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ウィル・グラッグ『ステイ・フレンズ』

ウィル・グラッグ『ステイ・フレンズ

これはおもしろかったなぁ。『魔法にかけられて』『エクスペンダブルズ』『キック・アス』の系譜にあるジャンル批評物としての優れたメタ構造を持ちながらも、それが蛇足でしかなくなるようなウェルメイドなラブコメディー映画。あくまでスマートにスピーディーに伏線を回収していく脚本の手さばきが素晴らしい。


ダンスシーンと言えば『(500日)のサマー』や『モテキ』が思い出される、ジョゼフ・ゴードン・レヴィッドと森山未来の肉体の運動が美しすぎる事を差し引いてしまえば、今作の素晴らしいモブフラッシュダンスやアーヴィン・チェンの『台北の朝、僕は恋をする』での街そのもののダンスのほうが、演出としてはグッと優れているように思う。

つまり『ステイ・フレンズ』は街の映画としても機能しているわけで。映り込んでくる街の姿は最高だ。ウィル・グラッグはウディ・アレンを更新していく才能ではないだろうか。



邦画が洋画に劣っているなんて微塵も感じた事はないが、ことラブコメというジャンルにおいてはアメリカ映画には一生勝てないのではないか、という気持ちになる。ジャスティン・ティンバレイクがコンデナスト・パブリケーションズでバリバリ働いてamazonからもヘッドハンティングだ!なんてやってると思えば、日本のラブコメは「裏テーマは働けだ!」とか言って盛り上がってるんだぜぇ。ポップミュージックの脚本への取り入れ方も断然スマートだ。セックスフレンド持ちと童貞、当然童貞の肩を持ちたい僕が泣かされたのは『モテキ』でなく『ステイ・フレンズ』だった。