MAHOΩ LIVE in シブカル祭
「カルチャーとカルチャーの出会い」をテーマに渋谷PARCOで開催されているシブカル祭を堪能してきた。PARCO周辺が「かわいい」にジャックされています。3階の常設展示場では瀬田なつき×二階堂ふみの短編が上映。女子高生がジャージを履くカットを足元から捉える所から始まり、逆上がりの放射線上の運動。まさに瀬田印。とは言え、必見!というほどではない。『タモリ倶楽部』っぽかったり、あざとい自然光の挿入だったろ、ちょっとらしくないと言うか、あれは本当に瀬田なつきの作なのだろうか。二階堂ふみが出演してなかった。女子校生が履くジャージに「二階堂」って書いてあったけども、あれはどういう事なんだろう。もしかして監督が二階堂ふみなのだろうか。
公園通り前のステージではライブも行われている。この日はバニラビーンズやライムベリーなどが出演。そんな中、音楽前夜社よりMAHOΩも参戦していた。人ごみ行き交う中の不思議なシチュエーションでのライブは、佇まいの異質さも相まって、実にハマっていた。鍵盤3台もいるのかしら、という疑問があったのですが2台に減っていた。あとドラムにミニースターダスト(fromファンタスタス)が加入して、各段に演奏が良くなった気がする。ミニーさんのタイトなビートとフォルムは最高。歌をしっかり聞いて顔で叩く感じも好きです。
MAHOΩはとにかくかわいいわけですが、それに拍車をかけているのがあのダンスだろう。なんでもロロ作品でお馴染の島田桃子が振付を行っているらしいのだけど、ちょっと天才的だ。所謂ダンサーではなく運動能力が高いわけではないフロントマン2人の身体を使って最大限に女の子のかわいさとファニーさを引き出している。しかも、それをしたたかに武器(=魔法でもいいのだけど)にしてこの世の中に対抗してやるのだ、という野心が見え隠れしているのもいい。振り付けからあらゆるカルチャーの知識の蓄積が匂うのも面白いです。そして、やはり楽曲が素晴らしい。去年出た1stdemo音源『摩・歌・不・思・戯ep』(現在は入手困難のもよう)収録の4曲全て名曲の素晴らしいEPだったわけですが、新曲がまた格別にいい。これは来る流通音源が楽しみでありますよ。おそらくこぞって「ポスト相対性理論」と書かれると思うのだけど、個人的には、伊藤アキラ、森雪之丞、阿木燿子、松本隆らがかつて描いてきたポップソングの感触を蘇らせようとするハイブリットな試みがMAHOΩなのでのはないかと思っております。