青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ザ・なつやすみバンドというバンドのこと

最近、ザ・なつやすみバンドというバンドを愛聴している。

毎日がなつやすみならばいいのに

というコンセプトで結成された4人組のバンドだ。メンバーは現役大学生も含まれている。昆虫キッズの対バンのリストで目にし、何となしにYouTubeで検索して出会った「なつやすみ(終)」という曲で恋に落ちてしまった。

物憂げな犬と 歌わない鳥たち 
からっぽな私と みんな似ているのです

という歌詞が刺さった。「毎日がなつやすみならばいいのに」というコンセプトは、なつやすみは終わるという刹那からスタートしているはずで、夏休みの狂騒感よりも、終わってしまうことへの寂しさを表現した言葉が耳につく。「せかいの車窓から」という明るい曲調のナンバーも、列車に乗り過ぎゆく甘美なるモラトリアムへの鎮魂歌のように響く。

あと少しだけ我慢して君を忘れよう
落ち着いて無機質な夢を見れるかな?

ボーカルとソングライティングには確かなものがあると思う。演奏は上手いわけではないけど、この4人でやる必然性のようなものが感じられる。膜をはるようなギターの音がとても気にいっている。下を向いて演奏するその様はまさにシューゲイズだ。「波」という曲のラストの演奏にいつも痺れてしまう。

たまにはセカイを無視して 思いっきり眠りこけよう

新曲もどんどん聞きたいので、ライブに足繁く通ってみようと思う。モラトリアムの鎮魂歌に加えて、夏の快楽性みたいのを表現した楽曲も増えていったら楽しそう。ライブ会場では5曲入り300円のCD-Rが発売されています。