青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近こと(2020/04/23)

仕事もやることが尽きたので、ゆっくりと朝風呂を楽しんだ。家で最も集中できる場所はお風呂場なので、本を持ち込んで読書に没入。渡辺京二『細部にやどる夢 私と西洋文学』(石風社)を読んだ。

ディケンズ、ゾラ、トゥルゲーネフ、ブーニン・・・恥ずかしながらほぼ読んだことがない。どれも分厚くてなかなか門戸を叩けない。しかし、渡辺京二の解説を介すとスッと入っていけそうな気がしてくる。本書ぼ冒頭ブーニンの『暗い並木道』という恋愛短編集の解説に痺れてしまう。

これは純愛小説だろうか。純愛などありやしない。女は男のことを忘れたし、結婚もした。この短編はただ恋の一瞬は全世界を照らすことがあるといっているのだ。そんなものは錯覚だと文学ずれや世間ずれはいう。ブーニンがそうではなく、たとえ束の間であろうと、恋が織りなす時空は人間がこの世界に滞在する意味をあますなく実現するとわれわれに告げる。だから彼は恋物語を語らない。彼が描き出すのは前後をカットしたいくつかのシークエンスだ。物語ではなく、世界を開示する情景があるのだ。

渡辺京二『細部にやどる夢 私と西洋文学』P.8より

脳味噌が沸騰するかと思いました。絶対にブーニンを読まなくては。

風呂を出ると、会社の同期のHから電話がかかってきたので1時間ほど世間話をした。電話をかけてもらえるとうれしいが、用もないのに自分からはかけられない。そもそもわたしはHと仲がいいわけではない。2人で会って話したことさえない。それでも平気で電話をかけてしまえるところが、彼がまわりから愛されて止まない由縁なのだろう。無性におにぎりが食べたくなったので、近所の和菓子屋「伊勢屋」へ。”伊勢屋”という和菓子屋が多いのは、江戸時代から続く組合の流れみたいなものらしい。この近所の「伊勢屋」は団子や柏餅だけでなく、おにぎりやお惣菜も売っているタイプのお店なのだ。たらこと鮭のおにぎり、カップのお味噌、からあげを買った。わたしは、こういうお店のパックに入ったフニャっとしたからあげが好きなのです。

机に向かって仕事。BGMに『マヂカルラブリーオールナイトニッポンZER0』(ニッポン放送)をチョイスしたのですが、比喩ではなく抱腹絶倒でまったく仕事にならなかった。単発とは言え、こんなにも頭から尻尾もまでギッシリとおもしろいこと言い続けているラジオはひさしぶりに聞きました。クリスタル野田さんはもちろんですが、ツッコミの村上さんも持たざる者として存在していたころの山里さんみたいで最高です。

夜ご飯はスーパーで買ってきたハラスをコンロで焼いて、豆腐と納豆とサラダを添えて焼き魚定食にした。吉野家松屋はこういうものをアンダー500円とかで提供しているんだからかなわないなと思った。Official髭男dismの次に聞くべき今の大衆音楽は?ということでオススメされたマカロニえんぴつの2ndアルバム『hope』を1日中聴いていた。4月にリリースされたばかりらしい。私立恵比寿中学に提供した「愛のレンタル」(良い)のセルフカバーも収録されている。ミスチルのモノマネの人なんだと思って放置してしまったのだけども、アルバムを聞いてみたら良かった。桜井さんのように歌えるなんて凄いことだし、そもそも彼らのリファレンスはミスチルではなくユニコーンらしい。ボーカルの人は”はっとり”という芸名を名乗っているのだけど、ユニコーンのアルバム『服部』から引用しているらしい。とても変わっていて好ましいと思った。人生は上々だ。とは言え、やっぱりミスチル成分のが色濃く聞こえるけども。いい曲ばかりだし、音色も抵抗なく聴ける。MVのコメント欄が若い子たちの恋愛自分語りで満たされているところも素敵だなと思った。マカロニえんぴつ好きです。

なんだか肌寒い1日で、窓を開けっ放しにして過ごしていたら、少し風邪気味になってしまった。頭痛も始まったので、ジキニンと栄養ドリンクのセットを胃に流し込む。ジキニンユーザーとしては岡江久美子さんの突然の訃報には心が痛んだ。ご冥福をお祈りします。