J・J・エイブラムス『SUPER 8』
登場人物はデブ、チビ、ノッポ、そして彼らとつるむ母親を失った主人公(超かわいい)。いわゆる青春ヒエラルキーの落ちこぼれ、青春ゾンビ予備群だ。そんな彼らはひたすら「撮ること」と「見ること」で、喪失感を埋める。母親の生前の記録フィルムを眺めたり、大好きな女の子を女優として起用して撮影してみたり。青山真治『東京公園』との共時性を感じる。更にジョージ・A・ロメロのゾンビというシンクロまで起きているではないか。青山真治は作中で榮倉奈々に名作DVDをぶちまけさせるし、『SUPER 8』では米軍やらエイリアンに襲われてしまう。しかし、それでもやはり”撮る”のだ。両作ともに映画への絶望と希望が刻まれた良作と言える。