ブライアン・シンガー『X-MEN: フューチャー&パスト』
「X-MEN」シリーズはミュータントの暗喩が直接的かつ社会的過ぎて、映画が窮屈に感じる部分がなくはない。今作も食い足りなさはやはり感じるのだけども、その無茶苦茶さにはさすがにテンションが上がってしまったし、誰も阻害されるべきではない!と素直に熱くなったのが正直な所。フューチャーとパストでの戦闘が交互に映し出されて、リンクしていく所とかは興奮したのだけども、もう少しああいうのが観られるものと思っていた。基本的にはずっとパストにいる。勿論『ファイナル ディシジョン』組より断然『ファースト・ジェネレーション』組がよいので問題ないのだけど。ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)のアクションとマグニートの野球場のくだりはもう本当に最高。脚本、面白かったけど、わりとシンプルに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ターミネーター』なので、もう普通に『ファースト・ジェネレーション』の続編が観たかったような気がしないでもない。
よく着替える。チャールズ(ジェームス・マカヴォイ)の登場時はグランジスタイル、外へ出ると革ジャンに花柄シャツ(エリック奪還時はスーツで変装)能力復活後はグレーのジャケットにネイビーの丸首ニットという着こなし。しかし、ボサボサの長髪とサングラスはそのままなのがクール。エリック(マイケル・ファスベンダー)は白い囚人服→仕立てのいいグレーのコート→黒いハットに黒いスーツとサングラス→黒いアーマーを身に付けたマグニートへ。服装でキャラクターの心情が彩られている。ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)がタイムテレポートから目覚めた際、裸である事からもこれは"着替える"映画なんだと思う。