青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

シディ・ラルビ・シェルカウイ×森山未来『テ ヅカ TeZukA』

振付家シディ・ラルビ・シェルカウイとニティン・ソーニーの音楽に世界中から選りすぐられた8人のダンサー+森山未来のダンス作品『テ ヅカ TeZukA』をオーチャードホールにて観賞。

この作品、どういう主旨の元に作られたものか、は引用↓

手塚治虫のマンガ、アニメ作品のほか、「創造主としての手」「マンガを描く動き=ダンスという認識」「文字と絵/書とマンガ」など、いくつかのキーワードをもとに映像を展開するライブのダンスと、音楽とのコラボレーション。手塚の作品をそのままダンス化するのではなく、作品から沸き起こる様々なイメージをコラージュのようにつなぎあわせ、膨大な情報量を伴っていた手塚の表現を総体として把握する。そして、善悪を描くのではなくこの世界が果てしないコミュニケーションの行き違いによって成り立つことを描き続けた手塚の世界に現代社会を読み取る、シェルカウイ独自の解釈で再構築する。

原爆が投下された日本と震災後の日本を『鉄腕アトム』で繋げ、エネルギー問題を、そして『ブラックジャック』でピノコバクテリアのコミュニケーションを語らせ自己認識を、更には仏教思想、終末思想と果てしなく転がり繋がっていくテーマ。手塚の脳内が見事な映像、舞台装置、音楽、そして役者の身体で可視化され、そのイメージをひたすら浴び続ける超絶体験だった。『MW』『寄子』『どろろ』など手塚のダークサイド作品からも次々と立ち上がる。手塚治虫というのはディスコミュニケーション、喪失、カルマ、不条理な障害や阻害、性欲、劣等感、そういった暗部に目を背けずに立ち向かう作家であり、シェルカウイはそこへのリスペクトを最高の形で示し、その思考こそ今の日本に必要なものだ、と声高に表現していた。


お目当ては勿論森山未来のダンスだったわけですが、S席の購入に躊躇して3階席にしたものだから、なかなかどれが彼か認識できなかった。とは言え、選りすぐられた世界中のダンサーの中に紛れて遜色がないという事ですよね。重力を感じさせない身体!結局これを見たくてダンスを観る。男の子なんて小さい頃から『うる星やつら』のラムちゃんに、『ドラえもん のび太の小宇宙戦争』のコーヤコーヤ星に、『ドラゴンボール』のコミックス3巻で修業を終え亀の甲羅を降ろした悟空とクリリンのジャンプに、ウットリ想いを馳せていたものですよね!重力、圧力に押しつぶされた窮屈な身体の解放を求め、ダンスを観る、観る。