青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

柴田聡子LIVE in ミュージックオルグ


南池袋ミュージックオルグにて柴田聡子の弾き語りライブを観てきた。いやー天才だ。怪物だ。感受性が強いあまり、自らの感情のわけのわかなさ故に傷ついている10代の子達(とりわけ女子)は急いで柴田聡子の音源を手に入れて、ライブに駆けつけるべきではないだろうか。間違っても「生理」だの「妊娠」だの「自傷行為」だの「戦争」だの「殺す」だの「生きる」だの、強い言葉はない。そういうのはすぐ効くかもしれないけど、深くは残らない。あなたの感性の複雑さはそんなものでは簡単にカテゴライズできないはずだ。

カープファンのあの子は可愛いね 相変わらず可愛いね
あの子に子供ができる前に わたしに子供ができる前に
もっともっと酷いこと考えておかなくちゃ


カープファンの子」

柴田聡子の音楽には、あなたのようなその強い感受性が乱暴なまま自由に世界の枠組みを広げるだろう。「脈絡のない言葉が矢継ぎ早に繰り広げれ、世界の真理にたどり着いてしまう」そんな感覚が彼女の音楽にはある。あの言葉の選び方と速度。ラディカルだし、イリュージョンだし、ロックンロールだ。ギター1本で世界に立ち向かい、言葉で世界を作り変える。穂村弘は早く柴田聡子を発見するべきではないだろうか。驚くことに、傑作アルバム『しばたさとこ島』

しばたさとこ島

しばたさとこ島

の素晴らしい楽曲がありながらも、今やライブはその半数以上が新曲。そのどれもが以前のレパートリーを凌ぐ素晴らしさだ。何度も言葉の繋ぎに打ちのめされた。彼女の独特の歌のリズムと節回しは更に研ぎすまされている。次の一手が楽しみでならない。