を表し続けてきたわけですが、ここにきて”チキンソテーふきみそクリームソース”を皆様に食べて頂きたい気持ちが抑えられません。ふきの爽やかな苦味を包み込む味噌とクリームの甘やかなハーモニー。これを食べなければ、春は迎えられません。


お店のFacebookが1年ほど更新されていなかったので、心配だったのですが、しっかりと営業していて安心しました。なんでもシェフの腰の具合が芳しくなく、現在はランチのみの営業に縮小しているのだとか。MR検査で異常はなかったそうですが、遠方から訪ねる場合は念のために電話を一本入れて、営業を確認してから向かった方が吉でしょう。冗談なのか本気なのかわかりませんが、洋食屋は辞めて「まんじゅうとスープの店」にする、とシェフは申しております。新メニューである”鳥まんじゅう”も食べさせて頂きました。f:id:hiko1985:20160326132514j:plain
ヴィジュアルは愚鈍なまでにまんじゅうですが、これが確かに美味しい。鳥肉の餡は臭みがなく食べやすいし、何と言ってもモチモチの皮が抜群。持ち帰って家で蒸すのも可能。「なるほど、まんじゅう屋も悪くない」と思いつつも、やはりあのハンバーグが食べられなくなるのはやはり寂しい。シェフ、いつまでも元気で、私たちを楽しませてくださいね!



ボーナストラック。席について料理を待っていると、隣に座っていた老夫婦の元に「シンプルハンバーグ」と「チーズハンバーグステーキ」が運ばれてきた。奥さんが2つのハンバーグをナイフで切り分け、それぞれのお皿に分ける。

違うの頼んで分けるんだ!
いいアイデアだね

と思わず声が出るほどに、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の音と練ではありませんか!いや、当たり前の風景と言えばそうなのですが、老夫婦の積み重ねてきた時間みたいなものがその当たり前を作り上げているのだと思うと、凄く素敵なシーンのように思えるではありませんか。