青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

MAHOΩ&ホライズン山下宅配便 LIVE in 吉祥寺スターパインズ


MAHOΩ、最高。吉祥寺スターパインズカフェで行われたライブイベント『何か出る』が楽しかったのだ。ライブハウス仕様のMAHOΩの演奏、素晴らしかった。ザ・なつやすみバンドとMAHOΩに日本のポッポスの未来を預けてしまうべきだ。ドラマ主題歌でもCMソングでもアニメソングでも何でもいいのだけど、ポップソングって昔はもっと僕らにトキメキをくれたような気がするんですよ。そんでももって生活にも記憶にも根付いていたはず。そんなポップソングと僕らの間のロマンチックな関係に再び明かりを灯してくれそうなバンドなのだ、MAHOΩは。「僕らに愛を!」は21世紀の「ラムのラブソング」だ!とぶちまけたくなるし、東京メトロのCMソング(希望)のポップチューン「乙女のたしなみ」、呉田軽穂松本隆のコンビのライティングを彷彿させる「狐の嫁入り」の素晴らしさときたら。ソウルやファンクがたおやかな楽曲の裏側で沸々しているのがいい。音色が跳ね回っている。Goro Goloとフジロッ久(仮)のスター鍵盤プレイヤーである”はるか”と森川あづさの2人がキーボードで揃い踏みしているんだから凄い。あの2人が楽曲のフレームをキッチュにファンキーに仕上げている。そして、ミニースターダストのドラミングがそのフレーフを更に広げて跳ね上げる。カッティングとハーモニーで楽曲に彩りを添える2人のギタリストの正体を把握していなかったのですが、1人はayU tokiO teamのイノツメアユ(MAHOΩのメインソングライターの1人でもある)、もう1人はボンボンスパイラルのナナエだったのですね。どちらもそれぞれのユニットではフロントマンなのだ。どうりでコーラスワークが巧み。そして、やっぱり華のあるフロントマンじゅんじゅんとMAX(from Wienners )が最高。ダンスの時、無表情なのがいい。衣装といい、設定といい、コンセプチャルで美学を感じます。というかスター集団だな、MAHOΩ!とりあえず今、ポップソングの魔法を体感したいならMAHOΩに決まりだ。




そして、ホライズン山下宅配便のライブも凄かったのだ。音源は『りぼん』はもちろん、過去作もチラホラ聞いているのですが、ライブには1度しか行った事がなかったのです。なんか内輪で「わかりにくいことはなんてかっこいいんだろう」みたいに盛り上がっている、なんてイメージを勝手に抱いていた。でも、ほんと謝罪したいです。むちゃかっこいい。ズム隊も素晴らしいのだけど、伴瀬朝彦のギターの音にやられてしまった。ガツーンとくる。黒岡マサヒロのパフォーマンスは談志が言う所のイリュージョンみたいだったな。理解が追いつく前に、どんどんイメージが飛んでくるような。扉をどんどん開けられていくような感覚。不条理なこの世界に不条理でもって対抗して、扉を開けてまた別の不条理な世界に辿り着く、というとにかく不条理な、ドンキホーテ的なものを彼に感じました。でも、不条理ながらその扉を開ける瞬間だけは、本当に鮮明で眩しいのだ。MCも秀逸。この日の「期待」の演奏はMAHOΩの女性陣6人を従えてのパフォーマンス(ハンバーグを食べMAHOΩだ!)でして、黒岡さんがメンバー1人ずつに英語でニックネームをつけていったんですが、赤いベレー帽をかぶった方(ナナエさん)を「レッドホットチリペッパーズ」と命名したんですね。これにはやられた。あー文章で伝わるのでしょうか!この言葉をはじきだすまでのスピードと強さが。ちなみにじゅんじゅんのニックネームは「ディクショナリー(辞書)」でした。最高。