松茸への異常な愛情
松茸の美味しさをまだ理解していない。国外産の安い松茸しか食べた事がないからだろうか。実際、松茸ってどんな味だったっけ?と思い出そうとしても、浮かんでこない。実際美味いのだろうか。「庶民が無理して松茸を買って大騒ぎする」というのはファミリー漫画の定番である。『あたしンち』
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松たけ山へいったんだ。もう、とりほうだいのたべほうだい。土びんむしやら、やき松たけ、松たけめしにすい物・・・とりたてだからさ、かおりも舌ざわりもなんともいえないんだ。腹いっぱいたべちゃった。きみたちもぜひいくといいよ。いや、高いからむりかな。アハハハアハハハ。
いや、数ある自慢の中でも、言葉のパンチ力やリズム、具体性が効いていて、非常にレベルが高い。涎を垂らして聞かざるを得ないし、のび太にしても
いつもながらあいつのじまん話は、じつに不ふかいでうらやましい
と、ちょっとしたレトリックまで使って不満を漏らす。そこで、ドラえもんにおねだりして、松茸の山ごと箱庭で作ってしまうわけです。まさに獲り放題、食べ放題。
このドラえもんの表情。もしかしたら松茸ってどら焼きより美味いんじゃなかろうか、と幼心にも思いました。「これ一本いくらするんだろう?」だとか「とってもとってもきりがないわ。もうくたびれちゃった」なんて言葉も飛び出します。そして、いざ口にした時のこの感じ。
舌を出してのこの表情よ。「この舌ざわり」とスネオの自慢話の語彙力をさっそく真似する所もかわいいですね。しずちゃんが松茸を持って「この香り」って言ってるコマもあるのですが、児童ポルノの疑いがあるので自粛します。とにかく、『ドラえもん』の刷り込みの為、他のどの作品が美味しくないと言っても、いざ食べて美味しいと思えなくても、「松茸への憧れ」は揺るがないのであります。