青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

LIVE 土井玄臣、ザ・なつやすみバンド、黒沼英之 

4日と5日下北沢 THREEと池上BAR ruinaでライブを観た。THREEではザ・なつやすみバンド。ギターが脱退し、スティールパンが新たに加入した新生ザ・なつやすみバンドであった。ギターが抜けた分を、コーラスで埋めていて、カラフルなポップソングに変身していた。もう、このままビーチボーイズとか大滝詠一のようなサウンドのポップバンドになってしまえ。そんな形容がふさわしい程に、中川さんのソングライティング力は長けている。そして、土井玄臣のライブをついに目撃した。とても小さな声から発せられるMCで独特の雰囲気を作りあげていて、おもしろかった。嫌いな人は嫌いだろう。本人も「ライブすると嫌われる」と言っていた。「ハルカ」という曲で、散漫だった観客の集中力をグッと挙げていて、周りから「凄いな」という声があがっていた。とても強度のある曲だ。ライブで聞くと、とにかく呼吸が素敵な歌い手だと感じた。



池上BAR ruinaでは黒沼英之、土井玄臣、中川理沙(from ザ・なつやすみバンド)というスリーマン。音楽性は違えど、表現者として根幹のところが似ている気がする3人。ジャンケンで出演順を決め、1番手は黒沼英之。曲のよさと歌声と、とにかくポテンシャルの高さを見せつけた。映画『ロストパラダイス・イン・トーキョー』にインスパイアされて作ったという新曲がとてもよかった。2番手が土井玄臣サンプラーや語りなどを使った前日と違い、ギター1本で。より歌声に光の当たるライブだった。お客さんの中の1人が「シャンソンを感じた」と指摘していた。とても好きな「ハトフル」が聞くことができた。土井さんが

大阪は街全体が悲しい

個人の問題でないレベルで出口のない人の歌を歌いたい

と言っていた。あと、オアシスが嫌いで、グランジU2が原点という貴重な情報を得ることができました。トリが中川理沙(from ザ・なつやすみバンド)。バンドの時とはまた違うタイプの曲を演奏。ドビュッシーとかラヴェルとかを感じさせる曲もあって、バンドとソロでの曲の書き分けがお見事。

いつかアニメの主題歌やNHKの「みんなのうた」などを作る、そういう才能だろう。