青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

岡村みどり『ブルースでなく、ミントティー』

ブルースでなく(Mint-Lee)(紙ジャケット仕様)

ブルースでなく(Mint-Lee)(紙ジャケット仕様)

「ブルースでなく(Mint-Lee)」は、1990年代にカセットテープでリリースされ、生前のフランク・ザッパをはじめ、ヴァン・ダイク・パークスティム・バートンジム・オルークらの手にわたり話題となった幻の音源。この度、未発表曲を追加し、17年越しでCD化された。映画音楽のような普遍性から、ストレンジなポップスまで様々なイメージを変幻自在に行き来する全29曲を収録している。

上記のようなもの凄い前日談のあるアルバムがついにCD化。音楽アルバムを評す際の最多頻出クリシェに「おもちゃ箱をひっくり返したような」というのがある。もはや使用禁止の向きもあるそのクリシェをあえて大々的に使いたい欲望に駆られる情報量とポップさ。どうしょもなくポップなのに気づけば脳内がグニャグニャになっている。平熱なのに狂気じみたとこもある。この遠近感覚、ミクロからマクロの感覚、ファニーさ、ストレンジさ、どこかで感じた事があるぞ。そう、このアルバムは高野文子の漫画のサウンドトラックのようなのであります!