青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

Homecomings『I Want You Back』


Homecomingsという京都のバンドがいる。彼女達が昨年末にリリースした7インチレコード『I Want You Back』に夢中なのだ。眠る前にも、朝起きても、出掛ける前にも飽きずにレコードに針を落として聞き浸っています。正直な所、ミニアルバム『Homecomings with me?』には何故だかそこまで盛り上がれなかったのですが、Ano(t)raksのコンピレーション収録曲、 Teen Runningsとのスプリット7inc、Hi, how are you?とのスプリットカセット『Home Alone』 と、2013年はその動向に完全に虜になっておりました。今回リリースされた7incの表題曲「I Want You Back」はちょっと決定打となるキラーチューン。クリスマスソング、ガールズポップの名曲群の記憶を1.5倍速で鳴らしたような足早なその幸福感。跳ねるシャッフルビートと鳴り止まないギターフレーズのハーモニー。メロディーの精度も間違いなくキャリアハイであろう。畳野さんの相変わらずちょっと不機嫌そうで低温なボーカルは青い春を想わせますが、彼女の歌は間違いなく前をジッと見据えている。その響きはスぺシャルの一言。3月にCDのフォーマットでEPとして発売されるようだけども、その前にぜひともアナログでゲットして聞き倒したい愛おしき一品です。

昔は金曜ロードショーとかで『ホーム・アローン』みたいな映画がよくやっていて、僕はそれで育ったみたいな所があって。最近何だかああいう感じよかったなーって思うんですよね

ライブのMCでギター担当かつ白一点の福富君が言う。「でも、昔はよかったとかそういう事が言いたいんじゃないんですよ」と続ける。そうなのだ、彼らの歌う「I Want You Back」は「あの頃よ、戻ってきよ」という回顧主義では決してなく、「今までにあった最高のものを搔き集めて進もうぜ」という呼びかけの合言葉のようなのです。アニメーションMVもその空気を見事に捉えている。

ライブのMCではひたすらに福富君のキュートなボンクラっぷりが炸裂していて

最高の離婚』の再放送観てますか?あれ最高じゃないですか?後、関西では夜に『タイガー&ドラゴン』の再放送もやってるんですけど、それって最高じゃないですか?

といった感じにまぁとにかく「最高」を連発していて最高だったんだけども、奇しくも話題は過去のドラマの再放送。「I Want You Back」のヴァイブスにピッタリはまっていて、この子は天然なのか計算なのか底が知れないぞ、と思いました。