青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2017/02/17~)

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森下くるみさんは知り合いですか?

携帯のアプリが尋ねてくる。いいえ、違います。まったく。森下くるみと知り合いの私というのは、どれほどのゾーンをまたいだ先の平行世界にいるのだろう。いいなぁ、森下くるみ豆乳鍋とかつつきたいな。そして「キング・クリムゾンはいいよね、王様だもんね」なんてインテリジェンスに富んだ会話をするのだ。しかし、なんでそんな通知が来たのか、と調べてみたら、中学1年生の時に後ろの席だった友人がどういう経緯か知らないが、森下くるみと友達になったからのようでした。むかつく。どっちかと言えば『うぶ』(1998年のデビュー作)だったのはあいつよりも私のほうではないか!



金曜日。特に予定もないのだけど、有給休暇消化で休日。ダラダラと二度寝、三度寝を楽しむ。「サンドネ?メキシコの地名か何かかと思いましたね」という『最高の離婚』の台詞は今思い出しても素晴らしい。瑛太坂元裕二の才能をどこまでも引き出す役者だ。脚本家に台詞を書かせるのは役者だな、と思ってしまう。天気がいいので洗濯をする。風がとてつもなく強くて、シャツ達が旅立っていかないか心配だ。しかし、ここは心を鬼にして、戦場に送り出した。かわいい子には旅させよ、だ。本日の最高気温は19℃、この日の強風は春一番だったようだ。春一番って聞くと、「そうなのか、元気ですか」と当たり前のように思ってしまうけど、どういう意味で、どういう定義で使われている言葉なのかをきちんと把握していないな。いつだかに買ってずっと残っていた「サッポロ一番」のカレーラーメンを作って食べて、昼過ぎに新橋駅へ。新橋、まったく土地勘のない場所。東京育ちだけども、人生で5回も来てない気がする。所在ないので、そそくさと「オアシスサウナ アスティル」へ。都内指折りのサウナ施設と名高いアスティルに、平日休みを利用して初入館というわけです。しかし、驚いた。サラリーマンのオアシスとは聞いていたが、平日の昼過ぎでもこんなにもサラリーマン風のお客で溢れているとは。机にかじりつきの職種の身としては外回りの人はこんな息抜きをこっそりと行っているのか、と少し恨めしく思った。さて、アスティルなのですが、サウナ、水風呂ともにコンディションばっちりで、大変気持ちいい。サウナの自動ロウリュウも楽しい。しかし、いくらなんでも混みすぎで、サウナ室が常にパンパン。おじさん同士が裸でジッと身を寄せ合うのはブルースが過ぎる。従業員がコマ目に清掃しているが、それもで汗は回収しきれていなくて、サウナ内は全体的にすえた匂いが充満していた。これは嫌ですねー。名物というポカポカなテルマベットは最高。雲の上で寝ているよう。しかし、こちらも2台しかないため、人気過ぎてほとんど空いてない。レストランも仮眠室も、何とも言えぬ退廃の空気がすごくて、気持ちが下がってしまった。よほどのことがないと再訪はなさそうだ。帰りしな「ポケモンGO」についに新しいポケモンが実装されたというので、ひさしぶりに少しやってみる。見たことないポケモンが画面に現れるとやはりアドレナリンが出てしまう。あぁ、2016年の夏は本当に楽しかったな。金・銀ポケモンはかわいいけのだけども、初代に比べるとどこかフックに欠けるデザインだなーと思ってしまうのは、単に思い入れの差でしょうか。スーパーでキムチとインゲン豆とモナ王(コーヒーアイスのやつが美味い)を買って帰り、袋入りの冷麺に載せて食べた。2月なのに冷麺とモナ王、そういう気候だった。



土曜日。家でのんびり過ごした。ここぞとばかりに『ゲーム・オブ・スローンズ』を観漁る。いやー本当に面白すぎるぜ!!これを映画ではなくドラマで制作してくれたのには感謝しかない。シオンが往年のルーク・スカイウォーカーにそっくりな気がする。
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いかにもダークサイトに堕ちそうなやつだ。ブランは欅坂46守屋茜さんに似ている。断然、ロブと童貞ジョン・スノウ派なのですけど、1番好きなのはやはりインプです。『ゲーム・オブ・スローンズ』のためだけにHuluに入会したって損はないだろう。Huluは『NOGIBINGO』『KEYABINGO』『有吉の壁』『内村てらす』あたりも観られるしね。NetflixとHuluのどちらか一択ならば、今のところはNetflixに軍配が上がりますが、『3年B組金八先生』あたりのコンテンツがHuluに配信されてくれれば、寝返ります。でもそこにはジャニーズ事務所という壁があるのだよな。これを機に、視聴機会がかなり限られている山田太一倉本聰向田邦子の作品とかをネットに開放してくれれば、これからの脚本家とかがとてつもなく花開いていくのでは。急に思い立ってNetflixフィンチャーの『ソーシャル・ネットワーク

を観直して、震えた。完璧な神話映画だ。自転車に乗って、古着屋さんを少し巡る。スーツ用に春めいたベージュかブラウンのコートが欲しかったのだけども、なかなかちょうどいいものは見つからないものです。帰宅すると、アメリカからフランク・オーシャン『Blond』のLPとCDが届いていた。
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完全に忘れていたので、どこか送り物のような感触で大変うれしいものでした。物として超絶かっこいいので色んな角度から眺めた。夜は出前のお寿司を食べながら、『水曜どうでしょう』のヨーロッパ横断を観た。ミスターが眠っている隙に、古城街道に進路変更しちゃうところ好きだな。『ゴッドタン』に出ていたノリが悪いアイドル本郷杏奈さんがまんまとかわいい。売れそうである。



日曜日。実家に赴き、部屋の荷物の整理をした。棚の奥に封じ込められていた思い出の残骸が続々と姿を現す。レゴブロック、『ドラゴンボール』のカードダス、ガンプラミニ四駆、ビーダマン、モーニング娘。グッズ、GUNS N' ROSESのライブビデオ、長瀬愛ファン感謝祭、ボロボロのフレッドペリーのジャージetc・・・名残惜しいがええい全部捨ててしまおう。くるりだの中村一義だのNUMBER GIRLだのBUMP OF CHICKENだのと汚い字でラベリングされたビデオ達は、スペシャやMTVを録画したものだろうか。み、観たい。音楽や映画の雑誌も大量だ。うう、何冊かの『クイックジャパン』『SNOOZER』『JAPAN』などは思い入れが強すぎて、捨てがたいものだ。中高時代、『レコードコレクターズ』『ミュージックマガジン』『BUZZ』『CUT』『H』『SIGHT』『クロスビート』『BURRN!』などとにかく片っ端から雑誌を古本で買い漁っていたようで、たぶん自分の文法の基盤はやっぱり音楽雑誌なのだろう。そして、一人暮らしを始める時に、選抜総選挙でふるいをかけた漫画たち。全部引き取りたかったのだけども、スペースが足りないので、選抜落ちした面々を再度復活選挙。吉田秋人『BANANA FISH』、大友克洋AKIRA』、岩明均寄生獣』、あだち充『H2』、ハロルド作石BECK』などが繰り上げ当選しました。浦沢直樹井上雄彦は泣く泣く全落ち。持ってきても多分読まないしなぁ。あと岡崎京子のたいしたことない作品とかどうしようか超悩む。



月曜日。大雨に降られる。月曜日はなぜか決まって豚バラ肉と白菜ともやしの鍋を食べている。鍋をつつきながら、小沢健二と大山ナタリーさんの公開チャットみたいのを眺めた。いきなりシングル発売と朝日新聞広告と『ミュージックステーション』出演、そして岡崎京子という言霊に、ぶち上がってしまった。小沢健二と芸能界のコネクションはなぜに健在なのか。その後の公開チャットはあまりにグルーヴしない対話にダレてしまい(小沢健二が自由すぎる)、途中で離脱。あとでログをザッと眺めた。お風呂で池辺葵『雑草たちよ大志を抱け』を読み、涙する。
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これは素晴らしいぞ。1冊で完結してしまうのが惜しいほどに魅力的なキャラクターばかりだった。長嶋有の『パラレル』

パラレル (文春文庫)

パラレル (文春文庫)

を読み終える。いいシーンもたくさんあるのだけども、これはあまり好きではなかった。なんでこんなに村上春樹オマージュな感じなんだ。勝田文『マリーマリーマリー』4巻読む。どこまでもかわいい絵と話だ。『万年B組ヒムケン先生』おもしろいなー。ナレーション台本とかも全部凝っている。風が強くてなかなか寝付けなかった。もしくはオザケン祭りに興奮していたのか。寝付けないので、ニール・ヤング『Zuma』
ZUMA

ZUMA

を聞いて「ギターの音色泣けるなー」とかブツブツ言っていた。



火曜日。1日中ソワソワしていた。だって小沢健二の19年ぶりのニューシングルと『カルテット』の放送日なんですもの。「ある光」や「春にして君を想う」などを聞きながら通勤して、コンビニで朝日新聞を買って、始業前のオフィスで珈琲を飲みながら読んだ。まさかこんな環境で小沢健二の新しい表現に触れる時が来るとは。しかし、小沢健二の文章は素晴らしいな。たまに食べログとか読んでいても、オザケン憧れ文体な人いて、「僕が思うのは、○○は××ということだ」とかいってカレーやらラーメンについて語ってて、笑っちゃうんだけども、憧れられるのは素敵なことである。つーか、すごいですね、朝日のあれは。何気ないエッセイが積み重なっていくことで、徐々に魔術的に世界の”ありかた”みたいなものが浮かび上がってくる構造。仕事を終えて、タワレコでシングルもゲット。池袋店は案の定、あまり盛り上がっていなかったので、どうせならHMVで買えばよかった(レシートに「LIFE IS COMIN’BACK! この時を待ってました!」と打たれていたらしい)。帰宅して、ご飯食べて、お風呂入って、『カルテット』6話に備える。松たか子宮藤官九郎、素晴らしい。クドカンは夫やらせたら天下一品。マイベスト夫は鈴木卓爾ゲゲゲの女房

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の水木さん役です。ときにクドカンファンの子猫ちゃんたちは、いまだに彼を”くんく”と呼んでいるのだろうか。ところで、あんなにDVDたくさん持っているのに、人生のベスト1はレンタルなの不思議ですよね。まぁ『牯嶺街少年殺人事件』みたいな映画がベスト1だったら、確かに借りてこざるえないわけですけども。いやはや、6話のラストの展開!思わず「えーーーーー」と声に出してしまいましたよね。有朱ちゃんの飛んでいき方にちょっと笑ってしまったな。別府くんが超好きで、停電に対して「おぉっ」ってリアクションする所などには思わず萌えてしまった。最近「ですよねー」って言ってくれないので寂しい。あと、猿は軽井沢にむちゃくちゃいます。人間の食べ物の味を覚えた猿は山を下りて漁りに来るらしいです。私は昔、家の窓を開けて侵入する猿を軽井沢で観ました。こえー。



水曜日。『カルテット』6話の感想が書ける気がしなくて、ずっとモヤモヤしていた。仕事後に、頭をサッパリさせようと、行きつけのサウナへ。ヤクザ御用達のこの銭湯は、行けば必ず2~3人は刺青の男がいる。坊主頭に背中一面に派手な暖色の刺青というゴリゴリなおやっさんと湯船に浸かっていると、小さい男の子とその父親がやってきた。

こども「ねーなんで絵描いてあるの?」
父親「えっ・・・」

なんたるキラーパス。マンガだ。いや、初期の『クレヨンしんちゃん』にこんなシーンあったはずだ。私は隣で「マジかっ」と慌てていたのですが、おやっさんは「そうだよな、不思議だよな」と高らかに笑っていた。大人な対応だ。

こども「ねーなんで?」
父親「うーん、おじさんに聞いてごらん」

おやっさんの大人な対応に気を良くしたのか、どうかしているお父さんのふり。しかし、おやっさんは大人だ。

こども「なんで絵が描いてあるんですか?」
おやっさん「俺はね、絵の先生なんだ」

い、イカすぜ(意味わかんないけど)。湯船から出る際、父親は「すいませんでした」と平謝りだったのけど、おやっさんは「いや、ぜんぜん」とこれまたクールに返していた。前半マンガで、後半浄瑠璃やん、と思った。さらば青春の光、早く売れてくれ。サウナ4セットですっかりととのったところで、帰宅。『カルテット』の録画を観ながら、何となく感じていたものを言語化していく作業に勤しむ。書けるだろうか、というプレッシャーでお腹が痛くなってしまった。



木曜日。仕事終わりにポレポレ東中野で小森はるか『息の跡』を観る。
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素晴らしかった!何を観ているのかわからなくなるのだけども、とにかく素晴らしい声と音の詰まったドキュメンタリーだ。”佐藤さん”というあまりにも魅力的な人間の虜になってしまったな。なんて哀しくて楽しい人なんだろう。しかし、今年はスクリーンで観る映画全てが傑作なのだけども、大豊作の年なのでは。何でも観る、という気概がなくなって厳選して観ているからなだけかもしれないけども。駅前にいたケバブ屋さんで「おつまみケバブ」を買って帰り、録画してあった『水曜日のダウンタウン』『いろはに千鳥』『有田ジェネレーション』を観て食べました。お風呂で長嶋有エロマンガ島の三人』を読む。そして、江本祐介「ライトブルー」MVのメイキング動画が公開された!!
youtu.be
来月の多摩パルテノンでのライブ楽しみだな。ジブリ米林宏昌と西村義明が新たに設立したスタジオポノックの『メアリと魔女の花』の制作発表記者会見の全文読んで思わず泣く。
lineblog.me
宮崎駿の「嬉しい」ってところでもう涙腺崩壊ですね。

躍動する流動体 数学的 美的に炸裂する蜃気楼
彗星のように昇り 起きている君の部屋までも届く

という心持ち。しかし、凄まじいオマージュの嵐。
youtu.be

坂元裕二『カルテット』6話

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カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美(尾野真千子)の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉(風間俊介)の回想など、この手法は坂元裕二作品においてたまに顔を出す大技である。物語の進行を停滞させてまで語らねばならない過去というのは確かにあるのだ。


おそらくデレク・シアンフランスブルーバレンタイン』(2010)を意識したと思われる、壊れてしまった夫婦の時間のプレイバック。小さな声で喋る者同士が、その聞き取れなさ故に互いの距離を詰めていく、という実に瑞々しい恋の始まりが記録されている。真紀(松たか子)の好きなピエトロ・マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』が流れ、幹生(宮藤官九郎)のお薦めの詩集に零れた珈琲が染みている。それを拭き取るための布巾を取りに台所に立った2人がキスをする。まさに起こるべくして起こった”キス”というのを見事にワンカットに収める手腕に震える。1話における唐揚げにレモン、平熱の高い人、「愛してるけど好きじゃない」といった挿話がリフレインしてくることで観る者の感情をより刺激することだろう(1話で真紀が涙を流しながら別荘で弾いていた「アヴェ・マリア」は『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲であるらしい)。とりわけ、1話においてマンションに戻る真紀がスーツケースを押しながら食べ歩いていたコロッケが、夫婦の幸せな時間の記憶の象徴であったことには、胸を突かれた。

幹生:あ・・・あのう これ
詩集的なアレなんですけど
真紀:え、巻さんが書いたんですか?
<中略>
幹生:まぁたいしたアレじゃないんだけど

と、代名詞と歯切れ悪さを駆使した坂元裕二お得意の話法が久しぶりに登場したのにも思わず涙腺が緩む(私はこれを勝手に”瑛太話法”と呼んでいる)。

真紀:この人 悪い人?
幹生:あぁ やっ・・・まぁ悪い人とか
   そういう感じじゃないんだけど

という幹生の人生のベストワン映画に巡る会話はまさにこのドラマの本質を象徴していると言えよう。「真紀は夫を殺したのではないか?」というこれまで視聴者の関心をリードしてきた疑惑が解決したのであるから、「真紀は善で、逃げ出した幹生が甲斐性なしの悪」という白黒はっきりした対立構図が最も観やすい形である。しかし、そうはならない。あくまでグレー。妻から逃げ出したばかりか、コンビニ強盗まで起こした幹生という男でさえも、”悪い人”と断定させてはくれない多面性がある。回想の中において、それぞれの”正しさ”と“過ち”が公平に語られていく。唐揚げにレモン問題にしても、幹生が一言指摘すれば済んだ話だ、という意見もあるだろう。しかし、忘れないで欲しいのは、彼らは声の小さな人達なのだ。その声の発されなさが故に、2人はどこまでもすれ違っていく。夫はいつまでも恋人のような関係を望み、妻は家族のような関係を望む。幹生の言葉を借りるのであれば、“欲しかったものがお互い逆さになって”いく。「人生を一緒に歩もう」と誓いあったはずが、気づけば別の道を進み出していた。それはまるで1つの家で2人別々に暮らしているようである。その確かな”分断”が、リビングとキッチンの照明の色合い、もしくは寝室の照明のON/OFFで語れていく演出は映像表現として出色の出来であろう。


であるが、1つの家で別々に暮らす、というのは果たしてそんなにも絶望的なことなのだろうか。前クールの『逃げるは恥だが役に立つ』において、平匡とみくりがとった決断は、まさに”それ”ではなかったか。

生きて行くのは面倒くさいもんなんだと思います
それは1人でも2人でも
どっちにしても面倒くさいなら、2人で一緒に過ごすのもいいんじゃないでしょうか

そして、個人的に坂元裕二の表現の”核”と捉えている『最高の離婚』最終話におけるこの構図。
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絶望的なまでに平行線上にすれ違っていく夫婦が、同じ乗り物で進むということ。「俺、レモン嫌いなんだよね」が発覚したあの飲み会の後、幹生と真紀は、植込みを挟み平行線上に別の道を歩いているようでいて、広い視野で見れば、あれはやはり同じ道のはず。ビールのつまみに柿の種を食べる2人にしても、幹夫が煎餅、真紀がピーナッツ、とどこまでもすれ違いながらも、その2人をしてやっと1つの”柿ピー”なのである(もちろん、割合の少ないピーナッツを遠慮なく食べ続ける真紀の無神経さ、と捉えらることもできるシーンなのだけど)。いや、まず2人の出会いを思い出したい。それは終電後のタクシーの乗り合いであった。職場の同僚を挟んで座る幹生と真紀。空間を分断されながらも、1つの箱に乗り合わせ同じ方向に進む。この構図こそが幹生と真紀という夫婦なのだ。もっと言ってしまえば、この構図を作る為に、同僚は大柄でなくてはならなかったし、さらに普通に撮るのであれば、同僚は助手席に座らせるはず。深読みなどでも何でもなく、意図的に撮られた構図なのだ、ということを声を大にして主張しておきたい。そして、とりわけ感動的であるのは、これらの回想が、夫婦である異なる人間が、異なる場所で、異なる相手に語りながらも、それが当然のことであるかのように、2人の知りえぬ場所で共鳴し、1つの物語として形をなしている点だろう。これこそ幹生と真紀という夫婦の在り方ではないか。



ここからはちょっと疑問というか苦言になるので、読みたくない方は飛ばしてください。6話の演出は坪井敏雄。上に述べてきたように、いくつかの素晴らしいひらめきをもった演出も見られるが、全体的にはこれまで土井裕泰金子文紀が作り上げてきた『カルテット』というドラマの文法をいささか台無しにするようなきらいがある。端的に言って、わかりやすく撮り過ぎであり、”あいまいなもの“を浮かびあがらせんとしてる『カルテット』という作品との相性はいまいちだ。たとえば、幹生の靴についたカラーボールの跡にしても、「そういうの流行ってるんですか?」とすずめ(満島ひかり)が疑問を持つだけで充分であるのに、マンガ喫茶にてカラーボールの実物をクローズアップ、あげくに宅配業者(トミドコロ)に1から10まで説明させてしまう。視線で悟るドラマであった『カルテット』にしてはどう考えてもくどい。寝室に飾られる花を強調してカメラに収め、その花言葉で夫婦の状況を語るなんていう演出はあまりにチープではないだろうか。と言うよりも、画面に映される花を見てすぐさま品種と花言葉が浮かぶ人間などほんの一握りであり、大半の人間はあとになってその意味を知るわけだから、ほとんど意味のない演出だ。宮藤官九郎が脚本を手掛けた『あまちゃん』のロケ地、松たか子がヒロインを務めた『HERO』のロケ地などを使用するという遊びも、首をひねらざるえない。物語に効果をもたらさない、ドラマの外側への寄りかかりは好ましくない。空に上がる凧の高度で幹生の恋心を表現するというのも、あまりに直喩が過ぎる上に、3回も撮るのはやりすぎ(これは脚本なのかもしれませんが)。幹生が惹かれた真紀のミステリアスさを象徴するバイオリンの音色が、

君の選んだ人生(ミチ)は僕(ココ)で良かったのか?なんて分からないけど、、、

と歌われるような安っぽいヒットソングに切り替わっているというのも、バイオリンを奏でるはずの指がハンバーグをこね回している、というのも、決して悪くはないがいささかやりすぎなような気がしてヒヤヒヤしてしまった。土井裕泰金子文紀があまりに充実したショットで語っていたのとは対照的に、カットを割り過ぎるわりに繋ぎが甘く、ビールのグラスを置くコースターの位置がぐちゃぐちゃだったり、キッチンでフライパン殴打のあとの幹生がいきなりベランダにいたり*1、目を凝らせば凝らすほどに混乱を極めた。会社を辞めたはずの幹生の携帯に打ち合わせ予定など仕事関係のLINEがたくさん来ているのもよくわからなかったし、鏡子(もたいまさこ)の見せ場である真紀へのビンタにしても、4話での茶馬子→半田→家森というあの素晴らしいビンタの連鎖のショットの後では、あまりに鈍い。丸々回想という異色回であることを考慮すれば、まぁ悪くはないのかもしれないけども。



さて、6話ラストの怒涛の急展開。これにはもう思わず満島ひかりの『ミュージックポートレイト』での言葉を思わずにはいられない。
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だいたい7話くらいで坂元さんは・・・ちょっとねぇ
7話くらいでちょっと展開させすぎちゃう
(こんな事言ったら)怒られるけど(笑)

夫さん登場でミステリーパート終了と思いきや、ギアを更に上げて、プロデューサーの予告通りコーエン兄弟『ファーゴ』(1996)的展開に進むのか。有朱(吉岡里帆)の真紀のバイオリン強奪は謎であるし、愛おしそうに頬を寄せていたのも謎。青い金玉の猿(賞金10万円)を家森と一緒になって探していたらしいことから、やはり金銭目的で高額であるバイオリンを売り払うつもりなのか。そうなってくると、同じく愛おしそうにバイオリンを見つめていた幹生も怪しい。はたまた真紀に特別な感情があるのか。幹生と有朱は何やら言い争いをしていたような撮り方もされていて(2人は知り合いなのか、そう言われれば大森靖子が演じた”水嶋玲音”というのはどこまでも地下アイドルっぽい)、謎は深まるばかりだ。この物語がどこに連れていってくれるのかさっぱりわかりませんが、私は坂元裕二についていくぞ!

*1:ご指摘頂いたのですが、あの別荘の間取り上可能なようです

池辺葵『雑草たちよ大志を抱け』

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繕い裁つ人』『プリンセスメゾン』の池辺葵が手掛ける最新作は青春群像劇である。主人公に選ばれているのは、クラス(=世界)の中心となってキラめくタイプではない。『雑草たちよ大志を抱け』というタイトルが示すように、誰にも気づかれることなく、無邪気に踏みにじられてしまうようなか弱き存在。あまり好きな言葉ではないが、”スクールカースト”というやつの下の方にいるであろう女学生たちである。地味な彼女たちの最大の楽しみは、昼休みに食堂で食べる味付けの濃い親子丼、夕方の『必殺仕事人』の再放送、心酔するアーティストの表現に触れること。そして、身長、体重、太い眉、運動音痴、音痴、体毛etc・・・それぞれが他愛のない、だが切実なコンプレックスに悩み、どこか縮こまって暮らしている。

素直になったら恥かくだけや
私は
鋼鉄のバリアで
自分の心を守るんや

思春期時代の自分をそこに見つけ、思わず抱きしめたくなってしまう人も少なくないのでは。


スクールカーストの下の方(=雑草)という感覚は通学電車において、モブキャラクターがこぞって立っている中、椅子にチョコンと座る面々に重ねられる。また、”見下ろされる”という構図がそのフィーリングを高める。寝坊癖があり母親に寝顔を覗かれているがんちゃん、毎朝がんちゃんを迎えに家の下までやって来るひーちゃん、とびきり背の低いピコ、背中を丸めて歩くたえ子、などなど。そして、マラソンで転倒するピコ、膝を抱えて腕毛を剃る久子さん、地面にひっくり返るセミ、といったイメージも雑草性を高めていると言える。しかし、これはもう池辺葵という作家の色と言っていいと思うのだけども、下の方でくすぶり、本流から外れてしまったような者達を描きながらも、彼や彼女たちはそんな悲劇性に飲み込まれることなく、常に心躍るような(ピコとがんちゃんのスマートフォン越しのダンス!!)前向きさを纏っている。

背すじのばして胸はれ

ちょっとでもましに見えたいなーって
くさったりしないで
かわいく見えるように
せいいっぱい努力してみようって
思ったんだー

人の目を気にせず
一心不乱になれるんは
どうしようもなく
かっこいいっていうんや

まったくをもって素晴らしい。この池辺葵の筆致はもはや木皿泉のそれである。終盤における、合唱コンクールでもって、雑草である彼女たちのか細い”ヴォイス”が連帯し強く結ばれていく。下を向くような冴えない日々が続くかもしれない、でも愛されることだけは決して諦めてくれるなよ、という池辺葵のメッセージが、多くのボーイズ&ガールズに届けばいいと願う。やっと手に入れた愛は、もしかしたら儚い泡のようなものであるかもしれない、しかし、その一瞬のキラメキは永遠のように、貴方を生かし続ける、と語りかけるエピローグは、思わず小沢健二*1の往年のナンバー達を重ねてみたくなる。コマ割りのリリシズム、セリフ廻しの妙、キャラクターの愛らしさ、どれをとっても完全無欠な領域に突入している池辺葵、今後も名作量産に期待であります。



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*1:祝・完全復活!

レイモンド・ブリッグズ『さむがりのサンタ』

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寒い日があまりにも続くようならば、「クソっ!さむい さむい」てな具合に悪態をついてみるのもいい。そうでもしないと暖まらない、途方もない“寒さ”というのは確かに存在するのだから。イギリスの絵本作家/イラストレーターの巨匠レイモンド・ブリッグズの『さむがりのサンタ』という絵本がそれを教えてくれる。レイモンド・ブリッグズの揺るぎない代表作と言えばアニメーション作品も有名な『スノーマン』なのだけども、フェイバリットには断然『さむがりのサンタ』(と続編の『サンタのたのしいなつやすみ』)を挙げたい。私はこの作品がどうにかしてしまうほどに好きだ。

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

サンタのなつやすみ

サンタのなつやすみ



寒いのが苦手でいつでも夏の太陽ばかりを夢に見ているサンタクロース。丸っとしたフォルムに立派な白鬚はパブリックイメージどおりだが、このサンタはとにかく偏屈なのである。すべてのことに文句をつけている。

えんとつなんてなけりゃ
いいのに!

へんてこりんなところにすんどるよ
まったく!

なんだいなんだい
このだいどころは

かいだん かいだん
また
かいだん

サンタクロースとしての年に一度の大仕事(しかし24日以外にも世界中の子ども達からの手紙の整理やプレゼント手配など、年中忙しい様子だ)においても文句三昧。子ども達がサンタの労を労って用意してくれた飲み物に対しても

ふん なんだ
ジュースかい

と一蹴する有様である(お酒を用意してくれた子どもには「わかってるじゃないか」とご満悦だ)。しかし、この悪態のつきっぷりが彼をどこまでも魅力的なキャラクターたらしめている。それだけが彼の孤独を癒しているような想いがするからだろうか。サンタの家には犬と猫が1匹ずつ(そしてトナカイと鶏)のお一人様。しかし、天涯孤独のフィーリングのようなものは微塵も表出していない。彼は悪態をつきながらも、人生を謳歌している。世界中の子ども達にプレゼントを配り終え、残りのクリスマスを一人満喫するサンタの生活ぶりときたら!ブリッグズの幸福感溢れるウォーミーなタッチも相まって「幸せってこういうことか!!」と唸ることでありましょう。美味しい紅茶を沸かして体を温め、ラジオで音楽を聞きながら、七面鳥と甘いケーキを調理してオーブンへ。焼き上がるまでにお風呂に入り(入浴剤だって入れる)、ご機嫌に歌を歌いながら体を洗う。風呂上りには、気持ちのいいサッパリした靴下を履き、一杯のよく冷えたビールを楽しむ。そして、ワインとたくさんのご馳走。眠る前は牛乳を温めココアを作り、お菓子と一緒に読書を楽しむ。眠る前には犬と猫にもプレゼントを。ここには老人の孤独のようなものは一切ない。愚痴も悪態もつきたければ、つけばいい。それは人生をより良くしたいという祈りの反動だ。ついたらついただけ、人生を楽しもうではないか。
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ま、おまえさんも
たのしいクリスマスを
むかえるこったね

余談だが、作家である長嶋有のインタビューを読んでいたら、「暗記するほど読みました」と幼少時代からの愛読書に本作を挙げていて、飛び上がるほどうれしくなってしまった。私は母親の愛読書であったこの絵本を引き継ぎ、実家を出る際にも箱に詰め、今なお何度も繰り返し読み、胸を温めている。サンタクロースは寒がりかもしれないし、偏屈なおじいさんかもしれない、という世界の在り方を垣間見るのはとても重要なことだな、と思ったりもする。

最近のこと(2017/02/11~)

少し早起きして、近所のミスタードーナッツでモーニングを楽む。原田治への追悼、というわけでもないのだけど。ホットコーヒーとハニ―ディップとシナモンオールドファッション。シナモンのドーナッツが好きだ。子どもの頃、日曜出勤の父を家族で駅まで見送る途中にミスタードーナッツで朝食をとった。幸福な家族の風景。甘いものを食べる印象があまりない父がいつも決まって注文するドーナッツがシナモン(プレーンドーナッツにシナモンがまぶしてあるやつ)で、何だかすごく格好良く思えたのだった。父がスーツ姿で口についたシナモンの粉をナプキンで拭き取るところまで含めて格好よく見えた。甘すぎず、スパイシーな、憧れのシナモン。シナモンはその後は廃番と復活を繰り返し、今は店舗に見当たらない。たまに思い出したように既存のドーナッツにシナモンパウダーをまぶして新メニューとして出してくれる。高校時代は、シナモンクリスピーというドーナッツを決まって注文して、小説や日本史用語集を読み込んでいたものです。シナモンクリスピーが復活してくれたら泣いちゃうかもね。やっぱりあのプレーンドーナッツにシナモンをまぶしたやつが1番食べたいが、シナモンオールドファッションも悪くないと思った。コーヒーを何杯かおかわりして、長嶋有『ジャージの2人』を読み終えた。

ジャージの二人 (集英社文庫)

ジャージの二人 (集英社文庫)

あれ、この小説こんなに面白かったのか。軽井沢の別荘地(カルテット!)の電波の入りにくさを巡るエピソードの巧さ、震えた。「はいはい、ユルフワ系ね」などと適当に流し読んでいたに違いない学生時代の己に渇を入れてやりたい。世間の言う「感度の高い若い内にたくさんの作品に触れておくべき」なんてのは嘘っぱちだから、焦るなかれ。ゆっくりじっくり人生を楽しめばいいと思う。



土曜日。ミストから帰宅して、洗濯物干して、ヴァン・ダイク・パークスを聞いた。

Song Cycle

Song Cycle

そして、テレビの録画を消化。昨夜のMステは星野源の為のものだった。そういえば、年明けの『CDTV』で「恋」を疲労した時、さすがに「こんばんわー星野源でーす」ではなく「あけましておめでとうございまーす、星野源でーす」とくるだろうと思ったら、「こんばんわー星野源でーす」だったのでビビった。『山田孝之のカンヌ映画祭』は芦田愛菜がいるだけで最高さは確保されていて、実際おもしろい。我らがギヨーム・ブラック(『女っ気なし』『やさしい人』)が登場したのはブチ上がった。
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しかし、「そこはつっこまないのがこの作品のお約束なのだな」と思わせていた矛盾を突く河瀬直美でスリルを演出するのはズルくないだろうか。昨夜放送の『ドキュメント72時間』がまたしても別府温泉回が最高。男湯の様子もおもしろいのだが、妙に美人ばかりが登場するのがよかった。風呂上がりの彼女たちは化粧が落ちた状態なのだけども、暖簾をくぐる前より何故だか更に美しい。特にボディセラピストの人、よかったな。家にいるのにも退屈してきたので、自転車でブラブラする。小学校時代の友人が住んでいたあたりを通過するとどうでもいい記憶がどんどん蘇ってくる。どうしても『ファイナルファンタジーⅥ』でフィガロ城でどう進めればいいかわからないと嘆いていたら、「オレが教えてやるから、ソフト持って遊びに来な」と言ってくれたオクムラくん。彼はスイスイとゲームを進めてみせてくれたのだが、「じゃあセーブしといて」と言うと、「君が自分で進めたわけじゃないからそれはできない」と言って、データをセーブせずにスイッチを切った。なんて意地悪な奴なんだ、とプリプリしながら家に帰って教えてもらった通りにフィガロ城を攻略した。今、思えばオクムラ君なりの正義みたいなものがあそこにはあったのかもしれない。という話を、自転車で辿り着いた先の荻窪、で友達と飯を食いながら話していたら「ねぇだろ」と返された。ヴァーチャル空間の検索に長けた友人にフェイスブックでオクムラ君を探してもらったところ、関西のほうでファミレスの店長をしているらしい。この日、適当に入った台湾料理屋で食い散らかしたら、凄い金額を請求される。ボッタクリじゃねぇか、と帰り道に悪態をつきました。



日曜日。花粉が飛んでいて調子が悪い。新宿に出掛けてタイ料理を食べて、バルト9でロバート・ゼメキスの新作『マリアンヌ』を観た。
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す、素晴らしい。2017年は大豊作の予感。バートンの『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は”見ること”の映画であったが、『マリアンヌ』は”見ること”の困難さの果てに、音の映画となる。音響、素晴らしかった。主演の2人も抜群に美しい。タワレコと本屋を覗いて、帰宅。近所のサウナで心身をととのえる。何かの誤作動で、10分間ほどテレビと照明が消える時間があり、精神が統一されてしまい、神さまはいると思った。しかし、清水富美加の件は驚いてしまったな。こんな事があって書くのも何なのだが、実は私は清水富美加がとても苦手だった。「こっち側のふりしているけど、こっち側じゃないぞ」という感じ、いや、自意識の強烈な捻じれが透けて見える演技が嫌だった。しかし、こんな結末が待ち受けているとは。もし、戻ってくることがあったら応援したいな、と思う。長嶋有『泣かない女はいない』 

を読み終える。同時収録の『センスなし』も抜群。聖飢魔Ⅱをこう使うか。長嶋有をもっと早く読んでいたら、小説家を目指していたかもしれないくらい、憧れてしまう。『A LIFE~愛しき人~』の最新話、おもしろかった。牛丼食べるキムタク、ありがたいなー。武田鉄矢が目を覚ましてくれてよかったです。出鱈目なドライブ感があるので、金八シリーズの福澤克雄が演出に入ったら、もっとハマった気がする。間もなくニューアルバムがリリースされるReal Estateの新曲が文句無しに最高で安心。ルックスも衣装も完璧超スキ。
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月曜日。新しい職場環境にもすっかり飽きてきた。人間の適応能力もたいしたものである。しかし、トイレがハイテクで焦ります。スーパーにビリヤニが売っていて、期待していなかったのだけどもむちゃ美味でした。
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なんでもホテルで修行したインド人の方が作っているらしい。ボリュームたっぷりで580円とリーズナブルなのもいいです。見かけたら、また買いたい。ときに広瀬すずが”狙い撃ち”する風邪薬のCM好きだったのに、新しいのに変わってしまったな。広瀬すずは「多分人類至上はじめての~」とか言ってるソフトバンクのCMも好きだ。阿部寛が女達と円になって桃を称えるCMは好きだなんて思ったことなかったけども、梨に変わって以来、妙に恋しい。また観たいな。帰宅して、ご飯を食べながら『乃木坂工事中』と『欅って書けない?』を観る。それだけが月曜日の疲れを癒してくれるのです。『乃木坂工事中』はそろそろテコ入れが必要かもしれない、と思うほどにまったりマンネリ。『万年B組ヒムケン先生』の「バンドマンの巻」最新話むちゃくちゃおもしろかった。この番組、本当に凄いと思う。B組生徒だけのルール(法則)というのがあって、むちゃくちゃさがむちゃくちゃなまま肯定されてしまう。私はそういうのに滅法弱い。『万年B組ヒムケン先生』と『水曜日のダウンタウン』と『クイズ☆スター名鑑』が揃ってるTBS凄すぎる。しかし『クイズ☆スター名鑑』打ち切りの噂は本当なのだろうか。どうせ激戦区なら遊んで欲しいな。それに名古屋ウェルビ―のサウナのテレビでは激戦を勝ち抜き、チャンネルは『クイズ☆スター名鑑』に合わせられていた。裸のおじさん達の支持はあついぞ。ミツメの「霧の中」のMVが公開された。ミツメの中でも1番Real Estateっぽい曲で大好きなのだ。
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火曜日。仕事後にタワレコでどついたるねんのニューアルバム『COLOR LIFE』購入。

COLOR LIFE

COLOR LIFE

リリック冴えまくりで、むちゃくちゃおもしろくて、音もかっこいい。嵐のベスト盤みたいっしょ。こないだのどつ×ミツメのツーマン前に公開された「煙突」のモクモクRemixやっと観た。
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最高だ。ワトソンの顔ずっとおもしろい。先輩の「おいミツメ、ちゃんと飯食ってるか?」に痺れた。そして、本屋さんで石黒正数それでも町は廻っている』最終巻を購入。わーん、最後の最後まで素晴らしかった。現行で1番好きな漫画でした。すごくさびしくなるが、思い出が環となって温めてくれることでしょう。1巻から再読しょうっと。スーパーで食材を買い込み、クリーニング屋に出したワイシャツとマウンテンパーカーを引き取る。大荷物で腕が痺れる。『マツコの知らない世界』にチャンネルを合わせる。この番組は残り4分とかからまだまだ終わりませんよ、というような顔で雪合戦を始めたりするので、いつも時計を何度も確認してしまう。22時。『カルテット』である。おもしろかった。1章閉幕。好みで言えば、3話、2話と4話、1話と5話の順である。見事に山を描いている。本編の感想に織り込めなかったのだけど、ハイバイの平原テツさんの登場に胸躍った。実にハイバイらしい役柄なのもよかったな。5話のあの感じであれば、悪態をつく平原さんも観たかった。あれ、むちゃ怖いのだ。6話に大森靖子が出るらしいのでたまげている。夫さん、瑛太じゃなかったけども、クドカン。やられた。その手があったのか。『レコスケくん』の間違えた刷り込みで、バレンタインの日はフィル・スペクタ―サウンド聞きたくなる。



水曜日。昨夜『カルテット』観たり、『それ町』読んだり、どつ聞いたりで、すっかり夜更かしになってしまい、寝不足。シンプルな理由でうたた寝した。クドカン登板を言い当てた、と話第になっていた『エキレビ!』というサイトの『カルテット』レビューを読んだら、吉備団子とか関サバのくだりも書かれていて、正直やってんなーと思ってしまった。他はまだしもそこは誰も書かない、という確信めいたものがある。というかほとんどあらゆるところからの引用で成り立っているレビューなのだろうな、というのが書く側からするとわかる。一貫したエモーションみたいなものがないから(書いている人は凄く博識だな、とは思う)。でも、これでやってなかったら、無茶苦茶失礼だよな、とオドオドする(ふり)。エビ中メンバーのりななんに向けたブログを読んで涙。いつの間にみんなあんな立派な文章を書くようになったのだ。特に安本さんのがよかった。エビ中のカップリングやユニット盤曲をまとめたプレイリストで作って聞いている。ちなみに私の好きな私立恵比寿中学の楽曲トップ5(シングルは除く)。

①「ほぼブラジル」
②「ガリ勉中学生」
③「神さまの言うとおり
④「たそがれシアター」
⑤「売れたいエモーション!」

以上です。あぁ、全部ウットリするほどの名曲。でも、今は聞いてると涙ばっか出てくるなー。堅気じゃない人御用達のサウナに久しぶりに。90℃くらいなんだけども、ナイスな湿度が保たれていて、すごく汗をかく。近所ではやっぱりここがベストかもしれない。椅子に座っているヤクザの人の前を通ると、伸ばした足をスッと引っこめてくれたて、キュンとした。これがギャップ萌えか。サウナの中のテレビではローラが生き様を語り尽くしていた。ローラって努力の天才なんだな、と素直に思いました。頭が冴えたので、帰宅して『カルテット』流しながら、感想を書いた。ドーピングのようなものである。この日放送の『いろはに千鳥』が信じられない面白さだった。頭から終わりまでずっとおもしろい。ノブのお漏らしもさることながら、ハロー玉を完全に使いこなす大悟に腹筋壊れた。DVDになるまで保存版だ。単純なので、この日の夢に大悟が出てきた。



木曜日。たまごサンドとホットコーヒーのカルマから抜け出せなくて困っています。この組み合わせはもはや麻薬。ヤクルトがさっそく怪我人続出でウンザリしている。まじで頼むよ、川端さん。廣岡のサード転向で開幕あるな。明日、意味もなく思いつきで有給休暇をとったので、実質金曜日のような気持ちで過ごせた。本屋に寄って買いそびれていた『売野機子のハート・ビート』と『ゴールデン・ゴールド』と『ハイスコアガール』の新刊を購入。

間もなく乃木坂46を卒業される橋本奈々未さんのソロ曲「ないものねだり」のMVが公開された。
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去年の乃木坂でダントツ1番良い曲。美しいな。ショートカットのななみんを見るだけで涙が出てきてしまう。今まで本当にありがとうございました。