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私立恵比寿中学『エビ中の絶盤ベスト 〜おわらない青春〜』

1ヶ月ほど前の話になりますが、私立恵比寿中学のインディーズ時代の楽曲をまとめたベストアルバム『エビ中の絶盤ベスト 〜おわらない青春〜』が発売されました。

エビ中の絶盤ベスト~おわらない青春~

エビ中の絶盤ベスト~おわらない青春~

いやーこのアルバム何故か発売されてから数日、どこもかしも売り切れで、手に入れるのに6店舗くらい回りましたよぉ。売れてますね!とは言え、自分がこのアルバムについて何か特別な事を書ける気がしないなー、と思っていて書き忘れていましたが、素晴らしい楽曲が詰まっているので、オススメですよ!という事でサッと書き記しておきます。まずジャケットがいいですよね〜。


もしかたらこれよりいいアルバムを今後エビ中は出せないのじゃないか、という懸念すら抱いております。なんせこのアルバムには2010年から2012年にかけての2年間という時の流れがギューっと濃縮されているのですから。「なんだたった2年間か」とお思いになるかもしれませんが、中学時代における2年間というのがどんな濃く特別な時間(いい意味でも悪い意味でも)か、というのはきっとご自身の経験を振り返えってもおわかりになるはず。ましてや、美少女中学生達の2年間!その成長の記録!まさに「アルバム」という名称がピッタリの音源なのですね。


ライブのオープニングでお馴染みの「ebiture」に続く「なにがなんでも (エビ中Ver.)」(桜っ子クラブさくら組のカバー)「大爆発NO. 1」(ZONEのカバー)のあまりにあどけなくつたない歌唱とチープなサウンドにもしかたらずっこけてしまうかもしれない。とは言えこのアマチュアリズムをパンクミュージックのように楽しんでみるのも1つの手でございます。そして、安心して頂きたい。このアルバムには「えびぞりダイアモンド!!」「ザ・ティッシュ 〜とまらない青春〜」「オーマイゴースト? 〜わたしが悪霊になっても〜」「ご存知! エビ中音頭」「もっと走れっ!!」「永遠に中学生」「エビ中出席番号の歌 その1」、と前山田健一というミュージシャンの才能の絶頂期が量産した最新型のジャパニーズポップミュージックが多数収録されているのだ。前述のエビ中のアマチュアリズムを愛でもって個性に育てあげ、楽曲のあらゆるフックに落とし込めている。素晴らしすぎる!凸凹の個性をそのまま均等に救い上げるマイクリレーも泣かせる。サウンドも高速パンクチューン「ザ・ティッシュ 〜とまらない青春〜」

ジャーマンテクノmeetシンフォニックメタルといった具合の「オーマイゴースト? 〜わたしが悪霊になっても〜」

と多彩で実に楽しいのだ。日本の四季を「春=花粉症」「夏=肝試し、盆踊り」「秋=運動会」と定石からややズラしたモチーフで描いた手腕も評価に値する所ではないでしょうか。季節を描くことで、「少女期」の有限性もそこはかとなく匂わせる。しかし、そんな刹那すら「永遠に中学生」という楽曲に閉じ込めてしまったのだ!ありがとう、ヒャダイン先生。あなたの功績は忘れません。


更に、このアルバムを何より感動的にしているのは新録の超名曲「イッショウトモダチ」「約束」「また明日」の存在だ。サブカル的なギミックを必要としない、真っ直ぐに届く美しきエモーションがこの3曲には確かに宿っている。それを成し得ているのは、冒頭の楽曲陣と聞き比べれば如実だが、確かなエビ中メンバーの表現力の上昇だ。3曲全てが「別れ」「友情」をモチーフにしていて、メンバーの脱退と加入、そしてファンの獲得と別離、様々な出会いと別れを繰り返し成長してきたアイドルの物語を見事に回収し、最初の金字塔を締め括くる。

いつかまたねって手を振って 別々の世界離れても
すごした時間をぜんぶぜんぶ覚えていたいだけ
「約束」

永遠に変わらないメモリーキラリ刻むよ
「また明日」

終わらない青春!アイドルの楽曲って少女達が歌うことによって平易な言葉、表現でも突然真理にたどり着くような瞬間があって、そこが凄く好きなのだ。あーこのアルバム泣けますわ、オススメ!