青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

下北沢インディーファンクラブ2013

下北沢インディーファンクラブ2013に参加してきました。この都市型フェスも4年目という事で、円熟の趣を見せてまいりました。観る側のこちらも4年目という事で、だいぶコツを掴んできまして、例年よりスムースに廻る事ができた。


トップバッターはGORO GOLO in ERA。今回あえて「観たほうがよいです!」とレコメンドするならGORO GOLOしかいない、と思っていたのだけど、当然のように抜群のかっこよさだったので安心致しました。4ピースの楽器がそれぞれ自由にスウィングしているにも関わらず見事に有機的なグルーヴを見せていて震える。バンドってこういう事だ。そしてその上でおおいに躍動するボスことスガナミユウ。彼が圧倒的な、本当に圧倒的な笑顔をフロアに向ける瞬間に泣く。音楽だな、と思った。完璧なスタートだ。


続いて、あだち麗三郎クワルテット in Club Que。ボーカル、サックスがあだち麗三郎、ピアノに荒内佑、ベースに厚海義朗、ドラムに光永渉という完璧な布陣にゲストでシンセサイザー田中佑司、ダンサー北原倫子という6人編成。ジャズと歌謡が”なんてちゃって”といった感じに絶妙にブレンドされたチェンバーミュージック。完璧なリズム隊の上をヒラヒラと舞うあだちのボーカルと、反して非常にエモーシャルな管の響きに鳥肌が立ちっぱなしだった。何でもない日常が突然、宇宙に繋がるような空間的自由さがあった。2台の鍵盤の味付けも絶妙。この日のベストアクト。「ベルリン・ブルー」の歌詞の「マンハッタンからラプソディー・イン・ブルー」っていう所を聞くといつもアレンの事を想ってしまう。


グルっと移動して、浦朋恵&ザ・ロッキン・バリトーンズ in Club 251。グッドミュージックの一言。というより豊潤な音楽からの下地を、あそこまで小難しくなく楽しく鳴らしてしまうあの魅力をどう表現すればいいのかわからないので、その一言。浦さんのバルトリンサックスも歌もファットだった。ギターのロッキンエノッキーさんもかっこいい。


ここで休憩。茄子おやじでスペシャルカレーを食べる。ランチタイムは珈琲付きで1200円。決して安くはないが、他の有名カレー店に比べると無茶苦茶良心的なお値段で、いつも賞賛したくなります。店内ではサニーデイ・サービスがかかっていた。


そして、ジオラマシーンin 440。開演25分前から入場規制。これはもう無理かしら、とも思いましたが耐えに耐えたら何とか入場する事ができました。前回観た(と言っても2年前)ライブの編成とはちょっと違っており、管楽器がトランペットMC.sirafu、サックスあだち麗三郎の2本。リズム隊が先ほどのクワルテットと同じくベース厚海義朗、ドラム光永渉という鉄壁コンビ。そして、ピアノ伴瀬朝彦に、コーラス中川理沙という編成。まさにインディーオールスター集団。とてもよかった。シラフさんとあだちさんの管楽器の絡み、伴瀬さんの噂通りのモンクのようなピアノプレイに終始ゾクゾクときていた。橋本君の歌は甲高くヘロヘロだったけども、とても”歌い人”然としていた。何より曲がいい。アーバンでブルーボーイなヤングソウルが炸裂しております。もっとロングセットで観たい!と思ったら、ライブイベント「月刊ウォンブ!」の出演が決まっているそうです。終演後、自転車に飛び乗り、フジロッ久(仮) in 新代田Feverまで爆走兄弟。唯一下北沢から離れた(電車で一駅ですが)このライブハウスをどうスケジュールに組みこむかがインディーファンクラブの鍵となります。自転車なら5分とかからず、「はたらくおっさん」「シュプレヒコール」の演奏に間に合う。この日は歌も演奏も粗っぽく、今までのパンクバンドとしてのフジロッ久(仮)のイメージが強い印象だった。でも、最後の「アナキーインザあらかわ」の盛り上がりを観ていると、バンドと観客のそのエネルギーの循環にジーンと来てしまった。


17時を過ぎて、そろそろ疲れが出始める頃合。意識が朦朧としつつ、Daisy BarでHomecomingsを少し観て、シェルターでWedanceと片想い。Wedanceは韓国のバンド。ボーカルの最高のダンスと韓国語の独特な響きが印象的で、とても不思議なライブだった。ネットにはダンサブルガレージロックという記述があったのだけど、初期の電気グルーヴとかを想起させる変さでよかった。片想いは、いい時はもっととてつもなくいいよね、という感じではありましたが、スカイツリーを体現したというダンスを拝む事ができたのでよし。そこから、フィナーレはザ・なつやすみバンド in Club 251で迎える事に。2年前がDaisy Bar、1年前がClub Que、そして今年はClub 251でトリ。曽我部恵一BANDトクマルシューゴcero、ミツメ、どついたるねん、キエるマキュウ、SEBASTIAN X、木下美紗都ジャポニカソングサンバンチなどなど、はっきり言ってどれだって観たい!という感じの激戦区。いや、ちょっと251は厳しいのではないかしら、とか心配して駆け付けたのですが、どっこい、開始前からあわや入場規制か、という勢いでパンパンに埋まっておりました。ライブはポップチューンの連発!「パラード」「サマーゾンビー」「めくらまし」「自転車」「悲しみは僕をこえて」などなど。「サマーゾンビー」は改めていい曲過ぎる。

PVも洒落ていて最高だ。でアンコールのラストで披露された「なつやすみ(終)」に泣く。

見送った君と来年の君が
少し違うのをまた見られるように

全部この曲から始まったし、そんでこれからも続いていくな。