青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

Gonzales『Solo Piano』

Solo Piano: The Deluxe Edition (Bonus Dvd) (Dlx)

Solo Piano: The Deluxe Edition (Bonus Dvd) (Dlx)

カナダ出身のジェイソン・ベックはベルリンでチリー・ゴンザレスと名乗り、派手なピンクのタキシードに身を包みヒップ・ホップ・クリエイターとして活動。この作品はその後パリに移住しFeistダフトパンクなどのプロデュースやアレンジを手掛けるようになった彼が、2003年にジェーン・バーキンのアルバム『ランデ・ヴー』に関わった際、レコーディングの休憩時間にスタジオの片隅に置かれていたアップライト・ピアノで制作したものです。

これが素晴らしい。現代のエリック・サティという言葉がしっくり当てはまるメロウなアルバム。上がり切らず、下がり切らず、鬱々とした中にひそむ美しさがある。寝る前、朝起きた際、必ずこのアルバムを再生している。何曲目が大好き!とかいうわけではないけれど、一生の付き合いになるだろうなってアルバムは何枚かあって、こちらもその仲間入りをはたしそうだ。何でも彼は超変人らしい。あぁ、なるほど確かにこれははみ出し者の音楽だ、と妙に納得してしまった。