青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

最近のこと(2017/01/23~)

三寒四温の意味を身体に教え込まれているような気候ですね。たまに夜が春の匂いでドキドキします。「春の夜の匂いだ」と我々に思わせるあの感じは何に起因するのだろう。こういう匂いが春の夜の匂い、とはどうにも定義しがたいあの感じ。 月曜日。仕事を終え…

NHK『ドキュメント72時間』〜宮崎 路上ピアノが奏でる音は〜

『ドキュメント72時間』の1/27放送回「宮崎 路上ピアノが奏でる音は」が実に素晴らしかった。この『ドキュメント72時間』という番組の魅力を端的に表現しており、早くも今年度ベストに推したい気持ちを押さえられません。ナレーションは昨年デビューながら既…

坂元裕二『カルテット』2話

言葉と気持ちは違うの! この家森諭高(高橋一生)の叫びがまさにこのドラマの見方を端的に示している。巻真紀(松たか子)が「わたし、弾けない」「無理です、わたし上手く弾けません」などと囁けば、次のカットでは必ずや活き活きとヴァイオリンを演奏する…

バカリズム×オークラ『住住』

バカリズムとオークラが脚本を手掛け、バカリズム、オードリー若林正恭、二階堂ふみの3人が本人役で出演。もしも、3人が同じマンションの同じ階に住んでいたら・・・を描くシチュエーションドラマだ。主題歌はなんと我らがEnjoy Music Club「そんな夜」だ。…

大童澄瞳『映像研には手を出すな』1巻

『映像研には手を出すな』は抜群に面白い漫画である。こちらがデビュー作という大童澄瞳はなんと若干23歳。まさに「新星、現る」である。 浅草みどりはアニメ制作がやりたいが、一人では心細くって一歩が踏み出せない。 そんな折、同級生のカリスマ読者モデ…

ナカゴー『ベネディクトたち』

超人ベネディクトとその周辺の人々との摩擦の話で60分。ちょっとどうかしているほどにおもしろい。物語の話法にしろ、ぶち込まれるギャグの発想・発話にしろ、他の何ものにも似ていない”笑い”がここにある。というよりも、あらゆる笑いの文法がパッチワーク…

最近のこと(2017/01/12~)

東京メトロの広告、1月は石原さとみがホームズ的な探偵の格好をしていて、大変良い。しかも、舞台は中野ブロードウェイ。小原愼司の『菫画報』的だ。1月ということで、部屋が寒い。暖房が苦手なのでコタツから出れません。なんでも今の時期が寒さの底である…

坂元裕二『カルテット』1話

坂元裕二が脚本を手掛ける新作ドラマ『カルテット』の放送が開始された。『問題のあるレストラン』(2015)にしても『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)にしても意欲作であり、充分に我々の琴線を揺さぶってきたわけであるから、こうい…

こだま『夫のちんぽが入らない』

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間を含めて二十年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。 なんという”いきなりさ”だろうか。どう転んだって面白そうな導入だ。”普通ではない”物語を覗けそう、と…

大島弓子『秋日子かく語りき』『ロングロングケーキ』

あなたは大島弓子を読んでいるだろうか。その眩いばかりの傑作群は、漫画作品のみならず現行のあらゆるジャンルのポップカルチャーに根強く影響を与え続けており、今なお必修のテキストなのである。*1いや、そういう言い方は違うかもしれない。大島作品を読…

ホセ・ルイス・ゲリン『ミューズ・アカデミー』

台詞の詳細を追いかけようとすると、一部のインテリ層を除けばすぐに置いていかれてしまうだろう。ベアトリ―チェ、エロイーズetc・・・記号的にしか見聞きしたことのない創造のミューズ達を巡る教授と学生の文学的対話、或いはジェンダー論、芸術論。その矢…

大久保「Spicy curry 魯珈」の極上ハイブリット

2年前の八角旋風、1年前のビリヤニとの衝撃的な出会い。スパイス革命により、私の味覚は地殻変動を起こしている。世界の中心は台湾とインドにあり。とりわけ台湾のソウルフードであり、日本人の味覚にも最も適した魯肉飯にはもうメロメロ。日本でも、台湾料…

石山さやか『サザンウィンドウ・サザンドア』

団地やマンションの均等に並んだたくさんの窓の灯りを遠くから眺めていると、あの灯り1つ1つに自分は決して知り得ることのない無数のドラマがあるのだ、と密やかな興奮を覚える。というような事を何気なく女の子に話したら*1、「私はそれってゾッとするな」…

大石静『しあわせの記憶』

MBS開局65周年を記念して制作された新春ドラマ『しあわせの記憶』を観た。渡辺謙が出ているなら、というくらいの軽い気持ちで眺めていたのだけども、気付けば完全に魅了されてしまった。まずもって役者陣がいい。渡辺謙の屈強さと軽みは言わずもがな、北川景…

伏原健之『人生フルーツ』

カメラに収められているのは名古屋のベッドタウンに居を構える90歳と87歳の老夫婦の暮らしぶりだ。夫は多摩平団地、高根台団地、阿佐ヶ谷住宅、高蔵寺ニュータウンなど、戦後日本の住処を形づくってきた建築家の津端修一。妻は『あしたも、こはるびより。』…

最近のこと(年末年始)

あけましておめでとうございます。年末年始の休暇の為に1年間を過ごしていると言っても過言ではないというのに、風のように過ぎ去ってしまった。今、我々は年末年始から1番遠い場所にいるのだ、と思うと涙が零れそうではありませんか。絶対に迎えに行くから…

木皿泉『富士ファミリー2017』

洗いたてのコップみたいな夜か 生まれ変わろうかな こんな宝石みたいな台詞が当たり前のようにポンポンと飛び出してくるのだからたまらない。木皿泉の作品をして「あまりに誰もが誰もいい台詞を吐き過ぎる」といった批判があるのは理解できなくはないのだけ…